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大竹保行さん・"Working Quads"ゲスト
Mr. Yasuyuki Ohtake
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 私はこうして抗生物質をやめました

  大竹 保行
大竹保行さん

《私はこうして抗生物質をやめました。》


 私は家族導尿→尿道留置カテーテル→膀胱ロウと『おしっこの王道』を歩んでき
ました。(タッピングを経験していれば神道?)


 私が受傷した1985年頃の中国労災病院では、尿管理といえば自己導尿(家族
導尿)以外は全く考えられず、感染予防にも、膀胱の為にも最も良い方法だと教え
られました。一日に5〜6回はするように勧められたのですが、家庭の事情もあり、
交渉の末?一日3回の導尿で、あとは自然にあふれ出るのをシビンで受ける方法
で手打ちとなりました。このあふれ出る前に膀胱圧が高くなる事が腎臓に悪影響を
与えるというのはずっと後に知りました。


 受傷から5年ぐらい経った頃から再々膀胱炎を起こすようになったので、医者の
勧めにより抗生物質(バクシダール)を予防的に飲み始めました。この選択が後で
私を苦しめる事となったのです。
《抗生物質は長期的に飲む薬でありません!》

 それらか5年ぐらいは良かったのですが、その後、微熱が出たりしてスッキリしな
い日々が続き、ついには膀胱炎で入院する事になりました。バクシダールが効か
なくなったのです。それからは薬を色々変えてみたもの、長続きせず、体調も安定
しません。

 薬を飲まないと、尿が白濁して、体がだるくなり、目はうつろ、食欲なし。血圧も
上が90を下回る事が再々ありました。また、膀胱の緊張が強くなって自然排尿が
出来ず、膀胱に尿が溜まり過ぎて発汗したりと、とても耐えられません。

 専門医や薬剤師に相談したところ、「気にするな、気にし過ぎるのが一番悪
い。」、「いまさら抗生物質を止めるのは非常〜に難しい。」、「無理に止めて腎臓
を悪くするより薬と仲良くつき合う方法を考えなさい。」と言うものでした。

 こんな時に限ってNHK特集で放送された『耐性菌の恐怖』など観たりして、益々
私を不安にします。


 そんな頃、浜松で行われた第2回『はがき通信』懇親会に出席し、悩みをうち明
けたところ、松井先生や向坊さんをはじめ多くの人からアドバイスを頂きました。
内容は、尿道留置カテーテルに変えて、水分を多く摂り、細菌が繁殖する前に尿
(4000cc〜5000cc)で洗い流す事、電動車椅子で活発に外出し、震動を与
え、膀胱の中を拡はんするというものでした。この方法だと2週間位は抗生物質を
飲まなくても大丈夫ですが、「体調が悪くなったら薬を飲む」の繰り返しで安定しま
せん。それでも家族導尿のときに比べるとずっと良くて、「これで行くか!」腹をく
くっていたのですが、、、


 ある日、近くの診療所の看護婦さんにカテーテル交換をしてもらった時、大量出
血をして総合病院にかつぎ込まれ、入院。院長先生(外科)の「そりゃぁ、膀胱
ロウにすべきじゃ、情報を集めるけんワシにやらしてくれぇ」と、当病院初の膀胱
ロウ手術となりました。手術後5ケ月過ぎた今、傷口の状態も良く順調にいってい
ます。 尿量は3000cc〜4000ccと少し多めかもしれませんが、抗生物質を飲
まなくて済んでいるのが最大の喜びです。


大竹保行さん

《結論》

 自己導尿(家族導尿)は最も自然に近い排尿方法で、滅菌や殺菌をしっかりし
て、導尿は一日に5〜6回は行い、水分補給も時間と量を決めて飲めばベストだ
と思いますが、中途半端にすると効果はありません。また、家族への負担が大き
く、本人の行動も制限されます。後記の問題は、尿道留置カテーテルや膀胱ロウ
で解決してくれますが、膀胱ロウのように、いざ手術となればなかなか踏み込めま
せんよね。昔、評判の悪かった尿道留置カテーテルを試してみるのもいいかも?


気軽に外出できる喜んびを味わえますよ。
 我々、頚椎損傷者は特異らしく?優良なお医者さんでも解らない事が多いよう
です。そんな時は同じ頸損仲間に聞くのが一番で、普段から交流を深めておく事
も重要ではないでしょうか。


1998年6月


《 大竹 保行 》  ohtake@enjoy.ne.jp
〒739-2114 東広島市高屋町白市384番地
< TEL 0824-20-4012 FAX 34-4749 >


(1998/6/24、電子メール)

(1998/6/26)





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