《ひとつの出会いから》
《ひとつの出会いから》
私は1984年に受傷し、1年半の入院生活の後自宅療養を始めましたが、みじめ
なとかはずかしいという気持ちがあって、ほとんど外出せず他人との交流もないまま
に10年が過ぎていました。当然ながら体調のほうも微熱がでたりひっこんだりと
スッキリせず、何もやる気のしない悶々とした生活を過ごしてしていたのです。
ところが2年前に膀胱炎で入院した病院で訪問看護のことを知り、利用し始めてか
らは事態は一変したのです。色々な 人達が出入りをするようになり会合・イベント
・教室など誘われ、断る術を知らない私はつぎからつぎへと顔を出すようになったの
です。また、『はがき通信』という頸髄損傷の情報誌を知り、重い障害を持ちながら
健常者と同じレベルの生活を模索し、実践している人達の記事を読んで、「これでい
いのか?自分ももっと頑張らねば!」という気持ちになったのも大きな変化でした。
ちんコントロールの電動車椅子に乗って一人で散歩していると「おいちゃん、元気
になって良かったねぇ。」と声をかけてくれます。普段は誰もいない所に行ってカラ
オケの練習をしたり、公民館に囲碁を打ちに行ったりと、遊ぶことばかり考えている
私ですが、今は考慮期間!そのうち何かをしなければ???でも、遊んでいるほう
が気楽で楽しいしなぁ〜。
最後に、我々のように全介護を受けている者は申し訳ないという気持ちが強くあり
「世話をしてもらえるだけでも大変なのに、自分からどこかに連れて行くってくれ」
なんて言いにくいものです。こんな思いでベッドに寝ている頸損者がいる事を知って
頂ければ幸いです。
1998年 8月
大竹 保行 〒739-2114 東広島市高屋町白市384番地
Tel : 0824-20-4012 Fax : 0824-34-4749
E-mail : ohtake@enjoy.ne.jp
(1998/9/4、電子メール)
(1998/9/30)