WORKING QUADS

井手將文さん・"Working Quads"編集者
Mr. Masafumi Ide of "WORKING QUADS" editor
徳島大学大学院エコシステム工学専攻科助教授
ide@eco.tokushima-u.ac.jp


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在宅勤務マニュアルについて


井手です。
日本障害者雇用促進協会の、在宅勤務障害者雇用管理マニュアルが発行さ
れましたが、それについての感想を述べてみたいと思います。





在宅勤務という就労形態は、

(1)通勤の負担(運転手の確保、公共交通機関の利用等)を軽減し,

(2)必要なときに家族やヘルパーに身のまわりの介助を受けながら仕事がで
  きる,

(3)自分の生活パターンや体調などに合わせて仕事時間が調整できる、


等の利点を持ち、重度四肢麻痺者にとって期待される就労形態ではありま
すが、その反面、


(1)仕事を行うための学習・訓練をどうやって行うか、

(2)作業内容について、客先担当者や社内他部門とのコミュニケーションを
  どのようにとるか

(3)その方の身体能力や体調にあった、仕事の質及び量の確保、


等についての問題を乗り越えねばなりません。


今回発行の障害者雇用マニュアルは、これらの利点・問題点についてはま
だ十分に述べられているとはいえませんが、障害者の在宅勤務をガイドブ
ックの形で明確に示したことはとても意義深いことだと考えられます。
とはいえ、自動車運転免許を取得できない障害程度の重度障害者の在宅勤
務例は、まだ、わずかの事例しかないと言わざるを得ません。

個人的には、重度障害者の在宅勤務という就労形態は、いわゆる「復職」
がその突破口となるものと考えています。「復職」では、前述の問題点の
うち、仕事の学習や、社内でのコミュニケーション等に関しては、復職で
あれば既に問題がクリアされていることが多いでしょう。たまたま事故等
により重度障害者になった職場の仲間が復職できないような会社に、同程
度の障害者が新規採用されるとは思えません。

その意味では、一歩踏み込んで「障害者のための復職マニュアル」のよう
なものが発行され、その中の選択肢のひとつとして在宅勤務が紹介される
ような冊子があってもいいのではないかと思います。


以上


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〒770 徳島市南常三島町2丁目1番地
    徳島大学大学院 工学研究科
    エコシステム工学専攻
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Fax: 0886-56-2168
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