WORKING QUADS

WORKING QUADS PRESENTATION 2000
Japanese paper
/ (The intellectual productive activities by Quads)

New Personal Computer, Windows 98 machine has come. SOTEC PC STATION M360
Windows 98


Kazuo Seike ,president, "WORKING QUADS"
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IT革命の進展に伴なって

ベッド上の四肢まひ者とインターネットを利用した知的生産活動

清家 一雄

重度四肢まひ者の就労問題研究会・代表(1989年〜) "WORKING QUADS" HomePage制作提供(1996年〜)



清家一雄です。 介助が必要な四肢まひ者の立場から、 ベッド上でのインターネットを利用した知的生産活動について、 述べさせていただきます。



四肢まひ者とは 時代の変化 考える力−IT革命とベッド上の四肢まひ者の知的生産活動 "WORKING QUADS" HomePage

1.四肢まひ者とは

頸髄損傷者を代表例とする、四肢まひ者は、歩くことはできません。 車いすで、仕事をしている人たちがいます。 車いすに、安全に、快適に、座っていることも難かしいレベルの人たちもいます。 褥創で、座りたくても座れない人もいます。 ベッドの上でさえ、一人では安全ではありません。 笑い話ではなく、痙攣でベッドから落ちることもあります。

C6以上の頸髄損傷者は、ベッドと車いす間の移乗が、自力では、不可能です。 介助者がいなければ、ベッドから出ることはできません。 C4頚髄損傷者の人たちは、風邪で痰が詰まっても、ティッシュペーパーを使えません。 C3頚髄損傷者以上の人たちは、ベッド上でも呼吸管理の問題があります。

それでも、仕事をしている。 ネットワークの中で、知的生産活動をしています。 やはり、人には、誰にでも、 報酬には結びつかないかもしれないけれど、 仕事をしたい、世の中で何かをつくりたい、 他人に何かを提供したい、 他人との共同作業の中で、 自分を鍛えてみたい、 成長したい、 自分を成長させたい、 後輩を成長させてやりたい、 という気持ちがあるのかもしれません。 "WORKING QUADS" HomePageは そういう人たち(四肢まひ者たち)をサポート(支援)しています。



2.時代の変化

介助が必要な障害者が社会にある程度の数、存在するようになったのは最近のことです。 技術の進歩、とくに医学、医療技術と国民健康保険制度が、重度の障害者の延命を可能にしてきました。 外傷性の頚髄損傷者、脳外傷障害者、両上肢あるいは四肢切断者など。 脳卒中による片麻痺者、ポリオ後遺症、ALS、MLS、筋ジストロフィー、脳性まひ者なとです。 日常生活動作能力に支障があり、介助を受けながらの生活です。 人工呼吸器などの生命維持装置をつけたまま在宅で生活する人たちも現れ始めました。

生き延びてしまった重度障害者。 健康で献身的な家族がいる場合は、その家族が、 自宅退院とその後の介助提供を引き受けました。 そうでない場合は、介助が必要な障害者は、 社会的入院を続けるか、療護施設、特別養護老人ホームなどの 施設で生活するしかありませんでした。 その「生活の質」(Quality of Life)は、高いとは言えませんでした。

20世紀後半、時代は変わってきました。

リハビリテーション医学、その他の医療技術の進歩。 環境制御装置、電動車いす、電動リフター、電動ギャジベッド、 スピーカーホン、コミュニケーションエイド、 利用可能なコンピューターなどの物を中心とした生活支援技術。 電動車いすのまま運転ができる乗用車の輸入自由化。 テレワークの社会への浸透など。 ゴールドプラン・障害者プラン・公的介護保険による公的ホームヘルパー制度の整備。 ホームヘルパー制度、訪問看護サービスなどの社会的な技術。 年金制度などの法律制度。それらを統合した社会保障制度。 これらの社会技術の進歩が、介助が必要な障害者の「生活の質」を高め、 その自己決定能力を高め、その自己決定権保障してきました。

四肢まひを持つ人々の知的生産活動の環境が少しずつ整えられてきています。



1950年代、デンマークで、「ノーマライゼーション」の思想が誕生。
1963年、日本で家庭奉仕員の制度開始。
1972年、アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレーに自立生活センター・バークレーが、エド・ロバーツらにより設立。
1978年、日本で、補装具交付券による電動車いすの支給制度。
国連障害者年(国連・障害者の十年)
1980年代、日米における、一般市民が購入可能価格でのワープロ、パソコンの販売開始。
1981年、ミスタードーナツ障害者リーダー米国留学研修派遣事業開始。
1983年、日本で、家庭奉仕員、有料制度開始。 
1985年11月〜1986年9月、清家一雄、米国留学。アテンダント・サービス・プログラムのリサーチ。
1986年、日本で、国民年金障害基礎年金・特別障害者手当の創設。
1989年 日本で、「ゴールドプラン(高齢者保健福祉推進10か年戦略)」の策定。
1989年、『 WORKING QUADS 』発行開始 by 重度四肢まひ者の就労問題研究会。
1990年、アメリカで「障害を持つアメリカ人法」成立。
1994年 日本で、「新ゴールドプラン(高齢者保健福祉推進10か年戦略の見直し)」の策定
1995年11月、日米で、Windows 95 による、インターネットに接続可能なパソコンの登場と低価格化。
1995年12月、日本で、来年度からの七年計画として「障害者プラン(ノーマライゼーション七カ年戦略)」の策定。
1996年11月、"WORKING QUADS" HomePage制作提供開始。
2000年04月、日本で、介護保険施行。



時代は、変わってきている、と感じました。

これからは、インターネット接続のための電話料金と プロバイダ料金の更なる低価格化により、 常時、インターネット接続パソコンを電源オンにしておき、 四肢まひ者でも、常に、家、施設、病院から、 社会とつながっているような、 そんな時代になるといいな、と思いました。

そのためには、インターネット接続のための電話料金の低価格化がカギだと思います。



3.考える力
−IT革命とベッド上の四肢まひ者の知的生産活動

四肢まひ者には、まだ「考える力」が残されています。

寝たきりで呼吸器をつけていて、しゃべることもできない四肢まひ者が、 頬にセンサーを付けて、笑う筋肉でパソコンの操作ができ、 自分の意思表示ができるようになっています。

二文字一円のワープロ入力をやっている人。 自分の部屋で英語を教えはじめた人。 テレビのモニターに応募して一年間契約で月15万円稼いでいる人。 経済的に恵まれていて、ビル、マンションを経営している人。 何も言わないが、出来る範囲でちゃんと仕事をして生きている人がいる、 ということを、世の中に知ってもらいたいと思います。



ベッドの上に寝ている介助が必要な四肢まひ者が、 インターネット/メールをするためには、 パソコン、電源、電話線の3つが必要です。 iモード携帯電話はこれをすべてそろえてます。 しかし、ディスプレーと入力装置が、四肢まひ者には使いにくいです。

ベッド上の四肢まひ者、ベッドまで、これらを持ってこなければなりません。

インターネット接続可能なパソコンが社会を変えています。 自宅、アパート、病院、施設にいる障害者も、 文字、画像(映像)、音(声)情報に自由にアクセスでき、 発信できるようになります、なっています。 市内の友人、海外の友だちとも無料に近い料金で 自由にコミュニケーションできます。

ベッド上の四肢まひ者も。理論上は、世界と直結している時代になってきました。

仕事をする上では、先進工業国の人々、発展途上国の人々も、 情報アクセスの環境、条件は大きく変わってきました。 コミュニケーションの環境も変わってきました。 ツールと通信費は安くなってきましたし、これからも安くなるでしょう。

知的生産活動の過程では、 情報そのもの、オリジナリティのある情報サービスに価値が求められます。

この場合、受傷して動転している障害者本人、その家族の 低下している、自己決定能力の回復、成長が重要となります。

日本の四肢まひ者も、 自分の知的生産活動能力の水準が、 世界レベルにあるかどうか、 広い視野が必要となてきます。

世界的レベルで鍛えあう仲間が必要になってきます。

先に行っている、広い視野を身につけた先人のアドバイスが必要になります。

日本の四肢まひ者も、 自分を教育し成長させること、 常に、実際に仕事をしていることの必要性が 求められる時代になろうとしています。 自分自身の知的生産活動能力の修正、再獲得が必要になってくる、と考えます。

ベッド上の四肢まひ者も、 残された「考える力」を最大限に発揮するために、 彼や彼女の パソコン、モバイル、iモード携帯電話などを、 つないで、試して、遊んで、楽しんで、学んで、仕事して、提供して、発展させていく、 環境が整備され、 就労の機会が提供される必要があると思います。



4."WORKING QUADS" HomePage

"WORKING QUADS" HomePageは そういう人たち (四肢まひ者たち)を サポート(支援)していきたいと思います。

以上のような趣旨で、 1996年11月、インターネット上に "WORKING QUADS" (HomePage)を開設、 制作提供しています。

重度四肢まひ者のネットワーク活動は、 直接会って、会話するのがやはり一番ですが、 郵便、FAX、電話、電子メールなどによっても可能です。 一番コストが安いのは、やはり、 インターネットと電子メールだと思います。

2000年08月03日、"WORKING QUADS" HomePageの アクセスカウンターは、78,026です。



"WORKING QUADS" HomePageは、 介助を必要とする重度四肢まひ者の ハイテクを活用した知的生産活動を 支援することを目的としています。

重度四肢まひ者の就労問題研究会、 『WORKING QUADS』編集部は、 インターネット上におけるデータベースにより、 役立つ情報を発信しています。

"WORKING QUADS" (HomePage)は、 四肢まひ者の 「知的生産活動(就労)」、 「介助(自立生活)」、 「健康(褥創対策、排泄管理)」 を重要なテーマとしています。

2000年の"WORKING QUADS" HomePageのテーマは、 「四肢まひ者でもしぶとく仕事をしよう」 です。

サブテーマは、

1.パソコンと電動車いすを活用したデスクワーク   (四肢まひ者のデスクワークと褥創対策による座位時間の確保)

2.ノートパソコンを活用したベッドワーク   (四肢まひ者のベッド上での知的生産活動)

3.四肢まひ者の知的生産活動の基盤としての自立生活の確保   (公的ヘルパー制度の利用者・当事者による管理) です。



こういう趣旨で活動している"WORKING QUADS" (HomePage)に プロップステーションから、共感していただき、 今回のフォーラムに呼んでいただいたのだ、 と思います

ありがとうございました。

今回のフォーラムは、アメリカからの参加者も多く、 ベッドや、電動車いすの上で活動している四肢まひ者が、 世界的な広い視野を持って、知的生産活動プロセスに 参加するための情報基盤形成に非常に有益だ、と思います。

東京のフォーラムで、また皆様とお会いできれば幸いです。

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Kazuo Seike
president, "WORKING QUADS"
"Working Quads" Editoriak Office
"WORKING QUADS" HomePage produce
Fukuoka-shi, 810 Japan
Tel +81-92-735-
Fax +81-92-735-
kazuo_seike@msn.com
seike@ma4.justnet.ne.jp
http://www4.justnet.ne.jp/~seike/
August 30d, 2000
(by Seike)