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    WORKING QUADS News Letter on March 5, 2000
    WQNL 褥創の件:
    太陽の家の「ウォーターマット」 by 伊方博義

    (The intellectual productive activities by Quads)



    伊方博義さん・社会福祉法人 太陽の家 別府事業本部長
    1997年12月、総合せき損センター





    Kazuo Seike
    president, "WORKING QUADS"
    "Working Quads" Editoriak Office
    "WORKING QUADS" HomePage produce
    Fukuoka-shi, 810 Japan
    Tel +81-92-735-
    Fax +81-92-735-
    kazuo_seike@msn.com
    seike@ma4.justnet.ne.jp
    http://www4.justnet.ne.jp/~seike/

    WQNL 褥創の件:太陽の家の「ウォーターマット」 by 伊方博義

    "WORKING QUADS" News Letter on March 5, 2000

    清家一雄@WORKING QUADSです。

    太陽の家・別府事業本部長の伊方博義さんより
    褥創の件:太陽の家の「ウォーターマット」 by 伊方博義
    というメールをいただきました。

    経験豊富な専門家からの体験談です。

    車いす利用の四肢まひ者が仕事をする上で、
    褥創はやはり大きな問題です。

    四肢まひ者にとって、役に立つ内容だと思います。

    読んでいただければ幸いです。

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    褥創の件:太陽の家の「ウォーターマット」

    2000年3月3日 22:36

    伊方博義

    社会福祉法人 太陽の家 別府事業本部長


    伊方博義さん・社会福祉法人 太陽の家 別府事業本部長
    1997年12月、総合せき損センター

    伊方です。

    太陽の家では20年ほど前に「ウォーターマット」を製作販売し
    たことがありました。これは、米国の文献からの引用が発端で
    した。

    血管の毛細血管など末端部においての血圧は300ミリ水柱程
    度である。従って、それ以上の圧力で圧迫すると、血流が阻止
    され、長時間(2時間程度=この数字は、中村裕博士らの研究)
    続くとやがて組織が壊死してくる。
    このため、圧迫が連続発生しても、圧力を300ミリ水柱以下に
    することができれば、褥創は発生しない。

    この考え方に基づいて、開発したのが「ウォーターマット」でした。
    このマットは、密閉式でなく、解放部を設け常に300ミリ水柱以
    下に圧力を維持できる構造にしたものでした。
    ベッド全体をウォーターマットにしたものが、ウォーターベッドです
    が、このベッドは、密閉式のため圧力を常に300ミリ水柱以下に
    コントロールする事が困難です。しかも、褥創の発生箇所は、身
    体の限られた部位に発生することから、全身をウォーターベッドの
    上に置く必要がありません。また、全身をカバーするウォーターベ
    ッドは体位が不安定になる傾向があります。

    このため、褥創の発生部位の位置にだけ、(臀部、踵部、肩胛骨
    部などできやすい箇所)ウォーターマットを使用する方式を採用し
    たのです。もちろん車椅子の座マットとしても可能でした。
    ランニングテストの結果も良好でしたので、太陽の家として販売を
    開始したのですが、コストダウンのため採用したマットの製法が仇
    となり、水漏れという決定的な欠陥を招き、販売を中止しました。

    その時の意外な結果として、次のようなことがありました。
    水マットは冬期冷たいだろうと、温水を注入したところ、冷水の方が
    予防効果が高いという結果が生じました。
    これは、冷たいという刺激が、身体の防御反応で体を暖めようとい
    う働きが生じ血流を増加させ、それが結果的には組織の活性化を
    促進し、褥創予防につながるのだろうと我々は推測しました。

    いいものでしたが、商売にはなりませんでした。1000個ほど販売
    しましたが、残念ながら取りやめました。
    その残りが相当数あります。多分材質変化のため使い物にならな
    いと思いますが、興味のおありの方には無料にて提供可能です。

    広瀬さんがいわれていましたが、褥創のできた状態を把握すること
    ができれば、褥創予防が半分以上解決したと同じだと思います。
    それが分かれば、その状態での圧迫圧力を300ミリ水柱以下にコ
    ントロールすればいいということになります。

    いらぬことと思いながら、つい出しゃばってしまいました。

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    IKATA HIROYOSHI
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    ご意見、ご感想、ご助言をお聞かせいただければ幸いです。

    2000年3月5日、福岡にて


    on March 5, 2000

    (by Seike)


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    清家一雄、代表者、重度四肢まひ者の就労問題研究会
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