<小さな一歩から>
95年晩秋、清家さんからの突然の電話で、博多での『ワーキン
グ・クォーズ』編集者・執筆者合同会の誘いを受ける。少し躊躇は
したがきっと良い経験になると考え、一人で出かけて行くことに決
めた。しかし、内心では不安な気持ちは小さくなかった。
それ以前外出するさいには殆ど介助者と一緒に行動していた。時
折、気分転換を兼ねて自宅近辺を一人で散歩する程度だったので、
いきなり県外へまして単独での遠出は、その頃の自分にとって結構
思いきった体験だった。
新鮮な緊張感を伴って、倉敷から在来線で岡山駅まで行き、新幹
線「のぞみ」で博多へ、いらぬ心配をよそに順調に無事到着。駅員
さんの誘導で待合い場所まで出ると、電動車椅子に乗った『ワーキ
ングクォーズ』誌面でお馴染みの執筆者の方々が揃って待ち受けて
いた。
その様子に少し圧倒されながら、この場へ自分も一緒に参加出来
たことに感動して、妙に嬉しさが胸一杯に込み上げてきた。
それまで頭にあった諸々の不安が、すっと萎んでいくように感じ
た。
一同で駅近くのビルへ移動し、皆さんが親しい雰囲気の中で和や
かに合同会が始まった。各々の紹介からパソコンに至る話題等、賑
やかに昼食をとりながら情報交換を交わし、とても有意義な一時を
分かち合った。
seike@ma4.justnet.ne.jp
QZE07711@niftyserve.or.jp
YS2K-SIK@asahi-net.or.jp