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古小路浩典さん・"Working Quads"執筆者

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「小さな一歩から」
古小路 浩典
BXE07245@niftyserve.or.jp
古小路浩典さん

<小さな一歩から>

 95年晩秋、清家さんからの突然の電話で、博多での『ワーキン
グ・クォーズ』編集者・執筆者合同会の誘いを受ける。少し躊躇は
したがきっと良い経験になると考え、一人で出かけて行くことに決
めた。しかし、内心では不安な気持ちは小さくなかった。

 それ以前外出するさいには殆ど介助者と一緒に行動していた。時
折、気分転換を兼ねて自宅近辺を一人で散歩する程度だったので、
いきなり県外へまして単独での遠出は、その頃の自分にとって結構
思いきった体験だった。

 新鮮な緊張感を伴って、倉敷から在来線で岡山駅まで行き、新幹
線「のぞみ」で博多へ、いらぬ心配をよそに順調に無事到着。駅員
さんの誘導で待合い場所まで出ると、電動車椅子に乗った『ワーキ
ングクォーズ』誌面でお馴染みの執筆者の方々が揃って待ち受けて
いた。

 その様子に少し圧倒されながら、この場へ自分も一緒に参加出来
たことに感動して、妙に嬉しさが胸一杯に込み上げてきた。

 それまで頭にあった諸々の不安が、すっと萎んでいくように感じ
た。

 一同で駅近くのビルへ移動し、皆さんが親しい雰囲気の中で和や
かに合同会が始まった。各々の紹介からパソコンに至る話題等、賑
やかに昼食をとりながら情報交換を交わし、とても有意義な一時を
分かち合った。



 僕は終始愉快な気分で、初めて会う先輩執筆者の方たちとの交流
を深めることが出来た。その後、帰路に向かう方たちと別れ、残り
数名で駅ビル地下のカクテルバーに移って、暫しの二次会を取り止
めもない会話を肴に楽しんだ。

 秋の夜はこれからという頃、今日一日の宴はお開きとなり名残を
惜しんで別れ、上りの新幹線に乗りこんだ。車窓からの景色を感慨
深く眺めながら帰路に向かった。

 岡山駅から乗リ返え在来線で倉敷駅へ、そこから電話連絡し父親
の迎えの車で無事帰宅。慌ただしく過ぎた少し贅沢な気分の日帰り
の旅は、これといったアクシデントもなく終わり、素晴しい人たち
との出会いに充実した一日だった。

 初めてのこの単独での外出が、僕にとっては良き一つの自信につ
ながった。

 そして、積極的な好奇心と行動力からとても貴重な経験が生まれ、
その経験をより多く重ねることで、様々な自己実現を可能にさせる
のだと実感した。


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    清家一雄、代表者、重度四肢まひ者の就労問題研究会