![]() 15号住居跡には壮年(20〜40才)の女性が、「屈葬」とよばれる手足を折り曲げた姿で、貝殻の中に葬られていました。突き出た眉、ぱっちり開いた目、広い鼻、強い下顎など、南方系の彫りの深さと生活で鍛えられた逞しさを合わせ持つ縄文人らしい顔です。前歯が極端に磨り減っているのは、道具として酷使したためです。かかとの関節には、いつもしゃがんでいた痕跡が残されていました。身長は148cm前後と小柄ですが、当時としては平均的な背の高さでした。
水子貝塚の人々は、カラムシなどの草の繊維を糸に撚って編んだ布を、骨製の針で縫いあわせた服を着ていたと思われます。服は残っていませんでしたが、祭の時などに身に付けた装飾品は多く発見されました。
猪牙加工品 猪の牙を磨いたものです。腕輪の一部ともいわれますが、用途は不明です。
管 玉 首飾りなどに使います。これも滑石製です。
鮫歯製垂飾 半分に割れていますが、ハート形の鮫の歯に2ヶ所の穴を開けて紐を通します。当時の鮫ではなく数百万年前の化石を利用した珍しい例です。
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