NIFTYでの神の手事件関連発言

はじめに

前・中期旧石器遺跡捏造の発覚を受け、電子ネットワーク上で膨大な意見交換が交わされてきました。インターネット上の掲示板で交わされた議論は万人に開かれていますが、会員限定のネットワークでの議論は、日本最大の Nifty でもわずか400万人にしか読むことができません。しかし、Nifty 歴史フォーラムで交わされた発言は、この問題に関する社会の反応を知る上で貴重なものが多く含まれています。関連発言まるごとの転載は著作権を侵すこととなりますので、自分の発言を転載しその背景を説明することで、議論の様子を窺っていただければと考えました。私の発言は、Nifty 内で交わされた関連発言のごく一部に過ぎません。このページを読んで関心を持たれた方は、体験版CDなど、なんらかの形で Nifty への接続権を入手し、関連発言すべてをダウンされることをお勧めします。転載するのは、歴史フォーラム本館(FREKISHI)での発言であり、投稿日の前に(14)とあるのが14番会議室(縄文の部屋)、(15)とあるのが15番会議室(考古学の部屋)での発言です。なお、他の発言者の名前(ハンドル名)はイニシャルに置き換えました

発覚以前

01601/01601 HFC03726 早傘 情報:発掘情報最前線

(14) 00/02/21 22:00

こんなんやるそうです

ふじみ歴史教室「発掘情報最前線」-発掘から明らかにされた先史時代の新事実-

第1回 2月27日(日) 14:00-15:30
「埼玉の原人を求めて -秩父市長尾根遺跡の調査成果- 」
 栗島義明氏(埼玉県埋蔵文化財調査事業団)

第2回 3月5日(日) 14:00-15:30
「縄文時代の起源を探る -青森県大平山元I遺跡の調査成果-」
 谷口康浩氏(国学院大学)

会場 富士見市立考古館(水子貝塚公園内) 学習室
    *東武東上線志木駅下車バス10分またはみずほ台駅下車徒歩15分

定員 各回50名 (もうかなり埋まっているようです。早い者勝ち)

申込み・問い合せ 富士見市立考古館 0492-55-5587

[2000年2月、小鹿坂遺跡のマスコミ報道を受け、50万年前とする根拠は? という趣旨の投稿が有り]

01603/01603 HFC03726 早傘 RE:50万年前のことは

(14) 00/02/23 06:42 01602へのコメント
おはようございます Hさん
小鹿坂遺跡の年代の根拠は「地層だけ」と思います
石器そのものについての理化学的年代測定はしてないでしょう
(非破壊で適当な方法があればよいが)

;私も科学者ですが(ただし他分野)、今回の報道を信じるべきか
;否かまだ迷っています。どなたか どうぞよろしくご教示下さい。

まこと奇跡のような発見ですわね。
アナタハ神ヲ信ジマスカ? てな感じかも

01655/01655 HFC03726 早傘 講演会「最古の日本人を求めて」

(14) 00/03/08 23:52 01601へのコメント

こんなんもやるそうです(情報源は埼玉新聞ほか)

講演会「最古の日本人を求めて」
講演(1)“最古の日本列島人を掘る”藤村新一(東北旧石器文化研究所副所長)
講演(2)“アジアの化石人類と日本人の起源”馬場悠男(国立科学博物館人類研究部長)

日時 3月19日(日) 午後1時〜4時20分
場所 埼玉県民活動総合センター(北足立郡伊奈町所在) *託児サービス有り
受付 同センター生涯学習課 (048-728-7111)
受講料 5百円(事前に持参または振込)
対象 18歳以上
定員 300人(400人程度までは大丈夫だという)  *3/8夕方の時点で残席あり
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ということです。企画は昨年の夏、募集開始は12月で、応募者数は
ゆるやかな伸びだったのが小鹿坂報道以来、応募が急増しているそうです。
「講師は小鹿坂遺跡の発表前から予定していた。全国規模の貴重な発見と
講演会のタイミングがたまたま重なり大変ラッキーだった」(同生涯学習課)
と、しばらく前に富士見市立考古館の職員から聞いたとそっくり同じことを
言っているようです。
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そうそう、富士見歴史教室の方ですが、栗島さんからは、本邦初公開の
小鹿坂遺跡のスライドを見せていただき、受講者一同「現説よりもよくわかった」
谷口さんからは、大平山元遺跡の年代の持つ意味について、縄紋土器編年学史から
諄々と説いていただきました。
お二人とも大変忙しく、期待していた夜の部が無かったのは残念でした。

02165/02166 HFC03726 早傘 藤村さん情報

(14) 00/10/15 23:21
みなさん今晩は。旧石器時代ネタですが、"ゴッド・ハンド" 藤村新一さんのインタビュー記事が、月刊「現代」の最新号(11月号)に掲載されています。

題して『私には50万年前の地形が見える』

なお、御本人は「ゴッド・ハンド」と呼ばれるのは好きではないそうです。
そりゃそうですね。

[上の発言にS氏から「前期旧石器発見物語は現代のおとぎ話か」という論考があるのをご存知か? というレスを受け]

02168/02169 HFC03726 早傘 RE:藤村さん情報

(14) 00/10/16 22:09 02167へのコメント
こんばんはSさん
そのサイトは愛読しております
僕の周りでは、縄文研究者に、疑念派が多く、旧石器研究者に積極肯定派が多いようです。
僕の気持ちは、5分5分で、色々なメディアでの取上げられ方を、関心を持って観察しているところです

[Sさんの発言に対し "彼を疑う人は旧石器の存在を否定する輩" "否定的な噂を流す人物は犯罪的" とのレスが付き、それに対するレス]

02190/02190 HFC03726 早傘 RE:藤村さん情報

(14) 00/10/23 23:42 02183へのコメント

こんばんはYさん

それほどの確信を持たれた理由はなんでしょうか。また、疑うことがなぜ旧石器の否定になるのでしょうか。

無責任な噂を流す人物がいれば犯罪的でしょうが、僕を含む周囲の疑念派(半信半疑派)の多くは、人づての噂を信じたたのではなく、たび重なる「大発見」の中で、疑念をいだくようになってきたものです。

日本列島における旧石器の存在は、発見が重なるたびに疑う人間が減っていったのとは逆のように思いますがいかがでしょう

また、いまや否定派の代表といえるKAKUBARI氏は、氏の疑う根拠を明確に示して公開された場で論じておられるのですから(勇気ある行為と思います)それが論争として育つことを期待するのはおかしいでしょうか。

[上の発言に対し、Y氏から再レスポンス。趣旨は、岩宿発見当時に相沢氏に悪口がささやかれたこと、旧石器後期初頭の局部磨製石斧が発見当初は縄文石器の混入と考えられたことを例としてあげ、藤村・鎌田両氏と一緒に現地を掘るべしとのもの。それへの再レスポンス]

02199/02200 HFC03726 早傘 「前期旧石器」に関して

(14) 00/10/29 14:18 02192へのコメント
この発言は 10/26 01:04 に #2194 として一度アップしたのですが、同日早朝に削除しました。その後、何度か推敲し、なおも迷いがあるものの、レスをいただきっぱなしは失礼と思い、アップすることとしました。
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 こんばんはYさん。「現場・現物に当ってから議論せよ」とのお叱りを受けることは覚悟しておりました。この問題に関して発言を控えてきた大きな理由の一つです(もう一つは当然、この問題に関して、安易に発言すると、個人への誹謗・中傷・名誉毀損問題となる可能性があるためです)。

 "岩宿"を経験された方から「岩宿発見当時の雰囲気」に似ているとのお言葉をいただき、やはり、との思いもいだいています。相沢さんに関して悪質なデマが流されたということは知らなかったのですが、この問題から、もしや、相沢さんもそのような目で見られていたのではと、想像しはじめていたところでした。

 所詮僕は、肯定派の研究にも否定派の見解にも、どちらにも、うなずき、かつ、"じゃあこのことは説明できるのか?"と突っ込みたくなる蝙蝠でしかありません。山内語録から引用すれば「野次馬の言」であります。

 では、このような蝙蝠がどのように発生するのか。実際のところ、僕や僕の周囲の「疑念派」を生み出しているのは、「噂」ではありません。逆説的ながら、肯定派の発言こそが疑念派を生み出しているのです。

 たとえば『全国訪ねてみたい古代遺跡100』の、鎌田さんによる以下の記述を読んで、疑念を抱くようになったという人が何人もいます。

総進不動坂遺跡の発掘調査でも、大発見がありました。藤村さんが私を手まねきするので行ってみると、なんと遺跡の古い地層から、アズキ色の小さな石器が顔を出しているではありませんか。・・(中略)・・総進不動坂遺跡の調査は、連日の猛暑ではかどらず、・・(中略)・・ほとんどの人は近くの宿舎に引き上げてしまいました。しかし、もっとも疲れているはずの藤村さんは発掘を続けました。それから20分ほど、もとめていた前期旧石器第一号が発見されたのです。・・(中略)・・最近の関東以北の3万年前より古い遺跡の発見はすべて藤村さんの手によります。」

 最新の本から岡村道雄さんの記述も引用しましょう

ようやく目あての石器が出土しそうな層位に到達しても、なかなか石器は発見されない。疲労がたまった頃、待ちに待った休日を迎えた彼が、やおら現れて黙々と掘り始める。すると発掘現場に緊張感が走り、やがて発見の勝ち鬨が上がって、あたりが途端に活気付く
(『日本の歴史01 縄文の生活誌』,p24,2000.10,講談社)

 鎌田さんや岡村は、藤村さんの業績をたたえようとの意図で上のような文章を書かれているはずです。本当は、藤村さん以外による重要な発見もあるのに誇張して上のように書いているのかもしれません。しかし、その文章こそが疑念派を生み出しているのです。

"藤村さんに対する批判は余りにもデタラメ" と、Yさんはおっしゃいますが、批判の中核は、「発見はすべて藤村さんの手による」ことを前提にそれは不自然だということであり、この、鍵括弧内の命題が出鱈目であるならば、そのようなデマを流布させている責めを負うのは、肯定派の方々だと思うのです。

 僕は、総進不動坂の発見のニュースを初めて聞いたとき、「別のグループも発見したのか。ああこれで安心した」と思いました。ところが、その発見をなしとげたのも藤村さんと知った時にはがっかりしたものです。

 藤村さんの「濡れ衣」は藤村さん自身には晴らしようがありません。藤村さんを信ずる方々が、藤村さんの助けがなくとも、続々と同様の発見をしてこそ(あるいは、発見がされてきたことをアピールしてこそ)、疑念の霧が晴れるでしょう。クロさんの #2182発言にでてきた学生さんのような証言が続々出てくれば、疑念派は減少の一途をたどるはずですし、僕も安心することができます。

 一方、批判派の論拠の中にも、僕にはうなずけないものがあります。それは「あれが前期旧石器であれば世界の旧石器研究の常識が崩壊する」という主旨の批判です。こういった批判は、学史上で山内清男がC14年代や、旧石器時代の磨製石斧を「世界考古学の常識」を盾に批判したのと、そっくり同じ構図に見えるからです。

 それにしても、学界の重鎮が相次いで積極的に評価する発言を公にしている現状で、疑問の声が表に出ることは、学問を後退させるものとは思えません。
 「Aという現象は常にBに伴っている」という "事実" を前に
 「BがAの原因である」と解釈するのは、普通のことでしょう。
 その解釈を否定するためには
 「Aという現象にはBは必須ではない」ことが示される必要があります。
 「Bと一緒に掘れば・歩けばわかる」とは論理的に無意味であり、"事実" ではなく "人柄" を根拠とするならば、それは学問ではないでしょう(僕自身、藤村さんが、"そんなこと" をする人には "とても見えません" )。
 理化学的データでも(地層の年代は別として)疑念を粉砕するのに有効なものがあるように見受けられますが、なぜか、それらが大きく取り上げられることが無い(ように見える)のは不思議です。

 風に流される臆病な蝙蝠としては、肯定派と否定派が、正面から向い合って
データに基づく論争を展開してほしいと願っています。
すでにこの会議室の範囲を逸脱していると思いますのでこの件に関して僕はこれで打ち止めにします

発覚以後

[11/5捏造の発覚とともに会議室は発言の嵐。その中に、藤村氏は個人のコレクションを埋めたそうだが遺物を私物化してもよいのかという趣旨の質問があり]

02221/02221 HFC03726 早傘 RE:埋めた石器は何処から?

(14) 00/11/07 21:01 02220へのコメント
もちろん違法です。
藤村氏を刑事罰に問おうとするならば、まずは拾得物横領の疑いで
拘束すればよいのです。

ま、この罪を厳密に適用すれば、考古学者は一網打尽に出来てしまいます (^^;

[発言の嵐が落ち着いてきたところで]

02235/02235 HFC03726 早傘 毎日スクープに接して

(14) 00/11/09 07:30
藤村の代表作は?
「夜明け前」

02237/02237 HFC03726 早傘 RE:毎日スクープに接して

(14) 00/11/09 07:34 02235へのコメント
「夜明け後」は星新一

02248/02251 HFC03726 早傘 RE:旧石器時代調査の大スキャンダル

(14) 00/11/12 15:16 02205へのコメント
ピルトダウンというよりも 日本考古学のメルトダウンという感じです

02250/02253 HFC03726 早傘 ゴッド・ハンドとは何か?

(14) 00/11/12 15:16 02165へのコメント
先月アップしようとして、自重した発言です。
(”ビデオに〜”の一節は今回挿入しました)

1 ワールドカップメキシコ大会(1986)のイングランド−アルゼンチン戦。マラドーナのヘディングシュートが決まった! しかし、"審判は見抜けなかったが、手で押込んだことがビデオにはっきり写っていた"

2 極真空手の創始者大山倍達は、若い頃、アメリカ遠征し、体格がはるかに上回るプロレスラー相手に連戦連勝。「ゴッド・ハンド」と讃えられたという。しかし、生前から、「本当にプロレスラーと闘ったのか?」と "疑惑がささやかれ続け、関係者の努力にも関わらず、現在も、誰もが疑う余地の無い確実な証拠は得られていない"

02252/02253 HFC03726 早傘 RE:毎日スクープに接して

(14) 00/11/12 15:19 02237へのコメント

;「夜明け後」は星新一

星 新一「夜明けあと」に訂正。明治という時代を知る絶好のガイドです

星新一の考古学に関係がある書としては「祖父・小金井良精の記」があります。この本も、単なる伝記というより星新一流の日本近代史です。

星新一があるエッセイで、「自分が江戸時代に生れていたら、古墳に余計なものを埋めて後世発掘した学者の困惑する顔を想像して楽しんでのに」という主旨のものがあったのを覚えていて、その後、考古学を学んで、「別の時代に掘った穴は見分けがつくわい」と、思っていたんだけど...........

[毎日新聞の「余録」に考古学界をオウムに例える文が有ったのは不謹慎との発言があり]

02253/02253 HFC03726 早傘 RE:RE^2:グル?

(14) 00/11/12 15:19 02240へのコメント

Dさん、hさん、こんにちは。小さな誤解があるようなので。

;『グルと自称するひげの男の例の「定説」を連想する。』

これはオウムじゃなくって、ライフスペース事件でしょう。で、「余録」子がこういう連想をした直接の理由はですね、新聞の縮刷版で長尾根・小鹿坂「遺跡」関係の記事を探すと、ちょうどそのころ、世間はライフスペース事件で騒いでいて、同じ社会面に記事が並んでいるのです。

それはそれとして、考古学界をオウムに例えるのが許されないかといえば、ためらわず例えるべきだと思う。今回一躍名を上げた竹岡俊樹氏(氏はオウムに関する著書もある)も、新聞のコラムで"超能力者"を信じてきた考古学界はオウムと同然と批判しています。「殺人集団に例えてはいけない」という"真面目"な思考方法こそが、かえって危険だと思います。"藤村氏のように熱心な人を疑ってはいけない"という思考方法と同様に見えてなりません。

先週、中学生が社会体験ということで、遺物整理の手伝いに来ていたのですが休み時間に「信じる」ことの怖さについて話しました。(その後、発掘現場に連れていって、担当者が遺構確認するのを見せて「信じられる? 本当にそう見える?」と"遊んだ"のは秘密です)

[2250発言に対し、大山倍達の過去に興味があるならば古書店で著書を探して読むのがよいとのレスを受け]

02256/02256 HFC03726 早傘 RE:ゴッド・ハンドとは何か?

(14) 00/11/12 21:11 02255へのコメント

今晩は永瀬さん。レスありがとうございます

確認させていただきたいのですが、レスの御主旨はどちらでしょう

A 補足説明(だと思いますが)

 ありがとうございました

B おかしなことをいうな。大山先生に失礼だ (まさか)

 僕は松井館長と同年代の空手バカ直撃世代でして、その方面の書籍・MOOKはそれなりに目を通し、 "「紙プロ」などのマニア・メディアとその関係の出版物のちょっと古いもの" も数冊所持しています。立ち読みで済ませたので書誌データは示せませんが、近年刊行された伝記でも、1章を費やして検討した結果、 "誰もが疑う余地の無い確実な証拠は得られていない" という結論であったと記憶していますので、#2250の記載を行いました。

マラドーナも大山倍達も、それぞれの分野で偉大な功績を残した人物であることは否定しません。

02264/02265 HFC03726 早傘 RE:RE^2:ゴッド・ハンドとは何か?

(14) 00/11/13 21:49 02262へのコメント

このツリーの大本の月刊現代の記事も相当味わいがありますよ

 "自分は「石器馬鹿」なんです"(藤村新一・談)

[2248発言に対しH氏よりレスが付き]

02276/02276 HFC03726 早傘 RE:旧石器時代調査の大スキャンダル

(14) 00/11/19 23:24 02261へのコメント

こちらはニュースの笑点のコーナーでございます。
冗談に上段から構えられても困ってしまうのです。

 真面目な意見を言えとの御主旨でしょうか

 そのうち、一連の「発見」について僕の考えがどう変化してきたか記述に残しておこうかとか、なぜかマスコミが取り上げない今回と酷似の事件について紹介しようかと考えたりはしておりますが、今のところ、真剣に論ずる気力が湧かないのですよ。呆然自失とかではなくその逆。発覚以前に、僕がどう考えていたかは、#2165 のツリーでお分りになるでしょうし、以前Hさんの御質問にお答えした #1603 の意味もお分りでしょう。
 今回の発覚は(ショックではなかったけど驚いたことがあり、それに関して知り合いからある種の疑いを抱かれている)日本考古学が死んだどころか、三途の川の手前で呼び戻されたという印象でして、安堵感に満ち、それとともに、我が内なる他人がこのような日本考古学史に永久に残る事件に立合えた喜びに震えています。

 これで終わってはあんまりなのでHさんのレスに対して逐次感想を述べさせていただきます。Hさんも科学者とのことですので、事実に反する部分は批判させていただきます。

; ピルトダウン事件で人類学は半世紀ほど滞ってしまったのです。

#2248に対してこういう反応が生ずる理由が理解不能です

; 藤村事件の影響は旧石器時代学だけのことではなく縄文時代学にも
; 同様に及んでいる筈。関係学者達は 同様に 緊張状態にあります。

学問名称を乱造しないで下さい。なお、僕はこの事件について“ゴッド・ハンド事件”と呼ぶのがもっとも適切と考えています

; 古代史学にしても、好太王碑の碑文拓本が複数ある事が知られ始め
; 明治時代の国家的捏造のことは..知る人ぞ知る.でも.「いわ猿」..

好太王碑改竄説って、30年以上前に一世を風靡し、資料の公開が進むとともに否定されたはずですが、それが "知られ始め" ですか。

; いま現在進行中の考古学的遺跡の発掘作業については、・・(中略)・・
; いかにも粗雑すぎます。縄文遺跡発掘を手伝い、学者と学芸員たちの
; 指導ぶりを観ていて.....つくづく感じたことです。
; 日本に考古学を教えたのは生物学者ですがその緻密度も誠実さも
; いつのまにか失われ、いまや宝さがしゲームみたいなものです。

大森貝塚の発掘が緻密に見えて、それに比べると宝探しのような粗雑な発掘となると、明治までは溯る必要があるでしょうね。

はて、Hさんはどの時代から Nifty にアクセスされているのでしょう

; ほんとうに「地層の確認はなされたのですか?」
;  ・・(中略)・・
; 「そのような試料はどの研究室でも分析/追試が許されますか?」

こんなこと、小鹿坂の調査員でもなければ賛美者でもない僕に聞かれても
困ります。まして僕自身はこの件に関して「地層」なんかどうでもよいと
思ってきたぐらいなんですから。

他分野ながら科学に携わってきたと名乗られる以上は、もっと地に足のついた
御発言を期待します。

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1週間前にここまで書いて、放っておいたんだけど、3日ほど前に気付いたんです。このHさんの #2261 発言は、実は意図的なものである。つまり、「時代の混乱」「でたらめな "学者" 」「自作自演」をお題とした三題話だったのですね。今後ともこのツリーの発展に御協力くださいまし。(インターネット上のどこぞの掲示板でも似たような方がいますね)

ついでなので、同じく3日前に思いついたギャグ

Q:ピルトダウン人の発見者は?

A:藤゛村

[考古学協会の委員から協会は単なる親睦団体であり今回の事件について責任は無いという話を聞いたとの発言を受け]

02279/02279 HFC03726 早傘 RE:Res《考古学協会は親睦団体》

(14) 00/11/20 07:32 02277へのコメント

Dさん おはようございます

#2272 に要約されたとおりの発言をした委員がいたとしたら不見識にもほどがあると思います。言いたいことはわからないでもないけれども。(「前期旧石器」に関しては「丹生騒動」という古傷があるしね)

[そもそも「協会員」とは何なのか、協会員しか「発掘担当者」になれないというが本当かなどの議論に発展]

02297/02302 HFC03726 早傘 RE:Res2-2《考古学協会は親睦団体》

(14) 00/11/23 11:05 02292へのコメント

協会の入会資格に推薦が必要だったのは10年位前までだったと思います。
現在は自薦が基本で、他者の推薦文を添付することができるという規定になっているはずなのに、都道府県によって、自薦が過半数のところ、他薦がほとんどのところ、さらに推薦者がすべて同一人(その県の考古学会の会長)のところなどがあり、僕はそれを都道府県ごとの考古学界の民主化度の目安にしています。

自分が研究者であるかどうかは、書いたもののみで判断してもらうのが当たり前で推薦を受ける(受入れる)時点で、その人は研究者として大切なものが一つ欠けているのではないかと思います。(推薦が入会条件になっている学会の場合は仕方がないけれど)

02300/02302 HFC03726 早傘 RE:RE^2:Res《考古学協会は親睦団体》

(14) 00/11/23 11:05 02280へのコメント

おはようございますDさん

この件に関する「責任」の問題は自分自身の責任(考古学研究者として、協会員として、埼玉県民として)はどうなのか考えがまとまらないので発言しづらいのですが、考古学協会という「学会」の責任と「学界」の責任(両者は口頭では区別困難)は分けて考える必要があるでしょう。

会則第2条 本会は、考古学研究者が自由・民主・平等・互恵・公開の原則に
     たって、考古学の発展をはかることを目的とする。(以下略)

この会則の精神が100%実現することは、人間社会では不可能でしょうけれども少しでも近づけようとする意識が満ちていたならば、今回の事件は、もっと以前に学界内部で解明に向かっていたのではないかと思います。

02302/02302 HFC03726 早傘 RE:RE^2:ゴッド・ハンドとは何か?

(14) 00/11/23 11:06 02264へのコメント

このツリーの読者の皆さん、おはようございます。昨夜気付いたことなんですが

大山倍達の形容として "ゴッド・ハンド" という言葉を創作したのは梶原一騎

梶原一騎のまたの名は "高森朝雄" ですね。

本名からも異称からも、藤村氏の行為は、予言されていたといえそうです (^^;

この件、紙プロの編集者は最初の報道でピンと来たかも知れない。次号に注目 :-)

[N氏が藤村氏の発見は、座散乱木1・2次調査のころからおかしいのではないかと指摘]

08595/08601 HFC03726 早傘 RE:座散乱木縄文オーパーツ?

(15) 00/11/25 07:29 08594へのコメント

永瀬さん、おはようございます

これから泊まり掛けで出かけるので、詳しく書けませんが、日曜日にある勉強会で教わり、一昨日、関連報告書を多数閲覧して確認した点からも、座散乱木第1次調査から、不思議な現象は発生しているようです。

また、岡村氏が、多くの概説書で馬場壇A遺跡から自然科学的手法で炉跡が確認されたと執筆しており、馬場壇Aが確実に遺跡であるという印象を与えていますが、分析者は決してそのようには言っていないことも確認できました。

02309/02309 HFC03726 早傘 最古の○○○を求めて

(14) 00/12/01 01:55

永瀬さん、こんばんは
15番会議室の#8610へのレスです

まず、押圧剥離に関して。時代の境界にかかわる微妙な点は無視すれば、押圧剥離の技法が最も発達するのは、旧石器時代の終わり頃から縄紋時代の始めにかけてですので、座散乱木1次調査で出土した有舌尖頭器などの石器は報告のとおりに旧石器末とする限りオーパーツということはできません。

座散乱木1次で最も不思議な現象は、地層が横転している「風倒木」の中から水平に遺物が出土していることなのです(このことは捏造発表直後のある勉強会で話題になり、そういえば10年以上前にも誰かから聞いたことがあったのを思い出しました(小田さんの論文でも指摘されていたかも))

さらに、「馬形?土製品」は径30p前後の浅いピットから出土したことになっています。この「ピット」の形状は上高森の「石器埋納遺構」とそっくりです。また、第2次調査で発見された直径約2メートルの円形に並ぶピット、第3次の調査による、底面に密着して石器が出土した土坑など、後期旧石器時代でもほとんど類例のない(しかし、埼玉の「前期旧石器遺跡」からは発見される)遺構も興味深いものといえるでしょう。

なお、座散乱木第3次調査までの経緯については次の文献にも詳しい記述があり、「最古の日本人を求めて」等を補って余りあります。

岡村道雄(1988.5)「前期旧石器の夜明け」『原像日本 5 遺跡に浮かぶ古代風景』
p35-46,旺文社

02311/02311 HFC03726 早傘 日本考古学協会委員会の見解

(14) 00/12/02 11:58 02304へのコメント

本日、協会の会報(2000年12月号)が届きました。表紙を開くと、いきなり緊急委員会の記録です。広く周知が期待されているものですので、以下に転載します。(本来、協会のホームページに掲載されるべきもの。本当に役立たずだ)
なお「委員会」というのは普通の団体の「理事会」または「役員会」に相当します。
  [以下、声明文]

[『縄文の生活誌』回収の話題に]

02330/02330 HFC03726 早傘 RE:『縄文の生活誌』回収?

(14) 00/12/21 21:29 02329へのコメント

よしよし、期待どおり また一歩 "栄誉有る賞" に近づいたな。
マスコミベースで話題になると、反って遠ざかるかもしれんが。

来年の夏が楽しみ。

Nさん あとで投票会場教えて下さい :-)

東北の旧石器を語る会、僕も参加します。Aさんよろしく
(とりわけ、岩手県内の「中期旧石器」について教えて下さいませ)

02336/02336 HFC03726 早傘 旧石器文化研究団体の声明

(14) 00/12/24 22:46

本日、「前・中期旧石器」の再検討する研究会の終了後に配付された、
旧石器文化研究団体による声明2件を転載します。

  [以下、声明文]

[12/25朝日新聞第2社会面で「東北日本の旧石器文化を語る会」の石器検証タイムの写真に早傘が写っていることがA氏から指摘され]

02340/02340 HFC03726 早傘 RE:朝日社会面にあの人が・・・

(14) 00/12/26 23:22 02338へのコメント

Aさん お疲れ様でした。

;ねつ造石器をにらむスルドイまなざしが・・・。

僕が睨んでいるのは、神の手に犯されていない筈の岩手県金足遺跡ですが (^^;
金足遺跡の発見にはAさんも絡んでいるとのお話でしたが もしや :-)

朝日新聞はよりによって今回展示された資料の中で最も疑惑が乏しいとされた岩手県の2遺跡(金足、柏山館)を正面に持ってくることもないだろうに

なお、昨日(12/25)の日刊スポーツには、テリー伊藤が選ぶ今年の謝罪会見ワースト10が発表され、捏造謝罪会見が堂々1位を獲得しました。

テリー伊藤のコメント(要旨)「あれほど世間を惑わせても罪にならないというオチがついたのが最高。藤村さんは今後テレビ局と組んで埋蔵金の発掘に励んでほしい」

[藤村氏は行方不明だそうだが残された家族の心痛を思うと辛いとの発言があり]

02346/02347 HFC03726 早傘 RE:朝日社会面にあの人が・・・

(14) 00/12/29 07:01 02342へのコメント

こんばんは Kさん

藤村氏は鎌田氏の知り合いの寺を転々としています。ご家族もそれは御存知のはず。なぜか朝日新聞は報道しませんでしたが12/18に共同通信がインタビューし、12/19に共同から配信を受けた多くの新聞に掲載されました。

藤村氏はすべてのことを話して、家族の元に帰るべきだと思います。

1/18〜1/24 週刊文春「第2の神の手」記事が話題に

1/25〜1/31 考古学の部屋で「私が掘った東京の考古遺跡」と埼玉の検討委員会、縄文の部屋で「前期旧石器問題」シンポが話題に。

08785/08798 HFC03726 早傘 RE:【本】私が掘った東京の考古遺跡

(15) 01/01/25 07:13 08784へのコメント コメント数:1
発売は12月上旬。捏造が発覚したときにはすでに印刷中で、あわてて輪転機を 止め、前書きを書き直したものです。

      著者サイン本を持っている 早傘

08799/08799 HFC03726 早傘 RE:秩父原人危うし

(15) 01/01/31 23:00 08794へのコメント
秩父の資料に関しては、埼玉県のインパクに出展した人類博物館 www.jinrui.net に情報が載っています
  早傘


[2/17〜2/26 どうしたら検証が進むかが話題に。私の発言は無し]
[3/11〜3/16 「第2の神の手?絶対にありえない!」という話題に。私の発言は無し]

[4/10〜4/27継続中 立花本の話題に]

02470/02470 HFC03726 早傘 RE:立花隆の本

(14) 01/04/13 07:30 02465へのコメント

僕の感想は次のようなものでした

 立花隆の限界がよくわかる
 今度は「神の口」を持った偽預言者か

突っ込みどころ満載なんですが、この本の想定読者層は素直に信じてしまうかもしれないな、という感じです

   久しぶりの発言がこれかよ の 早傘


last update 2001.4.28


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