福島県議会会議録に見る捏造問題

福島県議会会議録(閲覧にあたっての注意は必読)から、神の手事件に関連する質疑を検索して転載しました


平成12年12月定例会 12月12日 一般質問 (転載元

◎ 安瀬全孝君
 次に、 今般マスコミに大々的に取り上げられました旧石器発掘捏造問題について伺います。
 この捏造にかかわった東北旧石器文化研究所の藤村新一前副理事長は、 本県でも六カ所の旧石器遺跡の発見にかかわり、 このうち五つの遺跡では、 その後の発掘調査にも関係したと報道されました。
 藤村前副理事長の今回の行為は、 考古学という学問そのものを大きく揺るがせたものであると同時に、 昨今の考古学ブームの中で太古の歴史に思いをはせる多くの国民、 県民の信頼を損ねる行為であり、 許すことはできません。
 今は、 一日も早く、 この問題に対する検証が進められ、 間違いのない歴史が語られることを願うところでありますが、 多くの県民が抱いた不信感を吹き払うためにも、 再発掘調査などを行う必要があると考えます。
 そこで、 旧石器発掘捏造問題に係る再発掘調査などについて、 県教育委員会の考えをお伺いいたします。
 また、 本県で採択している日本史の教科書の中で、 藤村氏が捏造したと認めている上高森遺跡関係の記述のある教科書は、 延べ五出版社九種類で、 本県でこれらの教科書を使用している県立高等学校は、 六十六校に及んでいるとのことですが、 捏造は事実なのですから、 各高等学校の生徒に対して何らかの対応をすることが必要であると考えます。
 そこで、 上高森遺跡発掘に関する捏造問題について、 県教育委員会は各高等学校に対してどのように対応する考えなのかお伺いいたします。
◎ 教育長(高城俊春)
 次に、 旧石器発掘捏造問題につきましては、 藤村新一氏がかかわった本県の五遺跡の発掘調査は、 いずれもが大学や研究所による学術研究調査として実施されております。
 県教育委員会といたしましては、 発掘調査の主体となった大学等がみずから検証をすべきものと考えており、 これらの大学等から、 検証のため、 再調査等の協力要請があった場合は、 調査員を派遣するなど、 可能な範囲で協力をしたいと考えております。
 なお、 今月末には県立博物館を会場に、 「東北日本の旧石器文化を語る会」 主催の研究会が開催される予定であり、 その中で、 藤村氏が関与した石器も含め、 旧石器について検証をすると聞いております。
 次に、 上高森遺跡発掘に関する捏造問題につきましては、 本県の多数の高等学校においても、 当該遺跡に関する記述のある教科書を使用しており、 教科指導の内容にかかわる重大な問題であると認識しております。
 このため、 県教育委員会といたしましては、 教科書の記述内容に疑義が生じていることや、 当該教科書を発行している幾つかの出版会社から教科書の内容の訂正が文部省に申請されていることなどを各県立高等学校に知らせ、 指導上の混乱がないようにしたいと考えております。
 さらに今後とも、 文部省、 文化庁などからの情報を入手しながら適切に対応してまいる考えであります。

平成14年6月定例会 商労文教委員会 (転載元

旧石器捏造に対する今後の対応を聞きたい。
5月30日に関係市町村を集めて対応を検討し、6遺跡を遺跡登録から外すことを決め、現在までにすべて抹消されている。市町村には、これまで取り扱ってきたパンフレット等の訂正等をお願いしており、県としても、調査の明朗性を保つための措置を講じていくこととしている。

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