オヤジ雑誌に持ち込まれた、ケン・イシカワの放つゲッター線!


雀 鬼 -2025

大都社Hard Comics(全1巻)
1986.10/30初版発行

収録作品

バトルウルフ 雀鬼-1999(近代麻雀オリジナル/1985.8〜10月号)
雀鬼-2025(近代麻雀オリジナル/1984.4〜5月号)
ジャンキック(別冊近代麻雀1982.8月号)
昭和極道打ち(麻雀ゴラク1985.9月号)
仁義なきコンペ(ビッグゴルフコミック1985年?月号)
怪物伝(週刊サンケイ別冊BBC)

この短編集には他では読めない、オヤジ雑誌向けに描かれた珠玉の作品が詰まっているぅ!「麻雀わかんないからあ〜」等と引いてはイケないっ!

熱いダイナミック魂さえあれば、たちどころに血が沸騰するであろう!(以下、沸血)
順序から言うと、『2025』の方が先に描かれた『雀鬼』シリーズであるが、この構成は正しい。

1999年(おい、今年だよ)。
最強の傭兵集団「バトルウルフ」の生き残り・大陽愁。もう一人の生き残り・角と共に中国-ベトナム国境・ランソンより南50km地点にいた。商社からの依頼で、ベトナム・現地営業マンを助ける任務の途上にあったのだ...。だが、全滅させたトーチカの中には中国人。そして、任務終了と共に迎えのヘリからはまたもや中国軍の銃撃が!

中国人が全滅させられたトーチカを取り戻す...そして、ベトナムと闘う理由を作る...そんな「死の商人」達のシナリオに乗せられていた愁と角。囚われた愁たち傭兵は、麻雀卓の前に座らされた。負ける度にロシアンルーレットに挑まなければならない、地獄の麻雀が始まる...。

という、某アメリカ映画にも似たプロットでスタートするも、九死に一生をえた愁が、日本へ舞い戻り敢行する復讐劇へとダイナミックに展開。『極道兵器』に連なる「死の商人」の本拠ビルへの特攻も見物だっ!


お次は『雀鬼-2025』。大陽愁は借金の取り立て屋をやっていた。ある日旧友のタカベを訪ねる....。
再会したタカベは物言わぬ、死体。イカサマ麻雀にはめられ、手足を切り取られた無惨な姿だった。乗り込んでいく、愁。ソコは金が無くなると、体の部分を点棒にする恐るべき店!

どうせならもっとハードにいこうぜ!!
千点につき暴力(バイオレンス)を一発だ!!
役満なら32発!!

恐るべき復讐の麻雀が始まる...。


つづく『ジャンキック』は超能力イカサマ麻雀をする『聖魔伝』のテレサそっくり美少女に出会った超能力雀荘用心棒の物語。

『昭和極道打ち』は、土地を地上げられそうなヤクザが敵と賭け麻雀に持ち込み、牌を潰すは、ダイナマイトの点棒炸裂させるは...のエスカレートギャグ。

『仁義なきコンペ』は、やったことのないゴルフコンペに誘われた極道が、相手を「殺す」ショット練習。が、グリーンにでるウチにゴルフに目覚める...てな話。

『怪物伝』は、街の対立する極道の跡取り同士がバッテリーの高校野球部が甲子園を目指すが...!最後はモンモン全開のTHAT'Sバイオレンス!


5001年ヤクザウォーズ
(原作・高円寺博 サンコミのみ<永井泰宇>名)

日本文芸社ゴラクコミックス
1978.10/25発行

朝日ソノラマサンコミックス
1986.6/30初版発行

ワニブックスアーリーコミックス
1992.1/15初版発行


漫画ゴラク掲載。単行本(全1巻)は都合3バージョン。オリジナルはゴラク版だが、見開きトビラの収録、描き下ろしのページ含め、「完全収録」なのは、サンコミックス版。白夜書房「まんが帝国」の記述は間違い。ワニ版のみタイトルが「ヤクザウォーズ」。

西暦5001年、(中略)人々は宇宙の隅々に至るまで発展を遂げていた...だが!?

ヤクザはなくならなかった!!

「スターウォーズ」ショック醒めやらぬ(のか?)日本のオヤジ漫画界に「怪傑シャッフル」コンビが送る宇宙を股に掛けた仁義なき闘い!

主人公北斗のアニィ属する「関東異次元一家」、「そうか おめえたちの目にゃまだ早かったかい」などとつぶやくレーダーアイを持つ「細胞具のオジキ」や、極道のネーミングに「ブラック・ホールの政」、キャバレー・ソープだけの「快楽ステーション ユーワク号」「プロトン砲ぶちかましたれ!」なんていう、SFなキーワードが散りばめられてておかしい。


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