他作家によるマジンガー(その3)
もう一人の原作者による『マジンガー』


団 龍彦版・マジンガー

 

マガジン・ノベルズ・スペシャル スーパーロボット大戦(全3巻)
講談社(A5判)1巻1998.7.24初版発行 2巻1998.10.28初版発行 3巻1998.12.14初版発行

サブタイトルは1巻「マジンガーVS.ゲッター」2巻「ゲッターVS.ゲッター」3巻 「マジンガーVS.マジンガー」。

団龍彦について、ここで強く主張しておきたい!マジンガー・シリーズの設定に一貫性 を持たせ、「ダイナミックプロ作品」としての体裁を作りこんだ立役者の一人なのだと! どうしてもアニメもマンガも映像ということで、絵ばかりに興味が行きがちであるが、 実際は永井泰宇(豪ちゃんの兄)・永井隆(弟)・団龍彦(菊地忠昭)の3名の文芸 担当者もともにブレイン・ストーミングを重ねていたのだ。いわば原作者の一人。

その「原作者」が、マジンガーやゲッターチーム達を主役に書き下ろした小説が コレである。タイムスリップ、遺跡として埋もれたマジンガー、ミケーネ帝国の謎、 恐竜帝国やムサシの復活…と、アニメ版の過去をキチンと踏まえた「正統続編」 と言える、てんこ盛りの内容だ。

イラスト担当は石川賢とダイナミックプロ。個人的にはマジンガーチームが豪ちゃん で、ゲッターチームが賢ちゃんの方が良かったが、まあそれはそれ。3巻には 賢ちゃん版マジンカイザーとも言える、ゴッドマジンガーも出るぞい。

「スーパーロボット大戦F 完結編コミック」掲載
マジンカイザー

双葉社(B6判)1998.9.8発行

マンガ版としては初の『マジンカイザー』。団龍彦がストーリーを担当。 作画は当時ダイナミックプロ所属の丸山功一(=ハガネ鋼一)氏。 丸山氏は、恐らく最も70年代永井豪タッチをそのままに描ける男であるっ! 一見の価値アリ。

ストーリー的には、グレートが存在しなかった世界なのか、光子力研究所 とマジンガーZのみ登場する世界である。ジャンプ版の続編と見るべきだろうか。 ま、ページ数と構成の兼ね合いから言って、グレートを出す意味合いもない けどね(>つーとアニメ版はどーなるんだ)。小説版とはまた異なる設定の 「デビルマジンガー」に敗れたマジンガーZには実は秘密が…という話。 マジンガーシリーズを知り尽くした男ならでは、流石の引継ぎ劇である。


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