縮刷版2023年1月中旬号


【1月20日】 午後にオンライン会議があるのでそれまでの間を凄そうとJRで秋葉原へ。モダン食堂で唐揚げ定食を食べてそれからちょっとだけ歩いた秋葉原はところどころ店舗も閉まってゲームセンターなんかもなくなって、看板も下ろされ隅から隅までポップカルチャーの街と言った風情がちょっと寂れてメイド風コンセプトカフェの看板ばかりが目立つアヤシい街になっていた。メイド喫茶の全部がヤバいわけではないけれど、中には混じっているであろうボッタクリ系の店が不安を増大して雰囲気を霞ませているような気がする。

 電気街だった頃はどこをあるいても新製品の家電であふれかえって豊かな国・日本って感じを醸し出していたし、そんな中からオーディオビジュアルの店が森高千里さんあたりを流し始めた中でポップカルチャーがジワジワと広がりキャラクターショップが増えアニメのDVDを扱う店も面積を広げてオタクの街・秋葉原といった風情を作り上げた時も、文化の受容の広がりを感じさせてくれて未来への希望を感じさせてくれた。そうしたキャラクターが後ろに引っ込みメイド的な存在の生々しさが表れ始めた今はある意味で呼び込みが並ぶ歌舞伎町の空気感と変わらない。

 そうならないでもっと別の、それこそAKB劇場をひとつのシンボルにいろいろなアイドルが乱舞するブロードウェイ的な街へと発展させられる可能性だってあっただろう。「ラブライブ!」の劇場アニメがニューヨークのタイムズスクエアを秋葉原を結びつけてアイドルたちが乱舞するビジョンを見せた時にはそんな夢も浮かんだけれどもμ’sにあった諸々がアイドルをAqoursへと移し舞台を沼津へと変えてしまって秋葉原から聖地を奪っていってしまった。中心を失って秋葉原に残ったのはAKBなりアイドルなりをなでる気分の上っ面。それがメイド喫茶的コンセプトカフェ風キャバクラ調の欲望機関を秋葉原に残してしまった。そこに果たして未来はあるのか。残された街の人たち次第だろうなあ。どうしたいんだろう、秋葉原を。

 時間もあったので靖国通りをとことこと歩いて神保町へ。歩道に雪の塊が積み上げられていてその前にある店から人が出て雪だるまを作っていた。というか雪を削り出す彫刻みたいなものか。中にはまだ人が来ず陽なたでジリジリと太陽光に焼かれて融けている雪もあったけど、ちゃんと間に合ったんだろうか。ちょっと気になる。日曜日あたりまで何か雪だるまコンテストでもやっているのかな。どんなものができるか気になるけれど、さすがに聖地だからといってギターをひくぼっちちゃんの像なんてものはできないだろうなあ。複雑すぎるし。やっぱりドラえもん一択かなあ。簡単そうだし。

 東方書店をのぞいたら「中国アニメーション史」という重厚な本が出ていたので参考までにと購入。9500円とは何て値段だ。でも黎明期から2010年あたりまでの中国におけるアニメーションの歴史と関連した人物のプロフィールがみっちりと載っていて、あとアニメーションのリストも掲載されているので今後何か中国のアニメーションについて調べる時に役にたつだろう。そんな機会があるかは知らない。むしろ最近のどんどんとクオリティが上がっているアニメーションについて知りたいんだけれど、それについての情報はないから5年後くらいに増補版として中国アニメーション100年史となって登場してくれるのに期待だ。1万5000円くらいになってしまうかなあ。

 有楽町のウエンディーズでオンライン会議をした後、蔦屋銀座へと回って樋口真嗣さんのサイン会に出席する。超絶お洒落なGINZA6なんてビルにある、超絶ハイカルチャーな書店でオタクの中のオタクとも言える樋口さんがサイン会というこのギャップが、気にならないくらいに特撮もアニメもハイエンドなカルチャーシーンが貪欲に取り入れている。まあ「チェンソーマン」だとか「SPY×FAMILY」といったハイエンドでハイセンスな作品ばかりだけれど、そうやって文化として取り込み広げていく一方で、秋葉原が先鋭化から卑近化へと向かうこの対象が2つの街の雰囲気に現れ、サイン会を秋葉原ではなく銀座で開かせたのかもしれない。まあ樋口さん、年季が出て来てお洒落になっているから銀座でも十分なんだけど。


【1月19日】 そろそろまとめなくちゃとテープ起こしを終えていたインタビューの草稿をもとに図書館に入って原稿をとりまとめる。あちらこちらに飛んでいる話から関連するところを寄せ集め、流れを整えて切ったり貼ったりしてどうにかこうにか流れを作り上げる。1問1答に近い新聞のインタビューだとこういう切り貼りはあまりやらないんだけれど、雑誌だとかウエブだとかはやらないと読んで読めるものにならないんだよなあ。枕から入って世間話をしたあとで本題に入るようなインタビューでも最初に本題を持ってきて後に雑談をおいて最後は元の話題に戻って締める感じとか。これだとリアルなイベントでは難しいので司会業には向いてないかもしれないなあ。

 おおまかな流れを作ったら3時間のリミットが来たので図書館を出てお昼ご飯でもと思ってサイゼリアへと向かう。ランチが安い。ライスを大盛にしてドリンクバーをつけても650円っていったいどういう安さだ。バスケの試合を見に行った時に船橋日大前にあるガストで食べたら結構な値段になったのと大違い。ガストもファストフードっぽい店があった時は安いミックスグリルとかが食べられたんだけれど今はどんどん高くなている。そんなデフレ時代に頑張るサイゼリアに敬礼。

 どうにかこうにか原稿がまとまったので送ってそらを見上げたらまだ明るい。寝るにはちょっと早いのでとりあえずVELOCHEへと入って明日書く予定だった原稿をカタカタと打ち始めたら興が乗って仕上がってしまったので明日はゆっくりできそう、って言っても夕方に会議だとかサイン会があるから出かけなくちゃいけないんだけれど、それでも気ぜわしさから少しは逃れられるのでありがたい。これが1日に3本4本と書かないといけなくなってくると、さすがに神経もすり減ってくるので注意しよう。3年半くらいかけてどうにかこうにか回復させたメンタルが豆腐のようにぐずぐずと崩れたら元も子もないからなあ。

 ネット上では連日連夜の炎上騒動。しばらく前はコンセプトカフェでの抽選に当たった人への運営側の無体な要求が炎上していたけれど、今日辺りからは名古屋のホームレスをイジって遊ぶがきんちょが大炎上中。何か買ってあげるとコンビニに連れ込んではかごをもってレジに向かうホームレスを置き去りにして逃げ出す映像がネットのショートムービーサイトにアップされている。それに讃辞のコメントを付ける奴らも奴らだけれど、どう考えたって公序良俗に反してつるし上げをくらうことがわかりきっているそうした映像を、顔をさらして平気でアップしてしまう人がいるところが信じられない。目立つことにばかり気が向いているのかもしれないけれど、やっていることが悪事だという自覚もきっとないんだろうなあ。

 それは動画の配信者なんかが何かやってみたといってあれやこれやチャレンジする中で、自らを痛めつけるようなチャレンジではなく誰かを踏み台にするような動画が割をあふれかえってきてそれがアクセスを稼いでいたりするのを普段から見て、それがヤバいことだという認識を持たずに育ってしまった若い世代が現れているってことなんだろう。TVだとさすがにコンプライアンス的にできないことでも、ネットなら自由にやれて誰からも咎められない。いやさすがに犯罪ともなれば手が後ろに回るけれど、誰かをいじったりするのにいちいち警察も動かないとなるとそれならと試してみる子供だって出て不思議はない。その結果が顔をさらしてのホームレス虐めになってしまった。ヤバいなあ。

 夜になって芥川賞と直木賞が発表になって直木賞に「地図と拳」で小川哲さんが輝いていた。いちおうはSFの新人賞から出た人で、そしてある意味でSFとも言える作品での直木賞受賞は喜ばしい。ほかにいるかというと直木賞ではあまりいないけれど、芥川賞なら一応は文學界新人賞も受賞はしているけれど小松左京賞からの落選組ともいえる円城塔さんだとか、こちらはれっきとしたSFの賞といえる創元SF短編賞から出た高山羽根子さんが受賞を果たしているからSFはまあ普通にいたりすると言えるのに、どこかの記者は芥川賞も直木賞もSFからはあまり出ないと聞いたみたい。このど阿呆め、って言いたいけれどもやっぱり直球のSFが受賞して欲しい気持ちもあるからなあ。長谷敏司さんとかとらないかなあ。


【1月18日】 原稿を書きに船橋中央図書館へ。3時間くらいかけて途中くらいまで仕上げてから場所を変えようと歩いてフレッシュネスバーガーへと向かう途中、ニューデイズを見たらアーニャのぴーなっつ最中は売り切れになっていた。前日の夜にはそこそこ残っていたけれど、探しに来た人がガサッと買っていったのかも知れない。普段のぴーなっつ最中からしたらとんでもない値段だけれど、それだけ払ってでも欲しいアイテムってことなんだろう。人気が出るとはこういうことか。

 フレッシュネスバーガーも全体にねあがりがしている様子。400円以下のバーガー商品がなくなっていた。それでも元がそれなりだがらあんまり高くなったという気はしない。これでセットが1000円を超えてくるようだとやっぱり日本もインフレなんだなあと覆うだろう。実際にクラシックバーガーだとポテトにドリンクで1000円超えてくるからなあ。稼がないと食べられなくなりそう。頑張ろう。原稿は続きをどうにか仕上げて完成。これでとりあえず今日の仕事は終了だ。頑張るじゃなかったのか? それは明日からで。

 そこでも2時間くらいが経ったので、出てミスタードーナツに入って頑張らないまでも少しは進めようとインタビューのテープ起こしをカタカタ。40分くらいなんで1時間ちょっとをかけて起こし終わって、さあどうしようかと考えて近所でバスケットボールのB.LEAGUEが開かれることに気づいて行くことにする。ほら、「THE FIRST SLAM DUNK」でバスケットボールのリアルっぽさを散々見せられたんで、hontoのリアルはどうなのかを確かめたなったという次第。スピード感とかプレイぶりとか、本当にあの漫画のままななのか。知るにはやっぱり本物を見ないと。
R  ってことで駆けつけたB.LEAGUEの千葉ジェッツvs茨城ロボッツ。会場の船橋アリーナは家から東葉高速鉄道の東海神駅まで歩いてそこから船橋日大前まで行って歩いて10分弱という比較的近い場所で行われているので行こうと思えばいつでも行けたけれど、もう何年も前に行ったきりでちょっと足が遠のいていた。千葉ジェッツが横浜アリーナで年間チャンピオンを決める試合に出た時は行ったけど船橋アリーナは本当に久々。前も割とぎっしり埋まっていたけど今はチャンピオンチームだけあって4500席が売り切れる人気ぶりを見せていた。

 試合はやっぱり日本代表の富樫勇樹選手がキレキレの動きとボールさばきでボールを運び回してそれを周囲の選手がどんどんと決めていく感じ。あとは今はちょっと隙ができたら3ポイントを飛ばす感じで気が抜けない。なのでとってもスピーディ。走ってディフェンスを引っ張ってその隙間にすっと入った選手にボールが回って3ポイントって場面がよく見られた。あとはやっぱりかっといんからのレイアップ。基本だね。

 富樫選手の凄さはそれとして千葉ジェッツだとヴィック・ロー選手がきっちりとリバウンドをとって茨城ロボッツに得点を詰めさせない。パワーフォワードといった感じの選手はいないけれども鈍重なセンターといった選手もおらず全員が走って回してシュートを打てるところにもしかしたら千葉ジェッツのつよさがあるのかもしれないなあ。ゴリたいぷの選手って今はもう過去? 他のチームを見てみないとそのへんは分からないのでまた行こう。

 ハーフタイムに限らずタイムアウトでもチアリーダーが出て来て盛り上げて場を繋げるから飽きる暇がない。抽選会とかも挟まれてずっと見入ってしまった。15分で1Qの総計1時間な割に終わったのが2時間後。サッカーと変わらない上にサッカー以上にぎっしり感じがあってなおかつ屋内ならこれはファンもそっちに靡くかなあ。ただしアリーナの関係で4500人以上は動員できないから1万人は入るジェフユナイテッド市原・千葉にはその意味でまだ追いつけないかも。クボタスピアーズはどうなんだろう。

 試合はなるほどなかなかの迫力。昔はもうちょっとゆったりとしてポイントガードがボールを持ってから回して回して切れ込んで渡してシュートとかそんな感じだったのが、もう即座に迫ってものすごいスピードでパスを送って切れ込みシュートとかそんな感じ。それこそ「THE FIRST SLAM DUNK」ですらゆっくり目かと思えるくらいのスピード感で、その中でいろいろと考えなくちゃいけない選手の思考力の凄さも感じられた。あるいはたまたまこの試合がラン&ガンになっただけで、だから100対91だなんてハイレベルのゲームになたのかもしれない。別の試合はどうかも確かめに行こうかな。

 会場では市立習志野高校の吹奏楽部が応援に登場していろいろと演奏してくれた。全日本吹奏楽コンクールの常連校なのでやっぱり上手い。とはいえ田中あすか先輩のようなドラムメジャーがいたりオレンジの悪魔の橘高校みたいな派手なマーチングがある訳でもないので応援的な演奏ではその巧さがあんまりよく分からなかった。かといってコンクール楽曲をやる訳にもいかないところがスポーツも強い学校の強みでも有り弱みかも。途中で出て来たオタ芸も吹奏楽部員なんだろうか。やれと言われてやった男子がふだんはどんなか見てみたいかも。


【1月17日】 何かそのまま小説にできそうなくらいもの凄い夢を見たような気がするけれど、起きたらまったく覚えていなかった。そんな朝も午前7時前には家を出て東武野田線で柏へ。そのまま特急で日立へと向かう予定が何か事故だか点検があったみたいで列車がなかなかやってこない。あるいは遅れる可能性も考えたけれどそこは特急だけあって快速を後回しにして駅に来たので乗って土浦から水戸を経て日立へと向かう。

 前に来たのは多分「ガールズ&パンツアー」の聖地でも見ておこうかと大洗まで行った時。その時も海岸線を戻る恰好だったから水戸より先へは青森へと新幹線で向かった時をのぞけば震災以来で初の水戸以北ってことになる。震災前だと2010年3月に水戸でコミケが開かれた時に来たけっか。水戸芸術館の隣に立っていた閉店した百貨店か何かの建物を使って同人誌即売会なんかが行われたんだった。水戸芸のテラスから見下ろすと庭にぎっしりと人が立っていたっけ。それから1年後の水戸は大変な事態に見舞われた。

 まあ福島のような避難地域ではなかっただろうけれど、結構大変だったとは予想できる。日立の方は駅から海が見えるくらいの近さだからきっともっと大変だっただろう。でも震災といえば福島であり宮城岩手の海岸線へと関心が向かって同じくらい大変だった茨城はどこか置いて逝かれている感じもあるって当時話題になっていたっけ。12年が経って見渡して何か爪痕のようなものは見えなかったのは、復興を頑張ったからだろうけれどもそれでもどこかに残っている痛みのような記憶の所在を、それよりさらに前に起こった阪神・淡路大震災の日に思ったりするのだった。

 日立での仕事を終えて普通列車で水戸まで戻って駅ビルの上にある定食屋で牛はらみ焼き肉が乗った丼を食べてから、バスで水戸芸術館まで向かう。13年ぶりのタワーは磯崎新さんが設計した時の思いを汲んでしっかりと屹立していた。間近にみるとやっぱり大きいよなあ。そして太いよなあ。中がどうなっているかが知りたいところだけれど、時間もないので水戸芸術館へと入って中崎透さんという人の展覧会を見物する。どこか大竹伸朗さんめいたところもあるけれど、よりコンセプチュアルに看板を並べる作品を幾つか作っていて、そこに誰かが生きたり思ったりした記憶めいたものを刻みつけていた。

 撮影禁止のコーナーにあった看板には実際に存在する企業名なんかが勝手なロゴで書かれていて、自分の触れたり感じたり思ったりしたことがそれによって振り返られていた。マクドナルドの看板だとかコンビニエンスストアのサインなんかを記号として作品にした中村正人さんだっけ、そんなアーティストとは違うアプローチ。でもそうした看板に囲まれ街並みの記憶とともに生きてきた物質時代のアーティストっぽさは感じられた。ほかにはネオンサインを繋げたりがらくたを積み上げたりレコードを並べたりしたアートも。コタツの上にスーパーファミコンが置かれた作品もきっと記憶としての団欒を表現したものなのかな。

 しばらく過ごしてから水戸駅まで戻ってお土産屋さんをのぞいても、水戸コミケの時に買った萌え絵が描かれた梅酒はもう逝っていなかった。ちょっと残念。でも萌え絵が描かれた納豆カレーはまだあった。13年前の記憶がふっと蘇った。大洗に近いからガルパン関係もあるかなと思ったら、お菓子が1品あった程度で特に固まっている様子はなし。あれはあれで大洗の名物として限定されているのかもしれない。納豆だけならいっぱいあったけれどご飯を炊く設備もないので見送る。もう少し時期が過ぎれば偕楽園の梅もきれいだったんだろうけれど、今回はコミケが開かれたビルが文化会館か何かに生まれ変わろうとしているのを見られたから良しとしよう。そこまで13年もかかったんだなあ。開発って大変だ。


【1月16日】 大貫妙子さんが亡くなった高橋幸宏さんのことをブログとかに綴っていて、2022年8月にリリースされた「ふたりの星をさがそう」という楽曲で高橋幸宏さんがドラムを叩いていたらしいことを知る。2021年の10月ってことはたぶん体調も良くない時期にもう入っていたんだろうけれど、誰あろう大貫妙子さんのためならと出て来ていつもの調子でしっかりと叩いてくれたらしい。その楽曲を聴くと決して派手ではないけれど、しっかりとリズムが刻まれていて大貫さんの明るい歌声を支えていた。優しさのドラムであり送り出すドラムの持ち主だったのかもしれないなあ。せっかくだからCDをを思ったら出てなかった。そういう時代なんだ今は。なのでアナログ盤を探して購入。最後に近い高橋幸宏さんのサウンドを抱えていこう。

 「TRIGUN STAMPEDE」のエンディングをアニメーション作家の矢野ほなみさんが手掛けていると分かってなるほどそこにスポットを当ててきたかと感心。「染色体の恋人」で東京藝術大学大学院映像学科アニメーション専攻を出た時も凄い人だと思ったけれど、卒業後も山村浩二さんのプロデュースで「骨噛み」を作って世界の映画祭で上映をして短編アニメーションの作家として大きく注目を集めていた。その手法は点描を動かす感じといったところで、優しくもあり切なくもある感じを醸し出すそのビジュアルを「TRIGUN」という荒廃して未来が不安視される世界で生きる孤独なガンマンの物語のエンディングに使ったというのは実にマッチしている。

 世間的には美麗なキャラクターの絵を並べておけばそれで十分といったところなんだけれど、そこは世界も関心を抱いている作品ってことで新しい試みを行ったんだろう。そうやって見られた作品を通してエンディングも広まって日本の短編アニメーションの力が知られていく。ちょっと楽しいかも。アニメだと「モブサイコ100」のエンディングがずっと「きつね憑き」の佐藤美代さんだし、「PUI PUI モルカー DRIVING SCHOOL」は「澱みの騒ぎ」で大藤信郎賞を受賞した小野ハナさんが監督をしている。いずれも東京藝大院を出た才能たちだ。

 ちょっと違うカテゴリーだkれど東京TDC賞ってタイポグラフィーのコンクールがあってそこで「ミニミニポッケの大きな庭で」の幸洋子さんが受賞を果たしてた。アニメーションがタイポグラフィーなのかタイポグラフィーがアニメーションなのか。不思議な授賞だけれどその幸さんもやっぱり東京藝大院の出身といったところであちらこちらで活躍が目立ち始めている。「ポプテピピック」でも小野ハナさんと当真一茂さんのUchuPeopleが作品を寄せていた。アートなカテゴリーでしか先が内容に見られていた短編アニメーションがこうしてコマーシャルな分野で使われ始めているのはどういう背景があるんだろう。変化球をつけたいだけなのか、それともそこに斬新さを見て直球として放り込んできたのか。起用の理由と起用された感想を聞いてもらいたいなあ。

 水道橋博士さんが当選した参議院議員を辞職することを公表。すでに鬱病で休職していたけれど回復する見通しがなかなか経たない中で議員であるのは申し訳ないといった判断があったんだろう。選挙の時にはあれだけ活発に発言していたのにどうしてすぐにと思わないでもないけれど、いろいろと考えることもあってそれが迸っていただけで実は内心にいろいろとあった不安の裏返しだったのかも知れない。それを認めなくなくて躍起になってはみたものの、ふと我に返って呆然とすることってあるだろうし実際にあったからなあ、自分でも。問題はその後を誰が務めるかってところでれいわ新撰組な毎年1人を交代で立てるとか言い出した。たぶん法的には問題ないんだろうけれど、6年という人気の中で何をすべきかを問われる参議院議員という立場を切り売りされるのは何となく釈然としないなあ。それでも受ける批判より目立てる効果を狙ったってことなんだろう。まともじゃないなあ。


【1月15日】 「ライディーン」といえば「響け!ユーフォニアム〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ」のアニメーション版で黄前久美子たちが1年生の時のサンライズ・フェスティバルで演奏されては田中あすか先輩のドラムメジャー姿という、目にも素晴らしいものを見せてくれた素晴らしい楽曲だった。あとは眼鏡の加山沙希のバスドラムであったり加藤葉月の奇妙なダンスであったりといろいろなものをこのように現出させてくれた貴重な楽曲の作曲者でありイエロー・マジック・オーケストラとして演奏したドラムの高橋幸宏さんが亡くなったとの報に時代の流れを感じ取る。

 70歳だから決して高齢者とは言えないけれどもそれでもそれなりの年齢に達していた訳で、1970年代の終わりから80年代の中頃にかけて世界を席巻したテクノポップのムーブメントの中で教授こと坂本龍一さんと元はっぴぃえんどの細野晴臣さんの間にあってひたすらドラムを叩きそして唄ったダンディなお兄さんも、昭和の末期から平成を経て令和ともなるとやはり退場していかれるんだなあと時の流れを噛みしめる。

 細野さんが参加していたはっぴぃえんどではすでに大滝詠一さんも亡く、そして高橋幸宏さんが参加されていたサディスティク・ミカバンドでは加藤和彦さんも既にいない。そうやって変わっていく時代を受け止めつつそれでもあと少し、あともうちょっといて欲しかったなあという思いも浮かぶのは、やはり同時代的に盛り上がって聞き入った最初くらいのバンドだったからだろうなあ。このメンバーとしての細野晴臣さんからはっぴぃえんどへと遡っていったようなところもあるし、日本の音楽が世界に通用するんだということを感じ取らせてくれたところもあったから。偉大なバンドの要の訃報に、黙祷。

 そんなイエロー・マジック・オーケストラの人気にも重なるような時代に登場しては大活躍していた漫画家の江口寿史さんの展覧会が千葉県美術館でいよいよ今日までということで見物に行く。前に1度見ていたからざっと眺めた感じだったけれどもそれでもやっぱり女の子のディテールをしっかりとおさえてポーズも表情もファッションも可愛らしく描くことに長けている。それは「すすめパイレーツ」の頃から長けてはいたんだけれど絵柄を成長させつつ雰囲気はしっかりと残して至高の存在になっていったところにYMOとはまた違った凄さを感じ取る。なおかつ現役バリバリだからなあ。漫画は描かないけれど。

 サイン会もしていたみたいだけれど整理券とかないので遠巻きにして退散。せっかくだからオートサロンでも寄ろうと海浜幕張まで行ったもののコロナの流行を考えると騒動の中に身を置くのもリスクと駅の構内にあるカフェでしばらく原稿を書きつつ、興が乗らないので2時間ほどで退散をして千葉駅で万葉軒のトンカツ弁当でも買って帰るかと蘇我経由で千葉駅に出たら今日の分は売り切れで残念。あるいは京王百貨店の駅弁祭りに持っていってしまったのかもしれない。まあいつでも買いに行けるので退散して船橋まで戻りミスタードーナッツでしばらく仕事をする。でも興が乗らないので引き上げる。

 早いけれども夕食をと考えかつやでカツ丼の松。160グラムのトンカツはなかなに食べ応えがあった。ダイソーでアイロン台の代わりになるミニテーブルを購入して帰宅し玄関先に置いたら良い感じだったのでしばらくこれで作業しよう。そしてネットをしばらく散歩。どこかのコンセプトカフェが抽選でキャラクターのパネルが当たったことをSNSで自分はこのキャラ知らないんだけれどカッコ良いねと書いたらしい人を論っては他の当たらなかった人に不快感を与えるからと返還を要求したって話を見て、そんなことをしていたら当選したことを報告する度に落選した人に不快感を与えるからと変換を求めなくちゃいけなくなるんじゃと訝り驚く。同様の批判がわんさか集まり炎上中だけれど当事者は沈黙。キャラクターを預かって運営しているカフェだけに元のキャラクターを展開しているゲーム会社が動かないと事態は変わらないかもしれないなあ。どうなるか。様子見。


【1月14日】 会議録を書き上げて送ったら疲れ果てたのか夜9時には眠って起きたら朝だったので、電車を乗り継ぎ阿佐ヶ谷へと出て阿佐ヶ谷ロフトで片渕須直監督による「ここまで調べた」シリーズの最新版を見物に行く。その前に腹ごしらえでもしたかったけれど、いつもいってたぱすた屋が閉店になっていた上に後にまだ店が入っておらず男の晩ごはんの後の店も今ひとつなんで、食べずにおこうとVELOCHEでサンドイッチだけ戴きつつ時間まで過ごす。阿佐ヶ谷のアーケード街は本当に色々とあって便利そう。VELOCHEは電源もとれるので騒がしいのが気にならなければ原稿だって書けるのだ。

 ミート屋も賑わっていたので横目で過ぎて阿佐ヶ谷ロフトでイベントを見物。いつもだったら売り切れが出るほどのイベントなんだけれども回が重なったからか正月明けだからか、先週に予約しても40番以内という好位置。なので前目で見られてちょっと小さめだった声もしっかりと耳に聞き取れた。いわゆる次の清少納言を取り上げた映画に関する調査結果のお披露目だけれど、いつできあがるかは不明で今年ではなく来年ですらないかもしれないみたい。なら再来年なのかその次か。調べているうちにどんどんと新しいことが分かってくるのでシナリオにも移れないみたい。

 何しろ仲が良くってベタベタだったと言われている清少納言と中宮定子の関係が決してずっとベタベタではなく途中で諍いもあって清少納言が飛び出したとかいった話も出てきたくらい。あるいは途中で下っ端から局主って役職にもあがっていろいろと差配することにもなったみたいで、そんな変化の中で人間だって変わるものを同じように過ごしたとみるのがそもそも間違いって話みたい。言われてみれば会社員だって10年もいれば立場が変わって言動も変わる。そうした現代のリアルを平安時代に持ち込んで悪いはずはないのに、研究者というのは頑なに自説を曲げないらしいから大変。映画が公開されてもきっといろいろ言われるだろうけれど、そうした声に先に答えておく意味でもこうしたイベントには意味があるって言えそう。

 あと中宮定子の私的な関係からそこにいたみたいな言説もあるけれど、天皇だっている殿中にあがって仕事ができるのは正式に官位をもらった人たちばかり。それも従五位の上とかは必要らしいから清少納言もそうした官位をもった公務員だったんじゃないかって話をしてくれた。いろいろと見方を広げてくれて興味が出て来たのでちょっと枕草子を読んでみたいけれど、高橋源一郎さんだか誰かが訳したものが良いのか大場みな子さんのが最適なのか。ちょっと迷う。原本はさすがに読めませんってば。

 3時間くらいで終わったので阿佐ヶ谷から新宿を経て池袋まで行きそこから東武東上線で東武練馬へと行ってイオンシネマ板橋で劇場版「Dream Collaboration Festival ドリコラFes. アイカツ!シリーズ&プリティーシリーズ」を見る。もう3度目だけれど劇場が段々と小さくなるなかでここだけは最大規模にちかいスクリーンで上映してくれているのだった。サウンドもJBLのスピーカーが入っているらしいシアターで見上げるようにしてみたアイカツ!勢とプリティーシリーズ勢のコラボレーションは見事で最高。「Dream Goes On」のイントロが流れてくるだけで心躍り出してしまうし、ラストの「Make It」をアイカツ!勢とプリティーシリーズ勢がいっしょに歌って踊るどころを見ると感激で腰が抜けてしまうのだった。

 3度目となるとアイカツ!勢の歌にも興味が湧いてきて、湊みおがレギンス姿で唄う「6cm上の景色」とかダンスも歌もどちらも心に響くようになってくるのだった。でもやっぱりプリティーシリーズ勢に目が行ってしまうかなあ。その7人が唄う「プリマ☆ドンナ?メモリアル!」とかダンスも含めて最高で、あと何度だって観て観たくなる。というかすでに4度目を行く気満々。板橋ほどではないけれど、イオンシネマ市川妙典もそれなりに大きなスクリーンで上映してくれているのだった。あと何回見られるかな。19日まで。がんばろう。


【1月13日】 木村拓哉さんと綾瀬はるかさんが出演している映画「レジェンド&バタフライ」が3時間くらいあると聞いて、これはきっとマサラムービーに違いないと確信する、というかそれくらじゃないと見てられないような気がしてならない。例えば織田信長と斎藤道三が対面する場面はやっぱりダンス対決で、そして今川義元を相手にした桶狭間の戦いでは大軍勢を従えつつも双方が殴り合いの一騎打ち。さらに帰蝶とのラブシーンは2人がいっしょに歌を唄い、最後の本能寺の変では燃えさかる本能寺をバックに信長がダンスを見せつつ矢を浴び息絶えるのだ。それなら見たい。絶対に観たいけどそんな映画、誰か作ってくれないかなあ。

 あまり寒くなかったのでジャケットを羽織って歯医者へ。行き始めてからほぼ4年が経つけれど、最初は歯石もびっちりで歯肉炎になりかけている上に親知らずが虫歯でボロボロで酷い状態だったのを数ヶ月様子をみてまずは炎症を抑え、それから親知らずを抜いたり歯石をとったりする治療へと移っていったことでだんだんと歯茎も健康になって来た感じ。今は3カ月に1度の通院でもそれほど酷い状態にはならず虫歯も歯周病も進まない状況を保てるようになった。

 仕事をしていたらきっと忙しくて行けなかっただろうから、そのうちに酷い状態がさらに酷くなって全部入れ歯だなんて状態になったかもしれない。それだと年を取ってからの暮らしも楽しくなかっただろうから、今を捨てても未来をとったと言えば言えるのかもしれないなあ。収入は減ったけど、残っていたら身心ともにガタガタになっていたことを思えばどっこいどっこいってことにしよう。せっかくだからを歯ブラシを1本買っておみくじを引いたらもう1本もらえる当たりが出た。今年はなかなか縁起が良い。凶しかないと言われている浅草寺のおみくじで吉が出たし。

 時間があったら千葉県美術館で開かれている江口寿史さんの展覧会でも観に行こうと思いつつ、その手前の海浜幕張まで行ってお昼ご飯を食べたあとでオンライン会議。具合が悪いのか単純に操作ミスかワイヤレスイヤホンから音が鳴らずスピーカーから聞こえてくる状況になったので、あわてて持っていた新しいパソコンを起動しつつ売店でワイヤードのイヤフォンをかって対応する。当初の予定時間を30分間違えて早くアクセスしたんで間に合った。会議は1時間半ほどで終了。せっかくだからそその日のうちに会議録をまとめて提出する。これも1年がかりのお仕事の一環。報告書への反映も進めないと。

 海浜幕張ではオートサロンが行われているようで大勢が歩いていた。前はカスタムカーの祭典として自動車メーカーから蔑ろにされていたところもあったのに、今やあの世界のトヨタですら参加しては新車の情報を発表したり、日産自動車も看板のGT−Rの新型車を出したりするメーカーお墨付きのイベントになっていた。東京モーターショーが世界の潮流から置いてけぼりにされて海外の主要メーカーが軒並み参加しないローカル色も甚だしいものになりながら、それでも対面を保とうとしているのと比べると車好きしか来ないカスタムカーの祭典の方がよほど車好きにアプローチできる場としてメーカーも有りがたく思っているのかも知れないなあ。ってモーターショーは自動車メーカーが仕切ってるんじゃなかったのか。そういう一枚岩でないところにトヨタも嫌気が差しているのかな。

 会議が長引いて千葉県美術館には行けそうもなかったのでもどって南船橋のららぽーとを散策。アビレックスのショップがあったので店員さんと話していたら、やっぱり革ジャンがやたらと値上がりをしていて大変なことになっているとか。B−2でいわゆるボマージャケットなんて今や20万円を超えているらしい。昔は高くても13万円くらいで買えたのに。その頃に買っておけば良かったかもしれないなあ。とはいえ買った普通のコックピットの革ジャンもあまり着てないのだった。重いんだよやっぱり。買うならやっぱりN−3Bかなあ。

 船橋へと戻ってVELOCHEで会議録を仕上げた後、いつもの松屋でネギ塩チキンの定食を食べて帰宅。配電盤の故障を直すときに玄関に渡して机替わりにしていたアイロン台をとっぱらった関係で机がなくって家で食べるのにちょっと不自由しているので仕方がないのだ。まあ外で食べた方が暖かいものを食べられるってこともあるけれど、そればっかりだと太りそうなんてそろそろ考えないと。短めの板を調達して机替わりにするかなあ。って部屋を片付けるのが先だろうけど。絶対に。


【1月12日】 ジェフ・ベックがもの凄いギタリストだと知ったのはあるいはルイス・シャイナーが書いた短編「ジェフ・ベック」をSFマガジンで読んだあたりかもしれないと振り返りつつ、その訃報が持つインパクトなんかを考える。じぶんとしてはクイーンのブライアン・メイなりポリスのアンディー・サマーズといったバンドの中のギタリストとは違ってソロで屹立するギタリストの凄さを認識することの難しさもあって、今ひとつピンと来ていないんだけれどこれがエリック・クラプトンだとちょっとは大変だと思うから、それと同じかそれより凄い衝撃がギターキッズにはあるんだろうと想像する。

 ネットなんかで改めて演奏を見るとギターが唄っているというかギターが泣いているといった感じにギターを鳴らして響かせてメロディを聴かせるフュージョン的な活動が目に入ってきた。女性のベースを従えたライブなんかもドラムとベースに重ねて演奏する程度。だからこそギターの音色の多彩さもわかってそのテクニシャンぶりが伝わってくる。だったらおんがくとしてはどうなんだろうとなった時、今に語り継がれるヒット曲がパッと浮かばないのが難点だけれど聞き込んでいくうちに好きな曲も生まれてくるかもしれないから、これを機会に1枚2枚聞いてみるかなあ。

 昼頃にネットで「機動戦士ガンダム 水星の魔女」について喋って収録。その時は言えなかったけれどもやっぱり「水星の魔女」はある意味で「マイマイ新子と千年の魔法」でメインに描かれた“こどものせかい”の話で、経済だとか軍事だとかいったことを考えないで毎日を楽しくカリキュラムに沿って生きていれば十分だったのが警察官だった父親が博打に手を出して借金を重ねて自殺してしまったところで社会の大変さと接触し、“こどものせかい”にずっとは居られない現実といったものを突きつけられた。そこから先はまだ描かれたりはしなかったけれど、想像されたものが「水星の魔女」ではだんだんとメインになっていったといった感じ。もはや子供のままではいられない状況になってしまった。

 中身がからっぽで自主性を持たず母親の操り人形めいた存在だと露見してしまったスレッタが、そのままでミオリネと並ぶヒロインで有り続けることはちょっと難しい。かといってあの状況から落ち込んで反省して挙げ句に母親に逆らい自分を屹立させるようになるとはちょっと思えない。そうなるためにはあまりにも時間が足りない。それとも時間を一気に進めて1年後あたりからスタートし、財閥の中でそれなりの地位を占めるに至ったミオリネと水星に戻りアーシアンも巻き込んで反抗の象徴となったミオリネの対決なんて展開へともっていくのか。それでもやっぱりスレッタがヒロインとして立つための軸が乏しいんだよなあ。どうやって描いていくのか。目が離せない。

 せっかくだからとスタジオジブリが出している「熱風」ってフリーマガジンをもらいに丸の内の丸善まで出かけていって、それから近所のカフェでかたかたと原稿を整える。ふくやまけいこさんの初期作品集が出たのに合わせたものだけれど、読んでみると前に出たものから割とセリフなんかを変えているのが分かってきた。たいていは主語だとか人称なんかを消して短くしてスッと張って来やすくするものだけれど、「何がジョーンに起こったか」だとラスト辺りのセリフが変わっていてどことなくニュアンスも違った物のように思えてくる。それが本当に正しい認識なのかはちょっと難しいけれど、気になる人は探して比べて読んで欲しいもの。とはいえぽるぷ版の「何がジョーンに起こったか」は手に入れるのが厄介だからなあ。探せば安いのもあるけれど、美麗だと結構高いんだ。「タップ君の探偵室」とか「ジェリービーンズ」はマンガ図書館Zにあるからそっちと比べてみるのが吉かも。


【1月11日】 荷物が届くのを待って外に出て、イオンシネマ市川妙典で「アイカツ!」と「プリティーシリーズ」のコラボ映画を見るために市川妙典まで行きつつスターバックスコーヒーで時間まで仕事。途中まで打ち上げていた企業取材の原稿を仕上げてから、劇場で2度目の「ドリコラフェス」とやらを見て感動に打ち震える。春音あいらが唄う「Dream Goes On」を大画面で聞けるのはやっぱり感動だし、エンディングがあの曲というのも「プリティーシリーズ」寄りには嬉しい限り。配信がどうだったかは分からないけれど、こういう締めをしてくれると「アイカツ!」に推されがちな「プリティーシリーズ」勢としても嬉しくなる。

 あとは「プリマドンナ?メモリアル」がダンス付きで見られるところかなあ。前に見た「キラッとプリチャン」の宣伝も兼ねた劇場版のエンディングに使われていた楽曲だけれど、それを「プリティーシリーズ」から出そろった7人が並んで踊る姿はとてもとても麗しい。振り付けも最高でその仕草を見に何度も通ってしまいたくなるというか、すでに次にいつ行こうかなんて考えていたりする。イオンシネマ市川妙典はまあまあ大きめのスクリーンでやってくれているけれど、それより大きい所ってどこかあるだろうか。バルト9とか狭いんだよなあ。シアター9でやってくれないかなあ。

 見終わって昼が過ぎていたので華風伝って割と遠くからも人が来るラーメン屋に言ったら水曜日で定休だった。これは残念。仕方がないのでマクドナルドへと入ってビッグマックを囓りつつ別の原稿を途中まで書いてスターバックスへと戻り安いおかわりをしようとしたものの、人がぎっしりで座れる場所もなかったので船橋へと戻っていつものVELOCHEで違う原稿の続きを書いてどうにかこうにか夕方までの仕上げて送る。ちょっと仕事をした気分。まあ載って初めてお金になるからまだ1銭にもなってないんだけれど、そこまで来れば載ったも同然だから良しとしよう。そして請求書を書いてまた同じだけ働いた気になんるんだ。1粒で2度美味しい。実入りは変わらないけどね。

 家では寒いので外で暖かいご飯を食べようと松屋でハンバーグを食べる。まずまず。チキンに黄味をかけるカルボナーラチキンも気になったけど食べたばかりなので太りそうなので次ぎにする。ってハンバーグならいっしょか。そこからさらに外で仕事をする気もないので家へ戻ってネットで「トライガン」の新しいアニメーション「TRIGUN STAMPEDE」を見る。なるほど映像的にはものすごいことをやいって、アメリカも好みそうなカートゥーン超のキャラデザインとモデリングでもって細かい動きを再現してのけている。ルックとしてアメリカの人もこれなら納得はしそう。

 でも、きっとアメリカの「トライガン」ファンが求めているのは内藤泰弘さんの漫画のデザインでありそれがそのまま動き始めたような前の「トライガン」のアニメーション。それで原作と同じストーリーを繰り広げてくれた言うことはなかったのに、見た目はちょっと妙な上にストーリーからミリィ・トンプソンが消えてしまっている。鶴ひろみさんとコンビを組んで雪野五月さんが愛らしい声を演じた珍しいその役を削ってしまって果たして「トライガン」と言えるのか。ミリィのガトリングガンとそしてメリルのデリンジャーマントがなくして本当に「トライガン」と言えるのか。そうした部分への配慮が少し欲しかった。

 まあでもそれなら原作を読み前のを見れば良い話でもあるので、これは何か新しいものを描こうとしたものとして受け止めるのが正解なのかもしれない。ルック的にはポリゴンピクチュアズが手掛けた「大雪海のカイナ」にも匹敵する不思議さで、フル3DCGのアニメーションの概念をここでひとつ進めたり変えたりするんじゃなかろうか。「大雪海のカイナ」は世界設定も地上の遥上に薄膜があってその上で人が暮らしている一方で地表を雪みたいなのが埋め尽くし、沈めば終わるそんな世界で顔を出した島に人が暮らしているという特殊すぎる状況があるから、どうなってしまうのかがまるで分からず先が気になる。原作付きでもオリジナルであり原作もないオリジナルと言える両作品の行く末、見極めたい。


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