縮刷版2022年11月下旬号


【11月30日】 フィル・ティペットといえばやっぱり「ジュラシックパーク」で恐竜を実際に作って動かし映像化しようと考えていたら、スピルバーグ監督がそこはぜんぶCGでいくとなって失業してしまったかと思いきや、満足のいく動きを出せないCGにフィル・ティペットが動きを与えることによって生き生きとした恐竜の姿をスクリーンに映し出せるようになったというエピソードでつとに知られるクリエイター。特殊効果の神とも呼ばれてアカデミー賞も2回とった偉人にインタビューする機会があったのはなかなかに僥倖だった。

 よく喋るおじいさんで15分のインタビューで4つほどしか質問できなかったけれど、それでも記事にはまとまったのでとりあえずは良かった。そんな質問ではクリエイターはずっとひとりで延々と仕事をするべきで、周りなんて気にしちゃいけないという話が出てきてだからそんなクリエイターを伴侶にしてはいけないなんて言葉もあって、ひとたびクリエイターを目指したなら一生を独り身で過ごすことを覚悟しなくちゃいけないのかと思ったかというとクリエイターで無くてもそうなのでどうにも思わないのだった。いや思わなくちゃいけないんじゃ。そんなフィル・ティペット監督のストップモーション・アニメーション映画「マッドゴッド」が12月2日に公開。いかなくちゃ。

 午前中に家を出て船橋中央図書館で3時間くらい仕事をしてからすた丼を食べ、電車に乗って都心部へと出て神保町あたりで原稿書き。夕方になったので歩いて水道橋まで行き東京ドームでKISSを見る。子供の頃に大人気となるかたわらで、ジーン・シモンズが火を吹いたり血を吐いたりするショッキングなライブパフォーマンスを見せて大勢を卒倒させてる危ないバンドっていった印象も植え付けられたけれど、それから半世紀近くが経ってもなお活動の最前線にいるレジェンドをここで見ておかないと勿体ないということで、世界ツアーの組み直しの中で舞い戻った本当に最後らしい日本公演へと出向いた次第。

 東京ドームでもアリーナは満杯でスタンドからの観覧だったけれども昔に比べて音も遅れずに届くし音質も良くて冒頭からずっとしっかり聞いていられた。耳に覚えのある曲もあって例えば「ラヴィン・ユー・ベイビー」なんかはサビの部分が強く印象に残っていた曲で、それをポール・スタンレーがステージからアリーナの中央に建った柱の上に作られたステージで歌って聞かせてくれてなかなかに感動ものだったし、ジーン・シモンズもしっかりと火を噴いて血も吐いてくれてKISSらしさをこれでもかと見せつけてくれた。

 大人になって思うのは衣装こそど派手だけれど楽曲はストレートなハードロックでメロディアスでありビートも聞いてのりやすく、だからこそ時代に翻弄されないで今も人気を保てているんだなって印象を持った。「ロックン・ロール・オール・ナイト」なんて全米規模でエバーグリーンの楽曲として刻まれているヒット曲。それを見てくれこそ異形の際物のバンドが作り今なお歌い続けているんだからやっぱりアメリカって凄い国だしロックって凄い音楽なのかもしれない。

 まあメンバーは替わってエース・フレイリーもピーター・クリスもいないけれど、変わって入ったスペースマンのトミー・セイヤーはレスポールを何台も取り替えながらしっかりと音楽を刻み、そしてキャットマンのエリック・シンガーも両足でバスドラを馴らしながら顔を拭いたりドラムを叩きながら唄ったりする 芸達者ぶり。そんな若い、といってもとに60歳だけれど70歳代に入ったポールやジーンよりも若い体力でもって場を繋ぎ、そしてポールが誘いジーンが煽るコンビネーションでもって2時間のライブをラストまで引っ張っていってくれた。

 外タレだと1時間ちょっとで終わって不思議は内のにみっちり聞かせてくれた良いライブ。これを最後にするのは勿体ないくらいパワフルさに溢れていたけれど、でも最後だからこそ集まったってこともある。武道館からゼップあたりへと場を狭めながら続けるよりもど派手に東京ドームで3万人を喜ばせて去るのもまたKISSらしいってことで。ありがとう御座いました。


【11月29日】 ネットで回って来た海外アーティストの来日公演情報にドゥービー・ブラザーズがあって、それが初期のトム・ジョンストンだけでなく後期のマイケル・マクドナルドも一緒に来るとあってちょっと驚く。これなら「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」と「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」を共にを唄ってくれそうでちょっと凄い。その凄さを例えるならオメガトライブに杉山清貴さんとカルロス・トシキさんが参加して、「SUMMER SUSPICION」と「君は1000%」のどちらも披露してくれるくらいの凄さ。ちょっと行ってみたいかも。どうするかなあ。

 三郷で鉄工所を取材してから久しぶりに越谷レイクタウンのイオンモール越谷レイクタウンへと立ち寄ってざっと見る。ドクターマーチンのアウトレットがあって昔はもうちょっと定番タイプのシューズも少しはあって、幾つか試しに買っていたのが今は妙にデザインされたものばかりになっていて、これを買う人はドクターマーチンなら何でも良い人しかいないんじゃないかって思えて仕方がなかった。

 ブーツはあっても厚底で中に毛が生えていたりとか。派手なプリントが施されていたりとか。それもレディースしかなくてイングランドのパンキッシュなブーツを嗜みたい男子にはちょっと無縁のラインアップって感じ。ナイキだって定番めいたものを少しお安く売っているのにこれではちょっと。どうやら普通にショップで人気でアウトレットに回ってくる品がないとか。それは嬉しいことだけれどアウトレットの意味もないので何か考えて欲しいなあ。

 家に帰って「アミテージ・ザ・サード」のブルーレイを受け取ってネットを見ていたら東京都立大学で職員が切りつけられて負傷したとの報道。ふうん職員かと思ったら違って教員でそれも宮台真司さんで驚いた。歩いていたら後ろから殴られ首を切られたとかで本気で殺しに来たといった感じ。生命の危機はないそうだけれど手術もして面会もできない状況だから負傷というより重傷で、職員の負傷という状況からずいぶんと大きな”事件”になった。印象もまるで違うのに当初の報道がどうして小さくなったのかがちょっと気になる。

 歯に衣を着せないところはあっても相手のミスを衝いてえぐるようなことはなく、真っ当に意見を述べる感じのところがあって派手な怨みを買うようなところはない印象だったけれど、陣営を分けたがる人には一方に荷担したと見なせばこれは敵だということで攻撃が向かったのだろうか。気になるのはだからそうした宮台さんを敵とみなした側がどこかといったところ。いろいろと意見もあるようだけれどそこは犯人が逮捕されてから考えよう。大枠としてこうして衆人環視の中で人を傷つけるテロ行為が平然と行われる状況が、またひとつ常態化へと動いたのだとしたらそれは絶対に止めなくてはならない。その意味でも早急の犯人確保を望みたい。


【11月28日】 ぼんやりとしながらFIFAワールドカップ2022カタール大会のスペイン対ドイツ戦。ともにサッカーのトップリーグを持つ国だけれどサッカー観が違い過ぎる感じがあるだけにどんな戦いになるかと思ったら割と普通に攻め合い守り合う試合となって結果はドローに終わった。これで分からなくなった決勝トーナメント進出国は、最終戦で日本がスペインに勝てば文句なしにグループリーグ突破となってある意味で戦い方が分かりやすくなった感じ。

 でもそこでも失点したくないと守りに入って鎌田大地も三笘薫も久保建英も前田大然も南野拓実も温存するのが森保一監督。ドイツ戦の勝利を持って次もと決めたとしたらこれほどポン酢な話もない訳で、そこはちゃんと考えて欲しいけれども考えているなら森保一監督で出場だなんて考えなかっただろうなあ。それが田嶋幸三会長の日本サッカー協会って奴だから。足元にピタリととめる能力もスパッとパスを通す能力もないんだから、全員が献身的に走って前を向き続けるサッカーをした方がいいのに。オシムの教えは今いずこ。

 月曜日なので三鷹へと仕事に出て売店の跡地を埋める崎陽軒がまだあるのを確認する。シウマイ弁当だけではなく横浜ピラフなんてものもあって気になったけれど今回はパス。いつか船橋東武の店によって買ってみよう。5時間ほど仕事をしてから新宿へと出て禿げ頭専用の美容院でカット。3カ月が経つとあんな頭でも意外と伸びることが分かった。どうせだったら生えてないところも伸びれば良いのにそれはないのが人体の不思議とう奴で。

 終わって通りに出ると花園神社の酉の市で屋台がずらりと並んでいた。コロナの時には引っ込んでいたけど今は大丈夫ってことなんだろう。とはいえ人混みは敬遠して遠巻きに眺めて、たつ屋で牛丼の大盛りを食べて帰宅。100円増しだったのが150円増しになったのかそれとも前からそうだったのか。ベースの牛丼も400円になっていて世の中の値上げムーブメントが場末の牛丼屋にまで及んでいることを実感する。これを何にもしないでフワフワと政権運営を続けている自民党が次の選挙でもまた勝つんだろう。それが日本。

 夜にもワールドカップでセルビアとカメルーンの戦い。先取されて追いついてリードしたら追いつかれる激闘は結局3対3で並んでセルビアに未だ勝ちはなし。最終節のスイス戦に勝ってそしてカメルーンがブラジルに負けるとセルビアが2位で抜けられるのでまだ芽はありそうだけれどすでにトーナメント進出を決めたブラジルが本気でカメルーンを倒しに来るかそれとも遊ぶか。そこはサッカーの王国だけあって本気で挑んで沈めてくれると信じたい。頑張れピクシー。次の日本代表監督は貴方だ。


【11月27日】 極音で「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」が見られるというので立川シネマシティまで朝1番にいそいそと出かけて行く。いつもだったらウィンズにあるパスタ屋さんでナポリタンでも食べるところだけれど朝が早いのでどこもやっていないので食べずにそのまま劇場へ。もう4年近く昔の映画なのに今もやっぱり人気みたいで結構な人数の人たちが劇場につめかけていた。「マクロスΔ」が最近まで作られていて劇場版も公開されて作品としての現役感が強いこともあるんだろうなあ。

 あとはやっぱりアニメーション映画に歌が絡むフォーマットの始祖にして至高の作品というネームバリューか。マクロスシリーズに留まらず「ラブライブ!!」から「レビュースタァライト」からいろいろとあるアイドルアニメの走りでもあってもしもマクロスシリーズなかりせば、そうした作品が果たして今これほどまでに流行ったか、単にミュージカルアニメではないアイドルがアイドルとして活躍するアニメが存在し得たかといったところも含めて考えないといけない作品なのかもしれない。

 映画は前に国立映画アーカイブで見たフィルムでは当然なく、その際に上映されると告知されながらも間に合わず上映されなかった修復版のフィルムでもなくってラストにリン・ミンメイが「天使の絵具」を唄うライブシーンがついたリマスター版。だからちょっと前に劇場で見たのといっしょな訳だけれどもそこは極音ということでひとつひとつのセリフが聞き取りやすくて歌声も響いて最前列で見ていても音が割れるようなことがまるでなかった。ライブシーンの臨場感も最高。この極音で「愛・おぼえていますか」を聞くそりゃあマクロス&ブリタイ司令、ドボルザー相手だって勝てるって思わせてくれる。

 何度見ても柿崎はミリア相手にさっさとやられてスカル小隊って一応はトップに位置するっぽいチームのメンバーっぽくない情けなさ。ステーキを全部は食べられないままマクロスバリアの破裂に巻き込まれたテレビ版とどっちが情けないかといえばテレビ版だけれど自分の責任という意味では劇場版の方が情けないかもしれないなあ。いつか子孫に活躍の場を与えてやって欲しいもの。それはロイ・フォッカーにも言えるか。神谷明さんがただの二枚目から大人の男に切り替わった大事な役なのに、出落ち気味に扱われてしまうんだよなあ、どうしても。

 終わったのでそのまま家へと戻って夜のFIFAワールドカップ2022カタール大会。日本代表とコスタリカ代表戦は日本がコスタリカに勝てば次のスペイン戦を楽に戦えるようになるはずだったのに、第1戦のドイツ戦めいた戦い方ができずパスを出しては足元に治められないトラップのミスが相次ぎ、ドリブルしても奪われる足元の弱さが見え、そしてクリアボールをちょんと適当に蹴っては相手に奪われシュートされるという凡ミスが出て先取され、そしてそのまま同点に追いつけず負けてしまった。

 アジア予選で幾度となく見た光景。これなら最初から三笘薫選手を投入して最前線で引っかき回して1点2点を奪っておけば良かったと思うものの、そういう冒険ができる人ではやっぱりなかった森保一監督。ドイツ戦はだからやっぱり切羽詰まっていつもの戦術・三笘に保っていっただけかもしれないって可能性が浮上してしまった。これを第3戦もつづけるのかそれとも久保建英選手に見せ場を提供してあげるのか。でもそこはスペインで戦っていていろいろバレてる久保選手、サイドに押し出されて切り込めずボールを戻す繰り返しになるんだろうなあ。長友佑都先取にオーバーラップからの連係しての切り崩しを期待するのも無理だから。さてもどうなる。12月1日にすべてが決まる。


【11月26日】 ワールドカップ疲れで引きこもっていると貝になるので家を出て、電車に乗って本でも読みながら吉祥寺へと到着してさていつもの店でチャーハンでもを思っていったら閉まってた。工事中みたい。仕方がないので阿佐ヶ谷まで戻ってがっつり系のぱすたやに行ったらこっちは11月30日で閉店とのこと。しばらく前にがっつり系の定食屋だった男の晩ごはんが改装というか改悪されて茶色いご飯が減ってしまって美味しい定食屋さんになってしまって、これでたっぷり食べたい時によってた店が両方とも消えてしまった。阿佐ヶ谷も住みづらくなるなあ。って別に住んでないけど。

 ぱすたやは上野御徒町にもあるからそっちに行けば住むのだけれど、中央線沿線から近いかどうかは割と死活問題なのでこれからちょっと困りそう。荻窪駅前あたりで開拓してみるか、あるいは阿佐ヶ谷に他の店がないかを探してみるか。三鷹駅前の男の晩ごはんが復活してくれるとありがたいんだけれどなあ。それもなさそうだし。ともあれペスカトーレをがっつり食べて新宿へと出て南口のフラッグにあるタワーレコードに寄ったら山下達郎さんの「SOFTRY」のアナログ盤が出ていたのでそそくさと購入する。発売日にも見かけていながら買わずにいたらすぐに売り切れてプレミアになっていたんだった。その後再販されたのが残っていたみたい。聞ける訳では無いけれど、そこはまあ縁起物ってことで。ジャケットも魔除けになりそうだし。

 タワーレコードでは飯島真理さんの「ロゼ」と「ブランシェ」とうデビューアルバムと2枚目のアルバムがDVD付きで再販されていたのを今頃発見して購入する。ちょうどライブシーンがYouTubeで配信されて関心が高まっていたのだった。どちらも最初に出たアナログ盤を購入して、それから何年か前に出た紙ジャケのCDも購入していたからこれで3度目の購入になる訳だけれどもいろいろとおまけもついているのでこれはこれで良いのだった。別に11月の頭に出た新譜も見かけたけれど手元不如意でちょっとパス。あとは初期からいったいどんな感じに変わっているか、聞くのも怖いってのがあっったのだった。そこはネットでサンプルでも聞いてみて決めよう。歌声が変わっているってことはないんだろうけれど。

 池袋へと回ってグランドシネマサンシャインのIMAXレーザーGTで「RRR」。いちおうは実在らしい人物の名前だけ借りつつ完全なフィクションで描いた反映闘争の物語は森から出て来てさらわれた少女を助けようとする側にも、そして警察官となって反映闘争のインド人を撃退し続ける側にもそれぞれに過去があって義もあって、それが分からずすれ重なり合ったりすれ違ったりした先で離別があって理解があって共闘があるtいった具合に見ていて起伏がありながらも流れが1本通っていて見やすかった。どちらもヒゲがもじゃっとなると見分けがつかないけれども髪型が真っ直ぐとパーマで見分ければいいと分かったので後は大丈夫だった。

 反映闘争自体は名前を借りた2人も頑張ったけれどもそれが大きな変革を産むことはなかったものの、ネルーだったりガンジーだったりといった非暴力からの不服従によるゼネスト的なうねりが結果として英国の支配を揺るがしインドは独立への道を歩んでいく。やっぱりデカいのと人が多いのもあると英国といえども統治し続けるのは無理ってことなのかもしれないなあ。とはいえ独立した国家としてのインドがすべて隅々まで裕福になったかというとそこは難しいところ。ヴァルナジャーティ制の問題も根深くヒンディーとイスラムと仏教のまだら模様も何かしらの影響を与えている。そんな国でも崩壊せずに保っているのはやっぱり英国を退けたという強さが国民の中にあるからなのかもしれないなあ。そして「RRR」を見て溜飲を下げるのだ。そういう映画だたぶんきっと。


【11月25日】 ピクシーことドラガン・ストイコビッチ監督が率いることもあって応援していたセルビアだったけれども相手は王国ブラジルなだけあってパスを回されシュートを打たれてもう大変。それでもどうにか守りに守ってはいたけれど、とんでもないシュートが飛び出して2点を奪われそのまま負けてしまった。初戦を落としたチームがグループリーグを突破する確率は11%くらいだって話で、確立だけならちょっと厳しい感じになってしまった。

 それでもゼロじゃないからまだまだ期待は出来るし、ほかはスイスとカメルーンだからランキング的にはちょい上に大分下。その両方に勝てば良いと思えばピクシーもまだまだ諦めていないだろう。無くなったイビチャ・オシム監督のためにも是非にグループリーグを突破し上位進出を決めてC組2位で突破してくるアルゼンチンを相手に準決勝で戦い倒していつかの借りを返して欲しい。やれるさピクシーなら。イビチャ・オシム監督の愛弟子なのだから。

 午前6時くらいに試合が終わってそれから寝て起きて原稿を仕上げて送って一息入れて、オンライン会議を2件こなして夜になってしまったので、家を出てイオンシネマ市川妙典まで出向いていって映画として公開された「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」を観る前に大華ってラーメン屋にいって名物らしいパーコー麺を頂戴する。肉の萬世のパーコー麺に比べるとパーコーが上品な感じで麺も細めでつるつると入ってなかなかの美味。合わせて食べた煮豚飯も薄く切られた煮豚がご飯とマッチして良い味を出していた。

 他にもかに玉ラーメンとかあってチャーハンも美味しそうだったのでまた行きたいけれど、休日とかは行列ができるくらいの人気店なので平日夜に映画を見に行く用事をつくってでかけよう。まだあそこのIMAXで「すずめの戸締まり」を見ていないので4度目を見に行くことも検討しなくては。「ブラックパンサー ワカンダフォーエバー」は見たい気もあるけれど、「ブラックパンサー」自体を見てないので今ひとつ気乗りしないんだよなあ。あるいは「ONE PIECE RED」の見納めとかも考えるかな。「RRR」はグランドシネマサンシャインのIMAXレーザーGTで見る予定だから市川妙典ではパス。

 そして見た「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」は徹頭徹尾「転スラ」だったって感じ。アニメ版をずっと見て来た人はそのクレイマンを倒して魔王になったあたりからちょい脇道にそれてベニマルたち大鬼族をメインにした物語を描いた作品だって分かってそこでベニマルの兄貴分を登場させつつラージャ小亜国という本編では未登場の国も登場させつつ本編には絡んで来ないストーリーを描いていつもながらのリムルの無敵ぶりと善人ぶり、そして配下のベニマルからソウエイからシオンからガビルからハクロウからランカからゲルドに至る面々の強さを楽しませてくれた。

 見どころはだからディアブロの超越者ぶりで未はまだヴィオレの後のウルティマを登場させてディアブロと対決させてはリムルの配下になって名前をもらい受肉して強くなったディアブロとその主のリムルに関心を持たせる仕込みを行ったって感じ。愛らしいけど悪辣なところはやっぱり悪魔族なヴィオレ。でも歓心を買おうとし過ぎるとかえって機嫌を損なうことも分かったから、その側近の2人はいったいったいどれくらいの存在なのかが知りたくなった。いずれアニメ化が進んでいけば登場してくるだろう。いつのことになるのか分からないけれど。期待しつつ気を長くして待とう。

 産経新聞が10月のABC部数で100万部を切ったとか。すでに即売をのぞいた部数では割り込んでいたけれどもこうして改めて大台を割り込んだことが喧伝されるとやっぱりもはや媒体としての価値を感じないクライアントが広告を切ったり購読を取りやめたりする理由として使いそう。結果としてスパイラルのように部数が落ちていく。それが懸念されたからこそ近づいても死守していた数字だったけれどもはや保てなかったんだろう。こうして何十万部も減らし続けても代々の社長は責任を取るどころか会長へと成り上がってたりするんだから不思議な会社。だからこそ今がってことでもあるんだろうけれど。支局網も潰して東京近辺と大阪近辺でしか取材できず売れない新聞が全国紙の看板を守り続けるのももはや無理となった時、どこに落としどころを求めるかなあ。東京撤退もいよいよあり得るかもしれないなあ。


 【11月24日】 本田圭佑選手のAbema.TVでの日本代表対ドイツ代表の試合の解説について、松木安太郎さんのようだといった声が上がっているけれども書いている媒体が「FLASH」でもはや爺さん婆さんしか読んでいないような雑誌なだけに解説者として一時名をとどろかせた松木さんが未だにひとつのメルクマールとなっていると感じ取り、その名前を出して本田選手を並べれば分かりやすいし受けるとでも考えている雰囲気。20年前の日韓大会の時だったらそんな比較も成り立ったけれどももはや松木さんが過去の人になりかかっている上に、本田選手の開設が松木さんとはまるで違った中身が濃くて的確で、なおかつ面白いものだっただけに比べるのも失礼といった反応が多くてそこにも雑誌の作り手の感性と、世間の人の感性とのズレが見て取れる。

 ドイツ戦での本田選手は相手が4バックから3バックに替えて両サイドを前に出して人を多く送り込んで攻め立てていることにすぐさま気がついて、両サイドの選手に対応を求めていた。とりわけ久保建英選手については中盤から前に出られないことを問題視してどっちつかずになってしまいがちな相手の布陣に対応するか、できなければメンバーを交代して日本が3バックにした時、あるいは両サイドが下がって守る5バックにした時に最適な選手を入れるよう進言してたらそれを聞いていたかのように後半、森保一監督はメンバーを変えて対応を行った。さすがはアジアで監督の経験もしてきた本田選手、とうよりもはや本田監督としてチーム全体をマネジメントしディレクションもする立場になっている。

 実質はピッチの選手たちが自分たちでマネジメントしつつライセンスを持つ松木さんを監督に据えていただけのベルディでの立場とはまるで違ったシビアな場に立ち沢山の経験もしてきた本田選手ならではの視座をここは讃えるべきなのに、余談のように口にしたワインがどうのとかオフサイドをちゃんとみない審判への批判からオフサイドを見る機械に頼りがちな傾向へと話を延ばしてそれなら副審いらないんじゃないかといった至極当たり前の感想を、特別のことのように取り上げ騒ぎ立てることこそがもはやサッカーを見る多くの感性からズレている。でもそこを取り上げればバズると思っているメディアの感性に末期ぶりを感じざるを得ないのだった。サッカーメディアはさすがにそういうことはなかったものなあ。やれやれ。

 書く原稿があるので三鷹駅まで行って上にあるPRONTであれやこれやと原稿書き。テープ起こしから言葉を拾ってとりあえず半分くらい仕上げてから、いつもの仕事場に行こうとしたら三鷹駅の前は駅の売店があった場所にシウマイの崎陽軒が店を出していた。これは吃驚。買ってお昼ご飯にしようとした近隣のアニメスタジオにシウマイ弁当の香りが広がりお腹を鳴らしているんじゃ無いかと想像したけれど、いまや900円にもなったシウマイ弁当だとそうはおいそれとは買えないのかもしれない。物価高怖いなあ。  とりあえず夕方まで仕事をしてから帰る途中にせっかくだからと1個シウマイ弁当を購入。恒久的な店では無くって期間限定らしいので、ここで買っておくことで三鷹には需要があると感じて店をいっぱい出してくれるかもしれないと期待してのことだった。どうなるか。戻って2年近く前に買ってあったPCのセットアップをようやく始める。その後に買った一太郎がなぜか半年以内にインストールしないとセットアップできなくなるバージョンらしいのでそれもまとめて整える必要があったのだった。いろいろとインストールしメールと一太郎の原稿を移してどうにかこうにか使用可能に。まあそれでも今は普通にそれまでのが動いているのでいよいよ本格的に動かなくなったらそっちへと移ろう。


【11月23日】 寒いけれども家にいると電器毛布にくるまったまま起きられなくなるので、頑張って起き出してクロワッサンをかじってから電車に乗って吉祥寺へ。リベストギャラリー創で開催中の上条淳士さんの展覧会を見物にいったら外国人が来ていて繊細な線に見入っていた。主に「SEX」からの展示で「TO−Y」よりも線が洗練された頃の絵は細くてソリッドな線でもって美しい女性が描かれなかなに目に刺さる。

 拳銃とかも手描きでしっかり描かれていて絵の巧さが響いてくる。今なら取り込んで貼り付けそうな物品であったり街並みも手で描いてトーンを張って立体感と質感をしっかりと出す。そんな技術を今も誰かちゃんと継承しているのか。紙にペンで描くのとタブレットに電子ペンで描くのとではやっぱり違うんじゃないのか。こうして展覧会が開かれて原稿用紙が並べられるとやっぱりマテリアルでもって刻まれた作品が持つ重さというのも感じられるのだった。

 とはいえ時代は変わるなら手描きでもって下書きを作りそれを取り込んで太く濃くするというのもありなのか。カレンダー用に描かれた下書きも展示してあってそれらはうすく鉛筆で描かれているのにカレンダーになると太くて濃い線になっているのが不思議だった。どっちが好みかって言えばカレンダーなんだけれど、手描きが持つ質感というものも捨てられない。それらが1枚14万円で出ていてちょっと欲しくなった。とはいえ原稿ではない下書きにそれだけ出せるのか。自筆だからそれだけの価値はあると思いたいけれど、下書きだと思うと素材に過ぎないのかもといった思いも浮かぶ。デジタル時代の作品の価値って難しい。

 吉祥寺のサンロード入り口が描かれた絵を見て元の風景を眺めて見比べて、構図は変わってないけど看板は変わっていることを理解する。タカQなんて今どうなっているんだろう。セレクトショップとして憧れのアイテムが揃っていた店だったよあなあ。富士そばで天ぷら蕎麦を食べようとしたら女子高生っぽい2人組も入って来て何か食べていた。立ち食い蕎麦を食べる女子高生。それも吉祥寺で。なんか良いねえ。お小遣いも少ない中でしっかり食べられる店がそこだったからなのかもしれない。

 オルハン・パムクがペストに関する小説を書いたみたいで、どんなものかを確かめに日本橋の丸善によって確認。上下巻でまとめ買いすると6000円くらいになるので図書館に期待することにして、日本橋交差点からやや日本橋寄りのエクセルシオールカフェに入ってテープ起こしを粛々と。2時間くらいでどにか起こしたので戻って夕ご飯を仕入れて買って食べ、寝て起きてさあワールドカップのドイツ戦だ。優勝候補の筆頭に来るチームなだけに前半の半ばからぐっと前に出てそこでボールを回し始める状況に、これはもうかなわないと思ったもののそれでも前半をPKの1点に抑えると、後半は選手交代がピタリとはまって堂安律選手、浅野琢馬選手といった交代で入った選手が共に得点を奪って逆転して勝利してしまう。

 解説の本田圭佑選手が指摘した問題点はまるでぴったり当たっていて、サイドで前に出られない久保建英選手をさっと提げて5バック気味にしつつサイドから攻められるようにしたのが大当たり。両サイドで走り込んだ選手が相手を押し下げて危機を大きく脱した感じ。こういうところで采配が光る森保一監督は、どうして予選でこれだけの采配を震えなかったんだろう。出るという目標のために冒険を冒さない一方で、勝つという目標のために冒険を置かせる見切りが良いのかも知れない。しかし浅野選手がノイアー選手のニアをぶちぬいたのは凄かった。世界のノイアーだよ。それを終盤にゴール前に引っ張り出した日本代表、これは行けるかも。


【11月22日】 ワールドカップ中でも明け方とかいったとんでもない時間がないのでイングランドvsイラン戦を普通に観てやっぱりイングランドすげえと驚嘆しつつイランもこれは大変だと同情しつつ寝て起きて船橋中央図書館へ。いつものパソコン利用席に座って3時間ばかりかけて原稿を書いてどうにかこうにか形を整えたのでいったんクールダウン。リサイクル本に昔見かけて興味があったビッキー・ゴールドバーグの「美しき『ライフ』の伝説 写真家マーガレット・バーク=ホワイト」(平凡社)をもらって外に出る。

 ソースラーメンの店でチャーハンでも思ったものの人がいっぱいだったのでサイゼリヤへ。ドリンクバーのコーヒーが壊れて出なかったのが残念ながらもジンジャーエールとソーダ水をがぶ飲みしつつハンバーグを食べつつ原稿の形を整えフィニッシュに持ち込み草稿してひと仕事完了。平日なのに昼下がりに女子が固まって4人ばかりランチをしていたのは学生なのか違うのか。何か学校が休日だったりしたのかな。そんな賑わいを観察してから外に出て、VELOCHEに入って別のインタビュー原稿の形をせっせと整える。

 話があちらこちらに飛ぶ内容をまとめたりつないだり補足したりして流れをつくってひとつ形を整えていたら夕方になったので退散。いつものスーパーで納豆とサラダを買って惣菜屋でコロッケも買って部屋に戻って一眠りしてからワールドカップの今度はアルゼンチンとサウジアラビアを観たら凄かった。メッシがPKを獲得して順当に決めるかと思ったら止められて得点にならず。逆にサウジアラビアが得点を奪ってそのまま逃げ切り優勝を狙うメッシのアルゼンチンを打ち破る。いやあ驚いた。でもがっちり固めた守備を奔放なアルゼンチンでは破れないかもしれないなあ。

 続けてメキシコとポーランド。レバンドフスキーというスーパーエースを抱えるポーランドが強いかと思ったらメキシコが小兵なりに技をきかせて相手を攻めさせず逆に攻め立て互角以上の戦いに。技のメキシコvs力のポーランドといった構図はドイツと戦う日本にもあてはまりそうで、それに加えて日本にはスピードもあるから発揮できれば良い勝負が出来るんじゃなかろうか。でも引いて押し込まれ守れず失点を重ねる未来も見えるからなあ。そこはだから当日のドイツ次第か。夕方から夜にかけていっぱい試合をしてくれるので今回のワールドカップはありがたいけど、予選が終わると明け方に時間がシフトして観るのがキツくなるのかな。なので今のグループステージをしっかり観よう。Abemaにこの時ばかりは感謝して。

 帝京大学の教授がゼミを希望してきた男子学生の名前を女性と思い込んで女性かと聞いてその答えも聞かないまま女性ならいろいろと優遇するめいたことを書き送ったら男子だったので反論するどころか開き直ったら録音されて公開されて炎上中。粛々と対応をすれば良かったのにどこにどうして女子だと決めつけてそれで話を進行させたのかが分からない。省みて問題を考える余裕がなかったかそういう思考がぶっ飛んだまま長く過ごして感覚が麻痺していたのか。元日経の人だったこともあって社会人経験者の採用に社会人時代の偉ぶった態度が持ち込まれアカデミズムの公平性にひっかかって炎上する問題が、改めて顕在化されそう。果たして帝京大学は辞めさせられるのか。ちょい見物。


【11月21日】 そして気がつくとFIFAワールドカップ2022カタール大会が開幕していて開催国のカタールとエクアドルが対戦。シグルバレンスみたいな名前のエネル・バレンシアという選手が2得点をあげてエクアドルがカタールを下してみせたのは順当として、その前に1得点があったはずだったんだけれど金胎から導入されたオフサイドを瞬時に判定するシステムで足首が先に出ていたことが判明してオフサイドということで取り消される事態となって、最先端テクノロジーの凄まじさをまざまざと見せつけられた。

 厳密に言えばそうあんだろうけれども体をもって人間とするなら足先くらいは出ていてもそれは見逃すのが人間の審判だったはず。あるいは見えないものだったけれどテクノロジーはそうした機微もミスも許さずしっかりと判定してルールの境界線上にあるものに白黒つける。それを人間味が失われると非難する声もあるかもしれないけれど、そうやって厳密に敷かれた線の内側から凄まじいプレーをして得点を奪うことこそがプロフェッショナルが見せる最高のプレーって奴。たとえテクノロジーが厳密化を招いてもそれを上回るプレーが見られると思えば気にしない方が良いのかもしれにあ。それでも気になるインザーギは果たしてどれだけの得点がオフサイドになるのかってこと。誰か検証しないかな。

 「機動戦士ガンダム 水星の魔女」で飛び出した“株式会社ガンダム”という状況から、バンダイナムコグループがガンダムだけで1320億円の売上げを今期末に見込んでいることを知ったついでに見たプリキュアの売上げが、今期末で60億円しかないことにちょっと驚く。これはスーパー戦隊といっしょで仮面ライダーの3分の1強といったところ。パワーレンジャーが北米で大人気となったあたりでスーパー戦隊は結構な売上高を見せていたし、プリキュアも女児向けでナンバーワンといった地位を保ってやっぱりそれなりの売上高を見せていたはず。それが今やウルトラマンにも及ばないというのはやっぱりバンダイとしても、そして東映としても気になるところだろう。

 仮面ライダーだってスーパー戦隊と同様に上がったり下がったりしていた記憶があるけれど、それでも1本筋が通ったキャラクター性があることで、迷走をせずに来られたのかもしれない。対してスーパー戦隊はドラマ性よりも娯楽性が重んじられる感じで見れば楽しいけれどもキャラクターとして玩具が欲しいなりきりたいといった感じにならないところに苦戦の理由があるのかもしれない。そしてプリキュアも毎年のリニューアルがその歳のファンを獲得できても、進む少子化でカバーできる人口が減って売上げ減に結びついているのかもしれない。それとも大人がニチアサと騒いでいるだけで子供たちはとうに離れている? そこは分からないけれどこれ以上下がるようなら何かテコ入れってこともあるのかもしれない。

 あるいは庵野秀明監督が「シン・ウルトラマン」を手掛けたことでウルトラマンは浮上し、そして「シン・仮面ライダー」を手掛けることで仮面ライダーも浮上へと向かっているのかも知れない。著名なクリエイターが改めて原点を問うことによって存在に対する認知が広がると共に何をもって其れというかが確認され、迷走が収まる効果が出ているってこと。その例にならえば次は庵野総監督で「シン・ゴレンジャー」を作ってもらって戦隊ヒーローの面白さとは何かを改めて問い直し、そして庵野総監督による「シン・プリキュア」を作ってもらって女の子たちが変身をして肉弾戦をすることの面白さを見つめ直すことになるのかな。最初に戻って2人にした上で破壊と暴力の限りを尽くしてでも正義を貫く女の子たちの物語。ってそれ「シン・プリキュア」というより「ダーティペア」じゃん。


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