縮刷版2007年12月上旬号


【12月10日】 ってか何か南って名字の家には妙にハイテンションだったり妙に負けず嫌いだったりする奴しかいないのか。たぶん柔道の関係で中途半端に後ろの5分が切れて次の番組の録画とつながっていたりして見たのがそっちからだったからいきなりまこちゃんが炬燵から飛び出してくる話になってて何だこりゃっと見返しつつ誰だこりゃっとまこちゃんを助けた野郎のことを前に録画してあった25分から確認したら南冬馬とかゆー人間だと判明、女子かよ。いやこれでなかなかに可愛らしいんだけれども南千秋の粘着質の攻撃に真正面から立ち向かおうとする姿がどうにも男らしくてそのままのキャラで引っ張られ、逆に見目だけは麗しいまこちゃんと入れ違いになってどっちがどうなのか分からなくなって来た。どっちがどっちだって良いのか別に。

 とりあえずみなみけ3姉妹プラス冬馬の足が突っ込まれた炬燵の中でもんどりうつまこちゃんがうらやましかったけれども膝を揃えて座ってる中に1人だけあぐらっぽい格好でひざおっぴろげて座っている奴がいたのは内緒でも何でもない。こーして登場人物も増え雰囲気も固まってきたにも関わらずとりあえず打ち止めとなって続くスタッフががらりと変わってしまう「みなみけ おわかり」がいったいどんな感じになってしまうのか不安もたっぷり。まあ声とか変わらなければ違いを気にする程のこともないのかもしれないけれども「魔法先生ネギま!」と「ネギま!」が雰囲気的にはずいぶんと違っていたことを考えると今のテンポになれた身には最初は違和感がつきまとうのかも。兎みたいな口とかも描き方とか変わって来るのかな。保坂は相変わらず変態なのかな。速水はやっぱり変人なのかな。

 シュワーボ・オスタニ。という言葉で結ばれている木村元彦さんの文章は「サッカー批評の第37号冒頭に収録されていて改めてその不在に慟哭と哀切の感情がわいて来る。同時に怒りも。サッカーの日本代表監督として作り上げようとしていたことについては続く文章で西部謙司さんが書いていて「オシムの姿勢は理解されたはずだ。サッカーと人生の不条理の中で踏みとどまる姿勢を。どれだけサッカーを愛していたかを。シジフォスが美しいならオシムも美しい。ならば、彼の1年半は徒労ではない」と前向きなことを言っているけどすでにして現実に起こっていて、木村さんが指摘しているサッカーにまつわる言説の後退が今後ますます起こってくるかと思うとどうにもやり切れない。早速にしてブラジルから来たご意見番とやらが「ただの監督交代」とかほざいているけど元気だったら継承されていたはずのものが継承されない可能性があるこの事態を「ただの」とは呼べない。異常事態であってだからこそ監督が替わりましたそうですか戦術も変わりますねといった安易な意見を言うべきではないのにどうにもオシムが苦手なこの御仁は、前任を否定し後任を称揚する「ただの」交替におとしめたいらしい。

 木村さんはそんなご意見番が前号の「サッカー批評」で振りまいた言説に「吐き気を覚えた」とまで書いている。「度し難いのはオシムの欧州時代の実績を把握せずにオシム解任を唱え、『どこでどのクラブで何をしたっていうの?』と言い放つ傲慢さ」と糾弾してそのご意見番を「怠慢この上なく評価対象に対する知識をマット句持たずに罵倒する。これは評論以前の問題であり、他ジャンルであれば評論家としての仕事は即座に剥奪されるであろう。あるいはプロデューサーや編集者が諫めるであろう」と批評する。したり。まさしくその通り。

 残念なのはけれどもその後に続く言葉どおりに「日本のサッカーマスコミは逆張りの辛口評論家として持ち上げ、テレビや専門紙で流通させてしまう。万年野党のポジションで飯が食えてしまう」状況がメディア界隈にあることで、現実に「ただの監督交代」を平気で言わせていたりするから問題の根は深い。キャプテンのオセアニアサッカー界にたいする侮辱的な発言も含めてこうした非スポーツ的で非サッカー的な言説が称揚され流布されてしまう事態をあるいはオシムだったら断ち切れたかもしれないし、今は無理でも芽は蒔けたかもしれないんだけれどもそれも今となっては難しい。

 メディアが変わらなければ本丸が動くはずもなく、かくして宇都宮徹壱さんが懸念するように「日本サッカー界は、10年に1度、あるかないかという変革のチャンスを、みすみす放棄してしまった。2007年という年は、日本サッカー界の『逆行へのターニングポイント』として、人々に記憶されることになるの」のだろう。そんな記憶すら消し去ろうとすでにメディアからオシムの色は消え岡田武史さんの大称揚が始まっていたりするからなあ。FIFAクラブワールドカップに来日しているブラッターが、プラティニがアンチェロッティがマルディーニが何か言うなり情報を遮断して寄せ付けようとしていない日本サッカー協会をすっとばして直接いっせいに病院へと家族を見舞うくらいのことをすれば……メディアはそれでも無視するかなあ、しかねないよなあ。

 これで元気だったら今頃は浦和レッドダイヤモンズがセパハンに勝ってACミランを相手に公式戦を戦うことになった僥倖の背後にあったオシムによる薫陶をメディアもあれこれかき立てたに違いないけどすでに代表監督が替わった今は浦和レッズの代表メンバーの間に染みていた戦う姿勢と走る意識なんてものを支えただろうオシムの貢献なんぞまるで無視して岡田武史新監督にどれだけアピールにになったか、なんて記事ばかりを載せるに違いない。なるほどそういう面もない訳じゃあないけれど、選手たちだって人間だし常識人だから消されていくオシムの偉功に対してきっとなにがしかの感情を覚えるだろう。だとしたらあとはそこから生まれてくる言説にも期待したいところだけれどそういうのもやっぱり消してしまうんだろー。暗いなあ、未来。あとは岡田武史さんの徳に期待するしかないんだけれど……。

 「月刊ニュータイプ」の2007年1月号を表紙に書いてあった「コードギアス 反逆のルルーシュ」の「お待たせスクープ」の文字につられて購入して読んだけれどもゼロの新コスチュームとやらの前との違いが分からない。どっか変わってる? 中身が変わってる? 「仮面の中身はヒミツです」なんてプロデューサーのコメントもあったりしてちょっと気になる。スザクはちょっと偉そうになっていた。出世したのか。ユーフェミアは退場しているからコーネリアの騎士にでもなったのかな。あとロロってひ弱な少年のキャラクターが登場しているみたいだけれども年齢とか不明。アッシュフォード学園の制服っぽいけど生徒なのかな、まあいいやどっちにしたってこうして続くことは確定気味。あとはいつからでどう進むのか。そのスタートまでは続けよう1日1ルルーシュを。


【12月9日】 聞こえなくなって改めてその言葉の大きさってものがひしひしと感じられて仕方がない。こんな時にイビチャ・オシムだったら何を言ったか。そしてそれがどれだけの意味を持って日本のサッカー界やメディアを善い方向へと導いてくれたのか。倒れてこの数週間の間にわき上がってきたさまざまなサッカーに絡んだ言説なんかを見るにつけ、そんな思いが激しくつのって何でなんだどうしてなんだと気持ちも涙で濡れてくる。

 例えば、日本サッカー協会のキャプテンを名乗る輩が、オセアニア代表としてやって来たクラブチームのレベルが今ひとつだって言ったらしい。いやそんな生やさしいものじゃなく、お客さんを呼ぶのにあまりにレベルが低いと激怒したって伝わっているけどそれをどうして日本の協会のトップでしかない人間が言えるのか。大会を取り仕切っていて資金も拠出しているからレベルが低くてお客が集まらない試合が出るのが悔しいのか。手前が儲けるためだけにこの大会を開いているのか。

 違うだろう。それを言い始めたらスポーツの世界大会なんて成り立たない。選りすぐりとか言われるワールドカップだってアジアの弱さは際だっていて、06年のドイツ大会ではまだオセアニア代表として出ていたオーストラリアを除けば、日本も韓国もイランもサウジアラビアも決勝トーナメントに上がれなかった。あまつさえオーストラリアとブラジルには大惨敗を喫した訳で、そんな試合を見たワールドカップに出られなかった欧州だとトルコとかデンマークとかアイルランドとか、南米だったらウルグアイとかコロンビアの人たちはあんな弱っちい日本が平気で出てくるアジアになんて枠はやるなと言いたいに違いない。

 幸いにして観客席は日本からの客でわんさか埋まるから興行的には大丈夫なんだけれども傍目には不公平感が出ても仕方がない。もっと言うならラグビーのワールドカップに出ては大敗を喫し続ける日本をニュージーランド代表はどう見ているのか。もしも相手が日本のキャプテンと同じ思想の持ち主だったら、アジア枠なんてとっくに消滅しているだろー。「コードギアス 反逆のルルーシュ」のルルーシュだったら「嘲って良いのは嘲られる覚悟のある奴だけだ」と鼻で笑って日本を斬るね。

 違うんだ世界大会ってのはそうじゃなくって力に多少の差があってもそれを直接ぶつけあうことでお互いがそれぞれの力を知って、強きは自身を持ち弱きは上を見て改めて努力していくためのステップとして存在意義を持っているんだと言いたいのだとしたら、それはクラブワールドカップに出てくるオセアニア代表にだって言えること。他の地域の代表を試合をすることでひとつの目安を得てそして目標として努力を重ねいずれはまず1勝、そして遠くには優勝すら見据えて階段を上っていくための、第1歩として彼らにとって大いに意義のある大会だって言える。

 それをただ弱いから、客が入らないからと切り捨てるということは彼らの夢と可能性を、端から断ってしまうことにほかならない。サッカーという共通言語を持って世界にその輪を広げるべきところを、レベルじゃないから出て行けと追い出そうとしているのが我らのキャプテンだとしたらこんなに情けない話はない。もしもこれをオシムが聞いたら何と言ったか、東京オリンピックの時の日本はそんなものでしたよ、そう言ってくれたら天狗の鼻も折れたのに。いやそこまで直裁的なことは言わなくても、巧い下手ではなくて前向きか否かを見て認め讃えたに違いない。

 あるいは天皇杯に新しい代表監督が視察に訪れたという記事。そこで持ち上げられているのはかつて指揮したチームに招いたフォワードの選手のことばかりで、再会を果たし御前試合で得点を奪ったことを書いている。なるほどドラマ性はあるけれどもその試合で最大に活躍したのは2点を奪った若干23歳とかのミッドフィルダーで同じチームに天才ともてはやされる選手がいながらその選手が不遇をかこっているのを横目に出場試合数を伸ばし、しだいに活躍の度合いも高めているにも関わらず五輪代表にすらなっていない無名ぶりではバリューが足りないからなのか、まるで引っかけようとしない。

 そこでこういう選手もいるじゃないかと書いて記事を突きつけるくらいのことをすればジャーナリズムと讃えたいけど、ドラマにならない記事は売れないって先入観があるのかそれともそういう考えすら浮かばないのかまるで触れようとしない。でもオシムだったら。お前たちはあの試合のどこを見て代表経験のあるフォワードばかりをもてはやすのか、とたしなめたに違いない。そこからメディアも勉強し、公平で刺激的な記事を生み出す可能性もあったんだけれど沈黙とともにそれも消えた。お追従と安っぽいドラマがきっとこれから幅を利かせてくるんだろー。奪われたのは代表チームの可能性だけじゃないんだなあ。

 そんなじくじくとした思いを抱えて到着した国立霞ヶ丘競技場は雰囲気もいつもと違って国際的でなかなかに賑やか。チュニジアの旗を巻き付けた人もいればメキシコの旗を掲げた人もいたりで、ワールドカップほどではないけど国際試合の雰囲気にピッチの中だけじゃなく外でも触れられる貴重な機会として、トヨタカップから続いているのはとても有り難い。だからこそ観客動員を見込めるカードを、というなら昔みたいに南米と欧州の1発勝負にすれば良いだけで、それができずオセアニアからも代表を招くクラブワールドカップという大会にさせられ、その日本開催をのまされたんだったらあとはFIFAとの話し合いで解決するより道はないけど、ネゴとか出来る筋合いじゃあないもんなあ、開催国枠とか入れてしまった段階で。

 しかし座った席がカテゴリー1だったにも関わらず、すぐ斜め前のちょうどチュニジアから来たエトワール・サヘルのベンチ裏付近にチュニジアからの応援団が大集結して大騒ぎ。立つは叫ぶは煙草は吸うはで周囲から警備の人が集まってきて制しようとしても聞かず延々と応援を続ける。実際に02年の日韓大会なんかもカテゴリーの1みたいな席にもいっぱいサポーターがやって来て立ち上がり応援していて、これが国際大会の風物なんだと思えば気にもならないんだけれども日本代表の試合なんかののりでゴール裏以外の応援は認めないっぽい空気があって、それがぶつかり合って妙な感じになっていた。

 メインスタンドで応援なんてして欲しくなかったのなら、チケットを売る時にゴール裏にサポーター席を用意すれば良いんだけれど、見るとチュニジアのゴール裏にはサポーターなんておらずメインスタンドに固まっていたのは、発券時にどいうオペレーションをすればサッカー的に真っ当な雰囲気をスタジアムに構築できるのかをまるで考えていなかったから、だろー。売り切って儲ければそれでオッケー、チュニジアの一団のすぐ後ろにメキシコの一団が来よーが知ったことかとやっていたら、今時いろいろ物騒なイタリアから来る人たちとの間に凄まじい事態が起こったって不思議じゃない。なおかつ今年は物騒ではないけど血の気はたっぷりな人たちが浦和から大挙してやって来るし。果たして無事に開けるんだろーか16日の決勝戦。まあ豊田を出られないってこともあるからそっちの結果を待って考えよう。

 アルゼンチンからメキシコに出稼ぎに行ってるアルバレスとかヒメネスのプレーぶりを堪能した後で秋葉原へと転戦してひっそりと行われていた東浩紀さんや森川嘉一郎さんや井上伸一郎さんやメディアアートの誰かさんの4人によるパネルを見物。東京発のコンテンツがどんな感じになっているかを月末に書く参考にもなるって思ってのことだったけれども現地で担当しているのが例の「ネット・スター」を手がけた制作会社の人でやあやあこれはとご挨拶。評判もいいので是非に続編を作ってくださいとお願いしつつ始まった本番ではアート側の文脈でもってすくい上げられたオタク的なものが権威づけられオーソライズされていく可能性があるのかどうなのか、英語で紹介されることの多いものが日本の代表として欧米で一般化して日本語でしか存在していないけれども本流のものが歴史から排除されてしまう可能性があるのかどうなのか、って辺りについての話しがあっていろいろと勉強。とりあえず森川さんが計画しているオタク博物館の構想が実現する可能性のパーセンテージを知りたくなったけれども京都あたりで漫画ミュージアムが実際に運営されている様を見るにつけ、東京でだってと思いたくもなって来る。真偽やいかに。いつか話を聞きに行こう。


【12月8日】 というかまあ突然ではあったので驚いたことは驚いたのだが人様のことであって人それぞれに生き方はあるのでまあよろしく健やかにという言葉をもって祝福に代えさせて頂き候なれどもしかしやっぱり驚いた、いつの間に? というよりお相手は? もしかしたら取材で赴いたどこかの私設研究所の女性所長でマッドサイエンティストでバトラーな執事を侍らせながらタイムマシンとかパワードスーツとかを開発しているよーな人なのか? ってそれじゃあイズミコだ。

 そうかイズミコか、良いよなあイズミコ、あのちりちり頭と性格の破天荒ぶりが、ってイズミコ風だと決めてかかってる。こーやって想像をすぐさま2次元へとすべらせ理想の壁を高くしていく思考の流れが、現実から身を逃避させ現実を近寄らせないでいるに違いない。でも別にそれで困ってないから良いんだと言い訳。どっかの研究所に立ち寄った際にカプセルの中で拘束具を着せられ眠らされていた緑色の頭をした美少女を見初めた、なんてことだったらそれはそれでうらやましい、ってそれも2次元だってば、「コードギアス 反逆のルルーシュ」のC.C.だってば、良いよなあC.C.。堂々巡り。

 なんか茫洋として来たんで心に栄養を摂ろう家を出て「フクダ電子アリーナ」へと向かいサッカー「天皇杯」の「ガンバ大阪対大分トリニータ」を見物。千葉の蘇我でどーして大阪と大分の試合なんぞが行われるんだとゆー謎はひとえに千葉のチームが大分に負けてしまっていたからで、こーゆー地元勝ち上がりを前提にしてスタジアムを割り振る方針が果たして良いのかどーなのか、当たればわんさと客は来るけど外れると何ともプロ向けの試合になってしまうだけに判断に迷うところではあるけれど、ふだんはあんまりというよりまず絶対に見られないカードを見られるって意味では有り難い。どうせだったらさらに差のあるJFL対J1って試合も見たかったけれどもそれは別の会場で行われてJFLが勝つという番狂わせに。とはいえ負けたのが名古屋グランパスエイトと聞いてまたやっちまったか感しか起こらないのは何というか諦観というか。これも師走の風物詩って奴で。

 んで「フクアリ」は出店もあんまり開いてなくってカレーのサマラナに行列が出来てたんでメインスタンドへと回ってこちらは空いてた「なか卯」で牛丼を買って今年おそらく最後の「フクアリ牛丼」をかき込む。来年ももちろん来るつもりではあるけれど、監督人事が大揺れに揺れてて契約更改を前に選手たちにも迷いが生まれている状況で、もしこのまま主力と呼ばれる選手が抜けてチームがどうにも目に迷う状態となっても果たして通い続けるかどーなのか、イエロー愛を試されている感じもあるけれども選手だ監督だってところで迷う辺りが意識の浅さ。10年15年を耐えて来た人はこんなことでは動ぜず今は蕭然として成り行きを見つめているんだろー。しかしゼムノビッチさんとは。ここん所メディアじゃあ“オシムの友人”扱いでヤドランカさんと同格で、サッカーコーチっぽい捉え方はまるでされていなかったもんなあ。J1にいきなり復帰で間に合うのかなあ。間に合わせっぽい人事はもう辞めにしてくれないかなあ。

 スタンドに入るとカメラの放列が明後日の方向を向いてて観察すると観客席の上にあるガラスハッチの中に誰か来ている感じ。まあ聞いてはいたけど岡田武史さんが日本代表監督の“初仕事”としてやって来たみたいでそれを追いかけるために、いつもの倍はいただろーメディアがおしかけてたんだと理解。でなきゃあガンバとトリニータの試合に両サイドはともかくメインスタンド側のタッチライン沿いにまでカメラが並ぶなんってあり得ないし、記者席が満杯になるなんてあり得ないからなあ。

 そんな輩は後半も途中になるとカメラをかついでピッチを退場。おそらくは岡田さんが帰途に着こうとしているのを抑えておこうとしたんだろーけど、それって目の前で行われている試合になんだか失礼な話。岡田さん目当てで来ている記者も記者席に座りながらピッチはそっちのけで岡田さんから一言を聞き出すためだけに、やって来ては2時間を溜まっていたんだろー。ご苦労なことだけれどもそれがスポーツ記者だとしたら何かやるせない。

 目の前で一緒に見た試合のどこそこにどう感じたか? なんて聞く気があればまだ別だけれど聞いて「今日の遠藤、どうでした?」「播戸、どうです?」って代表経験のある選手の名前を出して“感想”を求めるのが関の山。2得点を挙げた寺田紳一選手のことなんてきっと誰も口に出さなかったんじゃなかろーか。いやあすごかったよ今日の寺田選手は、走りもすごくてシュートもすごい。最初のこぼれた球を振り抜き突き刺した1点もすごかったけれど、最後の見据えたように振り抜いたシュートなんて戦慄もの。ふかさず外さず冷静に決めるその技が、これからも出続けるんだったらそれこそ岡田さんだって気にしたくなるだろー。もしも来ていたのがオシム監督だったら何と答えたか、ちゃんと見ていて笑顔で何かを言ったかもしれないなあ。そうこの“ちゃんと見ている”感があったからリーグの全選手はやる気を出し、見ている人たちも何か可能性を抱けたんだよなあ、岡田さんにそれがどこまで期待できるのか、期待したいけれども……うーんまあ良い最初の試合までは保留だ。

 そんな寺田選手の活躍もあってガンバが3点を奪いトリニータは攻めてもなかなか奪えず1点止まりで敗退。聞こえてこないからシャムスカ監督はまだ続けるんだろーけれど、もしもこれが終戦となって次のステップに進むとしたらいったいどこへと行くんだろー。降格争いを避けて残留を決めるプロビンチャなチームでの手腕は十分に発揮されると分かった以上は、そろそろ優勝争いの出来るチームでその手腕を発揮してもらいたいし、ブラジルの大きなクラブとかを率いてもらってさらなるステップアップを果たしてもらいたいところ。千葉? うーん見てみたいけど勿体ないかな。移籍が噂される梅崎司選手は途中で替えられちゃうくらいだったから今ひとつ? 頑張ってはいるんだけれど頑張りががむしゃらでまとまってないというか。まあこれも周囲が変われば変わる可能性もあるんで何とも。ストーブリーグいよいよ佳境。


【12月7日】 なので早速買ったばかりのPENTAXの「K10D」を使ってみるものの、これまで操作のしづらさ写りのもどかしさをマニュアル操作でカバーして写真を撮ってた関係で、フルオートに身を任せてしまって果たして欲しい写真が撮れるのかどうかが不安で仕方がない。便利さは裏返せば不自由さ。その不自由さがまっとうな範疇に止まっているうちは良いけれども、枠を外れて暴走し始めた時には取り戻しが効かないってことでもあるんで不安も募る。まあとりあえず社長の人はちゃんと写ってて仕事にも使えそうだったんでオッケーだけれど、これからもちゃんと撮れるかは仕事をしながら確かめるしかなさそー。手になじむまでは持ち歩く? でも重たいんだよなあ、こいつ。

 夜にまた新宿でもって試し撮り。暗い会場でステージの上にいる人を果たして撮れるかって辺りは何とかクリアしたみたいだけれども、黒いバックに人だけ浮かぶよーな絵しか撮れないのはまだ露出をオーバー気味にするか開放気味にして撮るテクニックを覚えていないからか。まあその辺もおいおいと。とりあえず会社が出来て9カ月くらい経った木谷高明さんのブシロードが新しく始めるカードゲームの発表会。黒と白だか白と黒だかをドイツ語読みした内容だけれど絵とかシステムといったことは不明。「ディメンションゼロ」を作ったデザイナーの人が作っているから遊んで面白くないことはなさそー。

 もっとも多くのプレーヤーがいてこそ成り立つカードゲームで、新しいゲームを浸透させるのって結構大変。前みたく「ゲーマーズ」を使って売り場を与えてデュエルもやってもらえれば良いんだけれど、独立してからそこまで果たして面倒を見てもらえるのか。自分が立ち上げたとは言え「ディメンションゼロ」を押しのけて置いてもらう訳にもいかないし。その辺りも含めて第2の起業の成否を占う試金石になりそー。とりあえず新宿の会場にはいっぱいのファンも集まっていて支持はまだまだ根強いよーだし、成功する仕組みもご存じなんできっと何かやらかしてくれるだろー。ほかのカードゲームはキャラクター系? 何か「ゼロの使い魔」が混じっていたなあ、どんなゲームなんだろう?

 コンサートまで聞いていると真夜中になるんで引き上げ新宿にある「ゲーマーズ」でお買い物。ビルの上にあったのが地下1階と2階に移ってて入りやすくなった上に2フロアあるんで品揃えもまずまず。あの辺だと紀伊国屋もあるけれどそこで買うにははばかられる類の小説とかはこっちで買えるのが有り難い。DVDのフロアをざっと見ていたら買い逃していてもー良いかって思ってた「スカイガールズ」の第1巻の初回仕様が残っていて思わず購入。レジに持っていくと店員の人がほんの少ししかない背後の棚の在庫を右に左に見て、明らかにサイズの違うCDの在庫まで見てまた見返して数分してようやく現品しかありませんって言ったのにはちょっと呆れる。見りゃ分かるだろう? そう言ってそっちから出すのをマニュアル化でもされているのか? 応用が効かないなあ。まあ真面目って意味でもあるんだけれど。

 というか「スカイガールズ」はラストも近くなって内容的にも絵的にも激しく進化。弟らしき存在が海の中に現れ音羽は壊れて戸惑いエリーゼはナノスキンを吹き飛ばされて激しく弱体。そのエリーゼをおやっさんとげんさんのおっさん2人が寄り添い心配する様にこいつらいったいどういう趣味かと訝るも、孫みたいなもんなんだろうとここは理解。でないといささか薄気味悪い。キャラクターを下から見上げる感じのレイアウトとか多くてなかなかに見所も多く、ただでさえ体のラインが出やすい戦闘中の衣装が余計に艶めかしく見えたのは誰か作画監督の人の趣味なのか。この回を見たのもDVD購入の理由のひとつであとは物語がぽしゃらずしっかりと落ち着いてくれることに期待し、2巻以降の購入を継続するか辞めるか判断しよー。悲劇にはしないでね。

 んで「もやしもん」は能登がやっぱり臭かった。シュールストレミングの汁をかぶって果たして何日くらい匂い続けるものなのか。髪の毛とかにも盛大に被っていたからなあ、ってかポンチョを羽織ってどーして頭は何も被らない? そしてゴスロリ少女登場。漫画ほど化粧がくっきりしてなかったから余計に土台も見えやすかったけれど、声はくぐもった「うっ」とかって言葉だけだったから見かけに応じた声になるのか、それとも前といっしょのままかは不明。月内にあと2回かそれくらいとして行って秋の農大祭までか。長谷川遥を追ってのフランス行きは続編で。あるかなあ。あって欲しいなあ。

 岡田武史さんのサッカー日本代表監督就任の、そのことについて今は仕方がないとして就任会見の席でイビチャ・オシム監督について川淵三郎会長が話したことの意味が聞くほどに悩ましい。ちょっと前からの報道にあるよーに「意識がある程度戻り、家族のみなさんといろんな話ができる状況まで回復されているのは嬉しいことです」って病状を説明する一方で「この状況をオシム監督自身、十分理解していません。その中で苦渋の決断をして、新しい監督を選ぶことになりました」って言ってるのはどういう含みなんだろう?

 理解していないとは理解することができないようになってしまっているからなのか。「やむをえなかったことを理解していただけると思うし、そういう日が来ることを祈っています」とは祈らなくてはいけないくらいにそういう日が来るのが絶望的ということなのか。眠ったままの訳ではないし、家族と会話もしていると言っている割には、理解力に未だ遠い状況にあるんだって情報を散らした言葉を出す背後に、本当にこれだけ悪いんだということを仄めかしたいものの直接的な表現は避けたい親切心があるのか、逆に事実をやや大げさに言って強引に岡田さんへの禅定を正統かしたい意図があるのかがちょっと分からない。本当だとしたら残念なことだけれどもそれでも時間が解決することも少なくないんでここは医師とオシム監督本人に頑張ってもらい、治り蘇ってはあの知性をまた、見せて欲しいと心より切に願う。「コードギアス 反逆のルルーシュ」のルルーシュに脳神経に直接働くギアスをかけてもらって「記憶を蘇らせろ!」と言ってもらいたいなあ。


【12月6日】 でも考えて見ればリーグ戦が終わるかどうかってこの時期から天皇杯が行われてそしてリオのカーニバルが始まるかどうかって時期まで故郷に戻って帰ってこない代表監督も過去にはあったりした訳で、1カ月2カ月の回復の度合いを見つつとりあえず次善の策として3次予選は大熊さん指揮で臨んで見るって手もあったなあと、意識が回復するなり試合のことをたずねるくらいのサッカーフリークなイビチャ・オシムさんの報を聞くにつけ考えたりもしたけれど、何やら既成事実のよーに岡田武史新監督の事例が積み重ねられもはやオシムなんて存在すらしていないかの雰囲気に、ここはもう愛想を尽かして欧州へと引き上げそこで日本の仕打ちを問われずとも身をもって示し、憤った欧州のナショナルチームからむこう10年は国際試合を組んでもらえない事態へと至ればいかに間抜けなことをしたかと日本サッカー協会の偉い人も実感するんだろー。それくらいに危ない橋を渡っているよな今まさに。

 もしも起死回生の策があるとしたら日本を愛して止まず遂に監督として再来日を果たすことになったピクシーことストイコビッチが名古屋グランパスにアマル・オシムをコーチとして迎えつつイビチャ・オシムも以前に自分がそーだったよーなアドバイザーとして迎え、動き回れないまでもその明晰な頭脳で情報を集め戦況を分析してもらうとともにその広範な人脈を活かしてもらって欧州の優れた選手を連れてきてもらえばオシム家も仕事があって安泰だし、名古屋グランパスもストイコビッチとオシムのダブルの威光でもって、パナディッチやヴァスティッチ以上の旧ユーゴ系やオーストリア系ドイツ系の選手を引っ張ってこれるよーな気がするんだけど。例えばモドリッチとか。ニコ・クラニチャールとか。ケジュマンとか。インテルでレギュラー張ってるとか。そしたらもはや優勝どころかアジア1だって夢じゃないよなグランパス。まあそんな事態が到来すること自体があのチームには夢物語なんだけど。

いれば心の豊かさよ、部屋からネズミもいなくなる、あとに残るは骨と皮?  せっかくだからと「たまごっち」とか「プリモプエル」とか開発して今は空飛ぶロボットリモコン「エアボッツ」が大人気になっているウィズって会社に行ったらフクロウがいた。フクロウ先生じゃなくって本物のフクロウで社長の人の部屋の中をあっちに飛んでこっちに飛んで頭に爪を立てて止まり……はしなかったけど飛び回ってて楽しそう。毛がふくふくとしている上に顔立ちはフクロウなだけにとぼけてて、見ているだけで気持ちも和む。こんなのがいるからいろいろ画期的なアイディアが生まれて来るんだろーなー、ほかにジムにあるよーなフィットネス機器が一式壁にずらりと並んでたし。フクロウとアソボッツを戦わせたりしているのかな。あれでなかなか強力だもんなラジコンロボット。

 いやあしかしあんなに振り回しても大丈夫なのかと吃驚したのは社長の人が手にリモコンを持ってもう片方の手でケーブルを掴んでぶんぶんと振り回し始めた時。コードがちぎれて吹っ飛んでいくかと思いきや、そーはならずに凧糸でたぐられる凧のよーに近づいたり遠ざかったり回ったりして中空を意のままに動き回る。これでケーブルをちょいちょいっと操作して別の人が操作している「エアボッツ」に近づけぶつけあったらまさしくケンカ凧。そうベーゴマがベイブレードになりビー玉がビーダマンになったよーにこれはゲイラカイトやケンカ凧をロボットにしたものであって決して大流行している超小型の飛行タイプラジコンの追随ではないのだった。

 まさしく遊びの面白さから着想してものを作り上げるウィズならではの商品って言えそう。ぶつけ合うと手足が吹き飛ぶよーになっていて、これを目印に勝ち負けを決められるるってのはあれだね「クラッシュギア」と同じ発想。その「クラッシュギア」を作ったのもウィズ。なるほどアイディアの宝庫にして実現の泉。これだけの発想を生むにはやっぱり部屋にフクロウとか飼わないといけないのかな、エサが冷凍ネズミだからなあ、冷蔵庫ない我が家じゃ生き餌と捕まえないといけないのかなあ。フクロウは無理でも「エアボッツ」は1台確保して飛び回らせてみたいなあ、色を紫色にぬって初号機だってやって振り回したいなあ。

 そんな取材をしていたらテーブルの上からカメラがおっこちてストロボの根本がへし折れて泣く。前はストロボの方が割れたけれどもそーゆーヤワさの改善された新型だけあって今度はカメラのストロボをつけるホットシューの部分が根こそぎもげる惨状で、これで取材での写真撮影も不可能かを心配したけど明るいレンズを積んでいたのでストロボ無しでもとりあえずフクロウのぺーちゃんと社長の人は撮影できた。でも明日もまた取材があるんで困ったんで新宿のマップカメラへと出かけてあの早川さんの人も買ったとゆーペンタックスの「K10D」を購入、ボーナスが出ていて良かったなあ。本当は充電池式のは充電器祭りになるから厭だったんだけれども現行機の「istD」からグレードを下げるのも尺だし充電器が必要な「PSP」に「DS」も稼働しているんならもはや関係ねえってこともあって「K100D」は断念する。単3電池もストロボには使えるんでまあ良いか。「istD」はその足で新宿のペンタックスのサービスセンターへドック入り。前と同じだけの修理費がかかるけれども使えなくなるのももったいないんで直ったらサブ機として使い込もう。あれはあれで良いものなのだ。

 ようやくやっと出たゲーム版「コードギアス 反逆のルルーシュ」の攻略本を買ったけれどもすでにゲームは終わってしまっていて2周目の衝撃も確認済みなんで楽しみは表紙のお尻が丸いC.C.のイラストくらいか、いやあ丸いなあ。起動時に出てくるC.C.には水着もあるのか、これはまだ見たことないけど正面からより水着ならバックスタイルが是非に欲しかった。とりあえずゲームは3周を終わってペンディングだけれどまだ仲間にしていない人もいるしニーナの原爆ナイトメアも起動してないんでそっちが出てくるストーリーをコンプリートブックを見ながら冬休みにでもプレーし直そう、冬休みなんてあるんだろーか、何か相変わらず毎日のよーに大量に原稿を書いているんだけれど。


【12月5日】 寝るか寝ないかしているうちにジェフユナイテッド市原・千葉で監督のアマル・オシムが解任されたって話がじくじくと出てきてそりゃあまあ年間13位だから任期が1年あったって仕方がないことではあるよなあ、欲を言うならもーちょっと戦力が整ってけが人もいないチームを率いさせてあげたかった気がするし、やってるサッカーの質は悪くないんだから降格していない以上はオッケーだって思うことも可能だよなあ、いずれにしたってイビチャ・オシムの闘病とは切り離して1人のプロサッカーコーチとして考えて線としては仕方がないよなあ、って気持ちを納得させようとして見て一緒に唐井GMまで解任されていたのに怒髪天。

 チーム作りを何もさせないうちに首にしてどうすんのよ。やって来たのは去年の末で直接携わり始めたのは今年の春からで、その時には阿部勇樹選手の移籍も決まっていればアマル監督の続投も決まっている中で、自分らしさなんて出せないまま削られ痛む現有戦力を差配しつつ勘案しつつ、次なるビジョンを固めていたのが1年目だった今年なはず。結果は今ひとつだったけれどもここで得た経験を生かして次のチーム作りを始める責任を担うべき人がその職を解かれたらいった誰がチームを作るんだ。ってかたった1年でそれも半分は押しつけられた体制で成績が今ひとつだからってそれで責任をとらされるんじゃあ誰も長期を見据えたチーム作りを行うGMなんて出来やしねえ。

 なのに首にした。社長の人が自分の意見を合わないからと首にした。結果については途中経過を見れば十分。ならばあとは現場の問題だからとまかせて経営に専心するのが経営者なのにチームの内情にくちばしを挟んでは入れられないからと責任者を更迭した。なるほどオーナーだったら構わない、自分のお金でチームを作っているインテルでいうモラッティ一族みたいな存在だったら経営に害ありと首にしたって構わないけど親会社があって出向で来ている雇われが、まかせた現場が気に入らないからとひっくり返してなおかつ次なる指針をまるで出せないでいる。

 そんな現状を見れば、もはや現場で頑張りましょうなんて気が起こるはずもない。別にオシム路線を継承してくれなくても構わないから、ジェフ千葉がどういう位置づけにあってどれかでの集客を狙ってその為にはどんなサッカーが必要で、だからこういう監督に任せたいんだというビジョンの1つでも示してから動けば良いのに何もない。なるほどブーイングを浴びて当然だけれどそれを自分の責任と感じない神経の太さはいったい何に依るものなんだろー、何かに支えられているんだろーか、いるんだろーなあ、ともあれアマルは去り唐井GMも去って次に来るのは上のお好み、ってことはその辺にいるOBか、リザーブの越後さんって線もありそーだけれど、ここは昇格寸前まで行っているレディースを率いて戦った里内猛さんがS級を持っていることだし就任させたら傍目には愉快かも。フィジカルを更に鍛えて次なる戦術家の登場に備えてくれるから。

 んで起きてアニメーションの「げんしけん2」をざっと見て高坂が春日部咲ちゃんに10回お願いと頼まれなかなか大変そうだったけれど、そこで逃げずに対応できるだけの強さを持っているから咲ちゃんもずっと離れられないんだろうそうだろう。そうなのか。就職活動のシーンは見ていて記憶がうずくんで早送りにしてセリフとかは聞かなかったけれども、そーやって自分を欺いて頑張ってマスコミに入ったところで根が体育会系なのがマスコミ業界。思うような仕事なんでできない上に威張り散らして自分より下の人間には殴る蹴るの暴行を加える先輩の下で深夜の3時まで説教部屋に引きずり込まれる生活がまっているだけだったりする。

 おかつそこでの飲み代は会社に経費として請求され早朝のタクシーももちろん経費として計上されて緊縮財政の中で無駄遣いも甚だしいと問題視されるかというと、身内可愛さから暴行も含めて見て見ぬふりをされたりる某相撲部屋も真っ青なシチュエーションの中で、心を痛め体を壊していくだけだったりするらしーんで、慌てて名の知れたところへ行くより笹原みたく、給料はアレでもやりたいことをやれる所に行くのが良いんじゃなかろーか。やりたいことも出来ず殴られ蹴られた上に給料がアレだったりする最悪な所もあるだけに注意が必要。世も末だねえ。

 たぶん「ウルトラの星」に一番近い場所での展覧会になったかも。「六本木ヒルズ」の中にある「森アーツセンター」で明日からスタートする「ウルトラマン大博覧会 ROPPONGI天空大作戦」の内覧会へと潜入。いきなり怪獣の像がずらりと並ぶ構成にこれのどこがウルトラマンなんだと不思議に思ったけれどもそこに飾られたギャンゴやチブル星人やメトロン星人やギエロン星獣やウィンダムやミクラスやゼットンや何やらかにやらの造型の素晴らしさにまず触れるのが「ウルトラマン」を嗜む上での重大事、って意識があるのかも。なるほどヒーローの格好良さに憧れはしたものの、楽しみだったのは毎週登場して来るさまざまな怪獣たちで、だからこそ大伴昌二さんによる「怪獣図鑑」が作られ売れた。「ウルトラ」の基本は怪獣にあり、ってことを示す意図があったんだとしたらキュレーターもなかなかのやり手って言えるのかも。本当のことは知らないけれど。

 中は去年だったっけ、渋谷の「パルコミュージアム」で開催された時に展示してあった「ウルトラ警備隊」の制服だとかいくつか種類のある「ウルトラマン」のマスクといったプロップ類から撮影に使われた小道具といった辺りと共通で、それがやや広い会場に多く並べられているって意味での価値はあるけれど、それ以上に見物があるとしたら「少年マガジン」とかでのウルトラ関連お企画に添えられた、怪獣絵師にしてプラモデルの箱絵師でもある小松崎茂さんが描いた絵が見られたり、成田亨さんほかによる怪獣のスケッチなんかが見られることか。別に他の展覧会でも見られない訳じゃないけれど、分量的になかなかで他にもおそらくは大伴さんによる企画向け記事の原稿なんかがあったりして、そうかこうやって書かれていたんだと分かってライター的には興味をそそられる。

 あとは大阪万博向けに円谷英二が作った、円谷英二的には最後の作品だったっけ、台風がもくもくぐるぐると沸き立つ所に飛行機で何かを投下する映像が上映されてて、当時の特撮のすごさって奴を目の当たりにできる。プロップの精緻さ怪獣の存在感も含めて立体物としての良さって奴を再認識できる展覧会で、これがもしもCGになったらミニチュアとかプロップとか、どーなってしまい展覧会だって出来なくなるんじゃないかって不安もわき上がったけれどもまあその辺はいきなりすべてがCGなんてことにはならず、必要な所はミニチュアが作られ効果的なところはCGが重ねられていくことになるんだろー。なって欲しいな。もしも似たよーな展覧会が「コードギアス 反逆のルルーシュ」で行われたら冒頭にならぶのはナイトメアフレームのミニチュアで中にはゼロのマスクがぞろぞろって感じ? 食堂ではセシルさんお手製のブルーベリーおにぎりも食べられます。客来ないなあ。


【12月4日】 別に“アキバ枠”とか言わなきゃ中川翔子さんが出ようがリア・ディゾンが出ようが「Akb48」が出ようがまあそこそこそれなりに流行った人たちが出ているなあって印象で終わったのかもしれないけれどもこれを“アキバ枠”と括っていかにも秋葉原に集まる方々がお好きなアーティストを出して世間の流行とやらをちょっぴり取り入れてみましたよってやるから異論も起こる。しょこたんはアニメも漫画も好きだろうけど別にアキバに集う人たちが好きな訳じゃないしリア・ディゾンが人気になっているのはアキバなんぞとは無関係の女の子たちのあいだでのこと。「Akb48」だけが秋葉原に置かれた劇場に出演しているけれどもプロデュースしておられる御方の所業もあって、金杉肇さんが「借景」って指摘してたよー間借り感、託卵感が抜けきらない。

 本当に秋葉原が育てたアーティストってんなら「石丸電器」が「UDX」か今は亡き「ヤマギワソフト館」前でイベントを開いてるアーティストを呼んでそう言うべきで、個人的には当然ながらも時東ぁみにぃにこそアキバ枠の眼鏡っ娘枠で出て欲しかった。年明けの福祉大相撲にだって出るしNHKでちょっと前にやってたBSでのネットコンテンツ紹介番組にも登場してたし。それより貢献度ならNHKとACが共同で作って放送していたリサイクルの啓蒙CMに登場しては唄い自らの振り付けも披露して、初のヒットを成し遂げた「Perfume」に出演欲しかったよなあ、見目麗しさと音楽の独特さが満天下に知られ千万の風に乗って一大飛躍を遂げただろーに。ああ残念。というか見る目ねえよな紅白部隊。

 そりゃあさすがに「らき☆すた」のオープニングを泉こなたたちに唄わせる訳にもいかないからアニメソングにゲーム主題歌に電波ソングが外れるのは仕方がないけど、だからといってぁみにぃに「Perfume」は入って欲しかったなあ、ついでに「キャナァーリ倶楽部」もか、ってのは贅沢すぎるか。ほかに見渡して見たいのは「mihimaruGT」と「スキマスイッチ」か、でも何を唄うんだろう「スキマスイッチ」。やっぱり「ガラナ」? それとも「奏」? どっちにしたって「サンボマスター」が出演する日はまだ遠い。支えよサンボマニア。おお中村中さんも出演だ、それも紅組だ、こいつはつまりは本物だったってことだ、出来ればIKKOだとかを読んで応援させるなんてベタな演出は避けてくれ。どっちであろーと属性とかなんて無関係に、その歌の良さ声の素晴らしさで出場するプロフェッショナルなんだから。

 たぶん一生にどれほどもない嬉しいチャンスに巡り会えてもうこのまま引退したって良いかもって思えてきたけどとりあえず記事にするまでは頑張ろうかと決意。初めてその名を意識したのは12歳の頃で「週刊少年チャンピオン」に連載されてた「百億の昼と千億の夜」って漫画を読んでそこに描かれた壮大なビジョンにこれは何だと驚きつつその絵を描いている漫画家を激しく意識してしばらく後、それが少女漫画の世界にその人ありと唄われる萩尾望都さんだと知って以降はもう積極的にファンとなって当時出始めていた最初の全集を古本屋を回って買い集めつつ高校生に入ったら「銀の三角」とあと栗本薫さんの「レダ」読みたさに「SFマガジン」を買い初め、「スターレッド」を読みそして第2期の「萩尾望都全集」も揃え始めたのが大学生になってから? 覚えてないけどともかくも現在までの30年をナンバーワンの漫画家として讃え仰ぎ見つめて来た。

 そんな御方が目の前でしゃべっておられる。会話している。嗚呼至福。何という至福。SF業界の超すみっこでうろちょろしていたって作家先生からまるで認知されていない身であったりするだけに、たとえ本業の看板を使ってもこーゆー機会に恵まれるというのは何にも代え難い喜びだったりする。嗚呼感激。そういえば去年の「日本SF大賞」でも側近くまで寄ってはみたけど結局は会話、できなかったもんなあ。まあ良いこれで望みはかなった。後は内田善美さんの作品を生きているうちに再び世に出して頂けることが生涯の望みだ。「コードギアス 反逆のルルーシュ」の最終回を見るってのもあるけれどこれは放っておいてもかなうしな。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」のラストを見るって望みはこっちよりもあっちの都合が大きそうだし。

 んで萩尾さんが登壇したのは男性ばかりの演劇集団「劇団スタジオライフ」が今度新たに手塚治虫さんの「アドルフに告ぐ」に挑むってんで手塚さんに縁のある漫画家の浦沢直樹さんと手塚さんに加えて「スタジオライフ」にも縁深い萩尾さんを招いて行われたトークショー。そこでまずは浦沢さんが5歳の頃から「鉄腕アトム」と「ジャングル大帝」の2冊しかなかった漫画本を暗記するまで読んでそしてしばらくは空気のようにどこにでもある存在として意識の外においていたのが「火の鳥 黎明編」で再び出会って圧倒されて再会して、以来深く意識するよーになったって話をしてくれた。とにかく人間を描くことに力を持った漫画家で、それがあるからこそ読んで心に痛みを感じさせてくれるんだって話してた。

 萩尾さんは萩尾さんで「新選組」のあの深草丘十郎と鎌切大作とがラストで友人であったにもかかわらず、敵と味方に別れ戦う羽目となってそこで花火が上がるのをバックに切った大作にすがり丘十郎が嘆くシーンを挙げて、手塚作品が考えさせてくれる、どうしてあそこでああなってしまったのか、取り返しのつかないことになってしまったのかといった部分のすごさを話してくれた。それを言うなら「スターレッド」でどうして星・ペンタ・トゥパールは星に喰われ意識体になってしまいエルグは遠い星にひとり取り残されなくちゃならなかったのか、なんて哀しみも浮かぶけれどもかけがえのないラストだからこそ生まれる想像力。曖昧にせずラストを提示して見せることでそこから生まれる様々な思考が、次の物語を生み次の世代を生んで行くんだろー。そーやって萩尾さんが生まれそして次の世代がわんさか生まれて更なる世代も生まれているのだし。

 それにしても「アドルフに告ぐ」とはよくぞ選んだ「スタジオライフ」。あの長大で複雑な話をどーやって3時間くらいの舞台に治めるんだろー。これは浦沢さんが指摘していたことだけど、漫画家として見たときに10ページとか12ページくらいの切れ目がある連載は毎回がすごい密度でぎっしりと詰まっていて、読んでいてとてもタイトに感じたとか。これを仮に今の浦沢さんのペースで描けば倍以上にはなるそーで、それだけぎっしり詰まった絵と絵の間には語られなかった物語なり思想なりがあるはずで、それを引っ張り出していくだけでも大変なことになりそー。そこは萩尾さんが舞台化された「トーマの心臓」を見てちゃんと要所要所をつかんで演出していて、見た萩尾さんに漫画を描いている時のことを思い出させたらしー倉田淳さんだからきっと重要な部分をしっかりと描いて「アドルフに告ぐ」が持つ遠大にして深謀なテーマを舞台の上に描き出してくれるだろー。こいつは見に行かなくちゃ。


【12月3日】 こりゃあ名古屋グランパスエイトもちょっぴりうかうかしてられないかも。県境こそまたぐものの愛知県の隣にあって、名古屋市からは30分もかからない岐阜県の岐阜市にホームスタジアムを持つFC岐阜がJFLから昇格してプロサッカーリーグ「Jリーグ」に参入。まずは「J2」のチームとして闘うことになるんだけれども、ここで勝ち抜けば晴れてJ1へと上がってグランパスと大舞台で試合をすることになる、グランパスがJ2に落ちなければ。

 これまで周辺にJ1のチームを持たず、隣県とはいえFC東京と鹿島アントラーズくらい離れている感じがあった静岡県のジュビロ磐田ではライバル意識も芽生えず切磋琢磨になんてなり得なかったけれども、岐阜はFC東京と川崎フロンターレくらいの近さがあって、間に立つ尾張北部の人なんてどっちを応援したら良いのか迷いそう。大治町とか大口町とかだと岐阜の方が近いもんなあ、森山泰行選手とかいて片桐淳至選手とかグランパスにはなじみがあったりなじんで欲しかった名も見えるし。

 これまでだったら岐阜あたりも含めて唯一のJチームとして応援され支えられ、それにのってぬくぬくと経営をし選手にもそんな気分が伝わって、ぬくぬくと中位を暖めて来たグランパスにもこれで多少は活が入るかな、入らなきゃあいけないんだけれどもまだJ2だからって油断していると、追い抜かれてしまうなり一緒にJ2で汗を流す羽目になるから用心が必要。ってそっちの心配をしている場合でもないんだけれど、ジェフ千葉だって来年はどーなるか。選手は増えるんだけれど代わりに出ていく選手の名が分からない。誰が残ってくれるのかなあ。

 名古屋と岐阜じゃあやっぱりダービー名は何がいいだろー、多摩川ダービーにあやかって長良川ダービーってつけると岐阜っぽいし木曽川では愛知っぽい。やっぱりここは「うつけダービー」あるいは「正徳寺ダービー」か。美濃を治める斎藤道三をたずねて尾張の織田信長がうつけものの格好をして練り歩いて油断させつつ、会談の場となった正徳寺では凛々しい姿になってまむし道三を圧倒した故事にならって。選手たちも練習では思いっきり派手な色のユニフォームを片袖脱いで着てひたすら笑いながらリフティングに興じるうつけっぷりを見せてFC岐阜を油断させ、本試合ではピシっとした格好で笑わずひたすら走って圧倒してみせるんだ。何て愉快なJリーグ。

 戦国武将が女性に人気とかって同人関連の記事を見たりすると、別に今に始まったことじゃねーよとか戦国武将だけが人気な訳じゃねーよと、無理に現代人のヤワさを強調したいがためにたまたまタイミング良く開かれた戦国な即売会の話を、かこつける態度に眉ひそめたくもなるけれども実際に戦国武将ってのの目立ちっぷりは現代から見るとうらやましい限りで、そんなに時代も離れていない中にまさしく群雄割拠、誰を見ても武功を立てて知行に優れた武将たちが日本全国津々浦々にひしめきあっては、天下に栄達を狙っていたとゆー状況に、今の日本でその中の誰か1人にでも匹敵する存在感を示しては歴史に名を残し、時代小説に名を刻まれる政治家がいるのかって気分も湧いてくる。戦国に目が向くのも仕方がないっていうか。

 信長秀吉家康の御三家だけじゃなくって謙信信玄に毛利元就伊達政宗と大河ドラマの主役を1人で張れる戦国武将たちは言うに及ばず、地方の小さな所領でほんの一瞬、輝いた人物ですらその武功知行をもって歴史に深く名を刻み、大河どはいなかくてもドラマの主役を十分に張れるくらいの存在感を持っているからたまらない。

 名を成田長親とゆー武将は、豊臣秀吉が天下統一を成し遂げた小田原征伐に絡んでその周辺にあって北条氏に味方していた支城を平定していく過程であの、石田三成の2万を超える大群を相手にわずか数百の武者と足軽百姓も含めてせいぜい数千という人数で忍城にこもって城代として差配しては、光成の軍勢による押しにも秀吉による高松城攻めにも似た水攻めにも耐え抜いては小田原落城の後にようやく開城したとゆー天晴れな闘いぶりを見せた。

 埼玉県の行田市に今の残る石田堤がその時の光成の水攻めの跡を伝えているらしーけど、関東にいたってほとんどこの戦のことは知られてないし成田長親なんて名もほとんど知られていない。それも当然で、過去に紹介されたのは2000年に刊行された風野真知雄さんの時代小説「水の城」(祥伝社文庫)くらい。そこではとりたてて英雄豪傑の類としてではなく、生真面目で嘘が苦手な正直者として描かれている。一方で、甲斐姫という超絶的な美少女にして超絶的な強力の持ち主で後に秀吉の側室になって徳川の世まで生きた女性を半分くらいのヒロインに見立て、彼女に引っ張られつつ城内をまとめあげつつ光成の拙攻にも助けられ、守り抜いた武将といった感じに紹介されていたりする。

 それが今度出た和田竜さんって人の「のぼうの城」(小学館)では、そんな成田長親の人物像がより掘り下げられ描き混まれては、なるほど彼だからこそあの光成の攻城に耐えて守り抜けたんだってことを納得させられ、英傑でなくても良いからこんな人物が今の世にいてくれれば日本ももーちょっとマシな国になったのかもと思わせられる。

 「のぼう」とはつまりは「でくのぼう」の末端部分で、城主の従兄弟でありながらも領民からそう呼ばれているってことはつまり相当な役立たずだったと言えそうな反面、身分の格段に違う領民たちが親しげに「のぼう」と呼んで平気な雰囲気を、すでに持っていたってことでもあってそれが後の籠城に大きな意味を持ってくる。相手を見下し開城にあたって死ねといわんばかりの条件を突きつける光成方に対して平生はおとなしく優柔不断ですらあった長親が示したノーの姿勢。理不尽というよりも威張りくさった相手の態度に憤り抗戦を決める様はともすればただの自殺行為だけれども譲れない一線を守り抜こうとしたスタンスは見ていてどうにもうらやましい。

 ここで半日で落城していればただの間抜けだったんだろーけど、勝算もある程度計算に入れていたのか籠城してから相手の寄せには城の特徴を生かしつつ配下の武将それぞれの活躍によって各個撃破を見せ、そして水攻めに対しても平生からの領民たちに対する善政が効果を発揮して光成が築いた堤を決壊へと至らせる。「水の城」だとそこは自然現象的に描かれているけれど、「のぼうの城」ではのぼうさま、つまりは長親とゆーパーソナリティーが40余年の間に見せ続け、守り抜いてきた愚直なまでの態度が領民たちの心に深く刻まれ、動かしたってこといなっている。なるほどまあしく人は城。人あってこその政治であり国であるんだってことを見せてくれる。「コードギアス 反逆のルルーシュ」のゼロみたく、力を結果だけを見せていれば付いてくる、ってのはきっと甘いんだ。

 「水の城」では姦しさととともに女の魅力も見せてくれる甲斐姫だけれど「のぼうの城」ではやんちゃながらも武人たちを叱咤し鼓舞する強いお姫様として描かれていてなかなかに魅力的。のぼうさまに気を引かれながらもあの漂うような優柔不断で真正面から相手にされずやりきれない思いを覚えているよーで、いじらしさを感じるとともにどーしてこんな美少女に慕われ振り向かないんだとのぼう様の不甲斐なさをなじりたくもなる。とはいえ開城を求められて甲斐姫を秀吉の側室に差し出せとゆー条件が出た途端に闘うと言い出してみせた態度には、押し包んでいた好意めいたものが伺える。

 その逆に、開城城に領民たちへの米の配給を止められようとして抗戦するぞと脅して相手が退きつつ再度、甲斐姫を差し出すよーに求められたらあっさり受け入れてしまう態度には、高所に立って本心を隠さなくてはならない悲しさも伺え同情が浮かぶ。いずれにしても実に立派なこんな男と支えた配下の武将たち、そして圧倒的な存在感をこの後の生涯でも落ち続ける甲斐姫といったキャラクターたちがあの時代のあの狭い城のなかにひしめきあって、こちらも決して愚鈍ではなくむしろ立派な態度で持ち前の明晰さも発揮して忍城を攻め、そして長親の実力を認めて開城後に蹂躙などせず退いた石田三成という武将もいたあの時代。日本がダイナミックに動いたのにもうなずける。暴君もおらず名君も見えず奸臣すらおらず誰もが平々凡々に過ごし目立てば叩かれ消え去るのみの今の時代。向かうはいずこ。

 志気は下がり指揮系統も滅茶苦茶になってともに虻蜂取らずから弱体化の一途を辿っているようにしか見えない状況が確実に現出しているにもかかわらずそれを成功と見て取りなおも同種の改革を今度は知ではなく肉の方面で進めようとしている事態に今でさえ衰えつつある志気がさらに減り、支えて来ながら飲み込まれてしまうやるせなさにモラルも下がってそして起こるだろう品質の際限なき低下がもたらす崩壊の様を、予見したくはないけれども今ある状況がすでに始まる前に見えていたこともあってどうにもやるせない。いったい誰が何を考えどう遂行してるんだ? のぼうさまならやり方が不安でもその人のためならって気分が出たしそうではない戦国武将はすべてを結果で示してくれた。人治はなく武治もない天声への盲従が向かう果て。そこにはただどうどうと滝が流れ落ちているだけであったとさ。


【12月2日】 ウォルターのシルエットもぞんざいだけれどそれよりおかっぱ頭なアーカードのぞんざいぶりとセラスの適当ぶりがちょっぴり悲しかった「ヤングキングアワーズ」の2008年1月号の表紙はその分だけ力が入ったインテグラ様の凛々しくも血まみれなお姿が拝めてマニア的に有り難いのかどうなのか。本編の方ではレディンガー准尉がぐちょんぐちょんになったまんま血を吸収するアーカードに吸い込まれていって瞬間、少佐が「勝った」と断言したのは何か根拠でもあるんだろーか、シュレンディンガーだけに偏在して生死のどちらにも転べる性質を取り込ませた上で死側あるいは不在側へと転がしアーカードごと引きずり混む? んでもアーカードだってすべてを超越しているからなあ。次号に期待。

 そーいやOVAだとシュレディンガー准尉って白石涼子さんが声を担当してるんだっけ、まだそこまで揃えてないんだけれどもテレビアニメ版の「ハヤテのごとく」で綾崎ハーマイオニーと名乗った後の声がとってもハーマイオニーっぽかった所にプロの技を見る、ってかこっちが地声? どっちが地声? 似た展開だときっと来週とか再来週とかに登場してくれると期待の「もやしもん」での日吉酒店のゴスロリ娘の声がどーなっているかにも期待大。まあこっちはすでに「げんしけん2」のコミフェス編でちょろりと聴いてはいるんだけれど。でも案外にまんま結城で通すのかな。それよしそこまで進むのかな。

 そうそう「ヤングキングアワーズ」で「ジオブリーダーズ」がなんだかとってもやさぐれていて今後に不安。島から戻ってきて田波が放浪から成沢と出会いそれから良いコトへとハッテンしている間に神楽総合警備は前の神楽がぶっつぶされた時と同じ展開になってて入院していた高見ちゃんをのぞいた蘭東さんに梅崎さんに夕ちゃんとあとまやが揃って立てこもり。映像だと職務質問だかしている警官を梅崎さんが射殺か何かしたことになっているっぽいけどまあ、何かの陰謀だろーね神楽を追い込むための。んでもって全滅、リセット、再スタートとなるんだろーけど今回は田波がいてまやがいて黒猫がその背後にいたりする所から包囲に綻びが生まれて来るのかそれともやっぱり繰り返しか。こっちも佳境。

 むくりと起き出して夢の島へ女子サッカーを見に行こうとして新聞のスポーツ欄で「今日のスポーツ」を見て夢の島は来週で今日は西葛西だと気づいて転進。地下鉄で下りて西葛西駅から江戸川陸上競技場へと遊歩道を歩いて到着すると脇で猫がひなたぼっこをしていたんで読んだら近寄ってきたんで撫でてあげた。猫触るのって20年ぶりくらい? やっぱりあれは良いものだ。持っていたフランクフルトの頭部分をかじってあげようとしたけど猫またぎ。ポークフランクは匂いがきつすぎたか。でも試合が終わった後で見たら亡くなっていた。蟻さんが運んでいったか。いやそんなに小さくはないんだけれど。

 んで試合は女子サッカーの「mocなでしこリーグ」のディビジョン1で1位と2位を同じ勝ち点ながら得失点差で争っている日テレ・ベレーザとTASAKIペルーレ戦で、ベレーザがこれで勝てば勝ち点3をリードして、次節に浦和レッドダイヤモンズレディースに負けてペルーレが勝っても得失点差がついているんで1位はほぼ確実ってことで、実質的な優勝決定戦とも言える試合なだけに見る方にも力が入るし観客だってしっかり集まりしっかり応援。メインのさほど広くはないとはいえスタンドがびっしりと埋まる様に2003年頃の集まってせいぜい300人だった時代から遠くへ来たものだと目を細める。いや江戸川陸上競技場って昼頃にスタンドの正面に太陽が来るんだよ。

 早々にベレーザが1点を奪ったものの後半になって取り替えされてちょっとヤバげ。ゴール裏に行けない応援団がスタンドの割と近いところで歓声を上げてたこともあって耳にイヤホンをぶちこみ持ってた「iPod」で音楽を再生しながら見ていたんだけれど流す音楽によって試合の空気がガラリと変わって面白かった。たとえば「冒険でしょでしょ」をかけたら試合が青春っぽく見えたりとか。んで「コードギアス 反逆のルルーシュ」の最初のオープニングだったFLOWの「DAYS」をかけたらアニメーションの内容もあって妙に殺伐として真剣味が増したとか。時東ぁみにぃの「発明美人とパインナッポー」だとバラエティでの芸能人フットサルっぽく見えたりとか。

 とはいえそれじゃあ試合もなれ合いの中で引き分けて次節に勝負が持ち越されてしまうんでここはこっとに気分だけでも代えようと「サンバデスペラード」って「ルパン三世 カリオストロの城」でルパンがクラリスを助けて煙りの出てきた塔を走り回るシーンで流れる名曲を流し始めたらベレーザが追加点を奪って何かいい感じ。やっぱりスクランブルにはこの曲だね。これからフクダ電子アリーナでも後半にジェフユナイテッド市原・千葉が追いつきたい追い越したい時にはこれをスタジアム全体に流すようにと要請したいけど却下だろーなー、試合だし。

 さらに「BOAT」の「yuhi」をかけたらもう1点を追加。「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」の力はすごい。この1点は中央から酒井與恵選手が右サイドへ振りそこから前に出たパスがフリーで渡ってゴールキーパーと1対1になってけれども直には決めず反対サイドを走ってきた大野忍選手に流してそれが決まったビューティフルなゴール。オフサイドを結構とられていたけどこれはそーゆーのとは無縁の美しいシーンだった。やっぱりすごいなあ酒井選手とか沢選手って。あと小林弥生選手が完全復活に近い状態だったのが嬉しいところで、サイドでボールを持つと反対側にフリーの選手を見つけてそこにピンポイントでチェンジできる視野の広さとキック力とそして精度を見せつけてくれた。サイドに追い込まれると打開できず戻すだけだった日本の攻撃にこれで大きなバリエーションが付きそう。だから是非に代表に。その前に代表の監督は決まったのか?

 石田三成が攻めて勝てなかった忍城の攻防を描いた「のぼうの城」って本を読んで調べたら前に「水の城」って同じ題材の本が出ているのを知って探しに秋葉原の書泉へと回ったけれども見つからなかったんで近所のレコード店をぶらついて溝口肇さんのいつの間にやら出ていた2枚組のベストを買い込み向かいの石丸でTHEポッシボーのイベントに並ぶ男子を見つつ疲れた僕ももう歳だと肩を下げラジオ会館の4階で居並ぶ「ダンボー」を眺めてそして帰って北京五輪の出場を荒らす野球の日本代表と韓国代表の試合の冒頭を眺め眠り起きたら試合がまだ続いてた。んでもって1点差。やばいかも。

 っていうかまあ韓国の強さは前にアジアシリーズを見て分かっていたんで嘗めてかかるとやばいぞって心配したけどそこは気合いの星野監督、檄を飛ばし叱咤し鼓舞して気後れをさせず、2点差にしてすぐ1点差にされても動ぜずどうにか切り抜け勝利を手にした。ここで気を抜くと台湾にしてやられるんで要注意だけれど投げるのがダルビッシュならまあ大丈夫か、あとラストに出てきた上原が再度投げて完璧に締めれば。とりあえず見ていてベンチに座っていたダルビッシュの後ろにいた眼鏡の女の子がだれなのか気になった。美人ってよりはマンガ眼鏡な可愛らしさ。通訳さん? あとバッターボックスに立つ打者を正面から映す中継で右打者が立つと背後に韓国の応援団が映ってベンチ上で踊るチアリーダーのお尻が揺れていたのが目にとっても麗しかった。試合どころじゃねえよなあ、あんなの見せられたら。日本のベンチからだときっと正面に見えただろー。それで高揚させられ焦りを生んだ? だとしたら韓国なかなかの策師。ならば対抗して日本は応援団の中居くんをベンチ上で踊らせると……韓国沈黙。誰あれ。ってなもんか。それより以前に日本のスタンドから邪魔だってポップコーンが飛んでくるかも。真剣勝負の場には賑やかしなんぞ不要です。テレビの偉い人にはそれがわからんのです。だから日本×ブラジルなんてつまらないカードを見せられるのですバリボバリボ。


【12月1日】 浦和だろうと鹿島だろうと赤い時代がやって来るって予想はまるでなしにふと通りかかって見てなかなかな色合いだと買ってみた「iPodナノ」の寄付金レッドの容量が前の倍になってたんで入れてなかったあれやこれやなCDを積み上げて崩れかけてた山から抜いてiTunesへと移しまくる。相曽晴日さんの古いのが2枚も混じっているのがご愛敬、「舞」が入っているベスト版はパッケージだけで中身が行方不明で写せなかったのが残念、買うか。似た状況だと溝口肇さんのアーリーベストを入れようとしたら中に入っていたのがベストはベストでも「ESPACE」の方。あのきっと溝口さんではもっとも有名な「世界の車窓から」が入っているのは良いんだけれど「ハーフインチデザート」(名盤!)の曲ももっと聴きたかった。探すか。買うか。売ってるのか?

 あとBOATって知る人ぞ知っているらしーバンドのインディーズ時代の「FRUITS☆Lee」のも出てきたんで確保。NHKのFMで大昔に放送されたラジオドラマ版「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」でエンディングに使われた「yuhi」って曲とか、滝本竜彦さんが歌詞を聞き間違えて「ネガチェン」ってタイトルを思いついた曲とかも入っているんで劇場版公開前にこれが出てきたのも何かの縁か、というよりよくも5年間も消えずに残っていたよなあ。改めて聞くと本当にすごいよこの人たち、男性ボーカルの投げやりな感じに女性ボーカル(2人いるらしー)の可愛くて弾けてる声なんかが絡んだりソロで立ったりしている混ざりっぷりを、支えるシャキシャキとしたギターやタタンタンと鳴るドラムも耳に突き抜ける。大メジャーになってたって不思議はないのに。「ネガチェン」絡みで大復活、とかあれば面白いんだけど。でも劇場版とは無縁だからドラマとともに歴史の闇へと埋もれてしまうのか。残念。

 ラジオドラマの方もこれは全部カセットテープ(!)に録音したあったはずなんだけれど近くには見えず。冒頭を確か「例えばその時」だったけ、同じ言葉で統一しなら2週間をじくじくと進んでいく構成で結構聞き込んだ記憶がある。原作ファンには声がおそらくはアニメの声優さんっぽくないからって評判もそれほど良くはなかったけれども、大昔からFMとかAMでSFもののラジオドラマを聞いてきた耳には普通だし放送劇団っぽさも混じってて良い感じ。思い返せば主演の山本やってたのが原田篤さんで「555」と「ゴーゴーファイブ」に出て活躍してそして秋元奈緒美さんと15歳違いで結婚して話題になったくらいの大物だった訳で、いったい当時はどんな演技だったのかとカセットを掘り返してみたくなる。

 それ以上に驚いたのが雪崎絵理ちゃんをやっていたのが占部房子さんって人で当時はまるで無名だったんだけどその後イラクの人質事件でぶったたかれた人たちの苦悩を描いた「バッシング」って脚光を浴びて今も舞台とかCMとかドラマで活躍してるみたい。つっけんどんな感じが絵理ちゃんぽかった。今の劇場版の関めぐみさんにも通じるクールさが声にあった。顔を出しての女優としての演技はどんなだろう? 映画を見てみたいけれど「バッシング」って家でDVDで見るにはテーマが重そうなんだよなあ、映画館で強制的に見せられないと辛いよあなあ、おっとカーリングがテーマで吹石一恵さんが主演の映画「素敵な夜、ボクにください」って映画じゃあ、劇場版の絵理ちゃんこと関めぐみさんとラジオ版の絵理ちゃんの占部さんが共演してるよ、これは必見、買って来よう秋葉原で。

 そしていろいろとあったジェフユナイテッド市原・千葉の今シーズンの最後を看取りに「フクダ電子アリーナ」へ。最近始まった蘇我駅からアリーナへと向かう道を閉鎖して出ているホコテンでお好み焼きを仕入れアリーナ前の出店で評判の「Jボール」の玉子入りスペシャルを購入して行列に。いつもだったらSA自由席の列なんてスタジアムのバックスタンド側の真ん中辺くらいまでしか伸びてないのに最終節ってこともあってかアウェイのゴール裏近くまで伸びてて行くのにちょっと疲れる。見るとのっぱらだった所に道路なんか出来てて再開発が進んでるみたい。この辺りが運動公園として整備される頃にはチームもさらに強くなっててくれたら嬉しいんだけれど、すでにして1万5000人をほぼ満杯にしてしまう動員力を見せて来ているだけに混雑するのも考え物。これは年間パスを買えってお達しか?

 そしていつもならホームより2階席に陣取るところを今日は対戦相手が名古屋グランパスエイトで左サイドに本田圭祐選手がいて水野晃樹選手とマッチアップするってことで別にアウェイ側でも後半に楽しめると思いアウェイ寄りの前段を確保。そして始まった試合は前半こそ押し込み幾度となくゴール前にボールを入れるもののフィニッシュが会わずに無得点。巻誠一郎選手の足下に転がったボールを戻ってきたディフェンスが見方ゴール方向にけり出した時なんてオウンゴールになるか、それともあそこで巻選手がブロックに入って倒されてPKなんて可能性もあっただけに惜しかった。ああいった得点を決められない反動のが後半に出たみたいで小川佳純選手だかのシュートが何かにあたりふわっと浮いて立石選手の頭上を越えてインゴール。そして圧倒的なボール裁きの巧みさを見せる玉田圭司選手のちゅるりとディフェンスをかわしさっと蹴ったシュートが決まって2点目。新居選手が走ったり青木孝太選手がライン際で粘り挙げたりと随所に良いプレーがあったものの及ばず敗戦で終戦を迎えてしまった。ちょっと残念。

 前節でミス連発でとっとと代えられてしまった中島浩司選手はまあ無難にこなしたけれども果たして来シーズンも残っているのかいないのか。迫るディフェンスを相手にボールを持ち続ける優柔不断さが危ういんだけれどあれを「コードギアス 反逆のルルーシュ」のルルーシュによるギアスで「ルルーシュ・ヴィ・ブリアニアが命じる、ボールは持ったらとっとと前に蹴り出せ!」と命じたらそれはもはやNAKAZIMAじゃあないもんなあ。あとはやっぱり水本裕貴選手が打撲か何かで退場したのが惜しかった。ヨンセン選手に高さで競り勝ちサイドからの攻撃にも素早くつめてまともなシュートを打たせなかったもんなあ、あのスピードと判断力は若手でも一級品。未来の代表を背負うディフェンダーに鹿島アントラーズの岩政大樹選手と並んでなってくれたら万全なんだけど。優勝したし呼ばれるかな岩政選手。こんびめいは「だいきとゆうき」だ。闘莉王選手? ほらやっぱ怪我とか多いし肝心の試合に何であってもいられない不運もあるし。

 そうなんだよ鹿島が優勝しちゃったんだよ、スタジアムでパソコンから他会場の経過をチェックしたらいきなり横浜FCが根占選手のゴールでリードしていて一方の鹿島も小笠原満男選手の得点でリードしていてひょっとしたらと思いながらもここから逆転されるのが今年の横浜FCかと思っていたら何と最後まで相手にゴールを許さず勝利。そして鹿島も勝ってまさしく奇跡の大逆転。いつか見たいでも見られない巨大な10冠の1つ星をついに手に入れた。やっぱり小笠原選手の復帰が大きかったのかなあ。

 海外ではまるで出られなかった選手が日本では活躍できるってのはどーなのって見方もあるけどようは使い方さえ間違わなければ仕事が出来る選手ってこと、それを受け入れるかどーかって所で彼我の差になってしまうんだろー、受け入れなくって向こうは低迷した訳だし。しかしどーした浦和レッズ。J2落ちとJ2のチームに連敗とは。待ち受けるクラブワールドカップも危うそうだけれどもここまで来ればもう負けてられないと、セパハンにくらいは勝ってくれるだろー。勝てばミランと闘い勝とうと負けようと最終日に横浜に登場してくれる。なので是非に豊田スタジアムでの試合に勝って戻って来ておくれ横浜に。赤い「iPodナノ」身につけて見物に行くから、阿部ちゃんのためにも。


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