フォロン展
展覧会名:フォロン展
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
日時:1995年1月7日
入場料:1000円



 いつだったか、名古屋でフォロン展が開催されたことがあって、僕はその展覧会を見逃したのだけれど、弟が行って結構はまっていた。チケットをコルクボードに貼ったり、カタログを見たりして「いーなー」と言っていたけれど、最近は飽きちゃったらしくて、お気に入りのフォロンカレンダーも家に放り出してあった。

 僕はといえば密かにフォロンのファンになっていた。だって、面と向かっておれもフォロンのファンだというのって恥ずかしいじゃない。でも、ジョン・アーヴィングの「ウオーターメソッドマン」の表紙にフォロンの絵が使われていたのを見て「文学の冒険シリーズ」を買い始めたのだから、やっぱりファンなんだろうね。

 で、今回のフォロン展だけど、やっぱり良かったよ。パステル調の色使いで描かれた多くの絵やポスターはまさしくどこを取って見てもフォロン。ポスターも張り出されていてアベックで賑わっていたから、当てられてもう見ちゃいられない。

 珍しかったのが彫刻で、フォロンの絵によく出てくる、外套を着て帽子をかぶった男の彫刻が大きいのと小さいのと一つづつ、出品されて居た。それから鳥の頭をした女とか猫とかの彫刻も。自分で彫っているの稼働かはともかくとして、平面作品から立体作品へと進出したダリのように、フォロンもどんどんと彫刻の世界に行っちゃうのでしょうね。でも平面作品で見せる風刺性を、彫刻作品でも発揮できるのかは疑問だな。だって平面作品では、背景の人物やら色使いやらで風刺を表現しているんだよ。

 それからコラージュ作品も良かったね。フォロンの所に送られてきた海外郵便から、エアメールの所と、宛名の部分を切り抜いて船の形にしてカンバスに貼る。色を塗ってできあがり。ほかに木の切れ端やらボール紙やらで作られた船を張り付けた、コラージュ作品が展示されていて、これからの新しい方向性を示唆しているような気がした。

 いつも通り、展覧会では美人探しをしたんだけど、今回はでっかい胸を惜しげもなく見せつけてくれた茶髪のねえちゃんと、スパッツをはいた、眼鏡を鎖で首からぶら下げた女の子が良かったね。眼鏡をかけた女性に、どうも僕は弱いらしい。


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