僕は、受け入れなくちゃいけないんだよね。
あのシューマッハが、もう来年は走らないんだ、っていう事実を。
そのシューマッハが、今年は勝てずに終わった、っていう事実を。
そして。
シューマッハのラストランを、テープの巻き戻し忘れっていう情けない理由で、僕は観ることができない、っていう事実を(;。;)。
ああ。
その前に、僕は謝らなくちゃいけないね。
4月のサンマリノグランプリ。
3戦終わったところで、アロンソに17ポイントも差を付けられていたシューマッハが、予選でポールを獲得したときも、そのポールから、凄まじい追いかけっこを制し続けて優勝したときも、僕はこのブログに書いたのだけれども。
僕は、その時、あのシューマッハの輝きを。
燃え尽きる花火の、最後の明るさだって、思ったんだよね。
ホント、失礼だったね。ごめんなさい。
最初の3戦で17ポイントついた差は、その後もじりじり広がって、全18戦の折り返し、9戦目のカナダGPでは25ポイントにまでなったんだ。
いまのルールでは、1位と2位のポイントさは2点しかないから、この時点でシューマッハの自力優勝はないのだけれども。
でも、折れないシューマッハ。
ルノーの車についていた部品が、レギュレーション違反を問われて使えなくなったことや、来年撤退の決まっていたミシュランタイヤの開発速度が遅くなったことなんかも味方して、そのあとの7戦で5勝。アロンソとのポイント差をあれよあれよと0にした。
残り2戦。
1勝1敗ならばシューマッハの勝ち。
しかも、引退を宣言しての背水の陣。
そして、ラストツー、鈴鹿。
20年続いた鈴鹿グランプリ。最後の年。
トップを走っていたシューマッハ。36週目でエンジントラブル。リタイア。
この瞬間に、今年の、そしてシューマッハのチャンピオンシップは、実質的に終わったのだけれども。
25ポイント差を付けられてから7戦。差を広げられたら実質終わってしまうChampionshipをタイトロープダンシングで全力疾走したシューマッハ。
9戦でついた差を、7戦で取り返したシューマッハ。
泣いても笑っても、残り2戦のシューマッハ。
そんなこんなが、完璧のコントロールを持つ彼に、ちょっとだけリミッターを越えさせちゃったのかな。そんなエンジンブローだったよね。
もちろん、先に越えちゃったのはメカニックなのかも知れないけれど。
ああ、これが、彼が引退を決意した理由なのか、って。妙に納得しちゃったりして。
もちろん、勝つ可能性が0になったわけではなくて。迎えた最終、ブラジルグランプリ。壮絶な(という噂の)、ラストラン。
観たかったな。
予選のトラブルで、10番グリッドからスタートのシュー。
1週目で6位まで順位を上げたシュー。でも、その直後にタイヤバースト。最後尾まで落ちても、あきらめないシュー。脅威の追い上げ。
ああ、くやしいな。
だれか、録画した人いたら見せてよ。おねがい。
2006年10月23日