だんだんジャズに偏ってきてるけど、
まだまだ行きます。こっちもテーマはスペクタクル!

2005年6月30日
Junko Koyanagi The Gift!!
Mister Kelly's

小柳淳子(Vo)
木畑晴哉(P)三原脩(B)竹田達彦(D)

 3回目の小柳さん。
 1回目がホール2階席で2回目がこの前の野外(ビルの谷間)だったから、どれもこれも全然違うけれど、今回はどんな唄、聴かせてくれるんだろうね。
 
 ライブハウスなんて、全然ご無沙汰、わくわく。今はネットカフェになってしまった旧ブルーノートを抜けて、今回のお店、Mister Kelly's。もっとむさ苦しいところかと思ってたら、こじゃれたレストラン風。ライブハウスじゃなくってジャズクラブ、なんだね。
 どうでもいいけれど、ライブハウスの定義って、なんだろう。やっぱり入った時のワンドリンクが、紙コップで出てくることかな。そうだとすると、帝国ホテルの地下で聴いた原君が、最近いったジャズクラブだな。
 
 結構余裕めについて、テーブルでビールなど飲みながら。
 女の子が多いね、客層。女の子だけの、何人かのグループがいくつかあって。カップルのお客は壁際に陣取って。平日というのに、けっこう満席。
 イイキモチになった頃にね、ピアノトリオがはじまった。叙情的なタッチでミディアムの曲をまるごと一曲、弾ききって。
 小柳さん登場。前回野外では、TシャツGパンだったけど、今回は髪をひっつめて黒いドレス。スタッフと間違えた前回とは、えらい違いやね。
 シャイなのか言葉を選んでるのか、MCのときの思わずつんのめりたくなるようなテンポはそのままで。
 
 そして、唄。
 結構メロウなピアノトリオの雰囲気がそのまま残ってて、選曲もおとなしめ。ミディアムの後に、「じゃあ次は、バラード」みたいな。
 スタンダードって、全然知らないから曲名がほとんど分からないんだけど、最初に分かったのが、ill wind。もう20年以上も前だな、この曲聴いたの。映画のコットンクラブの中で、なぜかこの曲だけ耳に残ってる。小柳さんの唄は、あんなにパンチ聴かせた唄い方じゃなかったけどね。
 メロウな1部は、最後だけデーハな love for sale。小柳さんのスキャットって、とっても丁寧にフレーズの最後までとか、下がっていった低音までとか唄いきる。正確なリズムで唄いきる。
 それはとっても気持がいいんだけどね。僕が小柳さんを注目した、あの「声」は、まだ聴こえてこないな。適度な高音で張るっていう唄がなかったからかな。あと、バンドがね、あんまりレスポンスがよくない、のかな。淡々としてる、っていうか。ブルージィじゃない、っていうか。3回小柳さん聴いて、3回ともそう思ったから、うたばんのピアノトリオって、そういうものなのかしら。歌って、あとは綾戸智絵くらいしかこのごろ聴いてないから、見当もつかへん。
 
 休憩時間には、ステージ後にスクリーンがおりて、懐かしい(って見たことないけれど)白黒のジャズ。jazz625 (525だっけ?)っていう、僕がスウィングジャーナルを買っていた頃に発売になったビデオ。なんでか知らないけれど、ほっとするんだよね、50年代、下手したら40年代の音楽。
 小柳さんは、休憩中にみんなのテーブルに挨拶に回ってくれる。入れ替え制の高級クラブか、カンパ募りにくるライブハウスしか知らないからちょっと感激。こんにちは、小柳さん。
 
 さて、2ステ。
「だいたい2ステからのってくるんですよ」って話してた小柳さん。どんなステージにしてくれるんだろうね。
「リクエストがあります。サマンサ」っていって、唄ったのは The man I love。この曲からね、「あの声」が降りてきた。アナログレコードで聴くみたいな、かすかにスクラッチノイズの入ったような声。ちょっとだけ、スポットライトが昏くなるような、声。
 僕の待っていた、声。
 
 たぶん、たくさんはいった倍音と、ほんのちょっと、微妙にフラットな音程でそう聴こえるんじゃないかな、って思うんだけど、レディ・デイでもなくヘレンでもなく。なにわのため息、小柳じゅんこ。これだよ、これ。
 
 こっからはもう、一気呵成。って別にアップテンポばっかりでもないんだけど。ってサマンサ(笑)はアップじゃないけれど。
 こっからは結構知ってる曲もあったと思うのだけれども、このごろ病気じゃないかと思うくらい物忘れがよくて、全然覚えてないや。Give me a simple life って、1部の曲だったっけ? 前のテーブルのおねぇちゃんが、一生懸命曲目メモってたから見せてもらえばよかった。見ても忘れるか。
 いやあ、やっぱりシンガーの声って、偉大だね。ロングトーンだけで聴かせるミュージシャンって、いないもんね。ウイントンくらいか。
 
 大満足のステージのあと、気持のいい映像付きの BGM を聴きながら、久しぶりのジャズ談義。普段そういうはなしできる人いないからね、楽しかった。小柳さんもまた回ってきてくれて。
 とってもよかったよ。ありがとね。
 

 

2005年5月4日
高槻JAZZ STREET 2005

 いやあ、お天気いいね。花粉もないし。
 こんな日は、外でジャズでも聴きたいね。
 っていうことで、行って来ました高槻ジャズストリート。

 とはいえ、なんか身の回りがごちゃごちゃしていて、そう熱心な聴き手ではなかったんだけれどもね。
 ぱっと見たプログラムで決めた、今日のお目当ては噴水広場の小柳淳子。おととしのジャズストで、メインのホールで見たボーカル。あの、不思議にブルーな声。野外にどう映えるんだろうね。
 5時からの出番だからね。4時半くらいにJR高槻について。もう電車を降りたらそこら中でやってるやってる。いろんな音が廻ってなんだか訳わからん。とりあえず阪急の駅に行って、会場を下見。ってそんなに時間無いんだけどね。噴水広場って、そんなに広くないやん。銀行ビルを背中に造った特設ステージで演奏してたのは、テナーのワンホーンカルテット。川嶋君みたいにフリーにはしらない丁寧でオーソドックスなジャズ。テナーを気持ちよく鳴らしてていい感じ。
 ステージ終わって、お客が入れ替わるのを見計らってビール片手に前の方に。前から2列目のかぶりつき。ライブハウスなんて目じゃないね。手のばせば握手できる距離。
 ステージでは入れ替え準備の若いバンドさん。その中に混じってTシャツGパンの女性。スタッフはけてバンドさん準備態勢なのに、その女性はのんびりとマイクの位置を確認してみたりお客さんと談笑してみたり。オイオイ、順子ちゃん出てくるんだから、引っ込んで引っ込んで。って思ってたら。
 あらら、あなたが淳子さん。2年前はホールの二階席で、しかもドレスなんか着てた(ような気がする)から、だまされ、、、、
 いやいや、とても魅力的です。ホント。

 一昨年のホールでは、これぞ薄暗がりのジャズ、っていう感じのイメージだったから、こんな昼間の野外でどうするんだろう、って思ってたんだけどね。
 一曲目、インメロ(だったっけ。すぐに思い出せなくなるんだ。まあ、曲目はあんまり意味ないんだけど)。おぉ。かっこいい。
 のどのせいか曲のせいか時間のせいか、あんまりハスキーではないけれど声量たっぷりのヴォーカル。このごろ綾戸智絵の押しつけ系に慣れちゃったからこのニュートラルさが新鮮。ってたぶんニュートラルではないんだろうけれど、これでも。
 曲の合間にはやっぱりここは大阪やなって思い出させるMC。連発するブルース・ナンバー。
 途中で、お隣に来たスキンヘッドに肩車した2歳くらいのお嬢ちゃん。曲の合間にママー、ママーって叫んでた。そう、これは淳子お母さんのお嬢ちゃん。この子がねえ、めちゃくちゃのりが良くて、お母さんの唄っている間中お兄さんの方の上で踊りっぱなし。しかもリズム感がいい。
 この子のおかげで、スッタフ証下げている人も下げていない人も、カメラ下げている人はすべて集まってきた。こらこら、ステージはあっち。お客さんの邪魔しちゃ駄目だよ。
 もちろん、無料の野外フェス。そんな煩いこという人もなく、僕はカメラマンの肩越しに小柳さんを堪能してた。ちょっとピアノがお疲れ気味なのが残念だったけどね。
 ステージ見てる間中ずっと思ってたんだけど、僕の知ってる誰かに似てるんだ、小柳さん。誰だかずっと思い出せなくて、っていうか誰にでも似ているような気がしてきて分からなかったんだけれども、やっと思い出した。ってここ読んでもらってる人にはまったく意味のないことなんだけれどもね。今度大阪来た時にタイミングが合えば、だいぶハウス連れてってあげるね、誰かさん。

 僕の思ってたブルージーとはちょっと違うけれど、でもやっぱりブルージーな小柳さん。改めて惚れ直しました。

 全然プログラムとか見ないできたからね、さて、これからどこ行こう。とりあえず野球場の方に行くと、帰ってくる人だらけ。そうか、野球場は6時までなんだね。ホールには長蛇の列だし。とりあえず阪急駅前に戻って食事でもしようか。
 ってところで高架下からから聞こえてきたアナウンス。次の曲はSoftly as a morning sunshineとoleo。おお、ここでもワンホーンのジャズ。人だかりでよく見えなかったけど、アルトの子は高校生くらい、ドラムはどう見ても小学生。ベースはお父さんでピアノがお母さん。これは一家バンド?いいなあ、それ。
 それにしても、こういうモダンジャズが野外でやるんだね。いいね。
 ってことで、漏れ聞こえてくるジャズをBGMにゆっくりご飯食べたあと、JRに向かう途中でもう一度噴水広場に来たら。あれ、どっかで聴いたような、、おお、あれはSome Skanc Funk!!!。一昨年聴いたのはアルトのワンホーンだったけど、今回はテナーとラッパのブレッカー・ブラザース編成。しかも音でか。もう10時だっていうのに、ええんか、っていうくらいの大音響。もちろん僕はいいんだけれど。
 そうそう、サムスカ。これがバカッ速。僕が何度も聴いたモノホンのサムスカは、たぶん演奏し飽きててどんどん速く、短くなっていったんだけれども、今日のサムスカは今まで聴いた中で最速級。とはいえテナーめちゃくちゃだったけど。楽しけりゃいいんだよね。
 その後もブレッカーナンバー3連続。最後の復活後の曲のギター。これがかっこいい。もう時間切れだから俺のソロで終わらせてやる、っていうくらいのとにかく弾きまくれギター。大好き。

 結局まともに聴いたの小柳さんだけだったけれど、道路に漏れ聞こえてくる音楽を含め、やっぱり街中がジャズって、いいなあ。少ないけれど僕がお財布から引っ張り出したお金、来年のために使ってね。ありがとう、今年も。

 

2005年4月2日
BEGIN
80215 SPECIAL BEGIN 15th ANNIVERSARY CONCERT ~Wounderful Tonight~
大阪城ホール スタンド Gブロック 20列 27番

 4月だね。桜の花もやっとこさ咲き始めたりして。春だね。
 さて、新年度のコンサートはじめは、BEGIN。しかも城ホール。
 僕も何回かチケット取ろうとしてとれなかったりで、彼らが人気者だって言うのはよく分かってたんだけどね。でもなんか、1万人集めるっていうイメージからはほど遠いよね、って失礼だけど。僕が一度だけ彼らをみたのはなんばのライブ小屋。木村充揮プロデュースのジョイントライブ。

 デビュー15年なんだよね。あれ、結構短いな、って思ったんだけど。そうか。イカ天(いかすバンド天国っていう東京ローカルのアマチュアバンド集める深夜番組で優勝したのが彼らのデビューのきっかけなんだよね)からデビューまで、結構あいだ開いてたもんな。
 そのイカ天で、最初に演奏した「恋しくて」。ホントに、衝撃だったな。3分間一本勝負のアマチュアバンドなんて、インパクトに賭けてめちゃくちゃなのが多いからね。その中で、つぶらな瞳の朴訥な若者(しかも当時は痩せていた)の唄うバラード。
 あの3分間で僕は、BEGINに一生ついて行きます宣言をした。

ああ、コンサートだったね。

 一生ついて行きます宣言をした割にはコンサートの機会に恵まれず、本日単独初ライブ。わーい。

 心配した雨も降らなくてね。京橋からの途中で食べたピザがなかなか来なくて、入場したのは5分前。あちゃー、一番後ろの席。とはいえ脇だから遠いっていう感覚ではなく。
 ステージは、左右のモニターと頭の上のでっかい風船以外は派手なモノではなくて。そりゃあそうだね、浜崎あゆみじゃないもんね。

 ちょっと押して始まったのは、BGMの恋しくて。しかも映像付き。
 その映像が。はっきりしないけれど、たぶんイカ天の映像じゃないかな(願望はいってるけれど)。そして、その映像が終わると。
 ステージにいた3人。曲は、Wonderful Tonight。あらら、それは反則技。と思ったんだけれども、ツアータイトルがこの曲なんだ。シングル盤恋しくてのB面、って当時はもうCDだったけど。イカ天で、恋しくてしか持ち歌がなかった彼ら、勝ち延びる度に「あチャー」って顔して、苦し紛れに歌った一曲だったよね。

最初の一声でね。あれっ?

 比嘉さん声でない。全然出ない。金取ってやるか? っていう以前に喉痛そうだからお願いやめて、っていうくらい、まったく出ない。
 唄もそうだけど、MCの時もね、痛々しい声はそのまま。力抜いて喋る時の綾戸智絵みたいなかんじ。大丈夫かいな。

 次(ではないかな)の曲は、なんと、1枚目のアルバムから、追憶のシアター。「二回目のショウは、魔法忘れたマジシャン。女たちの慰めに、嘘とバラとを換えてやるしかできない」いいなあ。この曲を皮切りに、一大ブルース大会。「No money blues」なんて、イカ天でやった曲だよね。CDに入ってないジャン。わーい。
 ブルースのシャウト系の声は、今日の比嘉さんの喉にはしっくり来てて、いい感じ(っていうかバラード系唄えないからね)。調子に乗って飛ばす飛ばす。
 そして、大盛り上がりナンバーのBurbon & Pineapple Pizza。あの娘の好きなチーズのたっぷりパイナップルピザ。これは僕の大好きな4枚目のアルバムの曲なんだけど、このころからBluesをブルーズっていうようになったんだね。

 喉を整えるために水を大量に飲みながら唄っている比嘉さんが、当初の約束通りトイレに立つと、残された二人の昭和歌謡。十九の、、、なんだったっけ。
 しっかし、MC多いね。BEGINは。スタレビほどではないにしろ。お客さんのかけ声に律儀に応えて、最後に落とすっていうのは、木村充揮のMCテクのパクリだろうけれど、心地よい沖縄弁とサービス大阪弁が、オオサカのお客さんにこんなに受けるなんてちょっと不思議なくらいあったかい反応だったね。

 一五一会から三線に乗り換えて、島人ぬ宝涙そうそう(曲順でたらめ)。それからは島唄で大盛り上がり。オリオンビール!!

 BEGINの音楽って、どんどん変わっているんだけれども、たぶん3つの大きな柱があって。一つはブルーズ。そして、ブルージィーな歌謡曲(バラード系)。最後は島唄。僕は島唄の熱心な聴き手ではないんだけれどもね。
 ブルーズっていうことでいえば、今回は比嘉さんの声もそうだけど、島袋氏のギター。こんなに存在感があるなんて、思ってもみなかった。ダブルネックかっこよかったな。バラードは、今回は本当に残念だったけど、僕は知ってるからね。比嘉さんの声にどれだけの魔力が宿ってるのか。また今度、聴きにいくよ。
 そして島唄。城ホールを満員にしたお客さんは、ほとんどこれを望んでいたみたいだね。みんなで沖縄の踊りを踊ってる1万人は、上から見てるとちょっと不思議だったけど。

 もちろん最後の曲(というかアンコール一曲目)は、恋しくて、で。ただ残念だったのは、イカ天当時のアコースティックではなくて、シングルバージョンのストリングス系の編曲。イランでしょ、あれ。ちょっとはやめのテンポと比嘉さんの声で、キラーパスからオウンゴール、というわけには行かなかったけれど。

 いやあ。楽しかった。
 この城ホールを、奇をてらわないで、ただのライブハウスにしちゃったBEGIN。15年の凄みを魅せてもらったし、そして何よりも、ホントにいい人たちなんだなあ、って。

 このコンサート、ホントは3月21日だったのだけれども、主催者側の都合で今日になりました。
 偶然なんだけれども、僕は、この変更に、ものすごく感謝しています。誰にありがとう、っていっていいのかよく分からないんだけれどもね。

ホント、よかったよね、っね?

 

 

2005年2月2日
浜崎あゆみ
ayumi hamasaki ARENA TOUR 2005 A
大阪城ホール アリーナ 47列25番

 なんと、半年ぶりなんだね、ポップスのコンサート。
 今年もやってきました。浜崎あゆみ、城ホール。大阪3デイズでツアーのこけら落としの2日目。どんなだろうね。

 今回の席は、アリーナ。ほぼ真ん中うしろ寄り。中央に構えたサブステージからだと、10列目くらいかな。わくわく。
 テキ屋のにいちゃんにたっぷりサービスしてもらった焼きそばを食べて、あまりの寒さにビールも飲まずに開演を待って。前のツアーではなんとほぼ定刻に始まったから、今回もそうかと思ったけれど、今日はちょっと余裕気味。
 舞台は、シンプルな階段と真ん中にでんと構えるオーロラビジョンと、そしてバックを埋め尽くすスクリーン。バンドさんは左右別れて隅っこに。

 まあ、あゆのファンのヒトがこのページにきてくれているとはあまり思わないのだけれども、まだまだツアー序盤戦だからね、このあとのチケット持っていて、どきどき楽しみにしている人は、まだ読まない方がいいかな。あんまりネタバレとか、意識しないで書いてるからね。

 開演はちょっと押したけれども、思わせぶりなBGMで焦らされる、っていう感じではなかったから、結構あっさり始まったイメージの一曲目。ちょっとびっくり。
 何にかっていうとね、舞台装置。ステージの背面を覆い尽くす白い布をスクリーンにお城の壁を投影して、真ん中のオーロラビジョンはバルコニーへ通じる窓。手前の階段をバルコニーにした演劇風。
 背景の映像とシンクロした演劇風のステージは、DVDで観た第二幕のイメージ。あれ、ここに戻ってくるのかな、って。ただ、ほぼ正面からみたからね、映像効果ばっちりで唖然としてた、っていうのが正しいのだろうけれど。
 なんと一曲目の白いドレスは一曲目だけでね、すぐに着替えてダンサブルナンバーに。ここではね、階段からせり上がったあゆがオーロラビジョンの真ん中くらいで唄うんだけれども、オーロラに写ったおっきいあゆと、その手前のちっちゃい、本物のあゆ。アップテンポだと、ほんのちょっと、0.03拍くらい遅れるんだけれども、そのシンクロ具合がめちゃくちゃ面白かった。僕のところからだと、本物のあゆは推定14センチ。表情がかすかに見えるくらいの距離だからね、おっきなあゆはあんまりみなかったけど。
 相変わらず曲がよく分からないから、どの曲がどれ、とかいえないのだけれども。

 第二幕に似てるな、デビュー当時のコンセプトに戻ったのかな、っていうのはその最初のセットだけでね。一面砂漠の中で四つ足のロボットを操縦するあゆ、みたいな化粧直しの時の映像はとても楽しくて。

 今回、変わったな、って思ったのはね。
 すごく明確に、性を意図した演出が増えたな、って。
 ハイヒールで鞭を持ったあゆが、ボンデージの男どもをひっぱたく、みたいな場面もあったんだけどね。それはまあ一番わかりやすいんだけれども。それだけじゃなく、全体の振り付けがね、性を意図したっていうか、欲望を持つ、っていうことを肯定した演出になってるな、って。
 別に浜崎は、アイドルの処女性で売ってきた訳ではないけれど、欲望の標的にされる演出はたくさんあったけど、自ら欲望を持つ、っていう演出はあんまり見たことないな、って。
 ムツカシイこといってるけれど、要は大人になったやんけ、エエカンジやな、ってことなんだけどね。
 ボンデージモノは、サブステージにきてくれたから、あゆの鞭使いがよく見えたしね(ちょっと甘い、とは友人の言葉でした)。

 そうそう、それから。
 室内のセットでははじめてみました。水芸。しかも半端な量じゃなく。あれ、どうやってるんだろう。ちょっと不思議。

 ツアー2日目だからかな。構成間違えたり、歌詞とんでったり、PAバランス悪かったりしてたんだけど。そんなこと関係ないくらい歌声完璧。初日あけて飲み過ぎたみたいで、しゃべり声はがらがらだったけどね。

 僕の前の列で、再三警備員に注意されながら飛び跳ねていた小学生から、僕のようなおじさんまで。すべてのヒトを満足させよう、POPの権化であろうとするあゆ。前はそれにつきまとっていた痛々しささえも隠しおおせたあゆ。
 もし、今回垣間見せた欲望をキーワードに、昏い裂け目が広がっていくのならば、それは小さい小屋でじっくり、みてみたいな。30過ぎたら、考えてみてね。

 WHOに替わる曲を、やっと創ることが出来たあゆ。ちょっとひっくり返ったけれど、生声のありがとうございました、今までで一番大きく響いたよ。

 やっぱり最後に。
 あゆかわいい。

 

2004年7月31日
第15回 めいほう高原音楽祭
野外音楽堂 ソノラシアター 自由席

コッピョル(heagum)
松永 貴志 trio
マリーナ・ショウ&デヴィット・ヘイゼルタイン trio with 矢野 沙織
寺井 尚子
森山 良子
オルケスタ・デ・ラ・ルス

 昨年に続いて、今年も行って来ました。めいほう高原。はやりの合併で、ここも郡上市になったんだけれども、名前もそのままに15回目。おめでとう&ありがとう、そしてご苦労様。
 今回は、バーベキュー席での参加ってことで、実はあんまり聴いてないんだよね、真剣には。だからまあ、レジャーついでの酔っぱらいの感想ということで大目に見てやってくださいね。

 めちゃめちゃレアな、西へ向かう台風の影響で、大阪からめいほうまでの道のりは視界がないほどの雨、だったんだけどね。高原はからっと晴れていて、役立ちそうもなかった日焼け止めにもちゃんと出番があった。もちろん開場待ちの行列からできあがってるんだけど、そこで聴くリハの光景っていうのもなんかいいなあ、手作りっぽくて。

 今年のめいほうはね、綾戸智絵がいない変わりに森山良子。そして10代の若いにいちゃんねえちゃん。おなじみの寺井尚子に待ってました、オルケスタデラルス。どんなことになるんだろうね。

 バーベキュー席の特等席を陣取って、設営しかけのところでもう開演。市長の挨拶に続いてトップバッターは、コッピョル。女子十二楽房がソロで来たのかと思ったら、韓国の方でした。ヘグムって言う楽器は、弓で弾く三味線みたいなモノで、要は心地いいBGM。曲はオリジナルから、幻想交響曲のモチーフをイントロに使った木星とかのはやりモノまで。設営の合間にふとステージ(脇のモニタ)を見ると、きれいなお姉さんが楽器を弾いている。いいねえ。
 お次は18歳のピアニスト、松永君。18ともなればテクニックは完成されているだろうし、才能に歳は関係ないから、なんで騒がれてるのかな、どんな演奏するのかな、って思って楽しみにしてたんだ。
 曲は、初っぱなのoleoの他は、オリジナルなのかな。以外とオーソドックス。肘打ちをする訳でもなく、外れたコードで着地点の見えないままさまよう訳でもなく、パラパラと確かなタッチの音色で、決して外さない確かなアドリブが繰り広げられる。大西順子をサポートしてた安ヵ川さんとか、メンバーは確かなんだろうね。でも、18歳、野外ときたら、もっとアナーキーでいいと思うんだよね。演奏テクニックと音色は確かなんだから。
 テクニックといえば、MCのテクニックはもうちょっと、いやかなり、磨く必要があるね。ただのアホやからね。綾戸が来てたら、いい参考になったかと思うんだけども。

 次の矢野沙織は17歳。この子もね。
 いやあ、そりゃあ確かだよ。たしかっていうのはスケールを外さないアドリブ、って言う意味で、決して褒め言葉ではないのだけれど。
 がんばってチャーリー・パーカー一生懸命さらいましたって言うフレーズを、お金払って聴かされてもなあ、って言う気もするけれど。マリーナ・ショウの前座を40分に渡って、よく努めました。パチパチ。二十歳を過ぎて、まだリーダー出せるようなら、一枚買おうかな。とんがった部分を削って、ダルファーちゃんみたいになったら人気出るかな。
 そして、マリーナ・ショウはなんと、去年のジミー・スコット大先生が、「めいほうはいいフェスだよ」って推薦してくれたらしい。それだけでもう、正座して聴かせて頂きます。
 ダイアン・リーヴスみたいだな、って思ったのだけれども、ダイアンさんよりもずっとベテランなんですね。失礼いたしました。ただ、去年のジムのようなオーラには包まれていなかったのかな。バーベキューが気になってた、って言うのが大きいのだろうけれど。
 最後に矢野沙織を招いてDon't mean a thing.これはね、かなりいじめに近かった。テーマをあれだけ崩して唄われたら、まじめな矢野ちゃんのソロはホントに生真面目に聞こえてしまって、ちょっと可哀想。でもそれも修行だね。
 でも、思うんだけど、なんで矢野ちゃんは松永君とやらないんだろう。同い年で刺激も受けるし、客も盛り上がると思うんだけど。レコード会社が違うからかな?
 十年前に流行ったジャズ維新。こういう若い子達にたくさんチャンスを与えてほしいなあ。

 ここまではね。割と前座に近かった。気分的にね。いや、十分楽しんでたんだけれども、次のバンドが出てきた瞬間にね、ああ今までは前座だったんだって。
 次のバンドは、去年も来てた寺井尚子。上品な黒のノースリーヴに身を包んだ彼女は、イントロ終わって出てきた途端に会場を鷲掴みにした。
 もちろん会場のかなりの部分は寺井さん目当ての客で、会場総立ちで準備してるんだから当たり前っていえば当たり前なんだけど。でも、今まで3バンド、ステージをチラとも見ずにバーベキューとバカ騒ぎに夢中になってた人たちも、何事かと振り向かせるそのパワーがね、やっとここからメインバンド、って言う貫禄。
 曲も、去年とほぼ一緒なのか、何聴いても一緒なのか、同じ感じなんだけど、ステファン・グラッペリとジャンゴの、なんとかっていうブルースはきれいだったな。違う曲で、クラッシック風のカデンツァ弾いた時には、どうしても諏訪内さんのテクニックと比べると見劣っちゃうんだけど。ってマイク越しの音だから当たり前なんだけど。
 今回はね、バーベキュー席で、ステージから離れている分、この「鷲掴みにする力」っていうことをちょっと考えちゃいました。前座のじゃりん子達の延長線上に、鷲掴みにする力が宿るんだろうか、って。
 たとえば終演後のインタビューで「モニタがよく聞こえなくてバラバラだったけど、野外だったらこんなもんでしょ」っていうジャズ研の反省会みたいなコメントじゃなくて、寺井尚子風に「今日は景色もお客さんも最高で、ホント、忘れられません」みたいなショーマンシップをとりあえず期待しましょう。

 でも、皮肉なことにというかなんというか、この日に一番鷲掴みをするパワーにあふれていたのは、文句なしに幕間に流れるCMの、ジャニス・ジョップリンのSummer time。命を絞り尽くすような声、30秒だけでも背筋をただしちゃうよね。余談だけどこのCM、どうやっても失敗だよね。インパクトはあるけれど、なんのCMだかどうしても覚えられないよ。

 そして、次は森山良子。森山良子って童謡歌手ちゃうん? よく知らないのだけれども。
 何でもこのごろジャスアルバム出して、初のジャズフェスなんだそうな。
 最初の曲はs'wounderful。めちゃめちゃオーソドックス。そうだ、想い出したけど、seven steps to heavenは、森山さんだったね。
 ジャズ2曲唄ったあとは、涙そうそうと、さとうきび畑。いいんですけどね。ぼくはBeginの生涙そうそう聴いてるからね、これでは泣けないな。そのあとのシーデキ(?)はよかったけど。
 森山さんの圧巻は、最後のバラードだね。とはいえあまりよく聞こえなかったのだけれども、席のせいで。惜しいことしました。
 森山さんは、去年の綾戸の位置なんだよね。ジャズファンがこの位置の森山で満足したかどうかはちょっと分からないな。
 今年は一枚なんか足りないんだよね。トリに向けて盛り上がりたいんだけど、寺井とデラルスはかぶるからくっつけられないだろうし、マリーナ・ショウはメインを張れるほどの知名度がないし。森山さんで結構帰る人いたけれど、満足したのでしょうか。

 まあ、途中で帰った人は放っておいて、いよいよメインバンド。オルケスタ・デ・ラ・ルス。フェスっていったらこう来なくっちゃ。

 今回、7年ぶりの恒常的再結成の、ライブはじめってことみたいで、その演奏ほどにはライブの進行は煮詰まってなかったんだけれども、いいんです、そんなこと。どうでも。
 ツースリーだけ叩ければ、島唄でもなんでも皆サルサ。ステップなんて気にせずに、踊ろ、踊ろ、皆踊ろ。
 とはいえ、ちょっとはステップ踏めた方がいいなあ、ってちょっと思ったね。
 ラストの曲では、寺井尚子が飛び入り参加。いやはやすごいね、この人。全然畑違いなバンドに入っていって、でも主役は私よ、って言う胸の張りは絶対に崩さない。唄につけるオブリガードではちょっと邪魔かな、とも思ったのだけれども、ソロは立派にラテンのソロ。自分が弾いてない時も、そんなにうまくないステップで大きく踊り続けて。
 CDじゃなくって、ライブで競演するってこういうことだ、って言うのを、ホントによく知ってるね、この人。

 という訳で大満足のライブのあと、バーベキューの大荷物を撤収するのだけれども。去年も驚いたけど、大荷物で時間がかかった分、今年の方がよく分かったよ。ここのすごさ。
 終演して30分もしたら、会場整備ほとんど終わってんの。ゴミも、開場時に配ったマットもみんなきちんと所定の場所に戻して帰っていくから。地域のボランティアの人がずっと出ずっぱりで整理してくれているから。
 俺は客だぞって、えらそうにしてる人はほとんどいなくって、みんな今年も続けてくれたことに感謝しながら帰っていく。

 今年の演奏者を聴いていて、頭押さえつけて自分の方に振り向かせる力が、プロとアマの差なのかな、と勝手に思ったんだけど、運営を見てると、アマにしかできないことって、そんなに捨てたもんじゃないな、とも思ったよ。

 関係者の皆様、部外者をこころよく迎え入れてくれたパーティの人たち、本当にありがとうございました。

 

2004年2月14日、20日
浜崎あゆみ 
ARENA TOUR 2003~2004 A
大阪城ホール アリーナ29列46番(14日)、スタンドN6列10番(20日)

 知ってるからね、いわなくていいよ。
 そうなんです。バカなんです。
 今回もやっちまいました。大阪2デイズ

 だって、5日もあるんだもん。

 去年はライブハウスのTAツアーと、東京・横浜8デイズのA museumだけで、おっきなツアーはなかったからね、久しぶりのツアーの浜崎。僕は去年3回も観てるからね、そんなことはどうでもいいのだけれども。
 毎年やってる代々木のカウントダウンを皮切りにしたこのツアー。ミニアルバムmemorial address のツアーってことになるのかな。
 このミニアルバム。このごろiPodのおかげでアルバム単位でpopを聴くということがなくなってしまったのだけれども、そうでなくてもなんか違うんだよね、違和感。
 シングル3枚の7曲にボーナス1曲。ヴォリュームのなさは全曲PV付きのDVDでカヴァーして、っていうミニアルバムなのだけれども。そして僕はそのうちのシングル2枚は既に持ってたりするのだけれども。
 そういう新鮮みのなさ、とは別の話でね。なんか違う。
 シングルって、その一曲だけで完結してるべきだよね。ザ・ベストテンで唄う1コーラス3分で完結してるべき。その、短い時間で完結しようっていう姿勢が、見えないんだよね。レコ大とったバラッドは別にして。
 一昨年までのシングルには、そういう姿勢があったんだよね。たまにないのもあったけど。
 それが、3曲入りのMaxiからかな。シングルとしてのクオリティを気にしなくなったのは。この3曲入りは一塊りとしてはとっても完成度が高くて好きなんだけどね。でもやっぱり、Ayu Readyで一曲だけ唄うとショーとして完結しないよね。

 勿論そんなことはどうでもいいのだけれどもね。特に生あゆの前では。

 僕らにとっては1日目、ツアー大阪2日目の席は、アリーナ。どうもすっきりしない天気の中、ちょっと早めについて、まだ空いているグッズ売り場を懲らしめて、しおらしくビールではなくてお茶。わくわくだね。
 あせる心を引き締めつつ席へ。29列目は前。まだ前、あれ、こんな前? そう、ステージの花道があるおかげで、花道からはめっちゃ近。実質15列目くらいじゃないかしら。ステージは六角形だらけ。

 なんと、大方の予想に反して5分遅れくらいで始まった映像と音楽(今まで30分くらい遅れるの普通だったからね)。そして、あゆはなんと。
 空からの登場。一人乗りのリフトのような華奢な足場で天井から降りてきたあゆ。曲はourselves。ぎゅっとしたりしゅんとしたりするやつ。なんと。そして、Real me。ハードなダンスの2曲を頭に持ってきた。
 そして、僕には分かったんだ。
 シングルとしての完成度を捨ててあゆが求めたのは、これなんだ、って。一つの世界じゃなくって、シーンの断片を切り取ったこれらの歌が、どれだけライブ映えすることだろう。
 そう、浜崎あゆみはTVの歌番のアイドルじゃなくって、コンサートを表現の主体に選んだんだね。
 Real meのダンスを堪能したあと、あゆは曲の終わりを待たずに裏に引っ込んで。バンドとダンサーさん、そしてコーラスで間を持たす。
 出てきたあゆは、なんと、ウェイトレス、なんだろね。代々木の時のミニワンピのような80年代風。かわいい。こっちこい。
 でもこのときには結局ステージ前方の花道には来てくれなくて。

 あゆが花道に出てきたのは、次のセット。イントロの瞬間、やばかったんだよね。え、この曲? DVDの第二幕が印象深いけど、生で見たことないんじゃないかなあ。あんまりにも個人的すぎる曲。僕が最初に、浜崎あゆみの闇を意識した曲。
 そう。花道の一番前にせり出してきたあゆは、大きなteddy bearと一緒にソファーに座ってた。あゆの表情豊かなおっきな眼がすぐそこで哀しそうに揺れる。ホールでいえば15列目くらいの近さ。反則。
 帽子を熊の耳において次に唄ったのは、Memorial adress。熊のぬいぐるみを置いていなくなってしまった愛する人との別れを、いまだに受け入れることが出来ないって叫ぶ唄。Rainbow以来健康志向だったあゆの、ひさびさ痛みの唄。肉眼で見える表情。いいね。

 こっからはセットの順番曖昧だけど。
 ステージ両脇にでっかいピエロがふくらんで、大盛り上がりのダンスチューン。ちょうど大晦日のCountdownTVで生中継してたやつね。RevolutionとかAngel's songとか。
 それから、なんと小林幸子バリの大道具衣装。ステージいっぱいに広がった虹色のスカートが舞い上がったRainbow
 胸元のどぎまぎするドレスで、寝転がって歌った唄はなんだったっけ? Never Ever的な、ちぎって投げつけるタイプの唄。このあと早変わりでも一回盛り上がりか? 記憶不確か。

 本編はてんこ盛りであっさり終わっちゃたのだけれども、アンコールは新曲、No way to sayのあと、Trauma,independence, FlowerGardenの踊らせ三部作。そしてyou
生声ありがとうございましたもばっちりで、大満足。我に返って時計観たらちょうど2時間。
 うーん、満腹。

 この時点では、もう一度来るなんて夢にも思っていなかったのだけれどもね。ほぼ一週間後、再び城ホール。

 スタンドのN番は入り口から遠いんだよね。ほとんどホールを半周して、入ったところはあらびっくり。一番前。
 一番前っていうと誤解を招くんだけどね、アリーナを囲むスタンド席をU字型磁石にたとえると、ちょうどN極の一番強いところ。つまりステージの真横、スタンドの一番端の席。前から10列目だからこちらも前。あゆが端まで来てくれれば普通に話も出来る距離。しかも俯瞰。じゅるじゅる。

 前回はそれでも5分くらいは遅れて始まったのに、今日はほぼ時報通り。5デイズの最終日、撤収の時間を気にしてるのかな?
 2回目で、あゆの出所が分かってるからね、最初の天井も、白のダンサーにみんながだまされてる時も、ちゃんと最初から追いかけられた。
 席が席だから、左耳だけ痛くなるかと思った音響も、後ろの列の高校生のおねーチャン達がスピーカーよりもずっとうるさかったおかげで大丈夫。このおねーちゃん達、近頃のぢょしこうせい(のイメージ)にあるまじき斜に構えたところのない正統的な盛り上がり方で、ちょっと嬉しくなってしまいました。
 ショーは勿論同じように進むんだけどね。5日目なのに昔みたいに声が辛いなんてこと全くなくて。発声変えたのかしらって思うくらい。
 ウエイトレスあゆがこっち来た。あ、目が合った。どうしよ。

 今回の圧巻はね、やっぱりあのバラッド2曲。熊のあとのMemorial address。こういう泣かせ曲で泣くもんか、って思うんだけどね、だめだね。花道を帰りながら唄うあゆの、そこだけかすれた声でちょっとうる。
 寝転がって唄うやつも、アリーナからはモニタでしか見えなかったけど、ちゃんと俯瞰出来たし。

 ただ、虹色のドレスで唄う曲、今回はRainbowじゃなくってNo way to sayだったね。違和感ないんで最初は気がつかなかったけど、あれは虹のドレスだよねえ。大盛り上がりの時に、最初の日はAudienceがあった気がしたのは錯覚か?
 アンコールの踊らせ系もFlower Gardenのない2曲だったし。
 体調悪かったのかな? でも声には出てなかったな。大丈夫かな。

 大阪に来るたびにたこ焼き丼を食べてるはずだったあゆのたこ焼きは、なんとソースと蛸抜きだったことが判明したのは収穫(なんの?)。

 渋滞の帰り道で時計を見ると最初の日より15分くらい短かったのかな。でも、比べなければ全然気にならないよね。

 そういえば2年前は一番後ろの席を他人から譲って貰ってやっとの思いで入ったな、と思ったらこんないい席で2回もみれて、しあわせだね。

 

2003年12月11日
つかこうへいダブルス2003 飛龍伝
作・演出:つかこうへい
出演:広末 涼子
   筧 利夫
ウェルシティ大阪厚生年金会館 1階J列41番 S席

 なんていえばいいんだろうね。
 あの日、僕は確かにココロを鷲掴みにされて振り回されて、それから放り投げられた。
 それはそれは大変なショックで。
 でも何故か。何でかわからないのだけれども、それは言葉となって降っては来なかったんだよね。いつもなら、帰り道で言葉が塊となって降りかって、僕はそれを交通整理するだけなんだけど。

 今となればわかるんだけどね。何で言葉にならなかったのか。
 今となれば、わかった上で言葉にできるんだけどね。それだけのテクニックを、僕は身に付けてきたから。
 でも、そうはしたくないんだ。あの日のあと、いくつかの大嵐や小嵐が吹き荒れて、その嵐に角を削り取られてしまったあの日の感情を、さも今見てきたように書くことは、したくないんだ。
 それは、とても失礼なことだと思うから。
 このお芝居を創り上げた人たちに。それから僕の感情に。

 だから。
 時とともに薄れていく印象と闘いながら、角が取れた感情を元に戻して。
 その過程で見え隠れするふさがっていない古傷。その裂け目を直視する勇気をかき集めて。
 あの日の雨と、マックのハンバーガーと、緞帳からもれる硝煙の匂いを呼び起こして。

 いざ、開幕。

 僕は、泣いたよ。
 何にもわけわかんなくなって、ただ、泣いた。それは、悲壮な覚悟で運命に飛び込んでいくヒロスエが哀れだったからではなく、無為に死んでいく人々が悲しかったからでもなく、初めて観るプロの芝居の迫力に圧倒されたからでもなく。
 いや、そのすべてが入り混じっていたことはいたんだけれども。

 どんな話なのか、ちっとも知らなかったからね。
 幕が開いていきなり、ヒロスエfly me to the moon。In other wardsってところを、インアザーワーズって発音する生ヒロスエ。めっちゃかわいい。それに続く殺陣とダンス。
 そこまででだまされたんだよね。ああ、お気楽アクション系エンターティメントなんだ、って。

 お話は、安保闘争吹き荒れる時代。飛ぶトリを落とす勢いで全学連会長候補になった桂木桂木の情婦になった東大新入生の神林美智子(ヒロスエ)が、行きがかり上全学連会長になって。くだらない情夫の姑息なたくらみで、機動隊員の家にスパイとして転がり込んで生活するうちに…
 っていう感じなんだけれどもね。

 お坊ちゃま気分が抜けない大学生の活動家と、中卒の機動隊員。頭がよくて臆病でずるい桂木に陥れられて、一緒に暮らすことになったのはずっと神林を想っていた機動隊員、山崎(筧)。二人の間には愛情と子供が芽生えて。

 一緒に暮らしつつも、今日はまだいるだろうか、明日は出て行ってしまうんじゃないだろうかと安心できない山崎。だんだんと山崎に惹かれつつも、桂木への思いも断ち切れない神林
 子供ができても、作戦のために生んだ子かと悩む山崎。生まれた子供を誰も祝福してくれない作戦と神林の家庭の事情。
 どうしようもなく神林に惹かれつつも、作戦のための生活かとやけになる山崎。気持ちは山崎に向いているのに、作戦のためではないと断言できない神林

 後半は、ほとんどヒロスエの二人芝居なんだけれどもね。

 自分は中卒。相手は東大。夢想もしなかったところに転がり込んだ恋。抱きしめても愛の言葉をささやいても、子供ができてさえ相手の愛情を信頼できない山崎。それだったら問い詰めるか、それとも一気に終わらせるか。それすらできないだめオトコ

 全学連の権力闘争に巻き込まれ、許婚に送り込まれたこの役目。純真朴訥な山崎に心は動くが、既に決まった許婚
 子供とともに大きくなる山崎の存在。迫る決起。山崎の家から、機動隊の配置図を全学連に送る神林

 多分神林の根にあるのは山崎への想い。ところが桂木への想いもうそじゃない。
 山崎にしてみれば、やっぱりどうにも信じられない。神林が俺を選ぶなんて。どうせ作戦に決まっている。でも作戦で子供まで作るか? いや革命闘士ならやるかもしれない。それでもいいじゃないかたとえ許婚がいたって。はっきりさせたらきっと神林は出て行ってしまう。

 何度も何度もおんなじことを書いてるね。ごめんなさい。つまり二人の芝居は堂堂巡り。出口なんかありゃしない。

 その堂堂巡りの中でね。機動隊員山崎の一途さとせこさとかっこ悪さと、だめさ加減とね。神林美智子の覚悟を決めた強さと凛々しさと、でもちょっと残る未練と。

 この二つの関係がね、どうしようもなく魅力的で、どうしようもなく身につまされて。

 それは、僕の中で美化された、理想の関係。どんな結末になるにせよ、ここを経なかったら何も終われない、そんな関係。
 そんな事考えてたらね、涙がぼろぼろ出てきてとまらなくなった。

 物語は、この二人の関係は、想像もつかない激しさで終わるのだけれども。
 まるで物語のような激しさと、その部分は淡泊なつかの演出と、なによりもう泪は出尽くしてたからね、最後はきちんとお芝居として楽しめました。

 カーテンコール。全編ナイロンのつなぎでがんばったヒロスエもドレスを着て。いつまでも続く拍手は、筧が「ここから先は別料金になります」って叫んでもまだ続いて。
 会場が明るくなっても、しばらく席を立てなかったよ。

 すごいね、芝居って。

 

 ちなみに。
 大阪4日間公演の、二日目に僕は見に行ったのだけれども。見に行った次の日に、ヒロスエ妊娠、結婚報道。
 僕は一度しか観ていないから、断言は出来ないけれども、舞台上のヒロスエは、少なくとも端から見てるうちでは、身体をかばうためにアクションを加減したりとか、そういうことはいっさい気がつきませんでした。
 でも、報道される前に観てよかったな。変な心配と、変な疑い(演出が変わったんじゃないかとかね)を持ってみるのも、いやだしね。

 僕はヒロスエのプロの仕事を生で見たからね。結婚しても子供産んでもいいけど、仕事は続けてね。お願い。

 

2003年10月25日
STAEDUST☆REVUE
LIVE ENTERTAINMENT TOUR 〜Heaven〜
ファスティバルホール 1F HH列 R17番

 すごいね。
 なんだかんだいって、もう5度目だよ。スタレビ。相変わらず熱心な聴き手、というわけではないのだけれども。
 しかも今回は急に決まったからね。予習する間もなくぶっつけ本番。
 彼らは上級のエンターティナーだから、それでも大丈夫、十分楽しめる。そう思っていたのだけれどもね。

 フェス3days。少なくとも一階席は満席。トラベリングバンドたる所以だね。

 

 ごめん。
 僕は、この日の彼らを語るための言葉を持ってないよ。

 だから、もしかしたらこの先を読んで不愉快に感じる人もいるかも知れません。
もし、この先を読んでしまって、不愉快になってしまった人が居たとしたら、ごめんなさい。

 ちょうどこの日、買ったままで読んでいなかったRockin'on Japanの最新刊を読んでいて。それはMr.Childrenの桜井和寿の復活インタビューだったのだけれども。
 そこには、かつて僕の愛したロックバンドMr.Childrenの姿はどこにもなくて。巨大なポップザウルスがいた。
 桜井は自分たちがどうしようもないほど巨大な恐竜だということ、しかも病気による活動休止で、そのまま形骸化する可能性のある恐竜だということを正確に自負していて、恐竜復活ののろしを上げた。他人が見てではなくて、自分が見て巨大で居続けるために。
 その自負と覚悟は、メンバーにさえ行き渡っているか怪しいほどの危うい自負と覚悟なのだけれども、その危うさも含めて桜井の立ち向かっているものに、その姿勢に僕は打たれていて。
 つまり、その危うさがロックなんだ、って。

 翻ってスタレビ、というわけではないのだけれどもね。

 もしロックが、Like a rolling stone、転がる石のように破滅に向かって突き進むことを義務づけられている音楽ならば、非常に安定して見える彼らは、サザンやALFEEと同様、ロックバンドではないよね。
 もちろんこの定義が当てはまるのかどうかは怪しいものだけど、僕の中でさえ。

 Rock,JAZZとpopを分ける僕の中でのもう一つのライン、それは音楽の一回性っていうことになるのかな。
 CDで聴くより、一回しかないこの演奏を聴くことの重要性が、popよりもRockやJazzが断然重い、っていうこと。

 解りにくいかも知れないけれど、僕がJazzやRockよりもpopを低く見ている、ということでは全くないんだよ。ミスチルの純然たるpopの傑作、It's a wounderful worldだって、サザンだってALFEEだって好き(だった、ってのもあるけど)なんだから。

 ただ、姿見てるだけで、おんなじ歌を一緒に口ずさむだけで幸せ、とまでは入れ込んでいない僕としては、一回しかない演奏の重要性に価値を見いだそうとした、っていうことなんだろうけどね。
 もっといえば、演奏の凄み、っていうのを感じたかったな、っていうことになるのかな。

 もちろん、コンサートになんの予備知識も持たないで参加した僕が悪いんだけどね。

 歴史のある彼らの中でも、今回は比較的昔の歌が多かったみたいで。突然のブレイクでコーラスだけが残るっていう昔の黄金パターンとか堪能したんだけど。
 一階席の後ろの方で、天井が低くって声がダイレクトに聞こえてこない場所だったっていうのもあるんだけれど。
 聴くたびに広がっていく要さんの声域は、はっきり言ってすごかったんだけど。

 なんか今ひとつ乗り切らなかったんだよね。曲知らない僕が一方的に悪いんだけどね。

 特に、時代の息吹を感じさせるアルバムを作ろうって大風呂敷を広げたけど煮詰まって、音楽やめようとさえ思った。そんなときにやっとの思いで作った曲、って断ってから演奏した曲、HEAVEN

 これが、なんのひねりもない、素直なバラッド。

 ここでなんか、寂しくなっちゃってね。あぁ、彼らには桜井が背負っているのと同じ覚悟と気概はないんだな、って。

 しかも、その曲に泣けちゃう俺。

 まさに、
 だいっキライなFusionで、泣ける自分がいや by 桜井和寿
 状態。

 その前に、要さんが、小田和正にメガヒットを飛ばすコツは、って聞いて「性格じゃない」っていわれたエピソードを紹介してたけど、その性格って、自分以外の重いものを背負う覚悟のことなんだなあ、って。
 彼らには、、、

 それからはね、いろんなことを想いながら聴いていて。
 いろんなことっていうのはね、かなり現実的というか、下世話なことなんだけれど。

 予告通り、三時間超のコンサート。しかも後半になればなるほどしゃべりまくる要さん。
 内省モードに入ってしまった僕には、しゃべりの長さがちょっとだけ、きつかったかな。文句なしに楽しめるはずのアカペラも、素人ステージに上げたおかげで、なんかはらはらして入り込めなかったし。

 ただし、今回はないんだ、と思った矢先の循環呼吸(なのか?)。これはすごかった。
 前回が3分だとしたら、今回は4分27秒(推定)。しかもPAレベルを思いっきり下げて、ほとんど生声。こっちが苦しくなって叫んでも、まだまだがんばる要。
 声域も(僕のイメージからは)広がって、ギターも迫ってきて。今回は要さんのon stageだったね。
 ピアノ、もう少しがんばってね。

次は、ちゃんと予習していこう。っと。

 

2003年10月11,12日
浜崎あゆみ A museum ~30th single collection live~
国立代々木競技場第一体育館
11日:南スタンド 2階 A2列19番

12日:北スタンド 1階 K15列5番

 あゆのためならヒガシエニシエ。ここは東京、代々木体育館。しかもなんと、二日連続あゆ。あほやね。

 今年はファンクラブ限定のライブハウスツアーをやったり、A nationが意外とおっきいツアーだったりで、単独全国ツアーはやらないのかな、って思ってたら、突然。
 しかも東京のみ5日間。
 毎年カウントダウンコンサートはしょうがないってあきらめてるんだけど、5日もあったら立派なツアー。それは行かなくちゃいけないでしょう。あほやから。
 っていうことで、二日間。
 初めての代々木体育館。

 雨が降るんだか降らないんだか、よく分からない天気の中、原宿駅から体育館へ。意外と近いんだね。陸橋渡ったらすぐにみんながたむろしていて。
 テキ屋で肉まん食べてお腹をふくらませて、いざ、出陣。グッズはいいや、明日もあるし。

 入場記念のメダルをもらって、中にはいるとそこはmuseum。今まであゆが着た衣装をマネキンさんが着てお出迎え。モニターにはオフショットなんかも流れてたりして。それで「立ち止まらないでください」はないでしょう。
 体育館だから、長細い。長細いアリーナの西端に作られたステージ。そこから、真ん中を花道がずっと突っ切って、東側にも小さいステージ。南北のスタンド真ん中にもちっちゃいステージがあって。
 僕の席は北側の一番東側。普通だと一番後ろのはずれ席なんだけどね。でもこのハコのために作られたセットは、どっからでも一瞬はあゆが近くに来てくれるみたい。

 まあお決まり通り30分近く遅れたあと。

 真っ暗なステージにスポットが当たった。

A Song for XX
無伴奏。

 いやはや。
 こう来ましたか。
 僕が浜崎あゆみを聞き出したのはA BESTからだから、この曲も、それ以外の曲と同じ時期にいっぺんに入ってきたのだけれども、それでも、僕にとっても特別な曲。
 たぶんアイドル戦略のおかげでシングルカットしなかっただけで、実質的なデビュー曲なんだと思うんだけど。その後の「痛い」浜崎あゆみのスタイルを全部持ってて、なおかつ言葉が未熟な分だけ、popになれてない分だけダイレクト。

もう陽が昇るね そろそろ行かなきゃ いつまでも同じ処にはいられない

 最初に引っかかったのはここの部分なんだけどね。いつまでも同じ処にはいられない、っていう自覚的な潔さ。でも、もっと聴いていくうちに他の部分が引っかかった。

他人を信じることって いつか裏切られ
撥ねつけられることと 同じと思っていたよ

 もちろん曲に着いている詩だから、語感と語呂のせいには違いないのだけれども。でも、普通なら「他人を信じることっていつか裏切られ、撥ねつけられることだと思っていたよ」って書くよね。そうじゃなくって「同じと思っていた」って。
 他人を信じることと、裏切られ、撥ねつけられること。この二つは「同じと思っていた」んだけれども、でもそれらはindependentで、微かな違いがあるはず、いや違っていてほしいっていう、絶望の中の希望。ほんとに細い、蜘蛛の糸みたいな希望なんだけれども、それが「同じと思っていた」の中にすごくよく隠されていて、そういう細かいニュアンスに、たぶん惹きつけられたんだろうな、僕は。

 というわけで、アカペラのsong forに、ほとんど金縛り状態だったのだけれども。
 会場からわき起こった手拍子はなんと前拍。
 どうし 泣ている どうし わってる
 って、あゆもやりにくそう。手拍子を振り払うように長いためを作って曲を進める。

 他人を信じることって いつか裏切られ

 からはバンドも入って、全力疾走。
 今回は、シングル30枚記念っていうことだったから、昔の曲とかたくさんやるのかな、と思ったら昔の曲はメドレーでさらっと流して、2枚目以降の曲が多かったのかな。まあそこらへんはDVDででも確認しよう。
 相変わらず2.3曲唄ってはお色直し。その間はよっちゃんやダンサーさんがつなぐっていうパターンなんだけど、新加入(?)のコーラスさんや、次にどこに出てくるか分からないスリリングさ。そしてどんどんうまくなるダンサーさんに見とれていい流れだったな。
 それにしても、、おっとっと。

 Song forもそうだけど、もう一曲、浜崎あゆみのエポックメイキングな曲。
 この2曲はライブでもとっても大事にされていて、発表後今までは皆勤賞じゃないかな。
 2曲ともそうだけど、popとしても唄えるし、Rockにもなる。ちょっと無理すればバラッドにもなるっていう便利な曲。Song forはバラッドにはなんないけどね。

 そう、それはM
 真っ白な花嫁衣装で、会場を縦貫する花道を歩きながら唄うあゆ。僕はその後ろ姿をずっと見守りながら聴いていた。
 お澄まししながら唄うMは、今回はPop。もちろんそれは正しいのだけれどもね。RockのM、ひさびさに聴きたかったな。

 ところで、東京のお客さんって、ちょっとおとなしめ? 僕の席が一番後ろだったこともあるのかも知れないけれど、あんまりきゃーきゃー言ってる人を見ない。アンコールの拍手も途切れちゃうんじゃないか、っていうくらいか細いし。年齢の高いファンクラブ席だからかな。でも、開演前は不機嫌そうにケンカしていた隣のカップル、始まったらお兄ちゃんの方がノリノリで叫びまくり。なんかちょっとほほえましい。

 もちろん最後はあの曲。Who,,,
 そして、曲が終わって、バンドも退場したあと。
 疾るあゆ。
 ステージの上手から下手まで走るあゆ。
 花道を通って、後方ステージまで疾るあゆ。
 後方ステージで、左右に走るあゆ。
 もう一度花道に戻って、疾るあゆ。

 そして。
 ざわめく会場を静めて、オフマイクで。
 ありがとうございました。

 ふう。終わっちゃったね。一日目が。
 でも、また明日もあるんだよ。しかも明日は一番西寄り。つまり一番前。わーい。

 

 というわけで、二日目。
 せっかく東京に来てなんにも買わずにって訳にもいかないからね。ちょとだけ早めに来てグッズ売り場に並んで。買ったのはあゆパン一個だけだけなんだけどね。
 昨日みたいにコインもらって入場。なんだ同じか、と思ってよく見たら、昨日とはちがうデザイン。ちっちゃいことなんだけどね、ちょっとうれしい。
 席は、一階席の一番後ろ、だけど西からみっつ目。前へ習えすると前からみっつ目。あゆがステージの張り出しまで来ると、Zeppより近いね。
 それに今日は、昨日忘れた双眼鏡も持ってきてるし。

 プログラムはもちろん昨日と同じで。ステージ後方のひな壇にせり上がってきたあゆ。双眼鏡で観ると、視界とあゆの身長がほぼ同じ。何千個の電球を背負ったあゆ。
 それを双眼鏡で観るとね、なんだろ、衝撃的だった。肉眼で見るのとはちがって、レンズを通してみるのは、テレビなんかで見るのと同じだよ、って脳が判断するんだろうね。なんだけど、テレビやステージ脇のモニタではこんな高解像度で見たことない。何しろせなかに背負った電球、何千個あるか知らないけど、全部数えられそうな解像度。しかも立体的。その解像度に脳が混乱して、違和感として伝えてきたんだろうね。もちろん見てるのは電球じゃなくって貌なんだけど。
 しかも。この日のSong for XX。バンドの出だし完璧。っていうか昨日へくったでしょ。心配したあゆののども大丈夫。

 一度目のお色直しで、ヘソ出しルック、というよりビキニ姿になったあゆ。その姿でステージ翼の階段を昇って近くまで来てくれたあゆ。双眼鏡ではほとんどバストショット。半裸のおねーチャンをそんなにじろじろ覗いていいものかしら。
 そうなんだよね。双眼鏡を手にすると確かによく見えるんだけどね。歌を聴いたり曲にのったりするのがおろそかになるよね。それも寂しくて、なるべく見ないようにしたんだけどね。
 ビキニの次は、ピンクの80年代ミニワンピで南スタンド真ん中のステージ。デビュー当時メドレー。
 そのあとも、パンツチャイナでVogueでしょ。ひらひら系でブランコ乗ったでしょ。Never everはなにで唄ったっけ?
 昨日は後ろから見守ったM。今日は前から近づいてくるのを見守ったんだけど。あゆ、泣いてたね。やっぱりRockだったんだ。
 結局二日目も、次何が起こるのかわくわくしてたんだけどね。って記憶力ないんか?>俺。
 ちょっとPAのトラブルもあったみたいだけどね。それもライブ、ってことで。
 二日目は飽きるかな、と思ったんだけど、なんだ、全然大丈夫じゃん。

 最後のあゆの生声も、昨日より近い分、おっきく聞こえたよ。

 あー。楽しかった。
 おっとっと。最後にひとこと。

 やっぱり、あゆかわいい。

 

2003年8月21日
月光浴・20年の旅
石川賢治 月光写真展
大丸ミュージアム・梅田


 音楽ではないんだけれど、どうしてもどっかに書いておきたかったから、場所借ります。
音楽の話を期待してきてくれている方、ごめんなさい。

 月光浴、っていう写真集があるんだ。1990年っていうから、僕が学生だった頃にでたの。月の光だけを光源にして撮った写真。月の写真ではなくってね、月に照らされた風景の写真。
 出版された当時、それはもう表紙だけで即買い。どのページをめくっても月の光。
 この写真集は、海とか、滝とか、水に関する写真が多いのだけれども。
 光量の少ない月の光だけで撮られた写真は、当然のことながら露光が長くって。その永い時間の間に、流れゆく水の輪郭がなくなって、なんとなくそこにある水の柔らかさが現れる。。その柔らかさがたまらなくてね。
 それから、蒼。満月の夜、部屋の灯りを全部消してベランダに出ると、世界が蒼いでしょ。目が慣れると変わってしまうその蒼が、この写真集にはいっぱい。

 月の光の、あかるさと昏さ。  
 月の光の、蒼さと透明さ。   
 月の光の、あたたかさと冷たさ。
 月の光の、優しさと厳しさ。  

 そういうものがいっぱい詰まった写真集。今でもたまにページをめくるよ。

 この写真集は大ヒットしたから、その続編というのがいっぱい出て。最初のいくつかは出るたびにパラパラめくるんだけど、最初のインパクトからは遠くって、買ってはいないな。

 そういう石川賢治の、写真展。一回だけ新聞で広告を見て、あ、行かなくっちゃと思ってたんだけど、行かなくっちゃだけ覚えてて、何の展覧会かすっかり忘れてた。ちょっと時間がとれた平日の夕方に会場まで行って、やっと思い出した。よかった、覚えてて。

 写真展は、いくつかのコーナーに分かれてて。最初は海。おなじみのテーマとはいえ新しめの写真なのかな。ちょっと明るくて鮮明。せっかくの水の柔らかさが、少ないんだな。
 お次は、京都。これが新作かな。金閣寺とか、清水とか。うーん、これもなあ。金閣はぴかぴかだし、全体的に明るすぎ。枯山水はいい色だったけど、長時間露光でもまったく動かない石には、水の優しさが出せなくて。
 その後もハワイの火山とか、裸婦とか、屋久杉とか花とか。蒼さと柔らかさで目を引くのは、どれも見たことのある最初の写真集の写真。
 もちろんそれだけでも十分満足だったんだけどね。

メインの写真は、後半に控えていたのでした。

 月の虹。
 いきなり、持っていかれちゃったよ。魂を。
 月にかかる虹、ではなくて、月の光が映す、虹。透き通った月の光をプリズムで分けると、圧倒的な白と、ほんのちょっとの橙と碧。つまり、白い虹。
 それだけなんだけどね。
 すいてる美術展では、足早に一通り見て、一番好きなものに戻ってじっとしてるのが好きなんだけれども、2,30分はいたのかな。大きくもない、絵はがきにもなっていないこの写真の前に。月の光に含まれる色と、やさしさと。ああ、持って帰りたいな、これ。

 もう一つ。月下美人の開花。
 植物ものの一つなんだけどね。月花美人っていう白い花の開花していく様子を撮った4枚組。特にその2枚目。
 他の花シリーズは、枯山水とおんなじで、澄み切った光が看破する厳しさが強調されすぎていて好きになれないんだけど、これは別。
 開花していく花は、動いているからね。長時間露光で花びらの先端がぶれていく。生命の動き。その柔らかさと、蒼い光に浮かび上がった白さ。
 そしてなによりも。
 花弁の裏側(つまりはつぼみの外、まだ開ききっていない根本の方ね)の襞が形作るねじれた曲線のやさしさ、艶っぽさ。月光浴ヌードなんか問題にならないほど官能的。

 最後のコーナーは、ネパール、ヒマラヤ。コンセプトは最初の写真集に近くて、蒼さと柔らかさ。それにシャープさの加わった枯れ木の写真、好きだな。

 会場を出ると、スーヴェニールショップ。げげ、オリジナルプリントなんてあるの? ちょっとほしい。いや、かなりほしい。月の虹。もうちょっと考えよ。

 

2003年7月26日
第14回 めいほう高原音楽祭
野外音楽堂 ソノラシアター 自由席

SAYA
SAYA(p.rhodes)
魚谷のぶまさ(b,eb)
加納樹麻(ds)

川嶋哲郎 African Association meets 大坂昌彦
川嶋哲郎(ts,ss)
力武 誠(ds)
安カ川大樹(b)
中村 真(p)
山北健一(perc)
大坂昌彦(ds,guest)

ジミー・スコット
Jimmy Scott(vo)
Jon Regen(p)
Hill Greene(b)
Dwayne Broadnax(ds)
T.K.Blue(sax,fl)

綾戸智絵
綾戸智絵(ve,p)
Anointed Mass Choir


寺井尚子
寺井尚子(vln)
北島直樹(p)
細野義彦(g)
ジャンボ小野(b)
中沢 剛(ds)

REAL BLOOっD
ブラザートム(vo)
JAYE公山(vo)
SILKY藤野(vo)
LUTHER No.1 市村(vo)

 いやあ、暑いね。夏だね。
 夏といえば、ジャズフェス。もう何年もそのことを忘れていたけれど、やっぱり夏は、ジャズフェスだよね。
 僕は初めてなのだけれども、めいほうのジャズフェスは1990年から続いているらしい。マウントフジより2,3年あとだけど、はじけるバブルをかいくぐり、ずっと続いている老舗。冬にスキーに来た時に目を奪った、駐車場の常設野外ステージでやるんだよね。冬に見た時には、でっかい図体が所在なげだったけど。
 というわけで、行ってきましためいほう高原フェスティバル。どんななんだろ。わくわく。

 ステージ以外はただの駐車場だからね。椅子が置いてあるわけでもなく、ロープでいくつかの区画が区切ってあるだけ。バーベキュー出来るエリア、ペット同伴可のエリア。火は焚けないけど椅子テーブル可のエリア、そして椅子もだめなステージ前。
 駐車場の下は砂利だから、当然ごつごつしてるんだけど、そこは心配無用。なんと、ここのジャズ祭では、敷物用のカーペット(なんて気取ったものではないけれど)をただで貸してくれるんです。車の内装の防音材みたいなやつを、一畳くらいの大きさに切ったものだけれども、ビニールのレジャーシートでは穴だらけになっちゃうようなところだから、めちゃくちゃありがたい。
 会場二時間ぐらい前について、ビールを飲んで寝ながら列を作って。取ったのは椅子可のエリア。ステージちょい右、PAブースくらいの距離。

 おっと、実はだれがどんな順番で出てくるのかよく知らなかったから、配られたプログラムで確認。ふむふむ。

 TVアナの司会で、セレモニーが始まった。
 実行委員長の村長「代理」とか、協賛スポンサー「代理」とかの挨拶が終わって、さあ、一番バッター。

 先鋒は、SAYA。サンフランシスコ在住日本人おねーチャンのピアノトリオ。どこまでもさわやかな軽音楽。本人も「ドライブの時にきいてもらいたい」っていってたから、狙ってやってるんだろうね。いわゆるBGM。こういう音楽を生で聴くメリットって、あんまりわかんないんだよね。火花を散らすインタープレイとか、そういうのからかなり遠いところにある音楽。もっと暑かったら心地よかったのかも知れないけど、あいにく気温だけで十分気持ちよい温度。ローズの音が懐かしかった。はい、おしまい。
 もちろん、休憩セットは貴重だからね、特に期待もしていなかったので怒ったりはしてないよ。

 お次は高槻でもメインを張っていた川嶋君。ジョージ・アダムスみたいなアフリカ系の衣装に身を包み、叫ぶテナー、これぞお祭りジャズバンド。原・大坂クインテットの大坂君をゲストに迎えて、2ドラム1パーカッション。だからといってアフリカ系とかラテン系というわけではなく、高槻の時と一緒のフリーキーなモードジャズ。ただし、高槻の時よりもピアノもタイコもいい感じ。特にピアノ。クリヤマコトのようなパラパラ系(っていってもパラパラじゃないよ)で、めちゃくちゃ好みです。大坂君の参加でいいプレッシャーがかかったかな。
 ただね、川嶋君のテナー、ちょっと叫び方向に走りすぎ。アマチュアじゃないんだから、いいたいことはきちんとフレーズで伝えなさいよ。林栄一とか、坂田明、阿部薫もそうか。日本にはそういう切れるサックスいっぱいいるけど、アメリカではジョージ・アダムスくらいしか思い浮かばないよね。完全フリー系は別にして。なんか楽して受けをとりに走っちゃっているような感じが、前回と今回から立ち昇ってくるんだよね。ちょっと心配。もちろんフェスティバルのアコースティックジャズっていう位置づけでは、それはとっても正しいアプローチなんだろうけどね。

 そんなことを考えたのは、次のバンドをきいてから。
 ジミー・スコットって、名前は知ってるけど聴いたことなかったんだ。元々ボーカルってほとんどきかない人だし。天使の歌声って、どんなだろう。
 最初はバックバンドだけが出てきて、ブルースだったかな、簡単なオールドスタイルの曲をやったんだけど、それがもう、違う。もちろんスタイルや目指してるものが違うから、違うのは当たり前なんだけど。
 当たり前なんだけど、そうじゃなくって。シンバルが違う。ピアノが違う。テナーが違う。一音の重みが、全然違う。これがジャズでしょ。忘れかけてたよ。
 そういう、下地ができあがってからはいってきたジミーさん。ここの読者はよく知ってると思うけど、じいさんにはとことん弱いからね、俺。その分差し引いてきいてもらったらいいと思うんだけど。
 じいさんが歌う、All of me。やばいな、って思ったんだよね。最初の一声から。

 78歳って、自分の身体から音を出す商売の人にとっては、限界が近い、というかふつうの人ならとっくに限界を超えている歳だよね。自分の磨いてきた、身体に染みついた芸を、時間という残酷で絶対的なものがこそげ落としていく。一度劣勢に立ったらもう、絶対に逆転できない残酷な戦いの終わりもすぐそこに見えていて。
 中性的な声、天使の歌声といわれた美声も、今では同じ中性でも綾戸智絵みたいなだみ声になってしまって。立って歌い続けることも出来ない。

 たぶん、いや絶対。じいさんは自分のこの状況に、この日のステージに満足していないと思うんだよ。自分のイメージ通りの歌が歌えないことを受け入れて、長年培った芸を垂れ流すっていうやり方だって出来るはずなのに、その方がずっとずっと楽なのに。じいさんにはそれが出来ない。残酷な時間に全力で戦いを挑んでいって。

でも、その姿はとてもやわらかく、やさしくて。

 これだけでももううるうる来てるのに、そこに寄り添うテナーサックス。彼は若い。きっと僕よりも若いんだと思うんだけどね。そういうじいさんの闘いを、冷ややかに笑うでもなく、過度に同情するでもなく。ただリスペクトを込めて寄り添う。それが絶妙。聴いたことないんだけど、「ベッシー・スミスにかぶさる、サッチモのトランペット」ってこんな感じなのかな、って思ったりして。
 もう、ね。顔を上げてじいさんの歌うのを見たらもうだめだから、地面の砂利を見て鼻をすすってました。

 バーベキューOKみたいなフェスティバルで、こういう地味なセットを外国から呼んでくるって結構賭だったと思うんだけど。日暮れ前の明るい時間に、スタンディングオベーションが出るくらい客を惹きつけたバンドと、きちんとジャズを聴きに来ていたお客さんに、乾杯。

 そろそろ日も暮れかけてきて。お次は休憩セット。寺井尚子
 の筈だったんだけどね。このフェス4回目の常連さんは大の人気者。ステージ前にはグルーピーがしっかり陣取って。
 美形ヴァイオリンの色物バンド、だと思ってたんだよね。彼女のプレイは去年のTokyo JazzのTV中継でしか見たことないんだけど。ところがね、この盛り上がり。
 わかりやすいファンク系の曲を、達者なテクニシャンをそろえて演奏。本人は自分の美形とTVカメラを正当に意識して、ポーズ、表情、目線にまで気を配りながらヴァイオリンを弾く。
 そしてね、MC。彼女は、「次はこの曲をやります、聴いてください」なんてしおらしいことはいっさい言わない。「次これ行きます、みんなついてきてね」って感じ。会場みんなが自分を観に来ていて、自分に夢中であると確信しきったMC。確信しきったという演技をするその覚悟。SAYAとは違うね。
 生で聴いて熱くなって、一度聴いたらCDでもきっと熱くなれる。それは人気者になるね。思わぬ拾いものでした。

 というところで、日も完全に落ちて。
 お次はあやどちえ。寺井さんで大盛り上がりだったから、みんなお疲れ? とか思ったのも一瞬。登場した瞬間、前ブロックは総立ち。僕の目の前は通路だったのだけれども、どっからわいてでたの、というくらいその通路にも人があふれて。ああ、メインなんだ、って。
 今回の綾戸はソロ。僕は、カルテット、ビックバンドと二回綾戸を聴いているんだけど、ソロは初めて。うれしいな。
 ジョージアから、イマジン、オリジナルのeverybody, everywhere。そしてゴスペルがはいってレットイットビー、アンコールのマイウエイ。
 歌声は相変わらずパワフルだし、しゃべりも絶好調。パフォーマンスは言うことないんだけど、みんな「相変わらずの」とか、「お待ちかねの」ってつくんだよね。
 初めて綾戸を聴く人には、それはもういいステージだったと思うけれど、毎年めいほうに通ってる人(彼女は5年連続出場)、綾戸の追っかけやってる人たちには、どうなんだろう。
 もちろん僕は、ライブ盤を含めて綾戸のアルバムはいくつも持ってるし愛聴しているから、もしかしたらヘヴィなファンのうちにはいってしまっているのかも知れないけれど、そういうファンの耳に、目に、なんかしら新しいものをいつも届けてほしいな。ものすごく贅沢なことだけど、綾戸には出来るはず。なんてことをちょっと考えてしまいました。

 さて、ジャズファンの方は以上でおしまいです。ここでお帰り下さい。これから先はディスコ・タイム。
 綾戸で燃え尽きたのか帰りの渋滞を嫌ってか。ぽろぽろと帰り支度を始める人たちも出てきた中、登場するのは中年男のコーラスグループ、REAL BLOOっD。軽快なファンクに乗っかって、むさ苦しい男達がはいってきた。

「最高ですか?」     イェーイ
「綾戸よかったですか?」 イェーイ
「満足しましたか?」   イェーイ
「帰ります」           

 お約束のギャグを何度か繰り返したあと、始まったのは思ったよりもキレのある、きちんとしたコーラス。メインは80年代ディスコメドレーなんだけど、他の曲(たぶんオリジナル)も限りなく80年代っぽい。
 ブラザートムの巧みな話術とパントマイムに惹かれて(と言うよりは最初からずっとだけど)会場はもちろん総立ち。だってディスコだもんね。

 

 SAYAにもそれなりの拍手を送って、ジミーも寺井も綾戸も楽しめて、ディスコチューンで盛り上がれる。懐の深いジャズフェスには懐の深い客が集まるね。

 終演後の撤収も、ゴミを放置する人や、借りたカーペットを置きっぱなしにする人なんかもいなくって。
 心配していた帰りの渋滞も、最初だけであとはスムースで。

 明宝村は合併で郡上市になってしまうみたいだけど、常設ステージを持つ手作りのジャズフェス、これからもがんばって続けてね。

 

2003年6月19日
The Synergy Live 2003 IN OSAKA
ナタリー・ロリエ・トリオ
E.S.T. エスビヨン・スヴェンソン・トリオ
NHK大阪ホール 1F C12列 030番 S席

NATHALIE LORIERS TRIO
Nathalie Loriers (p)
Sal La Rocca (b)
Joost Van Schaik (ds)

E.S.T. ESBJORN SVENSSON TRIO
Esbjorn Svensson (p)
Dan Berglund (b)
Magnus Ostom (ds)

 直前に友人が譲ってくれたコンサートチケットで、行って来ましたNHK大阪ホール。

 全然ノーチェックのコンサートだったからね、前の日の深夜にWebでお勉強。ヨーロッパの若手ジャズメンが何組か来るらしい。このところ情報に疎くて、若いジャズってどんなことになってるか全然知らないんだよね。ジャムバンドってもう昔の話し? ましてやヨーロピアンジャズなんて完全に範疇外。いや、キライとか眼中にないとかではなくてね、知らない、まったく知らない。
 もちろん知らなきゃいけないわけでは全然なくて、なんか面白いもの見られるかな、ってうきうきしながら行ったんだけどね。

 会場は谷町四丁目にある新しいホール。NHKホールって行っても渋谷にあるでっかいやつとはちが

 チラシで得た情報では、本日の出演は2バンド。いずれもピアノトリオ。さて、どんな音を聞かせてくれるのかな。

 最初のバンドは、ピアノのおねーチャンのバンド。やばいな、って思ったんだよね、最初の一音から。なんか、とってもむつかしいことしようとしてる感じ。そういうのって、がつんと一発かまして、何でもウケる状態を作ってからじゃないときついんだよね。セロニアスモンクに通じる多彩なハーモニーってチラシにあったけど、それってこれかい。
 腰のないピアノと、デリカシーのないタイコと、パンチのないベース。それがすべてで、もう寝るしかない、って寝てました。

 いやはや、どうしようかと思ったよね。

 気を取り直して、後半は男の子バンド。「ジャズとは何かではなく、ジャズはどこまで可能かを示すことが出来るバンド」ってチラシにあったけど、ナタリーちゃんがモンクだからね、当てにはしてないけれど。

 ところがね、これが大当たり。
 知ってる曲なわけじゃないし、決して口当たりのいいビートというわけでもなく、軟体動物のような姿勢のピアノ(どんなんや?)から情緒的なソロが延々と繰り出されるんだけど。それだけなんだけど、緊張感がとぎれない。引き込まれていく。
 派手に騒がない、的確なタイコと、粒のそろった、音程のしっかりしたベース。弓を使ったベースソロの美しさ。それは僕が、今まであまり聴いたことのない音楽なんだけれども、これもジャズ。
 ゆったりとしたモードの曲だけでステージが進行するから、飽きちゃうかな、と思ったのだけれども、シークエンサーとディストーションをかませたブ厚い音作りで、一時間、まったく飽きさせなかったのはすごいね。Trioとはいいつつ、専用のオペレーターがブースにいたけれど。

 たぶんこういう音楽、結構あるんだよね。キースとか、ハンコックもたまにやるような情緒的なトリオ。でも、たとえばCDとか、TVとかでこれを見たり聞いたりしたら、それはとても退屈な体験なんだろうな。野外のジャズフェスの、後ろの方の席にいたってきっと退屈。ちっちゃめのホールの密閉感と一体感。それから最初の一音でみんなを引き込んだ見事なはったり。ちょっと得したコンサートでした。
 帰り、脱出路が狭いエスカレーターしかないから、予想通り大渋滞。でも、E.S.T.の三人が通った時に握手してもらったから、それもいいかな、って。

 普段こんな音楽絶対に聴かなそうな年配の方々も、みんなにこにこして帰っていった。すごいね。

 

2003年5月3日
高槻JAZZ STREET 2003
高槻市街

 今回はね、高槻 JAZZ STREET 2003っていうお祭り。いわゆるジャズフェスなんだけど、ライブハウスや、駅前広場の特設会場や、街中の至る所でジャズのライブをやるの。もちろん全部見るなんて絶対無理。
 さらにすごいことに、全部無料、ノーチャージ。しかも外タレを含むビックネームだって何人も呼んで。
 高槻でこういうお祭りがあるっていうのは前から知ってたんだけどね。なかなか行く機会がなくて、今回が初挑戦。

 真っ昼間のJR高槻駅は、ふつう通り。駅前のロータリーに降りていくとボランティアのおにーちゃんおねーチャンがプログラムを配っていたから、一部もらって腹ごしらえに。このプログラムも立派なんだよね。全40ページの冊子。
 ドーナツ食べながらプログラムをパラパラ。
全22会場に出演のグループ名が出てるんだけど、それがキノコパワーとか、otoyaファンキーズとか。どんな音がするのかまったく分かりません。。。 バンド名に番号が振ってあって、別ページにメンバー表がまとまってるんだけど、その番号がずれてたりするのもご愛敬。
 おなかふくれたし、フェスティバル特製の無料巡回バスで最初の会場へ、と思ったんだけど、乗り場がわからん。。。 ポランティアのおにーちゃんも分かってなさそうだったから、歩いていくことに。まあ初日だから、いろいろあるよね。JRから阪急を超えてイナイチも過ぎて、現代劇場ってとこに向かったんだけど。
 商店街にはいるとね、至る所にジャズストリートののぼり。いろんなところから聞こえてくるジャズ。路上で売ってるバドワイザー。
 阪急駅前のロータリーは人だかり。商店街のライブハウスは全面開放して路上までお客さんであふれて。イナイチを過ぎると教会の敷地内でも。
 こういう街ぐるみのフェスティバルが、5年も続いてるなんて、なんていい街なんだろう、高槻って。

 最初に目指した現代劇場は、たぶんメイン会場なんだろうね。二階席まである立派な多目的ホール。2000席近くあるのかな。開場ちょっと前について列に並んだ。列を取り巻くように募金とTシャツ売りのおねーさん方がわんさか。とりあえず席の確保を優先して。一階席前より中央のいい席を確保したところでTシャツ買って、トイレで着替えた。気合い入れて昔のマウントフジのTシャツ着てきてたんだけどね。
 さあ開演、ということころで周りを見回してびっくり。超満員、立ち見多数。これが無料の動員力か。消防法は大丈夫かな、なんて心配もしたりして。

 僕にとって最初の出し物は川嶋哲郎クインテット。原、大友クインテットでテナー吹いてたときに金沢で見たな。
 演奏はモードが主体の現代っ子ジャズ。バップバンドだった原君達もマイルス系モードに走ってるもんね。文句なくうまいんだけど、川嶋君が盛り上がってるときに、太鼓は一緒に盛り上がろうとするんだけどピアノがクールなんだよね。我関せず。自分のソロは結構熱いのに。みんなで熱くなる火の玉バンドはかっこわるいのかな、今時。
 曲は、坂本九の、見上げてごらん夜の星をくらい、知ってるのは。オリジナルが多かった。

 休憩。僕は川嶋君は次の穐吉敏子の前座と思ってたんだけど、意外なほどにお客さんが動く。もしかして川嶋君って人気者? 僕の隣に若いカップルの子達が座っていたのだけれども、男の子がトイレから帰ってくるなり、「年配の方がいっぱい立ってるから」って女の子に耳打ちして、二人して席を立った。なんかいいな、そういうの。ちょっともうけもの。そう思って周りを見ると、一階席の後ろだけではなくて、通路にもびっしり立ち見の人(通路の人は座ってたけど)。

 そう、次は世界のトシコ・アキヨシ
 僕は、トシコ・タバキンのビックバンドでしかアキヨシを知らないから、ソロピアノってどうなのかな、って思ってたんだけどね。
 でも、最初の一音で、引き込まれた。引き込まれたなんてもんじゃないな。首根っこ掴まれて洗面器の中に押さえつけられる、みたいな。
 几帳面なアキヨシさんは、ほぼ一曲ごとにコメントをつけてくれて。ビバップの曲はむつかしいんですけどといいながらバド・パウエルのウン・ロ・ポコ(だったっけ?)。僕はたぶんこの曲をクリフォード・ブラウンの演奏(ピアノはバドの弟リッチー・パウエル)で知っているのだけれど。ビバップとハードバップの曲って、明確な区別があるのね。勉強になりました。
 あとは、星に願いをSummertime。アキヨシさんのオリジナルをいくつか。バップの曲も何曲かやってくれたはずなんだけど、覚えてないや。いっぱいバンド見たからね。アンコールは南京豆売り
 50年間、NYで生き長らえた凄味を垣間見せるステージでした。

 もちろんホールもいいんだけどね、飲食禁止なんだよね。当たり前だけど。
 ジャズフェスっていったらやっぱりビールでしょ。というわけで、お次は隣の市民グランド。
 ちょうどホールを出たときになってたのはマンテカ。ビールを買って、場所を探してたときにはサテンドール。もうアマチュアのビックバンドの選曲としては100%正しい!! ってうれしい気分にさせてくれたのはスーパー・グルーパー・ジャズオーケストラ。岡山から来たっていってたから、岡山の大学生さんかな? 最後はFのブルース。これもまた正しい!

 このグランドはね、同じ会場でフリーマーケットもやってて、しかも座席はビールケース。必需品はサングラスと日焼け止め。もう何から何まで正しいジャズフェス。むちゃくちゃうれしくなってビールもお代わり。

 次のバンドは、ラテンバンドのオルケスタ山崎。パーカッションが5人くらいいるビックバンド。曲はミッションインポッシブルのテーマとか、マンボNo.5の入ってるメドレーとか。ルンバからボレロ、マンボまで楽しい演奏でした。サックスの持ち替えじゃない専属フルートと、白髪交じりのトロンボーンのソロが超ゴキゲン。

 日没とともに、野外のライブは終わっちゃったからね。次どうしようって考えて商店街に戻った。目抜き通りのライブハウスは混んでそうだったから、路地に入ったライブハウス。座れますよ、の声にだまされて。
 ワンドリンク買ったら、、、座れないやんけ!
 全然プログラムとか見てないからね、そこではどういう音楽が繰り広げられるのか知らなかったんだけれども、今まさに演奏を始めようとしていたバンドは、ファンキー美少年
 ファンキーファンキー美少年、ダダ。っていうリフの、恐ろしく単純なテーマ曲で始まったバンドは、アルト、ギターに3リズム。サンボーンよりも切れで勝負するタイプのファンキーバンド。実は結構好き。
 メンバーのオリジナルが主なんだけれども、一曲、Some Skank Funk!。わーい、生サムスカ。ブレークで叫び声をあげてしまったのは私です、すんませんでした。でも、好きなんだもん、この曲。しょうがないよね。

 というわけでちょっともうけた気分でもう一度、現代劇場。一階席は既に埋まってたから二階席へ。こっちもすぐに埋まっちゃったけど。お目当ては2バンド目の外タレさんだったんだけど、最初のバンドはその他ーズ。う、しらん。メインのホールをはれるくらいだから人気者なんだろうけれど、まったく知りませんでした。
 出てきたバンドは、シンプルなピアノトリオに小柳淳子という女性ボーカル。
 これが大当たり。大阪の女性ボーカルっていうと、綾戸みたいにパフォーマンスとしゃべりで持ってっちゃうのかな、と思ったんだけど、ちょっと違った。もちろんしゃべりも楽しいのだけれど、その、声。なんかね、不思議な声。ハスキーなわけでもないのだけれど、張るとちょっとかすれて。そんなに押しの強くない若いころのダイアン・リーヴスみたいな感じ。
 筒井康隆のジャズ小説っていうのにあったんだけど、中年男がみんな涙流して喜ぶジャズボーカルがいて。50年代のジャズボーカルのイメージそのままなんだ、って。そのボーカルの声にはスクラッチノイズまで含まれてたっていうんだけど、ちょうどそんな感じ。歌の時だけ周りがくらくなるみたいでいい感じ。曲はLove for sale等々。
 ただ、バンドが健康的すぎたね。ベースソロで1.3拍に拍手求めちゃうみたいな。

 いつの間にやら座席も埋まって、二階席にも立ち見が出てきて。いよいよ本日ラストの外タレ。ハリー・アレン(ts)とハワード・アルデン(g)。ハワードの方は、僕が最近見た、ギター弾きの恋という天才ギター弾きの映画の、サントラを演奏してた人らしい。自分も天才なんだけど、ジャンゴを崇拝するあまり自虐的になる人の演奏、見事だったな。
 ステージにはピアノも太鼓もおいてあるのだけれど、出てきたのは二人。テナーと7弦ギターだけ。テナーとギターって相性いいんだよね。ジョン・スコとジョー・ロバーノみたいに、ユニゾンでテーマやるだけでもわくわくちゃうし、4バースになったときにギターがさりげなくベースラインをサポートするのも、いいなあ。
 ハリー・アレンはベン・ウエブスターみたいなむせび系。かなり酔っぱらった身体には心地いいんだ。
 二人で何曲かやったあとは、このフェスティバルの主催者、このホールのMC担当の蓑輪さんのバンドも入ってセッション。ハリー・アレンの酒バラとか。むせび全開。
 最後はトシコ アキヨシと川嶋君もはいってBye Bye Blackbird

 終わって駅の方に歩いていくと、ライブハウスではまだまだ盛り上がっているし、駅前の広場でもファンキー系のバンドが大盛り上がり。オイオイ、もう10時やで。ほんとに町を挙げてのお祭りなんだね。

 イヤー、楽しめました。
 フェスは次の日も続いているのだけれど、一日で十分おなかいっぱいになりました。実行委員の方々、ありがとうございました。来年もよろしくね。またTシャツ買うからね。

 

 

2003年3月26日
浜崎あゆみ
Limited TA LIVE TOUR
Zeep Osaka standing

 あれ、こんな時期に浜崎のツアーなんてあったっけ、って思ったあなた。あなたは正しいよ。

 そうなんです。これはファンクラブ限定、浜崎のシークレットツアー。しかもオールスタンディングのライブハウス。
 今まで、ドームとかアリーナとか、でっかい箱でちっちゃな浜崎を見てたけど、今回は違うよ。オールスタンディング2千人規模のちっちゃな箱で、たっぷり見るおっきな浜崎。わーい
 ちなみに、僕がファンクラブの会員、というわけではないのだけれどもね。

 平日だというのに、たっぷり時間に余裕を持って(m_m)、やってきましたZepp Osaka。スタレビ以来だね。会場の一時間以上前だったのに、小屋の周りは人だかり。グッズ屋さんをなめて、あたりをお散歩。もうすっかり春だね。日差しがぽかぽかあったかいよ。
 会場前の道路には、バラッドバスが周回してる。開場待ち&スタンディング対策に、ビールも飲まないで待ってて。

 ファンクラブ限定のシークレットライブで、高額になること間違いなしのダフ屋対策か、入場のチェックが異様に厳しいんだよね。5時半開場予定の少し前から入れ始めたと思うんだけど、僕らが入ったときにはもう、開演時刻を過ぎていて。
 一階のほぼ真ん中に陣取って、開演を待った。結局一時間ちかく遅れたのかな。列び疲れでちょっとうんざり気味。

 ライブハウスということで、ステージはシンプル。両脇に鏡のついたポールがあるのがちょっと浴室チック。時々バスローブ姿のダンサーさんがステージに現れてポーズをとったりしてた。
 さて、何から始まるんだろう。レインボーのツアーはまだだから、レインボーの曲なんだろうけど、タイトルチューンはこの前出たばっかりだし。

 さて、入場もみんな片付いたみたいで。
 暗転から演奏。バスローブ姿で入ってきたダンサーさんと浜崎。後ろ向きにローブを脱ぎ捨てて。
 そうだ、この曲があった。Real me

 生浜崎、推定45センチ。前回比9倍。表情もおへそも、肉眼でばっちり。
 でも、スタンディングだから、つま先からあたまのてっぺんまでじっくり、っていうわけにはいかないのだけれどもね。

 Real me。好きなんだよね、これ。歌がっていうよりも、クリップの踊りが。今回は、ダンサーさんの数は少ないけれども、振り付けほぼそのままで完全版。しかもクリップの時の変なメイクじゃないかわいい浜崎。堪能しました。
 バラッドの発売後だから、それからの曲はタテノリ系じゃなくって、昔の歌いあげ系が多かった。相変わらず曲名覚えてないのだけれども、それでも所々歌える曲が増えてた。ただ、前の人の頭の間から浜崎の姿を追うのに精一杯で、歌聞くのに集中できなかったかも。
 でも、今日の浜崎は絶好調。まだツアー始まったばっかりだしね。DVDで見られる、最終日の痛々しい喉なんて嘘みたいに、とばしまくります。

 ただね、なんていうか。
 浜崎みたいにリリースがハイペースだと、一つの歌がライブで歌われる回数って、少ないんだよね。この曲が、あの曲がもう、プログラムから消えていく。それがちょっと、寂しかったりもした。特に今回は、ファン投票で決めたバラッドの発売後だったからね。
 MVogueEnd RollEndless Sorrowも。DutyVoyageも。僕が好きな唄たちも過去のものになっていくんだね。ってVoyageはこの日だけSong is bornに取って代わられたみたいだけど。
 もちろんそれらの曲なしに2時間のステージが組み立つほどたくさんの曲を送り出してきた、ってことなんだけどね。ちょっとだけ、さみし。

 

 僕が思う浜崎の魅力はね、

 朝日が昇るね そろそろ行かなきゃ いつまでも同じ所にはいられない Song for XX...
 あのころ確かに 楽しかったけどそれは 今じゃない End Roll

 こういうね、潔く過去を脱ぎ捨てて、未来を志向する姿勢。それが、僕自身の無様さをどうしようもなく突きつけられるようで、痛さとともに好きなんだけどね。

 その浜崎が卒業写真って。

 人混みに流されて 変わってゆく私を あなたは時々 遠くで叱って 
 あなたは 私の 青春そのもの

 っていう、過去に正面から向いた歌を歌うのってどうかな、って思ってるんだけど。
 今回のライブで、浜崎自身の曲にもそういうのがあってちょっとショックだった。

 la la la
 どこにない場所で 私は私のままで立ってるよ ねえ君は君のままでいてね 
 そのままの君でいてほしい
 surreal

 ってここまで書いて思ったんだけど。
 なんだ、違うじゃん。安心した。
 卒業写真みたいな、変わっていく私と変わらないあなたっていう図式が反吐が出るほどキライなんだよね。人なんてそんなに簡単に変われないのに、本質は変わらないのに。安っぽい自己憐憫といやらしい甘え。乙女趣味のナルシズムがね、だいっキライ。
浜崎の歌もそうなのかと思ったんだけど、よかった、違うようだね。私は私のまま、君は君のまま。でもたぶん状況が変わって、関係が変わっていくんだよね。君のままでいて、っていうところだけ耳についたんだけど、私は私のまま、っていう自覚が、浜崎だね。
 こういう自覚的な歌を作ってきた浜崎が、なんで卒業写真? っていうところにまた逆戻りだね。

 まあそれはおいといてね。
 難しいこともおいといて、やっぱり締めはこうでなくっちゃね。

 やっぱり、あゆかわいい。

 あ、ひとつだけ。
 スタジアムでもやってくれた、生声のありがとうございました。今回はなくって残念。ほんとに近くで聴けるチャンスだったのにな。