ベートーヴェン:交響曲 第9番 |
去年(2002年)は、徹底的にベートーヴェンをさぼっちゃった年だね。コンサートには一回も行ってないし、買ったCDも、3番が2枚だけ。聴いたのだって、3番と7番くらい。 数日前に大フィルからはがきが来てて、じいさんの追悼文集を、当日会場で売り出すらしい。ずいぶん前に追悼文を募集していて、僕もそれに投稿したのだけれども、ちゃんと載っけてくれているかしら。あまりにも個人的な文章だから、かなり心配。 会場に行って、その文集を購入。ロビーでぱらぱらめくってたけど、だめだ。涙出てきそうで中止。僕の名前も確認したし。( こういう、公の刊行物に、朝比奈さんを偲んだ刊行物に、自分の名前が載るのって、すごくうれしい。自分の文章が、じゃなくって自分の名前がね。ありがとうございました、大フィル協会のみなさん ) ということで、公演のプログラムをぱらぱら。あ、指揮が井上道義なんだ。ごめんなさい、知りませんでした。何しろじいさん一周忌の第九、だったもので。 駆け込みでチケット取ったからね、B席の端の方。まあいいんだけれど。会場は見渡すかぎり満員。久々の満員の大フィル、よかったね。 さて、演奏。 なんか、あんまり満足してないみたいな書き方だけれども、帰りにはしっかり、一月定期、ミッキーの革命のチケットを握りしめてました。だって、あのちからこぶいっぱいの革命、聴いてみたいでしょ? さて、2003年。大フィルは新しい音楽監督を迎えて、シンフォニーホールに場所を移して新たな局面を迎えます。 では、今年(2003年)も、よろしくお願いします。 |
レスピーギ :リュートのための古代舞曲とアリア 第3組曲 |
高校生の頃、僕は吹奏楽少年で。 吹奏楽って、オーケストラ向けのクラッシック音楽を吹奏楽向けにアレンジして演奏するんだけれど、あんまり長い曲はやらないんだよね。やって交響詩。ふつうはそれよりも短い一曲もの。もしくは抜粋。 まあそういうことはおいといて。ハルサイ。春の祭典。 そうやってずっと好きだったんだけど、実演は聴いたことなかったんだよね。去年の今頃、やっと取った大植/ミネソタのハルサイ、911のテロ事件で来日中止になっちゃったし。 昔は舶来物好きだったからね、日本のオケのハルサイなんて見向きもしなかっただろうけど。ホームでみれる安心感っていうものもいいよね、ということで楽しみにしていた京都市響のハルサイ。どんなことになるんでしょうか。 結果としては、大間違いだったんだけどね。 一週間前で、二階席の一列目、ど真ん中がとれたから、まあそうじゃないかとは思っていたんだけれども、二階席はがらがら。身を乗り出してみた一階席はかなり埋まってたんだけどね。もったいないなあ、なのか、しょうがないなあ、なのか。ますます演奏が楽しみ。 休憩終わって。すべての椅子が埋まって。ホルン8ラッパ5トロンボーン4チューバ2。木管はフルートが、アルト、ピッコロ入れて5人、ダブルリードが、オーボエ2、アルトオーボエ?、ファゴット2、コントラファゴットも2だったっけ?クラも何人もいて。パーカッションもティンパニ2組、バスドラ入れて全部で5人。そりゃあもう祭典にふさわしい大編成。 最初のファゴットのフラジオからいやな予感だったんだよね。もちろんフラジオだからある程度はしょうがないんだけど、鶏の首を絞めたような、苦しげな音。 最後の終曲は、整然と裁いてたから、聴きようによってはおもしろい演奏だったのだと思うのだけれども。 でも、ハルサイの生演奏って、おもしろいね。またいろんなオケで聴きたいな。 |
ワーグナー :歌劇 さまよえるオランダ人 序曲 |
あぁ、またやっちゃったよ。 去年に引き続き、会社のヒトの所属しているアマオケの演奏会。どうでもいいけどアマオケって入力したら尼オケってでてきたよ。この場合は間違いじゃないんだけどね。 今年のプログラムは、ワーグナーと、ベートーヴェン、6番。どちらもなじみの曲だから、耳も厳しくなっちゃうよ、と思ってプチ緊張。 さて、演奏。 ワーグナーは、さまよえるオランダ人とトリスタンとイゾルテ。私事だけどこのごろニュルンベルグの指輪の全曲版CDなど入手して。しかも聴いただけではさっぱりわからないから解説本などに手を出して。さらに堅苦しくて解り難いからと言って松本零士のマンガなどを読んだりして。ついでにアルカディア号のフィギアを飾ったりして、すなわちワーグナーがマイブーム。大フィルの分け解らない抜粋はちょっと欲求不満が残ったから、聴き慣れた一曲もの(?)は大歓迎。 とはいえ、やっぱり難しいんだよね。弦楽器のことは解らないのだけれども、昔吹奏楽時代のコーチが、「アマオケ行ったってラッパがほえる曲は弦が難しすぎてできないぞ」って行ってたのを良く覚えていて。(コーチも私も大ラッパ吹き) トリスタンはうって変わって弦が主な曲。たとえばこの曲とか、ブルックナーの7番とか、管楽器をがんがん出す作曲家の書いた弦が中心の曲(なんちゅうくくりや)って、泣けるんだよね。この曲、僕が初めて買ったクラシックのレコード、バーンスタインのワーグナー曲集の中で、唯一好きな演奏だった曲。 休憩のあとの田園もね、すごく楽しく聞けた。 十分な練習と、いくつかの楽器の達者なソロと。そしてそれを活かす選曲。楽章ごとの拍手なんて気にしない気にしない。 |
ワーグナー :前奏曲、葬送音楽、終曲 パルシファル/ニーベルングの指輪より |
かなり長い間遠ざかっていた気がするけれども。 ほんとは、ベルリオーズから復帰したかったんだよね。大フィルの定期会員。ところがちょっと事情が変わって、毎回行ける保証がなくなっちゃって。だからまずは単発ものでリハビリ。 っていうか、ブルックナーだったからね。日本一のブルックナーオケを自任していたはずの大フィルは、じいさんがいなくなったとたんに定期からブルックナー外しちゃって。だから大フィルのブルックナー、聴き逃すわけにはいかないんだ。 一応、朝比奈追悼コンサートとはうたっているけれども、会場には別に朝比奈の肖像画があるわけじゃなく、CDなども売ってない。(朝日放送のDVDは売ってたんだけど、もう持ってるからね)あんまり朝比奈朝比奈してなくて、ってもうそれでいいんだけど。 一週間くらい前にフェスの前でチケット取ったんだけれども、その時はめぼしいS席は満席で。結局前から4列目のB席にしたのだけれども。 座席について、何気なく後ろを振り返ったら、ちょっとショック。いや、ちょっとどころじゃなくショック。 よけいな心配まで抱え込んで、さて、演奏。 休憩の時にびっくりしたんだけれど、次がブルックナーだってのに、椅子減らしてるんだよね。ワーグナーってめちゃくちゃでかい編成だったんだね。 さて、ブルックナー。前日にじいさんのCD聴いて気分を盛り上げて、楽しみにしていたブルックナー。 思わずにこにこでした。カーテンコールもいつもの定期に比べればかなり多かったんじゃないかなあ。 こんな演奏会が空席だらけなんてもったいないよ。みんな、演奏会に行こうよ。 |
大栗 裕:管弦楽のための「神話」 |
2002年3月14日 |
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第12番 |
すっかり怠け癖がついてしまって、かなり前のコンサートになってしまいます。ごめんなさい。 怠け癖がついたのは書く方だけじゃなくって、聴く方も。何でかっていえばもちろん、じいさんがいなくなったから。 5回通し券の最後の2枚。だからちょっと足取りも重かった。 まず、マーラー。 とここまででおわかりと思うけど、マーラーの音楽的なこと、ちっとも分かりません。なんでブルックナーと並べられてるのかも、さっぱりわかんない。 というわけで、演奏。 でも、次の定期のプログラムに「名演!!」って書いてあったのには、ちょっとしらけちゃったかな。快演、くらいならよかったのに。どっちにしても自分でいうな、って。 さて、その次回。 その大栗。 そうそう、この演奏会は、ちょっと客の入りが悪くて、替わりといってはなんだけれども、高校生が多かった。ブラスバンドの人たちかな? 次のホルン。 すいません、記憶があやふやなもので。 というわけで、5回券を聞き終えました。当然更新の時期なんだけれども、今回は、見送りです。また、レクイエムくらいから、ご縁があれば聴きたいと思います。 そうそう、今回から、定演のパンフにご意見はがきが付きました。なんで今までなかったの、といいたいところですが、非常にいいことだと思います。といってまだ出してませんけど。 |
レーバー :モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ |
もう何度も書いてきて、いいかげん、読んでいるあなたも書いているこっちもやめてくれって思ってると思うのだけれども。 朝比奈さんが、振るはずだったコンサート。 ブラームス4番。 その記憶とだぶらせながら、大フィル/朝比奈の4番を楽しみにしていたのにね。 さて、ますます空席が目立ってきたフェス。若杉さんもひょろっとしてあんまり元気いっぱい、といった感じの人ではなくて。 一曲目、レーガー。 とはいうものの、やっぱり交響曲では眠くなってはいかんだろう、ということで少し気合いを入れ直して、4番。 この演奏、みんなはどう聴くんだろ。 そのあとは、すぐにそんなこと忘れてのめり込んでた。 聴いてて思ったんだけど、ブラームスの4番って、派手な曲だよね。なんか、ずっと終楽章みたい。思わず3楽章の終わりで拍手しちゃいたくなって危ないところでした。 そうそう、プログラムといえば。コンマスの言葉がちょっと印象的でした。 そうだよ。朝比奈さんは経済的にものすごく大きな柱だったんだよ。 それを期待しています。 |
ヴォーン=ウィリアムス タリスの主題による幻想曲 |
朝比奈さんがいなくなって、僕の手元にはあと4枚の大フィル定期のチケットがあって。 定期会員をこのまま続けるのかどうか。あと4回の演奏会で僕は決めていくのだろうけれど。 今回の演奏会は、何も残りませんでした。 ヴァイオリンのソリストって、若いおねーちゃんが多いよね。何でだろ。昔若かった人たちって、どこ行くんだろ。オケに入って弾いてるのかな? ちょっと不思議。 前回の定期もそうだけど、もうちょっと気合いの入った演奏してよ。 書けばこうなるのは分かってたから、書くのやめようかと思ったんだけど、次の演奏会が近づいてきたからね。 今度こそ、期待してるよ。ブラームス。 |
ベートーヴェン エグモント序曲 〜朝比奈隆に捧ぐ〜 |
年も改まって。あっ、あけましておめでとうございます。 改めて、年も改まって。新春名曲コンサート。 朝比奈さんが倒れてから、僕は、朝比奈さんの振るはずだったコンサートのうち三回をキャンセルして、一回は見に行った。見に行った一回は、大フィル定期。ブルックナーの3番の代わりにシューベルトのザ・グレイト。このときの演奏には、触れたくないな(って前に触れてるがな)。そこには朝比奈さんが乗り移っていなくて、さらに朝比奈さんがいなくなっても自分たちががんばろう、っていうオケの気概も感じ取ることも出来なかったから。 「13日の名曲コンサートなんですが」 決めた。聴きに行く。 これが外山でも若杉でも、たぶん行かなかっただろうと思うけれども、下野ならば、行く。 会場は、予想に反してほぼ満員。ロビー正面に朝比奈氏の肖像画が掛かっていて、CDと書籍のブースに人だかりがしてるのがいつもと違うくらいかな。その肖像画で、うるっ。 いつもの通り、ステージには何人かの団員が音出しをしていて。2ベルとともにバラバラと他の団員も入ってくる。チューニングを終えて、下野氏登場。 一番緊張とプレッシャーを感じていたのは、下野氏、なのかな。とっても力の入った指揮振りに、楽団がついてこないところがいくつもあって。とくに音の出だしが揃わない。それでも、音楽は流れていって。 朝比奈さんの音楽は、流れない。一歩一歩、踏みしめて踏みしめて。朝比奈さんの棒がなければ、一歩だって先に行かない。そういうスリリングさがたまらなかった。 あ、もちろん、だから下野氏じゃだめだ、っていってるんじゃないよ。音楽は一つじゃないからね。下野氏を初めて聴いたのが、さっき書いた朝比奈の前座で大栗さんの曲だったから、吹奏楽系の指揮する人、っていうイメージがあったんだけど、エグモントでもそう。音の出だしとアクセントでビートを作る指揮は、弦が多いオケではちょっと辛いかな。 序曲のあと、ピアノが入って皇帝。 休憩をはさんで、新世界。 カーテンコールに応えて、G線上のアリア。じいさんを送る曲としてはあんまりふさわしくないけど、しんみり心地よかった。 ほんとは、泣きに行ったんだよね。もっとじいさんじいさんしてくれるかと思って。 八割方朝比奈を聴きに来た客の前で、自分の演奏を貫き通してくれた下野氏に、乾杯。 |