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32.やなやつ改造計画 33.うちのクラスに天才子役−短編小学校neo 1− |
【作家歴】、秋の大三角、雨のち晴れところにより虹、ドラマデイズ、乙女部部長、今夜も残業エキストラ、想い出あずかります、海岸通りポストカードカフェ、恋愛映画は選ばない、劇団6年2組、連れ猫 |
時速47メートルの疾走、風船教室、空色バウムクーヘン、赤の他人だったらどんなによかったか、ひみつの校庭、ロバのサイン会、いい人ランキング、忘霊トランクルーム、南西の風やや強く、昨日のぼくのパーツ |
イモムシ偏愛記、トリカブトの花言葉を教えて、雨女とホームラン、強制終了いつか再起動、階段ランナー、5年1組ひみつだよ、5年2組ふしぎだね、5年3組びっくりだ、6年1組すきなんだ、6年2組なぞめいて |
「やなやつ改造計画」 ★★ | |
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児童向け作品だからといって軽視すること勿れ、の典型例と言いたい作品。 題名に惹かれて読んだのですが、予想した以上に素晴らしい、中学生たちの成長譚。 題名から単純に、どんな嫌な奴がいて、それを変えようとどんな計画を立てるのだろうと思って読み始めたら、何のことはない、「やなやつ」とは主人公自身のことでした。(笑) 主人公は京座木光也、中学二年生。 市会議員である伯父から自分の後継者にならないかと冗談半分に言われてその気になり、まずは生徒会長に立候補してみようと思いつく。ところが、友人のヤナギ(大柳朋則)から、おまえみたいな「やなやつ」が生徒会長だなんてと言われてしまう。 幼馴染みのモリリ(森莉乃)が選挙対策委員長を引き受けてくれたことから、ヤナギと三人で、生徒会長に当選するにはどうしたらいいかと検討し始めることになります。 いろいろな意見や行動があったり、様々なトラブルや事件に関わったり。 それらが、決して中学生だけのことではなく、大人の世界にも通じる事柄であることが面白く、注目に値します。 さて、生徒会長選挙の行方は? そしてその後の光也は? いつの間にか光也、結構「いいやつ」になっているではありませんか。 そんな成長ぶりも、中学生らしく、頼もしく清々しい。 いろいろ問題を起こして渦中にいる大人たちにも、是非見習ってほしいと思う処です。 お薦め。 改造計画スタート/改造、その後 |
「うちのクラスに天才子役−短編小学校neo1−」 ★★ | |
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“短編小学校”シリーズ、No.6まで刊行されてこれで完結と思っていたら “neo”シリーズが新たに始まるらしい。 本作は、6年A組のクラスに、人気のTVドラマに出演している有名子役=鳩小路力輝(りき)が転校してきて、皆が大騒ぎ、という15篇。 同級生14人それぞれが、力輝との関わり、力輝について知ったこと等々を語っていきます。 有名子役だからといって特別な人間ではない、でも自分たちの思いも寄らぬ努力を力輝はしているんだ、ということに気付いていきます。 その点では、力輝にとっても、彼を迎え入れたクラスメイトたちにとっても良いことばかり。 このクラスでは双方ともうまく行きましたが、必ずしもそれが当たり前ではなかったらしい。 いずれにせよ、力輝もクラスメイトたちも気持ちよく、十分楽しめました。 転校生が来た−鷲島雄飛のはなし/これが天才−松葉美海のはなし/マネージャーさん−猪田裕太郎のはなし/通行人A−磯崎建太のはなし/待って待って−岬奈帆のはなし/走る!−本田雅のはなし/あきらめない人−麻井辰城のはなし/悪口−水池朱音のはなし/あの人の正体−潘俊広のはなし/異変?−篠木諒のはなし/相手はだれ−前田見春のはなし/まちがえた−貝塚多生のはなし/目の前で−佐々木祥太のはなし/届かなくても−柳ミナのはなし/舞台あいさつ−小路力輝のはなし |
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