qIvo'rIt pagh'e'

qIvo'rIt toQDuj 'oH tlhIngan wo' Duj pagh'e'. ra' qarghan HoD. DujvamDaq tlhIngan nuH tu'lu'bogh pov law' Hoch pov puS 'ej DujvamDaq 'op SuvwI' tu'lu'bogh po' law' tlhIngan yo' SuvwI' law' po' puS.

クヴォート級パーグ号
クリンゴン帝国艦パーグ号はクヴォート級バード・オブ・プレイである。カルガン船長が指揮をとる。この艦にあるクリンゴンの兵器は最も優れており、またこの艦にいる幾人か(?)の戦士はクリンゴン艦隊の多くの戦士よりも優れている。
クリンゴン語の文章はスカイボックス社が作文した英文をマーク・オクランド博士が訳したものです。以下に英語の原文も載せておきます。複雑な構文をどの様にぶつ切りにして単純な文で言い替えるかの参考にしましょう。単語、表現ともに、まだまだ少ないクリンゴン語での作文においては、この「言い替え」が非常に力を発揮します。

K'Vort Class Pagh
The Imperial Klingon Vessel Pagh is a K'Vort-class-Bird-of-Pray under the command of Captain Kargan. It has the best weapons and some of the finest warriors in the Klingon fleet.
(クリンゴン帝国艦パーグ号は、カルガン船長指揮下のクヴォート級バード・オブ・プレイである。クリンゴン艦隊の中でも特に優れた武器と戦士を擁する。)


解説

qIvo'rIt pagh'e'
クヴォート級パーグ号
qIvo'rIt:K'vort class:クヴォート級
pagh'e':''pagh''-topic=the Pagh:「パーグ」-強調=パーグ号

クヴォート級とはクリンゴン艦の等級で、大型のバード・オブ・プレイのことです。昔、連邦側がL-42型と呼んでいたものに当たると思われます。

「パーグ号」の表現は、paghに強調を示す接尾辞-'e'を付けて、paghが「零」「または」という単語ではなく、船の名前であることを示しているのでしょう。

qIvo'rIt toQDuj 'oH tlhIngan wo' Duj pagh'e'.
クリンゴン帝国艦パーグ号はクヴォート級バード・オブ・プレイである。
qIvo'rIt:K'Vort class:クヴォート級
toQDuj:Bird of Prey:バード・オブ・プレイ
'oH:it is:(三人称単数は)〜である
tlhIngan:Klingon:クリンゴン
wo':empire:帝国
Duj:ship, vessel:船
pagh'e':the Pagh:パーグ号

qIvo'rIt toQDujでクヴォート級のバード・オブ・プレイ。

tlhIngan wo' Dujでクリンゴン帝国艦。これは英語のIKV (Imperial Klingon Vessel)に当たります。

pagh'e'の-'e'は「〜です」の三人称主語なので必ず必要です。題名の pagh'e'と比較してみて下さい。

ra' qarghan HoD.
カルガン船長が指揮をとる。
ra':order, command:命令する、指揮する
qarghan:Kargan:カルガン(人名)
HoD:captain:船長

qarghan HoDでカルガン船長になります。語順が日本語と同じことに注目。

DujvamDaq tlhIngan nuH tu'lu'bogh pov law' Hoch pov puS 'ej DujvamDaq 'op SuvwI' tu'lu'bogh po' law' tlhIngan yo' SuvwI' law' po' puS.
この艦にある武器は最も優れており、またこの艦にいる幾人か(?)の戦士はクリンゴン艦隊の多くの戦士よりも優れている。

文が長いので、二つに分けて説明します。

DujvamDaq tlhIngan nuH tu'lu'bogh pov law' Hoch pov puS
この艦にあるクリンゴン兵器は最も優れている

Duj-vam-Daq:ship, vessel-this-locative:船-この-場所
tlhIngan:Klingon:クリンゴン
nuH:weapon:武器
tu'-lu'-bogh:discover, find, observe, notice-indefinite subject-which:見つける、気付く-不定主語-関係辞
pov:be excellent:優秀である、卓越している、抜群である
law':be many:多い
Hoch:everyone, all, everything:全て、全ての者/物
pov:be excellent:優秀である、卓越している、抜群である
puS:be few, be several, be a handful:少ない

この文では、関係辞と比較構文の2つの文法構造が使われています。
まず、関係辞から見てみましょう。

DujvamDaq tlhIngan nuH tu'lu':この船にクリンゴン兵器がある
DujvamDaq tlhIngan nuH tu'lu'bogh:この船にあるクリンゴン兵器

つまり、DujvamDaq tu'lu'boghがtlhIngan nuHにかかっています。
接尾辞-lu'があるので、通常の関係文とは少し違った感じですが、 DujvamDaq tlhIngan nuH tu'lu'boghは直訳すると「誰かがこの船で見つけるところのクリンゴン兵器」となります。

さて次は比較構文の方ですが、この文では形式「A Q law' B Q puS」のBの部分にHochが使われているので、最上級ということになります。便宜上DujvamDaq tlhIngan nuH tu'lu'boghを(A)であらわすと、以下の様になります。

(A) pov law' Hoch pov puS:(A)は最も優秀である

(A)に原文を当てはめれば、「この艦にあるクリンゴン兵器は最も優秀である」になります。

'ej DujvamDaq 'op SuvwI' tu'lu'bogh po' law' tlhIngan yo' SuvwI' law' po' puS.
そして、この艦にいる幾人か(?)の戦士はクリンゴン艦隊の多くの戦士よりも優れている。
'ej:and (joining senteces):そして(文をつなぐ)
Duj-vam-Daq:ship, vessel-this-locative:船-この-場所
'op:some of them(?):幾つか、何人か(?)
SuvwI':warrior:戦士
tu'-lu'-bogh:discover, find, observe, notice-indefinite subject-which:見つける、気付く-不定主語-関係辞
po':be expert, skilled:熟練している
law':be many:多い
tlhIngan:Klingon:クリンゴン
yo':fleet (of ships):艦隊
SuvwI':warrior:戦士
law':be many:多い
po':be expert, skilled:熟練している
puS:be few, be several, be a handful:少ない

DujvamDaq 'op SuvwI' tu'lu'boghは前出の文と同様「この船にいる戦士」です。この場合、日本語では「この船に見られる戦士」と直訳しても意味が通ります。'opという単語はどこを探しても載っていません。英語の原文から推測すると英語のsome(幾つかの)に相当する様です。

参考
Hoch:全て
HochHom:ほとんど
'op:幾つか(?)
pagh:全く〜ない
同様に比較構文が使われていますが、law'が2つあるので混乱してしまうかも知れません。最初のlaw'は比較構文のもので、2番目のlaw'はtlhIngan yo' SuvwI'を修飾しています。

(A) po' law' (B) po' puS:(A)は(B)よりも熟練している

(A) = DujvamDaq 'op SuvwI' tu'lu'bogh:この船にいる幾人かの戦士
(B) = tlhIngan yo' SuvwI' law':クリンゴン艦隊の多くの戦士


...メニュー

Ver.1.1 Jun 16th. 1996