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ジャパン・タイムズ紙に(03年2月1日付)冨山さんの取材記事大きく掲載される

内藤 武(要約)

 「どれだけ長く死刑囚は死刑執行を待たなければならないか」―最高齢の死刑囚にとって、獄死は死刑執行と同じだ―というショッキングなタイトルである。

 この記事には、「波崎事件対策連絡会議」代表の篠原道夫氏、中央大学法学部教授の渥美東洋氏、明治大学法学部教授で死刑制度廃止運動をしている菊田幸一氏、波崎事件第2次再審弁護団の佐竹俊之氏が掲載されている。35年以上冨山さんの無実を信じ支援してきた篠原氏からは、冨山さんの現状、特に重病の状態にあり獄死の危機が迫っていることから、12月初旬に恩赦請求を出すまでの経過が語られている。渥美氏からは、18回の再審請求、5回の恩赦請求を出したが結局、95歳で獄死した帝銀事件の平沢貞通氏の例に触れ、再審請求や恩赦請求の提出が死刑執行の抑止力になる点を指摘しつつ、一方、司法が過去の高齢者の獄死例から何も学んでいない問題点を指摘している。菊田氏は恩赦請求をする前提として、罪を認めた上で、悔恨の情を示さなければならない現行制度の矛盾点を指摘している。佐竹氏は、高齢で冨山さんのように重病で獄死に直面している死刑囚にとっては、罪を認めなくても、人道的観点から恩赦制度は救済になりうると主張している。


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