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議事録 ◆◇◆◇

保坂展人議員と秘書の方のご尽力に感謝申し上げます。冨山さんに言及している個所のみ抜粋いたしました。

平成14年11月27日 衆議院法務委員会速記録(未定稿版)より

〇保坂委員 もう一人、今度は波崎事件、冨山さんという死刑囚の問題についても、この際伺いたいと思います。
 「死刑廃止論」を著した方で有名な最高裁判事だった団藤重光さんがインタビューに答えて言っているんですけれども、この波崎事件の上告棄却のときにいろいろ迷った。裁判長が上告棄却の宣告をして退廷しかけたときに、傍聴席から人殺しという罵声を浴びた。やはり、本当は無実だったのかもしれないと、私はこの瞬間決定的な死刑廃止論者になったということを、今から十年前にインタビューに答えていらっしゃるんです。
 この方は、冤罪を訴えています。今、年齢は八十五歳で、東京拘置所にいらっしゃいます。そして、高血圧、動脈硬化、腎障害、排尿困難、目もほとんど見えなくなってきている。面会のときは車いすでようやく来るのだが、食事もなかなかとれない。最近の手紙では、呼吸不全、そして、おなかが異常に膨張して尋常じゃありませんということを訴えられているんですね。八十五歳ですよ。全身あちこち異状が出てきて、やはり、きちっと病院に移して治療に専念させるべきだというふうに思います。
 国連決議で、八九年に死刑の宣告または執行が行われない最高年齢、つまり、死刑確定囚であっても、こういう国連決議があるんですが、最高年齢というのは日本の場合決めておりませんよね。八十五歳にしてこういう状態で、目も見えない、そして身体的に非常に弱っているという方に緊急救済措置をとる必要があると思いますが、法務大臣、いかがですか。

〇森山国務大臣 御本人の病状に応じまして、拘置所で適切に判断すると思います。

〇保坂委員 適切な判断がなかなか矯正施設の中で行われないんですね。これは、今矯正局長も言われたように、そこまでのことができないシステムになっているんですよ。
 だから、例えば八十五歳にしてそれだけ異状を訴えても、確かに拘置所の中の医療的な施設はありますよ。ただ、例えば歯医者にしても、これは抜くしかないんですね。全部抜いちゃう。入れ歯とかそういうことはなかなかできないというふうに聞いています。事は、身体的に大変弱られているということです。
 今袴田巌さんの話をしました。そして、冨山さんの話をしました。私ども国会議員がきちっとその状態を調査するということについては、大臣の見解はいかがでしょうか。私どもが、あるいは精神科医を伴って、あるいは内科医だとかそういうお医者さんとともに、今どういう状況にあるのか。拘置所は一生懸命やろうとしているというふうに報告を上げてくるでしょう。しかし、もう一回客観的に見るということが必要だと思うんですが、いかがでしょうか、大臣。これは政治判断なので、ちょっと大臣に一言お願いしたい。

〇森山国務大臣 今委員がおっしゃいましたことを施設の長に伝えまして、適切に判断するよう指示したいと思います。

(02・12・10付「毎日新聞」を参照)


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