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一縷の望みを託して
波崎事件の再審を考える会
大仏 照子

 8月26日は波崎事件に関わる私たちにとって忘れられない日です.

 1963年8月26日午前1時30分,波崎町の済生会病院に運び込まれたIYさん(当時35才)が死亡したことから,波崎事件が始まることになりました.

 容疑者として逮捕され死刑の判決を受けた冨山常喜さんにとっては忌まわしい日であります.それ以来37年間,冨山さんは獄舎に繋がれ早や83の齢を数えるに至りました.やむを得ないこととは言いながら近親者たちは世間体をはばかり,冨山さんの身内であることを隠して,ひっそりと生活している状態は,多くの事件の近親者たちと同様であります.

 冨山さんは生来胃が弱く事件前から人よりも多く薬を常用していました.まして獄舎の生活ともなれば充分な手当てもされていないことと想像しております.最近では,食欲も余りなく,篠原さんとの面会の時も車椅子を押して貰っての生活だとも聞いております.それでも司法当局は,非情にも,第一次再審請求も,第二次再審請求も棄却しました.第三次の請求を急がねばならないことは当然でありますが,無実の証明を探し出すことは容易なことではありません.まして冨山さんは83才の高齢でもあり,まさに冨山さんの生命との競争でもあります.

 冨山さんが無実であることは「ニュースレター」の他の記事をよんでいただければお解りいただけると思いますが,冨山さんにとっても私たち数少ない救援者にとっても,多くの皆様方のご支援だけが一縷の望みでもあります.ご支援を心からお願いいたします.

 なお,ニュースレター発行以来多数の方々から予想以上のカンパ及び激励をいただき厚くお礼申し上げます.


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