■ 面会記(2003/08/28) もどる

冨山さん面会記 

篠原道夫

2003年8月28日(木) 午前11:40〜11:50 東京拘置所

病室に入っていくと、冨山さんは目を瞑っていた。顔がひどくむくんで大きくなっている。まず声をかける。

篠原 「冨山さん」と言うと、目を開けるが、パッチリ開けるというより、辛うじて開けている感じで、薄目である。
篠原 「わかる」と聞くと、
冨山 「うん」とうなずく。しかし、先からは喋ろうとはしない。それで毛布をめくったり、首の点滴注入箇所をみたりしていたら、短時間なのに冨山さんは眠りだした。
篠原 「冨山さん」と声をかけるが、鼾をかいて眠りだした。処置のしようがなくて、少し様子をみていたら、立会いの刑務官(白衣を着ている)が寄ってきて、冨山さんをゆり起こす。刑務官が「篠原さんだよ」と大きな声で呼びかけると、冨山さんは少し目を開けてうなずく。
篠原 「冨山さん、今日は帰って又来るけど、外の人たちはみんな心配していて、早く冨山さんに元気になるようにと言っていますよ」
冨山 「うん」とうなずくのみである。ところで立会い刑務官は受付から案内してくれた1人と白衣を着た刑務官が2人いた。
冨山 「再審も勿論だがそれもさることながら、今やろうとしているのは、冨山さんに口から食べて貰うとか手足を動かすリハビリとかをやってくれる外の病院に移そうと思っているんです。それから、このことで署名運動をやろうと思っていて、みんな協力してくれると思う。国会議員もたくさん冨山さんのことを知っていますよ。この前見えた保坂さんが努力してくれているのでね」
冨山 「うん」
篠原 「それでは今日は帰るね」と言ってベッドを離れようとしたら、冨山さんは急に喋りだした。ところが、何を言っているかさっぱりわからない。「アメリカが・・・」というように聞こえた。面会を終わって刑務官に、「なんと言ったんですか」と聞くと、刑務官は「アメリカ、とたしかに言ったが、後はわかりませんでした」と言った。

面会後の感想は、もう冨山さんは長くはもたないな、と思えた。意識がはっきりしないからである。顔は肥っているのではなく、むくんでいるのは確実です。


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