■ 面会記(2003/07/24) もどる

冨山さん面会記 

篠原道夫

2003年7月24日 10:10〜10:20 東京拘置所

(病室に入ると冨山さんは目を瞑って寝ていた。寝入っていたわけではなかった・・・)

篠原 「わかる?」と声をかけると目を開けて「うん」とうなずく。
篠原 「肥ったようだね」
冨山 「同じだよ」
篠原 「顔が丸くなったけど、むくんでいるのかな」、「口から何か飲むとか、食べるかとかしているの」(私の言葉をはっきりと理解しきれない様子である)
冨山 「食べられるけど食べられない」といった、意味不明の言葉を発した。どうも食べている気配はない。
篠原 「手や足を動かすようにリハビリといったことをしているの」(これも良く理解しきれない様子であった)
冨山 「していない。自分で動かすよ」(このときは、足を立てていたので毛布をめくってみる。下は何もはいてなくて、足は痩せ細っていた。手のところをめくってみると、手も当然やせ細っていた。首の左側からチューブを入れていた)
篠原 「目は見えるの」
冨山 「あんまり見えないね」
篠原 「右側の目は開けているけど、右目はつぶれているが、どうしてですか」
冨山 「なんでもないよ」
篠原 「耳は聞こえるの。こうして話しているんだから聞こえるでしょうけれど・・・」
冨山 「聞こえるよ」
篠原 「いつも言うけれど、外の人たちみんな冨山さんのこと心配していて、よろしく言ってねと言われていますよ」
冨山 「そうですか、みなさんに悪いね」
篠原 「みんなは、冨山さんに元気になってもらい、無罪を勝ち取り外に出したいといっていますよ」
冨山 「うん」
篠原 「今晩も弁護団会議があり、3人の弁護士さんと4〜5人支援者が集まって冨山さんのことを相談しますよ」
冨山 「そうですか、すいません」
篠原 「ところで冨山さん、外の人に何か言いたいことはありませんか」
冨山 「別にないね」
篠原 「枕をはずして寝ているけど、枕をつかうと苦しいの」
冨山 「そんなことないよ」
篠原 「それから冨山さん、髪が伸びているけど」(この言葉は冨山さん聞き取れなかったようだ。拘置所で剃ってくれるのか聞こうとしたがそれ以上聞かなかった)
篠原 「今、苦しいとか痛いとかいうところはないの」
冨山 「ないね」
篠原 「冨山さん疲れてきたようだから、ぼちぼち帰るね。冨山さん自分の口で食べるように頑張ってね。自分の口から食べないと元気にならないというからね。来月また来ます」
冨山 「うん」

帰りに立会いの刑務官の人に「今、冨山さんは何か食べているんですかね」と聞くと「そうね、あれじゃ食べられないみたいでね」と言うので、引き続き「食べさせるようにやっているかね」と尋ねると、刑務官は「私はタッチしていないので・・・」と言う。


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