KONI

意外と知られていないのだがKONIのダンパーはショートケースである。現行で手に入るKONI- SPORTとFire号に付いてる初期のKONI-GPは同じモノなんだろうか? rs501氏からの強力な要請で実測してみた(笑)。KONI-SPORTの寸法は新規に購入したN村氏が測定してくれた。ついでにショートケース&ショートストロークで知られているTEINのNA/NRの寸法も掲載しましょ。

フロント
- 現行 KONI SPORT 旧 KONI GP TEIN NA/NR BILSTEIN NORMAL
ケース長 323 323 319 333 335
全長 - 464 421 464 460

リヤ
- 現行KONI SPORT 旧 KONI GP TEIN NA/NR BILSTEIN NORMAL
ケース長 235 235 238 243 245
全長 - 379 337 379 380

結局のところ、現行KONI-SPORTと旧KONI-GPはケースそのものはまったく同じ物のようだ。GPでは車高が5段階調整、SPORTは3段調整となっている。溝の幅は同じくらいなので、GPの方が車高調整範囲が広くなる。減衰力はGPの方が硬いような気がするのだが、FETに言わせると減衰力は同じだそうで真偽は不明である。

ロドスタでもっとも問題になるのはリヤのストローク不足だが、リヤはKONIのケース長の短さが際立っている。フロントはTEINの方が短いけど。リヤのケースがノーマル比で10mm短いってのは非常に大きな違いである。ダンパーの位置での10mmはタイヤのストロークにして13mm前後の違いになる。これだと車高を10mm下げてもノーマル車高以上のバンプ側ストロークを確保出来るという事なのだ。

BLSTEINで実験したところ、リヤの場合だと車高がフェンダとタイヤの隙間が指2本の時点でバンプラバが突いて底突き状態となった。つまり指2本の車高にしているヒトは1G荷重の時点ですでに底突きしているわけで、もはやサスペンションとしての機能は果たしていない。この実験の時はノーマルショック用の若干短いバンプラバーを使用していた。Sスペ用の長めになっているバンプラバだともっと酷い事になる。例え指3本の車高にしたところでバンプラバとの隙間は10mm程度にしかならんわけで、サスペンションが指1本分動いただけで底突くわけ。話しにならん。ロドスタで車高を落とすという事はフルタイム底突き状態を覚悟すると言う事と同義である。市販の車高短バネなどを入れてフェンダとタイヤの隙間が指2〜3本のロドスタに乗っている人の場合、バネの硬さがどーのこーのとかダンパーの減衰力がどーのこーのと言う前にバンプラバの硬さに付いて語るべきであろう(笑)。1G荷重ですでに底突きしているようでは、もはやクルマの特性を決めているのはバンプラバなのだから。車高を下げるならショートケースで硬いバネにしなきゃ駄目なのよん。

底突きしていると、ギャップ通過時などにリヤが大きく跳ね上げられるような動きが出る。これを「足が硬い」と勘違いしている人がほとんどで、実は底突きして跳ね上げられているだけだと言う事に気付いている人は非常に少ない。BLSTEINでちょっと車高を落としてちょっと固めのバネを入れるとトンでもない事になる。ドタバタするわ、フワフワするは、ピョンピョンするはでとてもじゃないがマトモな足とは言えない。これはストロークの不足による底突き、伸び側減衰力の不足、ピストンスピードが速い領域の減衰力が高すぎ、ピストンスピードが遅い領域の減衰力不足、などの要因と考えられる。本当に駄目なダンパーだよね。良いところが何も無い>BILSTEIN

KONIはもともと伸び側重視でしなやかでコシの強い特性を持っている上に、減衰力調整が伸び側メインでの調整となっているのがミソなのだ。伸び側を強く出来るから硬いバネにも対応出来る。加えてショートケースによるストロークの確保。5段階とは言え車高が調整出来るってのも強みで、いろんなバネに交換してもそれぞれで適度な車高にセッティング出来る。車高が調整出来ないダンパーの場合、車高はバネによる成り行きとなってしまうわけで、好みに合う硬さで好みに合う車高を実現できるバネを捜すのは容易でない。やはり車高と減衰力が調整出来る上にショートケースのKONIはとても良いダンパーである。

が、現状で走り重視で買うならTEINのNAが良いような気がするなー。そこそこの走りとしなやかさを求めるならKONIだね。本格的なサーキットスペックが欲しいならTEINのHAが良いのでは? と、わたしゃ思います。

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