ど〜だマルチメータ

概要

堂堕自動車ど〜だマルチメータ(フルバージョン)を買った。乾電池駆動()が不安だったけど予約して買ってしまった(笑)。レポートしましょう。

このメータ、ロドスタの純正水温計と入れ替えて、油温、水温、吸気温度、バッテリ電圧、そしてなんと!

隠し機能でA/Fモニタとしても使える!

という逸品。4種類の表示項目のうち、任意の2種類を選んで同時表示する。 ピークホールド機能、任意設定可能な温度上昇アラート機能、その他いろいろ。まさにマルチなメータ。

軽井沢で見つけて予約したのだが、やっと手に入った。さっそくテストしてみる。上のタイトル写真は軽井沢ミーティングの時の展示品。油温が「6度」と表示されているが、それはその時のセンサ温度なわけで、つまりは気温だ。そう、軽井沢の当日気温は6度だった!(^^;


この軽井沢の時の展示品は乾電池駆動という致命的な欠点が有ったのだが、製品版では車両電源で動作するようになったので、なんと乾電池は不要だ(笑)。予備乾電池を用意する必要が無いのは嬉しい改良。乾電池駆動という事で購入をためらったヒトにもお勧めできる。

え? 誰もそんな心配してなかったって? オレだけ? (^^;;;

内容物


届いたハコの中身はこんな感じ。

説明書は...コレで市販してはマズいと思うんだけど...この説明書だけで取り付け出来るヒトはいるのか?(^^;


表示パネルと表示部基盤。表示パネルには白い半透明なプレートが当てて有るが、コレは無い方が良いと思う。私は白いプレートは外してしまった。左端の文字部分だけ白いプレートを残してみたのだが、全部外しても良かったと思う。

欲を言えば四角い窓部分を穴にしてしまった方が反射が無くなって見やすくなると思う。改良要請です >開発チーム各位

注: 現在出荷されているモノは表示パネルと基盤は組立済みだそうです。


コントローラ本体。若干手作り臭さが有るのだが、本当に手作りなので致し方あるまい。 中身の基盤も手作りっぽかったらイヤなので、早速分解してみた。良い子の皆さんは分解しない方が良いと思いますが...(^^;;


えーっと、なんかスゴいです。CPUは16bitのH8らしい。 Z80とかじゃないのね? メータ用としてはオーバスペックなCPUと思われ。ちょー複雑高度な基盤なので、静電気とか飛ばすとマズいです。絶対に分解しない方が良いと思います。壊しても知りません。きっと保証対象外です。 封印シール貼った方が良いかもしれません>開発チーム各位

取り付け作業

さて、それではいよいよインストールしてみましょう。

このメータは、水温と吸気温とバッテリ電圧をエンジンコントロールコンピュータ(以下ECU)から採っている。油温は専用のセンサ(マジで専用開発らしい)を取り付ける。したがって、取り付けの難易度は非常に高い。

メータ本体の脱着分解加工、EUC配線の加工、メータ表示部とコントローラの接続、コントローラとECU配線の接続、エンジン側への油温センサ取り付け、油温センサとコントローラの配線接続、コントローラ本体の取り付け、以上が必要な作業だ。


まずはメータASSYを外す。ステアリングホイールは外さなくても良い気がするが、ラフィックスなので外しただけ。


メータ裏側のメータケーブルを外さなないといくら引っ張っても外れない。フロントガラス越しに見えるので確認するべし。


ここにロックのツメが有るので、これを押さないと外れない。 運悪くロックが下向きだった場合、ウエスなどを下に回して引っ張り上げればOKかと。


メータが外れたら、傷を付けないように気を付けながらロックのツメを順番に押して少しずつ浮かせるとカバーが取れる。


ホコリ注意。クシャミ注意。艶消しメータパネルは指紋などが付きやすく落ち難いので慎重に。


写真左端のネジ3本を外す。


すると水温計がアッセンブリで抜ける。


表示部分のケーブルが通る穴を開ける。この時に出る削り屑がメータ本体に回らないように気を付けるべし。コネクタが通ればOKだが、車両側を見ながらどこから配線を通すか考えた方が良いと思う。NAなら写真の位置で良いが、NBのは知らないので各自確認するべし。 ちなみに軽井沢の展示品には穴がいっぱい開いていた。たぶん、何気無く穴を開けたら、車両側に配線が干渉したのではないかと(笑)。


表示部基盤に表示パネルを取り付けるが、表示パネルは強く締めると表面が波打つので、軽く締めるだけで良い(現在は組立済みで出荷されているらしい)。それを純正水温計と置き換えるように元の位置に戻す。取り付けは付属のネジで行う。

コントローラ本体をステアリングコラム周辺など、運転席側に付ける場合はメインハーネスをECU側まで通さなければならない。


写真の位置を通すと比較的簡単に通る。しかし、コネクタ部分を引っ張ると配線が簡単に抜けてしまう為、絶対にコネクタ部分に引っ張り負荷をかけない事!

ちなみに私はコントローラをグローブボックスに収めた為、配線はここを通してない。


ECUとグローブボックスは近いので楽。グローブボックス内部の側面に付けた。比較的簡単に手が届くので、走行中でも切り替え操作は可能だった。 コントローラ本体をグローブボックスに付けたい場合、その旨を注文時に伝えた方が良い。ステアリングコラム周辺に付ける場合と接続ケーブルの長さが異なるようだ。デフォルトではケーブルが短くて本体の取り付け位置が制限される。ロングケーブルの価格は発売元に問い合わせてください。

一番の難関はECUとの配線。これに関しては説明書で完全に無視されている(笑)。以下、NA6CEのB63H端子配列図。コネクタを裏から見た図で、写真のECUと位置は同期している。 NA8CとかBPF3の場合は全く違うので各自なんとかして調べて欲しい(^^;

B イグニッション
2Q 水温センサ
2P 吸気温度センサ
2D 入力センサアース

アースはどこでも取っても動くと思うけど、2Dのセンサアースで取った方がセンサ精度が上がると思う。配線タップなどで取ると信頼性が落ちるのでお勧めしない。私は配線を切断してヒシチューブ(絶縁用熱収縮チューブ)を通してから割り込み配線と共に半田付け、ヒシチューブで絶縁した。特にBのイグニッションの配線は太いので配線タップは絶対に使わない方が良いかと。

このECU配線作業の時の写真は撮り忘れた(^^; 真剣作業だったので余裕が無かったとも...(^^;;

ECUのカバーになってる鉄板のトーボードはフチが鋭利で怪我をしやすいので気を付けるべし。また、その鋭利なフチで配線を傷付けない様、配線の取り回しと固定には十分に気を使う事。

油温センサについて

油温センサは専用センサをエンジンに取り付ける事になる。私はオイルクーラを付けているのでセンサ取り付けの穴が有る。そこに付けた。 オイルクーラの製品によってはオイルクーラを通る前の位置と、オイルクーラを通った後の位置にセンサ穴が有るが、通る前が油温用、通った後は油圧用なので注意。オイルクーラが無い場合、オイルブロックをエレメントの位置に挟んでセンサを取り付けるのが一番。

裏技としてエンジン本体のオイルライン加工穴のメクラネジを利用して付ける事も可能で、それを考慮したセンサ形状になって、オイルラインに干渉しない。が、この方法だと水冷されいてるブロックを通った後の温度を測定する為、油温は低めに出る。また、オイルクーラを付けている場合もオイルクーラ通過後の温度になる為、かなり低めに表示されてしまうハズ。やはりオイルブロックなどでオイルエレメントの根元に付けるのが一番お勧めだ。

オイルパンドレンボルトやオイルパン加工で付ける方法も有るが、速度や天候によって表示が安定しないのでお勧めしない。

もちろん油温計として使用しないのならセンサは付けなくてもOKだが、その場合、好きな場所にセンサを付ければその温度が表示される。ラジエタより前に付けて外気温度計として使うのも有りカモしれない。エンジンルームにブラ下げればエンジンルーム温度計だ。吸気温度と合わせてその動きを研究するのも面白いだろう。

精度を検証

Fire号には大森の電子式油温計と、電子式水温計(メーカ失念)が付いている。そいつらと比較してみたい。

1週間以上始動してないFire号、気温23度に馴染んでいるようだ。


ど〜だメータは上が水温、下が吸気温、右のメータは水温。すべてのメータが23度を示した。精度は高いと見た!


大盛の油温センサを外し、ど〜だセンサと共に煮込んでみる。なかなかシュールな写真だ。


見事に100度を表示! スゴイぞ!(^o^)

100度付近の精度は抜群。水温も油温も実際のスポーツ走行時には100度付近が多いわけで、これだけの精度が出てれば安心。開発チームの検証によると、精度はプラスマイナス1度まで追い込んだらしい。

で、その時に大盛の油温計は...


ちょっと待てっ! 114度?? 沸騰したお湯が114度??? オレはこの油温計を信じて今まで20年間も対策に悩んでいたのか? 超大型オイルクーラまで付けたのに110度を超えて悩んでいたのに実は100度だったと言う事?? なってこった...。

走行テスト インプレッション

後付けメータと違って、メータクラスタ内に位置するので非常に見やすい。タコメータやスピードメータは常に見ているわけで、そのついでに目に入るのが良い。後付けメータだと視線を外すのが面倒で見なくなってしまう。実際、サーキット走行でも一目で油温と水温を確認出来るので見やすい。ピークホールド機能によって走行後に最高温度を確認する事も可能。

水温計や油温計はレスポンスがすごく良い。信号待ちで止まると上昇、電動ファンが回ると低下、走ると低下。電動ファンの回転と停止まで手に取るように解る。サーモスタットがちゃんと働いて低負荷で84度程度をキープしている様子もバッチリ。ローテンプサーモスタットなんか使ってると低負荷でオーバークールになる様子とか、高負荷でちゃんと水温が上昇しちゃう様子も手に取るように解るハズ(笑)。

ちなみにECUの水温センサはシリンダヘッド裏側、4番シリンダの後ろに付いている。アッパーホースに跡付けするタイプに比較するとレスポンスに優れ、温度自体も若干高めを示すハズ。っつーか、アッパホースだと低めに示すんだけど。

任意の温度に設定して点滅警告表示を出す事も可能。デフォルトでは110度に設定されている。 メータを見忘れていたとしても点滅してれば自然に目に入るだろう。普段の街中や高速道路なんかでは水温計なんか気にしてないヒトが多い。 気にしているにしてもたまに見る程度だろう。 気が付いたらオーバヒートしてた、なんてトラブルを防ぐのにこの警告機能は有効だと思う。ナニしろ古いクルマなので水漏れしてオーバヒートなんて珍しい話じゃない(笑)。

吸気温度は遊びみたいなモンんだと思うのだが、これが意外と面白い。吸気温度センサはレスポンスが鈍いので、高速道路を一定速度で走って表示がサチるまで待つ。気温約21度で吸気温度37度。ライトを上げると31度。いろいろ試したが、ライトアップで5〜7度ほど下がる。 ライト下のゴムフラップを外せばもっと下がるか? サーキット走行の時には半開きにしているが、半開きの方が下がるだろう。球を外して走れば更に下がると思う。 吸気用のエアダクトの製作やエンジンルーム内の整流板や仕切りを製作しているヒトも多いと思うが、そういうパーツの開発テストにはとても有効だと思う。

バッテリ電圧計もかなり正確。サーキットテスタで測った数字とほぼ一緒。ただし、サーキットテスタで測定する場所によっては配線抵抗値などの差で表示と一致しないカモしれない。普段からバッテリ電圧を表示させる必要はないと思うが、オルタネータやバッテリのコンディションチェックのつもりでタマに見るには良いかと。わざわざサーキットテスタを出さなくても見れるのは便利。

メータ表示照度の調整機能も有る。スモール電源を接続しておけばスモールライトONで減光もする。減光時の明るさも調整可能。

しかし、屋根を開けて走っていて、メータに日が当たるとハッキリ言って見えない(笑)。ちょっと手をかざして日陰にすれば見える。サーキット走行時なら日が当たらない向きになった時に確認するか、ヒマなストレートで手をかざして影を作って確認する感じ。屋根が閉まってると意外と大丈夫だと思う。

A/Fモニタ

隠れた機能としてA/Fモニタ機能が有る。バッテリ電圧計との排他使用となるが、A/F表示機能は工場装着オプション設定。実はコレがメインで買っても良いんじゃないかと思うくらい。

A/Fメータのアナログ出力をど〜だメータに突っ込む。この時、A/Fメータ側でプログラミング出来ないタイプでも、ど〜だメータ側の設定で対応出来る。何ボルトの時にA/Fがいくつなのか、をど〜だメータ側で設定可能なのだ。 昔の0〜5Vのアナログ出力でもOKだし、最近の電圧計を表示モニタとして使えるタイプでもOK。自由に設定可能だ。

ど〜だメータでは動作用電源の電圧を電圧計に表示させている。なので、このラインにそのままA/Fモニタ用の電圧を突っ込むと動作しなくなる。 そこで、A/Fモニタ専用の入力ラインを持っている。これを使うと、1.47Vではなく、ちゃんと14.7と小数点の位置も正しく表示する。すごいぞっっ! コレ最高! (^o^)

私はセッティング時以外はA/Fメータは外しているが、この機能が有るならA/Fメータを付けっぱなしにしても良いかなーって思う。

まとめ

ハッキリ言ってお勧めです。これは買いでしょう。通常の後付けの水温計と油温計を付けるだけでもそれなりに金が掛かるわけで、ど〜だメータの価格自体は高いとは思わない。そしてナニよりも純正水温計と置き換えでスッキリ付く事。下品な後付けメータはイヤだし、Fire号のようにエアコン噴出し口を全部殺して付けるのはイヤなヒトもいると思う。オーディオスペースに埋め込むとかダッシュ埋め込みなどの方法も有るが、ソレが見易いとは思えない。ほぼ動かず役に立たない純正水温計を外し、綺麗に納まる上にメータクラスタ内なので視認性は最高。追加メータを検討しているならコレを選ばない理由は無い。

問題点を上げるとするなら、取り付けの難易度がかなり高い事、LEDデジタル表示ゆえにオープン走行時に日が当たると見えない事、メータの数を競うメータフェチに受けが悪い事(笑)。

そんな問題点は大した事ではない。 私としては、買って良かった大満足です。太鼓判でお勧めします(^o^)




ど〜だメータ発売元の専用ページはこちら( ナメてるとしか思えんほどシンプル(笑) )。

※ A/Fモニタ機能のオプション装着価格に関しては購入時に問い合わせてください。
※ 本体接続用ロングケーブルが必要な場合、注文時にその旨を伝えてください。
※ 当レポートはフル機能版です。Lite版は機能が異なります。

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