ブレーキ整備

私のロドスタのブレーキがぶっ壊れたのを修理するついでにブレーキ整備の様子を撮影してみたので紹介しよう。

皆さんがブレーキの整備をやると言ったらパッド交換くらいだと思う。CDRSメンバーがパッドを交換している様子を見るとただパッドを外してピストンを戻して組み立てて終わりのようだ。せっかくブレーキをバラすなら各部のグリスアップなどもあわせて行いたい。そのコツを書いてみようではないか。きっと役に立つでしょう。

今回使ったグリス類が以下の写真だ。

カンスプレーは二硫化モリブデン配合のラバーグリス。なんにでも使える優れもの。チューブ入りのはラバー用とそれ以外の部分用。いずれもブレーキ周り専用のグリスで、数百円/本で買える。カンスプレーは1500円くらいか?チューブ入りのヤツは日産純正部品だ。日産系列のディーラーで買える。


ハブとローターの当たり面に二硫化モリブデンをスプレーしておく。こうすると錆付かないので次回の分解作業が楽だ。


組み付けたスリット入りローター。サビサビになるのが嫌なのであらかじめ耐熱シルバーに塗装しておいたモノ。もちろんパッドが当たる面の塗装は踏めば奇麗に剥げる。


パッドを押さえる金具を取り外してワイヤーブラシで磨く。パッド交換の時しか外さないのだからたまには奇麗にしてあげよう。


磨いた金具にブレーキグリスを薄く塗る。ここに使うのはラバー用ではない。


パッドのシムの両面と金具が当たる部分にグリスを塗る。


ピストンのブーツをめくってフルードの漏れやにじみ、ピストン表面の錆などの有無を点検する。錆びているようならそのままピストンを戻してはいけない。漏れがある場合も同様。どちらの場合でもキャリパーをO/Hする必要が有る。錆びているものをそのまま戻すとブレーキフルードの漏れや片効き、引き摺りなどの問題になるので絶対に止めよう。問題がなければ写真のようにラバーグリスをたっぷりとスプレーしてやる。それからピストンを戻してほしい。なお、スプレー式のグリスはしばらくガスが出るのでブーツが膨らんでしまう。組み付ける前にブーツ内に溜まったガスを抜いてやろう。


キャリパーのスライドピンにはラバーグリスを塗る。ピン根元のネジ山部分には二硫化モリブデングリスを塗っておくと次回分解が楽だ。


スライドピンが入る穴の方にもチューブ入りのラバーグリスを塗ってやる。細いマイナスドライバなどが便利。

あとはそれぞれの部品を組み付けてやれば良い。各ボルトのネジ山には二硫化モリブデンを塗っておこう。キャリパーをはめる時に各ブーツを挟んで切ってしまう事が良くあるので気を付けてほしい。フロントブレーキの上側スライドピンのブーツははまったように見えてきとんとはまってない事が多い。スライドピンをねじ込んで締めただけでははまらないようだ。キチンとはまってないとスライドピンが錆びるのできちんとはまった事を確信してほしい。


完成。ど〜だローターがカッコイイ(笑)。

リヤブレーキも注意点は同様だ。ピストンを戻すのは裏側の六各穴付きボルトだが、このやり方は某低レベルな雑誌などにも紹介されているのでここでの説明は省く。パッドを開くスプリングの向きを間違える人がいる様なのでその向きだけ載せておこう。


この向きが正解みたい。ちなみにこのスプリングはなくても大して問題ない。フロントも同様。パッドのメーカーによってはスプリングを入れる穴が無い場合が有るが、その場合は気にせずにスプリングは使わなければそれで良い。

では皆さんも頑張ってブレーキ整備に励んでください!(^^)