ハードウェア解析編

ソフトウェア部分の解析をやっているCDRSの友人S藤さんから頼まれてハードウェア部分の解析っちゅうか測定をやりました。ちなみに上の写真はクランク角センサーのSGC信号の波計です。実際の測定時はもっとスケールを細かくして測定しましたけどね。

今回のテーマはクランク角センサーの「SGC信号」と「SGT信号」の発生間隔を調べる事と、燃料噴射制御において加速時に非同期噴射制御が行なわれているかどうかです。こういったハードウェアに依存する部分はソフトウェア部分のプログラム解析の追い込みだけではどうしても掴めません。メーカーの資料を探ってみましたがNA6CEの資料は発見できませんでした。ファミリアなどの資料では点火系統が違っている為参考になりません。で、実際に走行しながら各種の波計を測定して調べてみた訳です。

まずはインジェクター波計の測定結果。アイドリング時に測定して信号の発生間隔は約150mSECです。800rpm時は75mSECで1回転なのでインジェクターは2回転に1回の噴射です。2グループ噴射で噴射間隔は2回転に1回と言う事が実測で証明されました。

続いて加速時の非同期噴射制御の有無について。一定速度で走行しているところからいきなりアクセルを全開にした瞬間の波計をチェック。結果、加速時は一定時間だけ噴射時間が延びるだけで噴射間隔に変化が無い事が解かりました。この事から非同期噴射は行なわれていないって事ですね。しかし、例外的に非同期噴射制御が行なわれる事があります。それはスロットルセンサーのアイドル接点がONからOFFに切り替わった瞬間です。燃料カット状態から噴射が再開される瞬間に非同期噴射が行なわれている事が波形観測から発見出来ました。

SGC信号について。

当初はクランク角720度に1回出力されるであろうと予測されましたが実際は違いました。アイドリング時において信号発生間隔は約75mSECです。つまりクランク角360度に1回出力されている訳です。で、信号は長短の波計が交互にやってきます。これで1番の圧縮上死点と4番の圧縮上死点を区別しているものと思われます。

アイドリング時にこのような波形が観測されました。143mSEC=クランク角720度です。計算すれば信号出力時間をクランク角に変換するのも簡単ですね。しかし、この波計の中でどこが1番の圧縮上死点になるかは不明です。(^^;;

続いてSGT波計。

アイドリング時において上記のような波形が観測されました。約150mSECでクランク角720度ですからクランク角180度に1回出力されている訳です。これは当初の予想通りですね。これもやはりどこが1番の上死点になるかは解かりません。波形観測から解明できるのはここまでですね。CDRSのS藤さん、こんなもんで宜しいでしょうか?(^^;;;;;

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