【親子関係】



   12月26日の某新聞の投書欄に 「親を尊敬する」という人の気持ちがわから
  ないんです。とう言うのがあった。その人は感謝はするけど、尊敬するほどではな
  いと言う。
   僕もかつてはそうでした。世の中に尊敬できるのは、大物政治家とか、ノ−ベル
  賞をとった科学者とか、オリンピックで金メダルを取ったスポ−ツ選手とかで、親
  をそういう人達と比べられるわけもなく、感謝するけど尊敬するほどではないと思
  っていました。

   それに対し、「親を尊敬してない人っていっぱいいるわよ・・・」という回答と
  いうかコメントがついていた。実際はいっぱいいるわよの後にいろいろ続くのだが
  なぜ親を尊敬しない人がいっぱいいるのか、なぜ尊敬しようとしないのか。

   尊敬って何だと思って国語辞典を見てみると 岩波国語辞典第三版 西尾実・岩
  淵悦太郎・水谷静夫編によると 以下のことが書いてありました。
  そんけい【尊敬】他人の人格や行為を高いものと認め、頭を下げるような、また、
   ついて行きたいような気持ちになること。うやまうこと。
  だそうだ。

   これらを一言でいえば、ようするに「すげぇ」と思えるかどうかって事でしょ。
  確かに国会議員のなんとか党の幹事長とか、オリンピックで金メダルを取れば誰が
  見ても 「すげぇ」やって事がわかる。つまりすげぇがわかりやすいのである。
  わかりやすければ 尊敬しやすいのである。

   どういうことかというと 色弱検査って知ってる? 点描で「あ」とか「い」と
  か周りの点描と違う色で書かれいるのを当てるゲ−ムだぁ(^^; ゲ−ム・・・・・
  それに近いものだぁ。
   色が白の点描の中で黒の点描で字が書かれていればすぐわかるけど、白に点々に
  白に近い灰色で書かれていると わかりづらくなる。視覚の感覚でその違いが解れ
  ば色弱でないことにるのだ。

   親を尊敬できないって言った人は高校生なのだが、逆に高校生なら尊敬できない
  と言った方がむしろ自然ではないだろうか。
   話は飛ぶが、いつも飛ぶから今更断る必要はないかもしれないが いちおお約束
  ということで 話は飛ぶがと前置きして、小学生でたまに おとうさんはおかあさ
  んは僕のために一生懸命働いてくれてご飯を食べさしてくれてとても感謝している
  という子供がいるが、なぜ自分のために働いてくれていると解るのだろうか。なぜ
  そんなことに感心が行くのだ。子供だったら 友達のこと、遊びのこと、ほしい物
  のことで頭が一杯じゃないのか。

   なぜなら、小学生に親がどれだけ凄いのか解らないはずだ。高校生に親の苦労が
  解るのだろうか。他人の人格や行為の高さを高いと認識できる能力が小学生や高校
  生くらいでは 備わっているとは思えない。
   だから、それが解る単純な社会(マスコミ)で 偉いとか凄いと言ってる人、偉
  人伝になって本がでてるような人なら自分で判断する以前にこういう人を尊敬する
  ものだと思ってしまうのではないだろうか。

   もうちょっと見えてくると、最近では見かけないが 漁師の名人のおじいさんの
  皺の数をみて いろいろ海では怖い思いをしたのだろうとか、なんで沢山魚を捕る
  ことができるのだろうのか考えたとき きっと普通の人の経験してないこと荒海を
  経験してるからなのだろうと容易に想像できれば それは尊敬に値しないだろうか。
   世の中には1人の人の力ではどうにもならないことがあるってことは解っている
  はずなのに オリンピックで金メダルを取った人を尊敬してその人がメダルを取る
  ために協力したひとには マスコミはあまり光をあてない。
   結局 見えない部分が見えてくれば その人達 いわゆる縁の下の力持ちにも
  尊敬できるのではないだろうか。

   それが見えてくるかどうかは、その対象の人物が尊敬できるかどうかは 案外
  それほど重要ではなく、見る側の経験と見抜く能力によるところが多いのでは
  ないだろうか。余り好きな言葉ではないけど、一流は・・・ 好きじゃなから
  やめとこ・・・。

   この高校生も今は尊敬していなくても、尊敬できるときが たぶん、きっと
  くることでしょう。自分の親って けっこう凄いんだって思うときがくると思う。
  誰かと比べるとかじゃなく、この高校生が大人の女性になって、親の嫌な部分から
  嫌な部分を見飽きたら その次に見えてくるのは何かと思うと ワクワクじゃん。
  なんとなく・・・。

   まあ なんと言いましょうか、小生(しょうせい)も 親を少しだけど尊敬
  するような気持ちになってきました。。。
   だからと言って 腹の立つことはないかというと それはそれこれはこれ。
  尊敬しようがしまいが むかつくことは相変わらずだぁ。
  それも それで まあ 楽しいけど(^-^)。



                            2000.12.28 北久里浜クロベ