【自立】


 

      「まもなく電車がきます、危ないですから白線の内側にさがってお待ち下さい。」
     駅のアナウンスが電車がくるたびに言います。電車がホ−ムに着いたらついたで、
     「ドアが開きます」、「ドアが閉まります」、「発車します」と言います。
     まったく 至れり尽くせりだ。

      日本の親は子供を子供扱いにする。子供だから子供扱いするのは当然なのかもし
     れないが、アメリカは子供の自主性を育てる。

      日本はよく言えば 気配りの行き届いた国、悪く言えばお節介なのである。電車
     のアナウンスにしても、電車がきたら危ないのはわかってる、だから白線まで下が
     った方がいいのかもしれない、でも下がるかどうか自分で決めたい。白線の内側に
     いたら怖い思いをする人、怪我をした人がもしいたら、その人はアナウンスを聞か
     なくて気づかなかったのだろうか。たとえば火山のような危険なところに 日本だ
     ったら「危ないですから、入ってはいけません」という立て札が立っている。そん
     なの活火山で煙がもうもう出てて底には高温の温泉玉子ができるようなのがぶくぶ
     くいってるとこに落ちたら死ぬような危険があるのは見ればわかるのに、気が付か
     ない人のために立て札をたてているのだろうか。

      日本の会社や家の近所には世話好きな人って必ず1人以上いるでしょう。会社の
     中で 今日柿もらったけどおいしいからもってきたと言って剥いてみなに配った。
     だけど たまたま昼食にたべたのがいつもより多くて腹一杯で食べなかったら、あ
     なたのまわりの世話好きな人は怒るだろうか。それともそれじゃ仕方ないねと言っ
     て柿を下げるだろうか。
      柿を剥いてくれたのは親切だけど、それを受け入れるかどうかはこちらの状態次
     第で、ありがたいけど今の状況では無理だということが なかなか日本では言えな
     いのではないだろうか。いわゆる親切の押し売りや、ありがた迷惑ってやつである。

      しかし、その親切がほんとうに相手のことを思って相手をよく見ている人がやれ
     ばそれはとても感動にも値するものだ。
      日本の航空会社のおしぼりサ−ビスは外国人には好評のようだし、日本の気配り
     がビジネスに取り入れられた例は多いみたいだ。

      なんで自分でできることを日本の親は子供にやらせないのだ。なにかと世話を焼
     く。受験勉強のときに夜食を作ってあげるのはいいが、夜食を食ってお腹がふくれ
     れば眠くなるのをわかっていない親はたくさん食べて一杯勉強してもらおうと、食
     いきれないほど作ってしまうだろう。ようするに 自分の夕食を作ってあげている
     という行為のみが子供のために何かをしてあげている自分がうれしいのであって、
     子供のためでなく 自分のためなのである。それを子供のためにしていると思いこ
     んでいるだけの話なのである。

      日本の社会で 親にとって子供はいつまでたっても子供という言葉にあるように
     子供扱いしているから、自分でこの仕事をやりたいという子供が自分を押し出した
     とき親は「心配」という言葉の武器で子供を攻撃する。
      どこの親も子供のことを心配するのは当然だから、親の意見が正しいみたいな
     話の内容をしらない第三者の他人は親に見方する。

      子供が他の土地で一人暮らしするなんて言おうものなら、男性の場合は少ないか
     もしれないが女性のほとんどの父親は反対するのではないだろうか。

      いったい、親は子供に何を期待するのだろうか。
     何も期待しないで、ただ 普通に生活していってもらいたなら、これほど本人、子
     供にとってつまらない人生はないのではないだろうか。危ないから自転車にのって
     はいけない、危ないからバイクはやめなさい、健康に悪いからタバコはだめ、ギャ
     ンブルなんて もってのほか。仕事は 安定性の高いところ、公務員なんて最高。

       親の望むように生きることを続けていくと、子供は不幸になる・・・と思う。
     親のために生きていくことが親孝行になるのではなく、自分が自分らしく生きてい
     くことが親孝行になると思っている。
      親の期待がなければないで問題があるし、あればあったで問題があるが、子供に
     期待することが悪いとでもないような気がする。

      ず−っと子供扱いされた子供が20歳になったら もうあなたは大人の仲間入り
     子供っぽいことしちゃダメ! なんて言われても 20歳という時を境になんて
     できないのは誰でも知ってるはずなのに、なぜそこまでの時間を目一杯、大人とし
     ての準備というか 策略というか そういうのを教えないのか。

      飛行機の操縦士で副操縦士の期間が長いと機長になるのが難しくなるそうだ。
     機長は次々と変わる状況で判断を下していかなければならないのに副操縦士は、判
     断するのが圧倒的に少ないと何かの本で読んだ。
      判断は決定することによって判断力が付くし、水泳は泳ぐことによって泳げるし
     野球は キャッチボ−ルからだし、集中力はなにか熱中するものを見つけてやり遂
     げるから集中力がつくのであって、ある時間がきたら急にできるなんて誰も信じて
     ないにも関わらず、それを希望してるような人はたくさんいる。

      なんか、ぜんぜん まとまらないわ、
     アメリカの自立については ぜんぜん書いてないけど いちお続くってことで。

     ほんじゃ また。

                                  2000.11.23 北久里浜クロベ