【コンストラクト 〜解釈の基準〜】




  自分らしく生きるためには、早稲田大学教授加藤諦三さんが「自分で自分を追い
 込むな」三笠書房の本の中で物事の解釈の基準を多く持つことと言っている。ジョ
 −ジ・ケリ−というアメリカの心理学者が、その解釈の仕方を”コンストラクト”
 と言っているそうだ。

  物事を多面的に見るとはどういうことか。
  それは、島にかかる橋を見て綺麗だと思う人もいるが、見る人が建築家だったら
 その橋の強度とかデザインとかを見るかもしれないし、他の人は この橋がかかっ
 たおかげで 島にたくさんの人がきてお土産屋さんが儲かると考える人もいるかも
 しれません、この橋をつくるのに沢山の人が関わってその関わった人の家族はこの
 橋の仕事で生活ができただろうと思う人もいるでしょう。
  相手の立場にたって物事をみることができる人といえるかもしれない。

  ただ、橋という建造物を見るにもその人の立場によっていろいろな見方があると
 いうことがわかっている人は他人との関係も旨くいくと言っているのである。
  それは見方・考え方が違うところから出発しているのだから、相手の言っている
 ことが理解でき、それによって相手を「きめつけ」をすることがないだろうとこの
 本では言っている。

  相手を決めつけるとは、たとえば関東の人が関西人は金に汚いといい、関西の人
 は関東の人間は冷たいと決めつけている人もいる。
  商売人で 売り側が関東で買う側が関西だと 関西の人は値切るらしいのですが
 それが成功して安く売った関東の売る人は余り儲からないから関西の人には良い印
 象を持たないのでしょう。でもその関西の下で働いているのが関東の人だったら、
 商売上手と思うだろうし関西の人はお金にしっかりしてると思うでしょう。

  あまりにもたとえが、単純ですが、一方で金に汚いというのは反対から見たらお
 金にしっかりしてることになるし、見る人の立場によって言い表す言葉はどうにで
 も変わるのに、どうして新聞とかテレビ、賞賛するといかにも大人物のように周り
 は扱うのか。
  言葉なんて どうにでもなるのだから、自分の目で見て、自分の頭で考えてから
 判断すればいいじゃないかと難しそうな本に書いてあった。

  うん、うん、そのとおり、おっしゃるとおりでございますぅ。
 だから その本 棄ててしまいました。自分の判断で。
 それを書いた人、正論だけど、自分の本は違う こんな目からうろこみたいなこと
 を書いたのだからきっと大事にされるんじゃないかなみたいな雰囲気が本からぷん
 ぷんにおって来ました。
  でも、言ってることはほんとにそのとおりだと思う、棄てたのを早まったか・・・。
  だからと言って アメリカに大統領に 「あんたは誰や?」とか聞くような
 人が重要人物だったら そりゃ誰だって不安になるだろうなぁ。報道の仕方に関わ
 らず・・・。

  この本には、いろいろな見方をできる人は、自分の行動を相手がどのように受け
 取ったかを理解できると書いてある。そして視野を広くして他人に見られる人は、
 そのまま自分を見る視野も広いという。
  この意味を深く理解できれば 心もかなり楽なるはずだ。
  たとえば、元気な子供が電車に乗ってきて、うるさいと思うか自分を表現する能
 力の高い元気な子と思うかはその人の視野の広さによるのだろう。

  うるさい子供だいう人は、子供の向こうにある背景が見えない。もしかしたら親
 がいなくて 親戚の伯父や叔母に久々に遊びにつれて行ってもらったかもしれない
 とか、兄弟が多くて自分をアピ−ルしていかないと寂しいからだとかそういうこと
 は 五月蠅いとしか思わない人には解らない。なぜなら、五月蠅いとしか思わない
 人は自分の事しか頭にないからであって自分の今やっていることの邪魔なものとし
 か考えられないからである。
  子供の背景とかどうでもいいのである。

  で この視野の狭い人は自分を見る視野も狭いとは どういうことなのか。風邪
 ひいて自分がつらいときは騒ぐ人が周りの人を見たとき、体の調子が悪いけど我慢
 してる人がいるのが解らない。なぜなら自分が調子が悪いとき悪いと言うから、言
 わなければ悪くない状態だとしか考えられないから。

  うまく説明できないということは 自分自身ほんとうはこのことが解ってない、
 理解してないんじゃないかと思うが、ま いまのところはこんな感じの説明で
 許してチョ。

  なんとなくこのことが解ったのは、大人になれば視野が広がってだんだん解って
 くると言っていて 小学校の時、おとなしい子が何を考えているかなんてどうでも
 よくてそんなこと頭の片隅にも思わなかったのに、最近 その子達は悪ガキにとて
 も嫌な思いをしてたんだろうなとか、その子の親はほんとに子供の悲しんでいると
 ころを見て辛かったんではなかろうかとか思うようになった。

  弱者、何も言わない子ほど、辛いってことがあるっていうのを解っただけでよか
 ったのかもしれないが そのことを自分には子供はいないが、甥や姪に教えてあげ
 ようと思う。


          2001.03.01 神奈川県横須賀市・クロベ