1999年
2月10日(水)の宿

バリーボヘンの町 「民宿 マクガン」
McGann's Bed & Breakfast


レンタカーを借りた初日の夕方。

バレン高原方面を目指して、ゴールウェイ湾南岸の国道N18号を西へと移動していた。 (ゴールウェイ湾は、大西洋に口を開けた細長い湾で、北の対岸には、昨日宿泊したゴールウェイの町がある)
この日はドライブ初日ということで、無理をせず暗くなる前にたどり着いた適当な町で、宿を探すことにした。

17時ころ小さな町に着く。地図で見ると「バリーボヘン BALLYVAGHAN」という町らしい。 町の入り口にあったキレイな一軒家がB&Bだった。 ・・・というわけでいきなり見つかったのだが、他の宿も探して比較検討しようと思い、そのまま町の中へ車をすすめる。

湾岸を東西に走っていた国道N18号は、この小さな町から内陸部(バレン高原)方面へ向かい、 ここからは新たな田舎道、R477号道路が湾岸を西へ伸びている。 「バリーボヘン」はその三叉路にある町だ。 小さな町ではあるが、バレン高原の北の玄関口と言うこともできる。

車で5分も走ったら、その内陸方面の道も、海沿いの道も、町外れまで行きつくしてしまったが、 他に良さそうな宿は見かけなかった。 ただ、海沿いの道のほうには良さそうなレストラン兼パブ 「モンクの酒場 MONKS BAR」 を見つけた。 この町に来る途中、国道沿いに宣伝の立て看板を見かけ、食欲をそそられていた店だった。 あとで夕食を食べに来ようと思う。

・・・で結局、町の入り口まで戻って、最初にあったB&Bを訪ねた。

とりあえず、あきぼんが1人で車を降りて交渉に行く。 出てきたのは、多分年下の若くて美人な奥さん。 妻には内緒だが、正直言ってラッキーと思った(^^
部屋を見せてもらったら、奥さんのイメージとぴったりの、かわいらしいカンジの部屋だった。 シャワーも付いててきれいな部屋だし申し分ない。

おせじではないが、なんか言わないといけないと思い、 「プリティ・ルーム」と言ったら、 照れくさそうに笑われた。

即ここに決めて、波留子を呼びに行く。 【写真】
若いおかみさんは、ケイシーさん。 ほんわかしてあったかい感じの人だった。 「マイ・ネイム・イズ・ケイシー」と自己紹介してくれた。 (宿の名前から判断して、フルネームはケイシー・マクガンさんかな?)

ケイシーさんは若いママでもある。 オーンニャちゃんというカワイイ赤ちゃんがいた。 オーンニャちゃんは「She」 ということだった。

こちらも、名前をきかれた。 客とのコミュニケーションを大切にしてる感じで好印象を持った。

観光パンフ等が置かれているコーナーに、名刺大のカードが積まれているのを発見。 見るとゴールウェイにあるB&Bのもの。 この宿と同じ系列(・・・???)だろうか。 この宿も良い感じだし、きっとこのカードの宿も良いに違いない・・・ 機会があったら泊まるかもしれないし・・・と思い、ポケットにそのカード入れる。

夜、「モンクの酒場 MONKS BAR」 へ

部屋に落ち着くと、つかれて小一時間ばかり眠ってしまう。 目がさめると19時ころ。ちょうど腹も減った。

宿から歩いて、さきほど目をつけた パブ&レストラン「モンクの酒場」 を目指す。 遠いというほどでもないが、軽いお散歩程度の距離はある。

夜7時だというのに、街はすでに深夜の静けさ。 夜食を確保しようと思っていたSPARが、17時半にとっくに閉店。 田舎町である。

目的の店は、海岸通りにある。 道を挟んだ反対側は海という、なかなかなロケーション。 "修道僧の酒場" ・・・ とはちょっと気をひくネーミング。 看板にもユーモラスな修道僧たちの絵が描かれていた。 【写真】

店に客はわずか。3世代の家族連れと、1人の若い男性客。 にぎやかな雰囲気を期待していたのだけど、意外に寂しいもんだった。
(後で知った事だが、パブがにぎわってくるのは、もっと遅い時間だったのだろう。)
土曜なら音楽とかやってるって張り紙があった。

カウンターに行って、
『ハラへった (We want something to eat.)』 と伝えると、
『10分か20分前に、調理スタッフが帰ってしまった。』 との返事。
でも、マスター自ら、ほっかほかのハム&チーズ・サンドイッチを 焼いてくれた。他の客に「They are hungry.」とか笑いながら。 恐縮。ありがたい。まじでうまかった。

マスター、妙に味がある。ちょっとファンになりそうだった。 店の壁には、マスターの若かりし日の思い出の写真?(海辺に揚がったクジラとのショットとか)が何枚か。 "モンク" というのは実は彼の名前らしかった(フルネームはマイケル・モンク)。

あきぼんはギネス・ビールを2杯、波留子は1杯。 気持ち良く酔っ払い、20時ころには店を出る。支払は£9.80。

街はやっぱりひっそりしている。 街灯も少ない、心地よい波の音以外は、シーンとした田舎町。 湾をはさんだ対岸には、ゴールウェイの街の灯がボーっと浮かんでいる。 星もいっぱい見える。静かで良いところだ。

加えて言うと、ペーパードライバーだった自分が久しぶりに運転できた手応えもあって、 とても充実した気持ちだった。明日も運転するぞ。

22時、就寝。

(後日談:、ムースさんがこの「モンクの酒場」で料理を食べて、とてもおいしかったそうな。
うらやましい(>O<) でも、マスター・モンクのじきじきのサンドイッチが食べられたからいいか。)

翌朝

朝食をとろうと、食堂(ダイニングルーム)に行くと、 CDラジカセで伝統的ケルト音楽をBGMに流してくれていた。 ちょっとうれしい演出だ。

チェックアウトのとき、宿帳の住所の横に「日の丸」を書く。他の国だったら、こう簡単にはいかないよな。
そして 「I Like this town and this house.」 とメッセージを書き添える。

若奥さんとオーンニャちゃん+波留子で記念撮影。 【写真】
帰り際には 『「Good By」を、あなたたちの国の言葉でなんと言うの?』と聞かれた。

日本語で 「さようなら」 と、ケイシーさんは送ってくれた。

というわけで、このB&Bはお勧めである。


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