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2月10日(水)
ゴールウェイでレンタカーを借りて、タロ・ストーンを見に行く

旅行前に日本で旅行代理店を通じてレンタカーを予約していた。 レンタル期間は一週間。 当然ながら、日本で国際免許を取得したのだが、 これは免許証とパスポートと顔写真とお金を持って免許センターへ行ったら、 わずか10分で交付された。 思ってたより全然簡単なもんだった。

しかし実は、僕も妻も日本ではあまり運転したことがない、ペーパードライバーである。 正直言って、ちゃんと運転できるか不安だった。

まぁ、レンタカーなら保険も効いてるし、 どうせアイルランドは車も少ないだろうし運転も楽だろう、 アイルランドで運転の練習というものいいな・・・くらいの気持ちだった。

ところが、「アイルランドは車も少ないだろうし運転も楽だろう」 は、まったくの誤解であった。 都市部では渋滞もあるし、 主要道路の制限速度はなんと60マイル(約100キロ)、 田舎は田舎で道が悪くて狭いところも多い。 日本と比べて特に運転が楽ということもなく、まぁそんな変わらないかという程度だった (もっとも東京よりはよっぽど楽だとは思うが)。 これは、ペーパードライバーとしての感想であり、 普段から運転してる人だったら、 アイルランドでも難なく運転出来るだろう。 なんてったって、右ハンドル・左側通行なのだ。 制限速度60マイル(約100キロ)とは言っても、そういう道路は十分広く作られている。

で、この日の正午にゴールウェイ空港で、現地のレンタカー会社の人と待ち合わせすることになっていた。 ゴールウェイ市内から空港までは、タクシーを利用。 ちょっと早めに空港に到着した。 田舎の小さな空港といった風情。 空港のすぐ前の農地にも、この国おなじみの羊たちが何匹か放牧されていた。 それとも、空港の営業羊だろうか? フライト時間を外していたらしく、客は他にほとんどいなくて、ロビーはガランとしていた。 外にも飛行機は1機も無かった。寂しいもんである。

レンタカー会社の人(男性スタッフと女性スタッフの2人)が来たのは、 予定の正午を10分ほど遅れていたが、それが当たり前といった感じで、 別に謝るわけでもなく、普通に手続きに入った。 一般的にいろいろ聞く話を総合しても、どうやらルーズなのはアイルランド人の国民性らしい。 でも、個人的にはちょっと見習いたいもんだ (・・・とはいったが、僕も十分のんびり屋ではある)。

いろいろ契約書にサインさせられたが、10分ほどでだいたい終わり、車に案内された。 ガソリンは満タンにしてあり、ガソリン代をこのとき支払ったので、返却時に満タンにする必要はないとのこと。

『一週間後(返却日)のこの時刻に、ここでお会いしましょう。 どうかよい旅を(笑)。 』
と言い残して、彼らは彼らの車で去っていった。

レンタカーを手に入れた。

12時30分 ゴールウェイ空港を出発

僕はもう7〜8年もまともに運転してなかったので、 まだ運転機会の多かった妻に、とりあえずハンドルをまかせた。 制限速度が60マイル(約100キロ)とは言っても、 外国人ペーパードライバーにそんなスピードなんて出せるハズもなく、 平均40マイル(約60キロ)くらいでノロノロと走っていた。 僕は、ロードマップを広げてナビゲーターをする。

車をゲットして最初に目指したのは、 「タロ・ストーン」という古代ケルトの文様が刻まれた石。 「地球の歩き方」に "ゴールウェイ近郊の見どころ" として紹介されていたので、車を借りたら真っ先に向かってみることに決めていた。

ただ、「地球の歩き方」 の記事を手がかりにロードマップで調べたのだが、それらしい遺跡のある場所を地図上には見つけられなかった。 (実際はこのロードマップにもちゃんと載っていたのだが、「地球の歩き方」の記事が、間違いとも言えそうな・・・わかりにくい表現だったのだ。)

そこで車を借りる前、あらかじめゴールウェイの旅行者案内所に行って
「"タロ・ストーン" を見るにはどうすればよいか」 聞いておいた。 そこで得た情報は・・・、
『ロッホリー(Loughrea)の町を目指せ』
というものだった。

ロッホリー(Loughrea)の町は、ゴールウェイ市の中心から国道N6号線で東へ約40kmのところにある、同名の湖のほとりの町。 出発から1時間後にはこの町に到着した。

13時30分 ロッホリーの町に到着

湖のほとりの町。 せっかくなので湖をよく見ようと思い、町を通り抜けて、湖に沿った道をちょっと先に進む。 ちょうど駐車場があったので、そこに入って駐車。 車を降りて湖畔の風景を楽しむ。 対岸にさっきの町並が見える。 【写真】

ここで、僕も運転してみることにした。 他の車がなかったので、軽く駐車場内を走ってみる。 適当にハンドルを切ったりバックさせてみたりするうちに、 運転できそうな気がしてきたので そのまま公道へ出た。 (オートマチック車です・・・念のため)。

とりあえず町まで戻って駐車場を見つけて車をとめ、昼食をとった。 初運転はとりあえず成功である。ホッ・・・。

食事のあと、ちょっと町をぶらぶらする。 この町はそれほど大きくはないが、立派な大聖堂があった。 【写真】 湖のほとりに建てられていて、なかなか絵になる。 中にも入ってみると、立派なパイプオルガンがあった。 【写真】

「タロ・ストーン」 へ行くついでに立ち寄ってみた町ではあるが、なかなか良い所だった。

14時30分 「タロ・ストーン」 へ向かう

さて肝心の 「タロ・ストーン(The Turoe Stone)」 だが、 ロードマップを見ていたら、この町の北5キロほどの所にあることに、あっさり気付いた。

僕の運転で、ロッホリーの町を出て「タロ・ストーン」を目差す。

10分も走らないうちに、それらしい標識のある枝道があった。 その道は、対向車とすれ違うことのできない細い道につながっていた。 正直行って、こんなところに有名な遺跡があるとは思えないような、せつない田舎道。 対向車が来ないことを願いながら、半信半疑でゆっくりとその道を進んで行くと・・・

右手の、一見すると牧草地っぽい広場の真ん中に 「ぽつん」 とたたずむ、人間より小さいくらいの石を発見。 【写真】

探し求めていた 「タロ・ストーン(The Turoe Stone)」 である。

そのとき、この狭い道で対向車が来たのだが、そこがちょうどストーンを公開している
『タロ家畜農場&レジャーパーク(Turoe Pet Farm & Leisure Park)』
の入り口だったので、あわててウインカーを出して右折、敷地内へ入る。

さてこの "レジャーパーク" だが、シーズンオフで営業していないようだった。 ビジターセンター兼売店(?)らしい建物にはカギがかかってるし、 他の観光客などいない。 建物とつながっている民家には洗濯物が干されており、人が住んでるようだが、誰も出てくる気配はない。
『どうぞ勝手に見てって下さい』 とでも言いたげな雰囲気。

「入場料とか払わなくていいのかな・・・?」と思いつつ、 ストーンのある広場の方へ勝手に入って行く。 【写真】

タロ・ストーンは 紀元前2〜3世紀に彫られ、儀式に使われたたという、高さ1メートル程のやや縦長の丸い石。 その形は、"男性の印(照笑)" をシンボル化したものだという説もあるそうだ。 ケルトの文様がなんともミステリアス。 【写真】

ちょっと空気にポツリポツリと雨が混じったような曇天と、緑の丘陵をバックに、 "タロ石君" と記念撮影。
聞こえてくる音は、あたりの農地に響いている羊の鳴き声だけだった。 【写真】

帰る前に、羊のいる牧草地に近づいて見る。 周囲に他の人間の気配はなく、 辺り一帯にいる羊がみんなこちらに注目している。ちょっとコワイ。 【写真】
そうこうしている内に、丘の向こうからも新たな一団が現われ、 「ベェェェェェ〜」「ベェェェェェ〜」と言いながら、じわじわとこちらに迫ってきた。 【写真】 結局、その場のほとんどの羊を呼び寄せてしまったようだ。 【写真】

逃げるように車に乗りこみ、その場を去った。


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