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1999年


2月7日(日)
クライストチャーチ大聖堂で聖燭節のミサに参加してしまった話

この日は、首都ダブリンの中心部を、徒歩でぶらぶらと観光していた。

ぶらぶらしたあげくに、ダブリンのメジャーな観光名所の1つ 「クライストチャーチ大聖堂」にやって来たのは、夕方、ちょうど17時だった。
【写真】 【写真】

観光名所ではあるのだが、もちろん現役の教会でもある。 入口の大きな扉の前に行き、「入ってもいいのかな〜?」と恐る恐る開けて見る。

扉をあけると、シスターさんがいて、
今日の観光者向けの公開時間は終わりました。』とのこと。

日曜の夕方ということで、ミサの時間だったらしい。

※この記事を書くために調査してわかったことだが、この時はクリスマス期のしめくくりでもある、キャンドルマス(聖燭節) の式典が行われていたようだ。 キャンドルマス(聖燭節) とは、聖母マリアが天使ガブリエルから受胎告知を受けた日(2月2日)。

僕は「(ん、いけないところに来ちゃったかな?)」と思い、ちょっと緊張して相手の言うこともろくに聞かず、そそくさと帰ろうとしたのだが、 妻がシスターの英語を、落ち着いてヒアリングしたところによると、

『・・・でも、一緒にお祈りしてくださるなら、どうぞお入りください』

・・・と言われてたらしい。
「キリスト教徒じゃないのに、いいのかな〜?」とチュウチョしてると、 妻は先にずんずん入って行ってしまった。 仕方なく付いて行き、あまり目立たないよう後ろの方の席に立つ。

薄暗くて、広い(天井がとにかく高い)大聖堂の内部。

すでにミサは始まっていて、奥の方からはなにやらおごそかな音楽が聞こえる。
「(テープかなんかをかけてるのかなぁ・・・?)」と思いながら、 パイプオルガンの伴奏と合唱の歌声を聴いていたら、蝋燭を持った聖歌隊が歌いながらゆっくりと行進してきた。 なんと「生演奏」ではないか。

めったに聴くことのない、素晴らしい音楽を間近で聴いてしまい、ちょっと得した気分だった。 巨大な石造りの堂内に、音楽が非常に美しく反響する。 こういう大聖堂って、音響効果とかも考えて作ってるんだなぁ・・・と思った。

式典は18時20分ごろまで続いた。 入口でもらった小冊子には楽譜と歌詞がのっていたので、 パイプオルガンの伴奏に合わせて、周りの人たちと一緒に聖歌を歌った(つもり)。

なにぶん「しきたり」を知らないもので、 周囲の人のマネをしながら、着席したり起立したり、途中で集めにまわってきた寄付金を払ったり。
(前の人のマネをしてればいいやと思い、後ろの方の席にいたのに、寄付金は後ろの席から集めてたのであせった。)

『コノ中ニ、異教徒ガ紛レ込ンデイルヨウダ・・・』 とか言われて、スポットを当てられてたらどうしよう(爆)とか、ちょっと思ったりもした。 (当然そんなことはなかったが)

特に最後の方で、1列ずつ順番に前の方に行ってひざまずいて、 パン(500円玉くらいの丸いセンベイみたいなやつ)とワインを一口ずつ頂いたときは、かなりドキドキした(苦笑)。

しかしまぁ、普通の観光とは違う、ちょっと珍しい別世界体験ができて、良い思い出になった。
あの音楽を聴けただけでも十分満足だった。

式典終了後、無事に大聖堂を出る。

続く


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