月刊LaLaインデックス1994
MONTHLY LaLa INDEX 1994

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 白泉社月刊LaLaのインデックスデータ。その1994年版。独断と偏見に満ちた星取表(5点満点)と短評付き。


月刊LaLa 1994年12月号
表紙清水玲子「輝夜姫」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「獣王星」樹なつみvol.3 ★★★
「37℃−ぼくのいちばんすきなもの−」岡野史佳Vol.5 ★★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しいギャグ娘よ19★★
「ハッスルで行こう」なかじ有紀第3回 ★★★★
「XAZSA」田村純子+若木未生読切〜ピアノ・ソング〜★★
「封印」山岸凉子第6回 ★★★
「人形師の夜」橘裕読切パールガーデン★★★
「おちゃめ」風夜季里ギャグ 
「っポイ!」やまざき貴子第2部・第22回Tell a lie −うそをつく−・前編★★
「No.1 Boys'n America」成田美名子#4#4バスケは団体競技、チームメイトがいるからおもしろい★★
「学園の麗人」宇野亜由美ギャグ 
「輝夜姫」清水玲子第14回 ★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第147回 ★★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第2部・第16回おはなし◇15★★
「米沢りかのしゃべくり大王(キング)」米沢りか  ★★★
 う〜む。とりたてて特筆すべきこともない号、かな。レベルが低いって訳でもないけど、どちらかといえば全体に低調。まあ、この年のLaLaをある意味象徴しているとはいえるかも(笑)。(2001/04/27)


月刊LaLa 1994年11月号
表紙成田美名子「ALEXANDRITE」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「ALEXANDRITE」成田美名子最終回Chapter11 "LOVE WILL NEVER DO(WITHOUT YOU)" BY JANET JACKSON★★★★
「18歳」津田雅美読切 ★★★
「輝夜姫」清水玲子第13回 ★★
「ハッスルで行こう」なかじ有紀第2回 ★★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しいギャグ娘よ18★★
「セイレーンの聖母」杜真琴&若木未生最終回ハイスクール・オーラバスター★★
「イリスの卵2-翼があるセラフィタ-」岡野史佳読切イリスの卵★★
「君の瞳に三日月」桑田乃梨子その2 ★★
「っポイ!」やまざき貴子第2部・第21回第1種接近遭遇★★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第2部・第15回おはなし◇14★★
「封印」山岸凉子第5回 ★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第146回 ★★★
「米沢りかのしゃべくり大王(キング)」米沢りか  ★★★
 成田美名子「ALEXANDRITE」が最終回。「CIPHER」は対人関係に欠陥を持った主人公がその欠陥を克服していく過程、という物語だったが、今回はむしろ対人関係の上では理想的といっていい状態の主人公がその対人関係をバックボーンに自分のスタンスを模索、確立していく、という物語だった、といえるのかな。物語性やキャラクター性はあまり高くないので、この強固なテーマ性に関心を持てない人にとってはあってもなくてもいいタイプのマンガかもしれない。
 津田雅美「18歳」は初期の代表作の、女子高生4人組の恋愛オムニバスの第4作。優等生が挫折感を味わうことで一歩成長する、という話。この辺のテーマの取り方が津田雅美らしさ、といえるかも。
 岡野史佳は……このシリーズはハズレだ(笑)!(2001/04/27)


月刊LaLa 1994年10月号
表紙なかじ有紀「ハッスルで行こう」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「ハッスルで行こう」なかじ有紀第1回 ★★★★
「花咲ける青少年」樹なつみ第2部・最終回 ★★★★
「君の瞳に三日月」桑田乃梨子その1 ★★
「セイレーンの聖母」杜真琴&若木未生ACT 6ハイスクール・オーラバスター★★
「輝夜姫」清水玲子第12回 ★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しい 娘よ17★★
「そうしてお伽話になる」柳原望後編一清・千沙姫シリーズII★★
「学園の麗人」宇野亜由美ギャグ 
「ALEXANDRITE」成田美名子TAKE39Chapter11 "LOVE WILL NEVER DO(WITHOUT YOU)" BY JANET JACKSON★★★★
「っポイ!」やまざき貴子第2部・第20回だってお兄ちゃんだから★★★
「おちゃめ」風夜季里ギャグ 
「封印」山岸凉子第4回 ★★★
「米沢りかのしゃべくり大王(キング)」米沢りか  ★★★
「森の声」筑波さくら読切 ★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第145回 ★★★
 樹なつみ「花咲ける青少年」は引き続きクライマックス盛り上がり中。成田美名子もラス前でいい感じ。なかじ有紀『ハッスルで行こう』新連載もポイント高し。
 と、★★★★もある一方で、残りは★★が多い、というちょっと両極端な号。
 そういえば、2001年現在『目隠しの国』でそれなりにブレイクしている筑波さくらがカラーページ付の鳴物入りで本誌にいきなり登場している。でもまあ、このあと『目隠しの国』まではLaLaDXでわりと泣かず飛ばずだったんだよね(★★くらいの佳作はいろいろあったけど)。『目隠しの国』でアテナ大賞のデビュー優秀者賞をもらった筑波さくら本人が「私なんかがもらっていいの?」とかコメントしていたのもむべなるかな。デビュー6年経ってもらう賞ではないわな。確か、筑波さくらと同時受賞のもう一人の花ゆめの方のマンガ家も昨年デビューの新人じゃなかったはずで、こういう無秩序な賞の運営をしていていいのだろうか?>白泉社。昔はちゃんと前年デビューしたマンガ家の中ならセレクトしていたものだが。もしかして、デビュー後1年でブレイクできる力のある新人が出ていない、っていうことなのかなあ。(2001/04/27)


月刊LaLa 1994年9月号
表紙樹なつみ「花咲ける青少年」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「No.1 Boys'n America」成田美名子#3#3続・好きな選手を見つけてしまおう★★
「っポイ!」やまざき貴子第2部・第19回BA・N・RI(後編)★★★
「そうしてお伽話になる」柳原望前編・一清・千沙姫シリーズII ★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しいギャグ娘よ16★★
「僕は君のヒーローになる」なかじ有紀読切 ★★★
「おちゃめ」風夜季里ギャグ 
「輝夜姫」清水玲子第11回 ★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第144回 ★★★
「花咲ける青少年」樹なつみ第2部・第19回 ★★★★
「負けずギライなボクら」猫山宮緒読切今日もみんな元気です★★★
「封印」山岸凉子第3回 ★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第2部・第14回おはなし◇13★★★★
「セイレーンの聖母」杜真琴&若木未生ACT 5ハイスクール・オーラバスター★★
「37℃−ぼくのいちばんすきなもの−」岡野史佳Vol.4 ★★★
「米沢りかのしゃべくり大王(キング)」米沢りか  ★★★
 樹なつみ「花咲ける青少年」は引き続きクライマックス盛り上がり中。
 安孫子三和「みかん・絵日記」はヤンキー看護婦の過去が明かされて、しみじみと泣かせるいい話。このエピソードはけっこう好き。
 あと、この号ではコミックじゃないのでリスト化はしてませんが、『ハッスルで行こう』の連載に先立ってなかじ有紀が現職コックの実弟の職場を訪ねてインタビューする連載直前企画記事あり。なかじ有紀の父親ももともとコックをしていた、ということで、『ハッスルで行こう』の厨房や料理の描写が他のなかじ有紀作品と比べて突出していた理由は実は非常にシンプルなものであった、ということがよくわかる。(2001/04/27)


月刊LaLa 1994年8月号
表紙杜真琴ハイスクール・オーラバスター
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「花咲ける青少年」樹なつみ第2部・第18回 ★★★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しいギャグ娘よ15★★
「すきになったひと」津田雅美読切 ★★★
「輝夜姫」清水玲子第10回 ★★★
「おちゃめ」風夜季里ギャグ 
「みかん・絵日記」安孫子三和第2部・第13回おはなし◇12★★★★
「37℃−ぼくのいちばんすきなもの−」岡野史佳Vol.3 ★★★
「封印」山岸凉子第2回 ★★★
「っポイ!」やまざき貴子第2部・第18回BA・N・RI(前編)★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第143回 ★★★
「セイレーンの聖母」杜真琴&若木未生ACT 4ハイスクール・オーラバスター★★
「ALEXANDRITE」成田美名子TAKE38Chapter10 "I'm Looking For The One"(To Be Wiyh Me) BY JAZZY JEFF &FRESH PRINCE★★★★
「No.1 Boys'n America」成田美名子#2#2まず好きな選手を見つけてしまおう★★
「羊たちは何を見たFINAL」森生まさみ読切 ★★
「米沢りかのしゃべくり大王(キング)」米沢りか  ★★★
 樹なつみ「花咲ける青少年」は引き続きクライマックス盛り上がり中。あ、成田美名子もね。
 津田雅美「すきになったひと」は初期の代表作の、女子高生4人組の恋愛オムニバスの第3作。いや、4人組の中でいちばん子供っぽい女の子が実は一人だけ経験済、っていうのは、妙なリアリティがある、かな(笑)。いや、やっぱり、90年代にあっては中学生高校生の間でセックスというのがタブーでもなんでもない、ということがこういう作品を読むと実感される気がする。いや、これ、することはみんなすましててちょっと倦怠期状態の幼なじみカップルがちょっと一波乱あってお互いの気持ちを再確認する、って話なんだけど、同趣向の作品がこれよりもう少し前にりぼんの良心、谷川史子にもあったんだよね。谷川史子みたいなかあいらしい絵柄と作風のマンガ家の作品ですら、そういうセックス込みのカップルがあっけらかんと描かれているのは時代だなあ、とそのときも思ったんだけど。
 安孫子三和「みかん・絵日記」はヤンキー看護婦のキャラクターが全開状態でいいノリ。
 あと、今回チェックしていて気づいたんだけど、この号での予告では、なかじ有紀『ハッスルで行こう』は連載開始前の予告では『CIAO(チャオ)』というタイトルだったのね。いや、それがどうして90年代では死語に近い「ハッスル」なんて言葉をいれたタイトルになったのか、その経緯には多少興味があるな。ただ、タイトルとしては『ハッスルで行こう』の方が圧倒的にインパクトはあるので、改題は大正解。(2001/04/27)


月刊LaLa 1994年7月号
表紙やまざき貴子「っポイ!」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「封印」山岸凉子第1回 ★★★★
「っポイ!」やまざき貴子第2部・第17回Dog Fight★★★
「花咲ける青少年」樹なつみ第2部・第17回 ★★★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しいギャグ娘よ14★★
「嘆きの天使II-過激な天使-」なかじ有紀読切 ★★★★
「セイレーンの聖母」杜真琴&若木未生ACT 3ハイスクール・オーラバスター★★
「ALEXANDRITE」成田美名子TAKE37Chapter10 "I'm Looking For The One"(To Be Wiyh Me) BY JAZZY JEFF &FRESH PRINCE★★★★
「No.1 Boys'n America」成田美名子#1#1予告編★★
「いつか王子様が-無敵のヴィーナスV-」米沢りか読切 ★★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第2部・第12回おはなし◇11★★★
「37℃−ぼくのいちばんすきなもの−」岡野史佳Vol.2 ★★★
「おちゃめ」風夜季里ギャグ 
「人形師の夜」橘裕読切99の嘘(#4)★★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第142回 ★★★
 この号は、自分でも驚くほど★★★★が多いな(笑)。山岸凉子『封印』は、ツタンカーメン発掘もので、LaLaでは完結できずに後に『ツタンカーメン』とタイトルを変えて描き継がれることになる。通して読むと大傑作なんだけど、『日出処の天子』のように毎回サスペンスフルな展開が用意されていたり、物語の振幅が大きかったりはしない、ある意味地味な作品なので、この時期のLaLaの読者の求めるものとはマッチしてなかったんだろうな。
 樹なつみ「花咲ける青少年」は引き続きクライマックス盛り上がり中。成田美名子もそろそろ大詰め。なかじ有紀、橘裕の短編はそれぞれ、「らしい」持ち味がよく出ていてマル。あと、★★★にしてあるけど、安孫子三和「みかん・絵日記」もヤンキー看護婦のお姉ちゃんがいい味出していてマル。(2001/04/27)


月刊LaLa 1994年6月号
表紙岡野史佳「37℃−ぼくのいちばんすきなもの−」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「エジプト駆け巡りレポート」山岸凉子  ★★
「ALEXANDRITE」成田美名子TAKE36Chapter10 "I'm Looking For The One"(To Be Wiyh Me) BY JAZZY JEFF &FRESH PRINCE★★★
「37℃−ぼくのいちばんすきなもの−」岡野史佳Vol.1 ★★★
「花咲ける青少年」樹なつみ第2部・第16回 ★★★★
「輝夜姫」清水玲子第9回 ★★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しいギャグ娘よ13★★
「時間旋律」柳原望最終回最終話・時間旋律★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第2部・第11回おはなし◇10★★★
「羊たちは何を見た」森生まさみ最終回 ★★
「Y.Y.Brothers」風夜季里ギャグ 
「セイレーンの聖母」杜真琴&若木未生ACT 2ハイスクール・オーラバスター★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第141回 ★★★
「天使になりたい」瑞樹奈穂読切 ★★★
「米沢りかのしゃべくり大王(キング)」米沢りか  ★★
 この号でいきなりびっくりはやっぱり山岸凉子の登場でしょう。折も折、創刊されたばかりの白泉社文庫では『日出処の天子』完全版が一気に全7冊刊行されたし、断絶していたはずの白泉社と山岸凉子の間に一体何があったんだ?
 岡野史佳「37℃−ぼくのいちばんすきなもの−」は両親の再婚でできてしまった義理の妹に片思いしちゃってるいけないお兄ちゃんの話(笑)。『フルーツ果汁〜』に近い路線なので、まあファンとしては安心して読める一本かと。
 樹なつみ「花咲ける青少年」は、流石にクライマックスらしい盛り上がり。
 あと、米沢りかのエッセイコミック「しゃべくり大王(キング)」は、普段はけらけら笑って読んでるんだけど、これは笑えない(笑)。いや、ドクター中松(笑)探訪記(笑)なんだけど(笑)、ドクター中松(笑)にまじめに感動するなよ(笑)。しゃれになってねーよ(笑)。(2001/04/27)


月刊LaLa 1994年5月号
表紙なかじ有紀「隣はSCRAMBLE」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「セイレーンの聖母」杜真琴&若木未生ACT 1ハイスクール・オーラバスター★★
「輝夜姫」清水玲子第8回 ★★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しいギャグ娘よ12★★
「遠い約束-刻の聖獣2-」橘裕最終回 ★★
「アカデメイアの冒険者IV-おかえりなさい-」やまざき貴子後編 ★★
「羊たちは何を見た」森生まさみ第2回 ★★
「花咲ける青少年」樹なつみ第2部・第15回 ★★★
「隣はSCRAMBLE」なかじ有紀最終回 ★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第140回 ★★★
「米沢りかのしゃべくり大王(キング)」米沢りか  ★★★
「恋について語ってみようか」ささだあすか読切第18回アテナ新人大賞優秀新人賞★★★
「時間旋律」柳原望第2回第2話・カーテンの法則★★
「Y.Y.Brothers」風夜季里ギャグ 
 ハイスクール・オーラバスターの新エピソード……が始まってますが、たこいはこのマンガ版ハイスクール・オーラバスターは全然評価してないので、特にいうこともなし(笑)。(いや、別に原作のファンでもなんだけど(笑))
 で、SFファンとして納得できない(笑)やまざき貴子と柳原望。に、本来はファンなんだけど、この作品は買わない……の橘裕に森生まさみ。すごい(笑)。読むとこないじゃん(笑)。いや、この時期、自分が長いLaLa読者歴の中でもLaLaへの興味をけっこう失っていたらしい、ということが再確認されたな(笑)。★の少なさは伊達じゃないぜ(笑)。
 今月唯一の救いはささだあすかのデビュー、くらいでしょうか。(2001/04/27)


月刊LaLa 1994年4月号
表紙清水玲子「輝夜姫」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「アカデメイアの冒険者IV-おかえりなさい-」やまざき貴子前編 ★★
「ALEXANDRITE」成田美名子第35回Chapter9 "HOW LONG" by Yazz&Aswad★★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しいギャグ娘よ11★★
「輝夜姫」清水玲子第7回 ★★
「羊たちは何を見た」森生まさみ第1回 ★★
「Y.Y.Brothers」風夜季里ギャグ 
「遠い約束-刻の聖獣2-」橘裕第3回 ★★
「花咲ける青少年」樹なつみ第2部・第14回 ★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第139回 ★★★
「イリスの卵」岡野史佳読切 ★★
「隣はSCRAMBLE」なかじ有紀第15回 ★★★
「今日もみんな元気です」猫山宮緒読切第18回アテナ新人大賞優秀新人賞★★
「すしやのケンちゃん」桑田乃梨子読切 ★★★
 やまざき貴子『アカデメイアの冒険者』のシリーズも柳原望同様「SFファンが読みたくないSF少女マンガ(笑)」の典型のようなもの。というか、やまざき貴子に関しては、この前のタイムマシン「ムシ」のシリーズにもずいぶんいらいらさせられたっけ(笑)。
 清水玲子「輝夜姫」も、まだ始まったばかりで、この時期は『月の子』の悪い意味での冗長さとあまり相違が感じられなくて(展開が二転三転し始めるのはまだ先のこと)、評価していなかった(笑)。
 岡野史佳『イリスの石』は……なんというか、一応ファンタジーというものの基礎知識くらいは持っているSFファンが読んで、いろいろと違和感を感じるタイプのファンタジーもどき少女マンガで……いくら岡野史佳のファンでもこれはちょっと評価できないというか……(笑)。
 桑田乃梨子「すしやのケンちゃん」は、「ケーキやケンちゃん」に続くケンちゃんシリーズ第2弾だが、このシリーズはこの2作だけ(笑)。
 あと、どーでもいい話かもしれないけど(笑)、今回のなかじ有紀「隣はSCRAMBLE」には生理痛でうずくまってる女の子に向かって男が「スカート汚れんぞ、おめー」と声をかける、というシーンが出てきて、ちょっとあっけにとられた(笑)。いや、生理大好き初潮大好き(笑)の橘裕あたりが同じことをしても驚かないんだけど(笑)、なかじ有紀ですよ(笑)。すげー驚いた(笑)。
 あ、それから、猫山宮緒がデビューしてますね。(2001/04/27)


月刊LaLa 1994年3月号
表紙安孫子三和「みかん・絵日記」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「迷える羊に愛の手を」杜真琴&若木未生読切ハイスクール・オーラバスター★★★
「隣はSCRAMBLE」なかじ有紀第14回 ★★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しいギャグ娘よ10★★
「花咲ける青少年」樹なつみ第2部・第13回 ★★★
「時間旋律」柳原望第1回第1話・椿館の住人★★
「輝夜姫」清水玲子第6回 ★★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第2部・第10回おはなし◇9・後編★★★★
「ALEXANDRITE」成田美名子第34回Chapter9 "HOW LONG" by Yazz&Aswad★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第138回 ★★★
「遠い約束-刻の聖獣2-」橘裕第2回 ★★
「モチモチ仁侠伝」宇野亜由美ギャグ ★★
「ブスと姫君」津田雅美読切 ★★★
「Y.Y.Brothers」風夜季里ギャグ 
 柳原望『時間旋律』は、時間ものSFのつもりなんだろうけど、SFファンに読ませるには設定もストーリーも甘過ぎ(笑)。SFファンで少女マンガファンの人間が読んでいらいらするSF少女まんがの典型、といったところでしょうか(笑)。
 安孫子三和「みかん・絵日記」はミカンの息子のこりんごが自分の飼い主を自分で見つけて自立する話。老人好き(笑)の人には応えられない泣かせの効いたいい話。
 津田雅美「ブスと姫君」は初期の代表作の、女子高生4人組の恋愛オムニバスの第1作……だけど、まあ、この段階ではシリーズになるとは思ってなかったな。この短編は、おつきあいを始めたけどお互い地を出さないままのつきあいに疲れたあげく……という設定的にはよくある話なんだけど、キレて地を出すところの描写のエキセントリックさは他のマンガ家には出せない津田雅美の味だと思う。(2001/04/27)


月刊LaLa 1994年2月号
表紙樹なつみ「花咲ける青少年」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「輝夜姫」清水玲子第5回 ★★★
「花咲ける青少年」樹なつみ第2部・第12回 ★★★
「っポイ!」やまざき貴子第2部・第16回燃えろ!サイクロン★★★★
「遠い約束-刻の聖獣2-」橘裕第1回 ★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しいギャグ娘よ9★★
「みかん・絵日記」安孫子三和第2部・第9回おはなし◇9・前編★★★
「Y.Y.Brothers」風夜季里ギャグ 
「隣はSCRAMBLE」なかじ有紀第13回 ★★★
「ALEXANDRITE」成田美名子第33回Chapter9 "HOW LONG" by Yazz&Aswad★★★
「モチモチ仁侠伝」宇野亜由美ギャグ ★★
「ケーキやケンちゃん」桑田乃梨子読切 ★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第137回 ★★★
「太陽の下でまってる」岡野史佳最終回ACT.10★★★
「米沢りかのしゃべくり大王(キング)」米沢りか  ★★★
 いや、橘裕『刻の聖獣』は橘裕の中ではハズレだと思うんだけど、なんというか、最近(2001年現在)の観点から再考すると、なんというか、この手のライトファンタジーの設定って、あまり大きな声ではいえない分野のパソコンゲームに非常にありがちかも(笑)。というか、『人形師の夜』の各エピソードなんかもその分野のゲームにありがちな泣かせ路線にそのまま使えそうなものが多いし(笑)。もともと劣情をそそる絵(笑)のうまい人だし、あっち分野に原作&キャラクター提供でもすると大成功するかも(笑)。
 桑田乃梨子「ケーキやケンちゃん」は……ケーキ職人を目指す朴念仁な少年(笑)とケーキ好きのガールフレンドのためにその少年に弟子入りする小学生、というのほほんとした短編。桑田乃梨子らしい小品。
 関係ないけど、この号のコバルト文庫の広告に若木未生『グラスハート』が新刊で載っている。ううむ。この頃はこんな広告チェックしてなかったので、橋本みつるがイラストを担当していることを知るまでタイムラグが4年くらいできちゃったんだな(笑)。まあ、この時期、LaLa自体をあまり熱心に読んでなかったことも影響しているかも(笑)。(2001/04/27)


月刊LaLa 1994年1月号
表紙なかじ有紀「隣はSCRAMBLE」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「太陽の下でまってる」岡野史佳第9回ACT.9★★★
「笑木田しいの一寸一服」笑木田しいギャグ娘よ8★★
「獣王星」樹なつみ Vol.2★★★
「隣はSCRAMBLE」なかじ有紀第12回 ★★★
「米沢りかのしゃべくり大王(キング)」米沢りか  ★★★
「輝夜姫」清水玲子第4回 ★★★
「っポイ!」やまざき貴子第2部・第15回神様ヘルプ(後編)★★★
「Y.Y.Brothers」風夜季里ギャグ 
「ALEXANDRITE」成田美名子第32回Chapter8 "FAMILY AFFAIR" by SLY AND FAMILY STONE★★★
「羊たちは何を見た」森生まさみ読切 ★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第136回 ★★★
 全体に低調。樹なつみ『獣王星』はSFとしての設定が甘い。流刑星で生まれ育ったモラルも文化も異質なはずの子供が、それらしく感じられないというのは、描写としてかなり陳腐な部類で、まあ、SFあまり知らない人相手にはいいんだろうけど、90年代のSFファンには通用しないと思う。異質な生態系の描写とかはけっこうがんばっているとは思うんだけど、物語の根幹の設定が物足りなすぎ。
 森生まさみ『羊たちは何を見た』はまだ幼い少年と少女が日常からエスケースして……という一種ロードムービー的な話なのだが、森生まさみの場合、基本的に荒唐無稽な設定の学園ドラマ、という図式から外れたシリアス狙いのストーリーはちょっとリアリティがなくて買えない。箱庭的な学園ラブコメの設定の中ではすごく生き生きとした作品になるんだけどね。(2001/04/27)


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