ぼくはこんなにも東京で観劇を
Theatergoing
たこいきおし

 『糸納豆EXPRESS』誌上に発表され、よくわからないけどなぜか各方面から好評を得ているたこいの日記の電脳版。ネット上からは消失している分についてテーマ別(?)に再編集してみました。
 今回は宝塚とかキャラメルボックスとか、観劇にまつわる部分の抜粋。


2001年4月28日(土)

 生まれて初めて東京宝塚劇場で『ベルサイユのばら2001』を観劇。いや、なんというか、目から鱗が落ちまくるというか(笑)、やっぱり、娯楽として非常に完成されているものなのね。特に、終劇の後に次々と趣向を凝らしたフィナーレが展開されるのには、けっこう圧倒された。


4月29日(日)

 ビデオでミュージカル『エリザベート』の宝塚雪組版を観る。これは光佐子さんの最も好きな宝塚の演目で、元はウィーンのミュージカルを宝塚にアレンジしたもので、宝塚版のために新たに作曲された曲などもある。宝塚ではこれまでに3回上演されていて、『ベルばら』ほどじゃないが、宝塚の「顔」といっていい演目、であるらしい。宝塚時代に男役で死神トートを演じた一路真輝が後に非宝塚版の『エリザベート』ではヒロインのエリザベート役を演じたのだ、とか、その筋ではいろいろとうんちくがあるらしい(笑)。


7月5日(木)

 光佐子さんのビデオコレクションから借りている演劇集団キャラメルボックスの『ヒトミ』という劇を観てみる。舞台はほとんど場面固定なんだけど、スピーディーなカットバックを多用したなかなか凝った構成と、ギャグとシリアスがころころ二転三転するテンポのよさが小気味よい。物語は事故による頚椎損傷で首から下が不随状態になった女性が脳からの命令をバイパスして四肢に伝える人工神経の実験台になるんだけど……という、まるでヴァーリィの『ブルー・シャンペン』のような話……と思っていたら、劇の後のスタッフの座談会を続けて観ていたら「アメリカのSF作家のジョン・ヴァーリィという人の作品が……」とか元ネタあかしをしていた。なんだ、そのまんまだったのか(笑)。

 劇自体はテーマ、ストーリー、演出ともなかなか観ごたえあり。


8月25日(土)

 サンシャイン劇場で演劇集団キャラメルボックスの公演『ミスター・ムーンライト』。今回は上川隆也人気のためにチケットはあっという間に売り切れて大変なことになっていたらしいのだが、光佐子さんがゲットしたのはなんと最前列ど真ん中というすごい席なのであった(笑)。本番では、目の前1.5mくらいの位置で上川隆也に絵本を読んでもらってしまう(笑)。

 劇の内容自体は、この世に思い残すことがあって成仏できないでいる女の子が自分の兄の友人の身体を借りていろいろする、というシチュエーションで、テンポのいい会話で笑わせておいて、ちょっとほろっとさせて、でもすぐに照れ隠しのギャグを入れてしまう、など、『ヒトミ』を観ていれば、一目で同じ劇団の作品だとわかる。

 ただ今回は、この手のアイデアは少女マンガでよく使われるので目新しさはないし、死んだ女の子の兄の行動がちょっと単純すぎるあたり、ちょっとひねりが足りないかな、という印象。とはいったものの、演劇という媒体の特性で話をぐいぐい引っ張っていかれるとそのあたりはそんなに気にならずに素直に楽しめた感じ。あと、ラストに用意されているちょっとした(演劇ならではの)種明かし(?)は、なかなかよい仕掛けでした。

 あと、舞台上のの図書館のセットで、司書の席にG4 Cube(笑)が置かれていたり、ラストでけっこう印象的に使われる主人公のノートパソコンがPowerBookG4(笑)だったのはちょっと目を引いた。。ラストの舞台全体の暗転に合わせてパソコンを閉じると、背面のリンゴマークがぽっと消えるという、演出的な効果もなかなか。考えてみると、こういう効果を使えるノートパソコンなんて、マックのノートくらいかも(笑)。因みに、キャラメルボックスの舞台では今までにも小道具にマックがよく使われていたそうな(笑)。


9月22日(土)

 東京宝塚劇場で星組新トップのお披露目公演『大海賊〜復讐のカリブ海』を観劇。イギリス政府と組んだ海賊に両親を殺されたスペイン貴族の息子が海賊に拾われて復讐のために自分も海賊になる、という話で、ストーリー的には今ひとつ(笑)。どちらかといえば、後半のレビュー『ジャズマニア』の方が楽しめた。いや、こうしてみると『ベルばら』というのはよくできたストーリーではあるのかも(笑)。

 今回は、娘役トップの映美くららという子がちょっと気に入った。いや、化粧落とすと全然宝塚っぽくないちょっと幼い顔立ちなんだけど、歌は「声楽やってました」的に上手いというギャップがなかなか。逆に上手すぎて他の人の歌とマッチしてなかったりするあたりがご愛敬といえばご愛敬(笑)。


10月7日(日)

 妻の取ったチケットでTEAM発砲B-ZINの公演『ゴメンバー・デ・ショウ』を観劇。これはシリーズの3作目で、『変身戦隊ゴメンバー』の放映が終わって10年後、デパートの屋上ショウがテロリスト(?)に乗っ取られ、デパートが占拠されたところに、本来の屋上ショウのスーツアクターたちがやってきて、デパートの従業員や警備員も入り乱れ、敵も味方もゴメンバーの扮装をしてくんずほぐれつのドタバタを繰り広げる、というもの。テロリストもスーツアクターもそれぞれに子供の頃に観た『ゴメンバー』の影響で自分なりの正義を心に抱いている、というのがテーマといえばテーマ、なんだけど、まあ、何も考えなくても楽しめる、おばかな戦隊ものパロディ(笑)。

 しかしまあ、普段特撮とか戦隊ものとかに興味のないうちの妻がなんでこんなものを……(笑)。


10月13日(土)

 夕食を作りながらTVで宝塚の『猛き黄金の国』(本宮ひろ志原作(笑))など観ていたのだが、演出、構成ともなかなか見せる。その後のレビューも音楽、構成とも好みで、こないだ観に行った『大海賊』よりこちらの方がずっと気に入った(笑)。なお、妻はこれも生で観ているとのこと(笑)。


11月1日(木)

 妻は浜松まで宝塚観劇に行っている(笑)。(演目は先日観たのと同じ『大海賊』のキャスト違い版。違っているキャストの中にちょっと注目している人がいるのだとか)


11月3日(土)

 静岡市民文化会館で劇団四季公演『オペラ座の怪人』など観る。途中ちょっと眠ってしまったところなどもあったのだが(笑)、舞台の仕掛もダイナミックだし、踊り、歌ともレベルは高く(特にヒロイン役の女性の歌は見事!)、名作といわれるのはよくわかる。

 ただまあ、キャラメルボックスのような観客の裏をかくような演出の芝居をちょっと前に観たばかりだったこともあってか、まあ、普通の演劇、という印象、かな。とはいえ、キャラメルボックスと宝塚ばっかり観ているとそれはそれであまりにも偏り過ぎ(笑)ではあるので(笑)、「定番」というのがどういうものか押さえておくという意味ではよかったかも(笑)。


11月6日(火)

 妻は今日の夜は東京で宝塚観劇(愛華みれさよなら公演『ミケランジェロ』)をしていたらしい(笑)。


11月24日(土)

 2時ちょっと過ぎから日生劇場で『ジキルとハイド』など観劇する。本国版のCDを妻が持っていて、予習していたのだが、同じ曲でも日本語を乗せるとずいぶん印象が違うのと、こないだの『オペラ座の怪人』の時もそうだったのだが、歌っている台詞の日本語が上手く聞き取れなかったりするのが、ミュージカルの翻訳のむつかしさかも(笑)。娼婦役のマルシアの歌がえらく上手かったのが今回の収穫か。それにしても、カーテンコールを見ていて思ったのだが、鹿賀丈史って本当にきざっちい身振り手振りがハマる人だねえ(笑)。


11月25日(日)

 昼前には妻帰宅。なんでも、朝、東京宝塚劇場に行ってみたら長蛇の列で、当日券での観劇はあきらめて静岡に戻ってきたとのこと。


12月8日(土)

 サンシャイン劇場で2回目のキャラメルボックス観劇。今回は以前上演したことがあるという『ブリザード・ミュージック』の再々演。宮沢賢治を題材にしているからか、音楽は吉良知彦が担当していたりする。劇中でひとつの芝居が現在進行形で作り上げられていく入れ子構造の仕掛とか、ラストでは主要な登場人物がチェイスを始めて、怒涛のクライマックスになだれ込む構成とか、泣かせたところで照れ隠しに笑いを入れる演出とか、まあ、ビデオで観た『ヒトミ』も含めてまだ3つ目だけど、キャラメルボックスの芝居のカラーというのはもう十二分にわかったような気がする(笑)。

 そういえば次回作はなんと「ここがウィネトカならきみはジュディ」をモチーフにした時間SFらしいので、けっこう期待。しかし、「ここがウィネトカなら〜」なんてモチーフにするあたり(『ヒトミ』のもとネタは「ブルー・シャンペン」だし)、SFファンとして同世代なんだろうなあ(笑)。


2002年1月14日(月)

 宝塚雪組公演『愛燃える〜呉王夫差』『ローズガーデン』を観劇。今回トップさよなら公演となる雪組トップの轟悠(とどろきゆう)という人がうちの妻のイチ押しなのだが、雪組の公演を一緒に観るのは実はこれが初めて。

 内容は、呉の国の最後の王様がせっかく臥薪嘗胆でがんばって越の国を制圧できたのに、越から送り込まれた美女にめろめろになって国を滅ぼされる、という話(笑)。まあ、前の『大海賊』よりは楽しめた。後半のレビュー『ローズガーデン』の方は、構成、演出がなかなか小気味よくて気に入った。そういえば、前にビデオで観た『猛き黄金の国』でも劇の後のレビューがよかったが、雪組のレビューとは相性がいいのかも(笑)。とはいえ、今回は2階席だったので、舞台が非常に遠かったのはちょっと残念。


2月8日(金)

 アートスフィアでStudio Life公演『月の子』を観劇。この劇団、役者は全員男性で演出は女性という非常に変則的な構成というか、やおい女性の夢を体現する(?)ような劇団で、ネタに『月の子』を持ってくるあたりがいかにもというかなんというか……(笑)。(なんでも、前に『トーマの心臓』も舞台化したことがあるとか)

 で、肝心の劇の方なのであるが、なんというか、非常に原作に忠実だったので、逆にびっくりしたくらい(笑)。とはいえ、かなり説明不足なところはあったので、原作を読んでない人がまったくの予備知識なしに見たらどうか、という点はちょっと気になる。

 あと、これは最大の問題点だと思うのだが、あのオチ(笑)がばっさり省略されていたのにはかなりびっくりした。はっきりした説明はなしに「こうしてジミーは人間になることができました。めでたしめでたし」で、ちょん(笑)。アレだけ観たんでは結局チェルノブイリは爆発したのかしなかったのかすらよくわからない(笑)。いや、『月の子』はあのオチ(笑)があって初めてSFなんで、アレがなければただの現代版お伽話なのだが……つっても、これはSFファンでない清水玲子ファンにはむしろどうでもいいことか(笑)?

 好意的に解釈するなら、、お伽話としての切り口での舞台化を目指した、ということなのかもしれないが、あのオチ(笑)を舞台でどう表現するかがむしろ最大の関心事ではあったので、その点、かなり拍子抜けしたのは否めない(笑)。

 あと、ジミーやセツが女性化したときの姿が「絶世の美女」の筈なのに、肩幅ががっしりしていてどう見ても「男の女装」にしか見えない(まあ、当たり前だが(笑))のが難点といえば難点…かな(笑)。


2月9日(土)

 宝塚雪組公演『愛燃える〜呉王夫差』『ローズガーデン』を観劇。いや、1月に観劇したのと同じ演目なんだけど、今回はペルソナ・カード・リザーブ・シアターというのに妻が申し込んだのが当たって、なんと最前列(笑)! こんなロケーションで宝塚観劇できるなんてのは一生に一度かも(笑)。内容はもちろん、前回と同じなんだけど、迫力はやはり段違い。いや(笑)、よい冥土の土産ができました(笑)。

 しかし、宝塚を見ていて思ったのだが、昨日の『月の子』なんかは全員男のキャストでやるよりは、全員女のキャストでやった方が劇としては自然だろうな(笑)。もっとも、それじゃ逆に当たり前過ぎて(倒錯してなくて(笑))面白くないのか(笑)。


3月8日(金)

 歌舞伎町のシアターアプルで、キャラメルボックスの新作『アンフォゲッタブル』など観劇。今回は、妻の勧誘で五十嵐夫妻が一緒。

 知る人ぞ知る時間SFの佳作「ここがウィネトカならきみはジュディ」を下敷きにした、ということだったのだが、確かにメインのアイデア(「時間」に関する)と、そのアイデアのストーリーへの絡め方は原作(?)にほぼ忠実。

 ストーリーの方は、ある意味いつものキャラメルボックスというか、起こる事件自体はあらすじとかアウトラインとして書き出してしまうとかなり陳腐……なのを、テンポのよい演出でぐいぐい引っ張って見せてしまう、という感じ。

 ただ今回は、登場人物のキャスティングと劇の上での位置づけが昨年の『ミスター・ムーンライト』に近くて(妹を溺愛する兄が妹の想い人を目の敵にするという)、ちょっとマンネリな印象があったのは否めない。

 幕が上がってから降りるまで飽きずに楽しめる出来ではあるのだが、もしかすると、演出力に頼りすぎている、というような側面がちょっとあるのかも。


4月21日(日)

 妻所蔵のキャラメルボックス録画ビデオから、今度再演するという『4月になれば彼女は』など観る。妻が「SFじゃなくて、なんというか、ハートウォーミングな話」とかいっていたので油断していたら(笑)、登場人物の一人が接触テレパスで、その能力が物語の山場で重要な役割を果たしてるし、なんだ、やっぱりSFじゃん(笑)。いや、「ハートウォーミングな話」なのは間違いないんだけど(笑)。


4月22日(月)

 今日は明るいうちに退社して道すがらスーパーで夕食の買い物。妻が実家に帰ってしまったので(宝塚観劇と歯の矯正のため(笑))、今日は一人で夕食。久しぶりに豚ロース肉ソテー定食など作ってみる。久しぶりだったので、塩の分量がちょっと多くて肉がしょっぱかったのと、味噌汁の味噌が多くてこちらもしょっぱかったのはご愛敬(笑)。


5月15日(水)

 本日、妻は静岡で宝塚宙組「カステル・ミラージュ」の静岡公演というのを観劇してきた模様(笑)。


5月20日(月)

 本日、妻は東京で歯の矯正と宝塚花組公演「琥珀色の雨にぬれて」観劇の予定とか(笑)。


6月15日(土)

 夕方から、有楽町で宝塚を観劇した帰りの妻とそのお友だちと合流して、おでんが売りらしい居酒屋でちょっと飲む。


7月26日(金)

 今日は妻が東京に行く日なので、一緒に社宅を出て焼津駅まで送っていく。妻の今回の用事は矯正歯科と宝塚観劇と翌日の原田知世ライブ(たこいは明日合流の予定)……だったのだが、なんでも音響関係の機器トラブルがあったとかで、宝塚は公演中止になってしまい、観れなかったとか(笑)。それでも、別の劇場に行って、当日券で別の劇を観てきたというから、立派なものである(笑)。因みに、宝塚は当然ながら後日チケット代の払い戻しがあるとのこと。


8月19日(月)

 仙台からの帰省の帰り、東京に着いて、その足で静岡に置き忘れてきた『アテルイ』のチケットを取りに向かう妻を東海道新幹線乗り換え口で見送る。とりあえず、荷物を抱えて妻の実家へ。ちょっと一休みして、7月に妻が劇場の音響トラブルで観損ねた宝塚のチケット代の払い戻しをしてもらいに東京宝塚劇場へ(笑)。チケットだけじゃなくて交通費も払い戻してもらえたので、今日の妻の東京静岡強行軍の分は、この交通費が出なかったんだ、と思えばよいのではないか、ということで(笑)。


8月20日(火)

 新橋演舞場で劇団☆新感線の『アテルイ』など観る。主演が市川染五郎と堤真一ということで、大変にチケットが取りにくいらしい(笑)。

 内容はといえば、北の蝦夷の頭領アテルイ(市川染五郎)と坂上田村麻呂(堤真一)が宿敵(とも、とルビを振るべきか(笑)?)として時に闘い、時に協力し、蝦夷と朝廷の戦争の中でいろいろする、というもの。ストーリー的には、ライバル関係の描写とかはほとんど少年ジャンプというか『北斗の拳』というか(笑)。あと、どうやら人間の実体としては存在していないらしい天皇とその巫女&右大臣の描写がはっきりいって特撮ヒーローものの悪の組織の首領と大幹部、といった風情(笑)。なにしろ、大幹部は超常の力をふるうし(笑)。

 あと、随所に必殺シリーズのBGMにそっくりのBGMが使われていたのもなかなか笑ってしまった(笑)。いや、素人さんは必殺シリーズのBGMをそのまま使った、と思ってしまうんじゃないかというくらいそっくりなんだけど、微妙なところでメロディラインとかいじってあるのは音楽著作権対策なんだろうか(笑)? しかし、ケレン味たっぷりのストーリーに、歌舞伎を意識しての派手な衣装、さらには派手なアクションときて、このBGM(笑)がついていると、どうも『必殺!4 恨みはらします』を連想してしまうなあ(笑)。

 なんにしても、これ、子供の頃から東映の特撮ヒーローシリーズとか、少年ジャンプの友情・努力・勝利の格闘マンガとか、必殺シリーズとかを観て育った世代には面白いかも(笑)。とはいえ、チケット代がえらい高額なことを考えると、内容がこれでいいのか、という気がちょっとしないでもないような……(笑)。


8月21日(水)

 午前中は、妻が矯正歯科に行くのにつきあって生まれて初めて成城というところに行く。

 その歯医者さんのある建物の1階がなぜか静岡に本店のある書店だったりするのは奇縁というべきか(笑)。しばらくその書店で時間をつぶしていたら、絵本コーナーに昨年キャラメルボックスが劇のネタに使った絵本『あさえとちいさいいもうと』『いもうとのにゅういん』があったのはちょっと意外な収穫かも(笑)。


9月20日(金)

 10時くらいにちゃちゃさんのクルマで高速に乗って一路東京へ。

 途中、足柄サービスエリアで昼食&お土産もの休憩など。

 その後、横浜あたりで「事故渋滞2時間」とかいう掲示が出ていたので、東名を降りて下の道を成城方面に向かう。偶然であるが、途中、妻が昔暮らしていた近辺を経由することになって、妻が子供の頃住んでいたという公団住宅の横なども通る。

 成城でクルマから降ろしてもらって、ちゃちゃさんと別れる。妻の通っている矯正歯科の入っているビルの向かいのミスタードーナツに入って、ちょっとお茶する。たこいが飲み物を注文している間、妻が何やら携帯で電話をしているな、と思ったら、翌日のキャラメルボックスの前日予約で、通路に座布団の席が取れた、とのこと。ううむ。すばらしい粘り強さである(笑)。その後、妻は矯正歯科へ。たこいはミスドでiBookをぱこぱこしてしばらく時間をつぶす。


9月21日(土)

 シアターアプルに着いてみると、当日券の行列ができていて、そこでスタッフがやおらくす玉を割って本日の特別出演者を発表したりしている。日替わりの特別出演者が妻御贔屓の西川浩幸さんだったのは、今日のチケットが取れたことも含めて、多少は妻のチケット運も持ち直したか、という感じ(笑)?

 今回のキャラメルボックスの演目は『賢治島探検記』と題して、主に朗読劇で宮沢賢治の童話をオムニバス形式で演じる、というもの。

 基本が朗読劇とはいっても、実は無言劇の「無口な風の又三郎」とか、セロを人が演じるという「ゴーシュ弾かれのセロ」とか、いろいろ仕掛けがあるあたりはキャラメルボックスらしいといえるかも。

 とはいえ、その中では割とストレートな朗読劇だった「光速銀河鉄道の夜」に非常にストレートに感動してしまった、というのは内緒にしておこう(笑)。


10月11日(金)

 朝からどたばたと仕事をしていたら、午後になって妻から電話が。何かと思ったら、全国的に売り切れていて入手をあきらめていた『あずまんが大王』のDVD1巻を買った、とのこと(!)。いや、銀座にいったついでにHMVと山野楽器で店の人に聞いてみたら、山野楽器の方で通信販売用の在庫で店に戻ってくるのが1個だけある、ということで。まだ現物がないので、代引きで静岡に発送する手続きまでしてきた、ということで、内助の功(笑)というか何というか、大手柄である(笑)。よい妻を持ってたこいは幸せである(笑)。

 因みに、妻は矯正歯科の診察の後、ダメもとで東京宝塚劇場に行ったら「立見席ならあります」といわれたので、立見席で宝塚観劇をしてきた、とのこと(笑)。それで銀座にいたのか(笑)。


12月8日(日)

 妻のビデオライブラリの中からキャラメルボックスの『風を継ぐ者』など観る。キャラメルボックスのレパートリーの中では、「SF」と「宮沢賢治」と並ぶ3本柱(?)の「時代劇」の代表作とのことで、新撰組に入隊した駿足だけが取り柄の熱血青年と剣の達人だけど実は人間観察と日記が趣味の文学青年の2人の目から観た新撰組の興亡史。なかなか観ごたえあり。

 ちょっと前に妻が買ったDVDで観た『TRUTH』という演目も時代劇だったが、共通する印象として、キャラメルボックスの時代劇ものは、SF的な設定以外の人間関係が割とステロタイプなことが多いSFもの、ストレートすぎてちょっと気恥ずかしいきらいのある宮沢賢治ものより、素直に楽しめる感じがする。


12月11日(水)

 キャラメルボックスの新作時代劇『裏切り御免!』を観る。妻の取ったチケットはなんとまたしてもサンシャイン劇場の最前列。初めて2人でキャラメルボックスを観たときも同じ劇場の最前列で上川隆也を観たものだったが、妻のキャラメルボックスのチケット運はちょっとすごいかも(笑)。(もっとも、その分ここのところ宝塚のチケット運には見放されているらしいが(笑))

 ストーリーは、先日ビデオで観た『風を継ぐ者』の主人公だった架空の新撰組隊士が再登場……と、いっても設定、ストーリーは別物。まあ、スターキャラクターシステムらしい(笑)。足が速いのだけが取り柄の主人公がたまたま坂本龍馬と知り合ってしまい、いろいろする、というものだが、まあ詳細は略(笑)。

 ビデオ観劇のところでも書いたが、キャラメルボックスは時代劇ものが一番シンプルに楽しめると思う。どうしてかと思ったのだが、ここのところ観ているキャラメルボックスの現代(SF)劇の場合、人間関係で刃傷沙汰一歩手前の展開が必ず最後に用意されていて、それが現代を舞台とするといささかリアリティを削ぐ方向にベクトルを向けてしまうのだが、時代劇ならいくら刃傷沙汰をやっても不自然じゃない(笑)、というところが大きいんじゃないか、というように今回思った。今まで劇場で観たキャラメルボックスの中では最高傑作かと思う。こういう力の入った時代劇アクションを最前列で観れた、というのは収穫。因みに今回は、販売ビデオ用の撮影なども入っていた。

 しかし、終演後の出演者あいさつでヒロイン役の役者さんに「みなさん水曜日の昼間からどうしてこんなところにいるんですか(笑)?」とかいわれていたのはご愛敬(笑)。

 その後、サンシャインのキャラクターショップでトトログッズとか買ってから、渋谷に移動。夕方からはパルコ劇場でクミコのニューアルバム発売記念コンサート。

 クミコは、生で聴くのは静岡のすみやが前回のアルバム発売時にアルバム購入者無料招待のミニライブを開催したのを聴いて以来。あの時は小さいホールだったので、マイクとかスピーカーとかなしで生ピアノ&生ヴォーカルだったが、今回は会場が大きいのでマイクを使っていた。バックにムーンライダーズからクジラさんとかしぶちさんが参加していたのはちょっとうれしい。ライブはアルバム収録曲の他、朗読&歌があってみたり。総じて満足度は高かったが、もっと少人数の会場で、また生声を聞いてみたいともちょっと思った。

 あ、そういえばこのクミコのチケットも前から2番目ど真ん中でした(笑)。恐るべし、我が妻のチケット運(笑)。


12月21日(土)

 東京宝塚劇場で月組公演『長い春の果てに』など観劇。ストーリーは、手術の失敗から現場を退き学生相手の解剖実習の講師をしている失意の医師の前に、無邪気に彼を慕う少女が現れて、医師の心が次第に癒されていく、というシンプルなもの。たこいイチ押しの月組娘役トップの映美くららは小柄なので、14歳という設定の少女役は実に違和感がない。まあ、他愛のないストーリーではあるが、なかなか楽しめた。

 その後のレビュー『With a Song in my Heart』はリチャード・ロジャース生誕100年記念、ということで、リチャード・ロジャースのナンバーをレビューに仕立てたものだが、映美くららの美声がたっぷり楽しめてこちらもナイス。

 レビューが終わるとダッシュで劇場を出て赤坂へ。引き続き赤坂ACTシアターで劇団☆新感線の『七芒星』を観る。いや、開演時間が前の宝塚とかぶっていたので、20分ほど遅れて行ったんだけど。

 劇団☆新感線は、『アテルイ』に続いて2回目の観劇になるが、両方に共通して感じたのは、演出がくどい、という印象。ストーリーは、古代の中国かどこかで悪の女神を封印するために活躍した「七芒星」と呼ばれる英雄たちが、封印から復活した悪の女神によって蘇らされ、その手先になり下がり、かつての「七芒星」の身内たちがそれに立ち向かおうとするが……というもの。えげつない展開が二転三転して、えんえん最後までどんでん返しが続く、という演出なのだが、二転三転のうちはまだいいが、五転六転を過ぎたあたりから観ているこちらはもうお腹いっぱい、という感じ(笑)。

 あと、例によって特撮とかアニメのパロディと思われるガジェットがもり沢山(とはいえ、今回は『必殺』のBGMのパロディはなし(笑))。まあ、こういう派手で大がかりな芝居が受けるのも理解できなくはないが、個人的にはここの芝居はもうお腹いっぱい、かな(笑)。(因みにこれは妻も同意見でした(笑))


2003年1月3日(金)

 東京宝塚劇場で宝塚花組公演『エリザベート』を観劇。宝塚での上演はこれで4回目。ビデオでは観たことがあるが、生で観るのはこれが初めて。重厚な雰囲気がなかなかよい。ベースが宝塚オリジナルじゃないためか、音楽、振り付けなども普段の宝塚とはちょっと一味違う感じ。

 帰りがけに、八重洲ブックセンターで『ジャングルの国のアリス』など買う。どこに置いてあるかと思ってちょっと探したのだが、なんのことはない(笑)、海外SFのハードカバーのコーナーに平積みになっていた(笑)。


1月11日(土)

 夕食のBGVに一路真輝主演の宝塚雪組版『エリザベート』のDVDなど観る。


1月17日(金)

 夕食の後、ビデオで宝塚宙組版の『エリザベート』など観る。宙組版は前の一路真輝の雪組版と比べると黄泉の帝王トートがひたすら怒鳴っている印象で、エリザベートを愛している、という感じがしない(笑)。

 あと、このビデオ版は映像編集を実相寺昭雄がやっているのだが、いわれてみると普段見ている劇場収録ビデオと比べて、ドアップとか、役者の顔が見えないアングルとか(笑)、普通宝塚のビデオにはないような手法がそこはかとなく使われていたりして(笑)。


1月18日(土)

 10時からWOWOWで宝塚など観る。今回は2年ほど前の演目で、花組の『カナリア』。

 悪魔の卒業試験を受けるために地上に降りてきた見習い悪魔が、人間を不幸にしなくてはいけないのに、うっかり幸せにしてしまう、というコミカルな物語。なかなか楽しい。これは生で観るともっとよかったかも。


2月28日(金)

 サンシャイン劇場で上川隆也の出演するキャラメルボックスジャパンツアー公演『太陽まであと一歩』を観劇。

 今回はSF仕立てらしいので、どんなものかと思っていたら、映画監督とその弟が「映画の中の世界」に没入してしまってあれこれする、という話で、純然たるSFとは毛色が違う作品であった。

 「映画の中の世界」では、演じた俳優女優の姿をしてはいるものの、映画の設定の通りの経験を生きてきた人物たちが独自の人格を持って生きている、というのが今回のメインアイデア。自分の子供時代をモチーフに撮影した映画に不本意なものを感じた監督が映画を修正したいと願うあまりに、その世界に紛れ込んでしまい、現実世界に戻ってこない。その映画の世界を等しく経験している監督の弟だけが同じ世界に入って監督を連れ戻すことが出来るのだが……。

 同じ舞台の上で、映画を見ている現実世界のキャラクターと、映画の中の世界のキャラクターの間で、視点をスピーディーに換えつつ進行するややアクロバティックな演出は、いかにもキャラメルボックスの十八番で、そのあたりは楽しめたが、設定とストーリーは、ちょっと今ひとつかなあ。因みに、上川隆也の役はその映画監督の弟。今回も前から5列目くらいで、上川隆也ファンの人には本当に申し訳ない(笑)。


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