糸納豆EXPRESS Vol.29. No.2(通巻第45号)
ITONATTO EXPRESS Vol.29.No.2.(No.45)
マイマイ探検隊記念号
2011/09/23 発行(ペーパー・メディア版)
2016/01/17 登録(電脳版)
 ちょっと、一念発起して「片渕須直監督と歩く『マイマイ新子と千年の魔法』探検隊6」(2011年9月24日開催(於:山口県防府市))に参加してみることにした。
 実は、劇場公開当時に『マイマイ新子と千年の魔法』を観たとき、最初に抱いた感想が「画面いっぱいに二条大麦がたなびいているなあ」であったのは、まあ職業病というべきかもしれない。
 日本でビールが造られるようになったのは明治以降のことだが、原料となる大麦はもともとは欧米から持ち込まれた。裏表紙にその当時の品種「ゴールデンメロン」の写真を入れてみたが(WEB版ではこの下段に表示)、これは研究目的で群馬某所で少量だけ栽培されているもので、現在日本国内で栽培されているビール用大麦にはこの子孫にあたるものが多い。
 これらのビール大麦の最もわかりやすい特徴は、写真(↑)のように、麦の粒が対角に一対だけ実り、よくビールの缶に描かれている麦の絵の形をしている(これを二条大麦と呼ぶ)。国内で栽培されている大麦の中でも、麦ごはんや麦茶に使われる品種は六条大麦に分類され、それらは条の数が示す通り、穂に実る麦の粒が三対あり二条大麦のように平面的な形にはならない。
 『マイマイ新子』のDVDを購入して自宅で鑑賞した際にも同じように思い、何気なくtwitterでつぶやいてみたところ、驚いたことに片渕監督ご本人からコメントがつき、「なぜ二条大麦をたなびかせたのか」に関するご説明をいただいてしまった。今回一念発起してみた所以である。
 一念発起ついでに、自分がいくつかの映画やマンガについて過去に書いた雑文を棚卸ししてみた(1996年に自分の個人誌に載せたものの再録)。初めて読まれる方には一部の文脈が分かりにくいところもあるかもしれないが、その点はご容赦を。一ファンが、なぜ『マイマイ新子』に心惹かれたか、に関するケースブックとして読めるよう、現在の視点からの追記(編集後記)も加えてみた。

<2016/01/17追記>
 マイマイ探検隊6に参加してから早いもので4年4ヶ月経ってしまった。まあ、blog時代以前のe-zineの更新など、特に期待されてもいないように思うが、片渕須直監督の新作『この世界の片隅に』が2016年秋完成を目指して製作中の現在、ファンとしての応援の意味であげておく意義も多少はあるかと思った次第。
 因みに、探検隊6の前日には防府国衙跡での『マイマイ新子』野外上映会も開催された。ずっとtwitterでこの野外上映会の様子を見ていて、一度は参加してみたい、と思ったのが探検隊参加の動機でもあったのだが、この後、現地での野外上映会は行われていないとのことで、よいタイミングでの参加だったと思っている。
 個人的には、本誌を配布させてもらった野外上映会後の懇親会上で、本誌を読んだ丸山プロデューサー(現MAPPA。アニメ『花田少年史』のご担当でもある)がわざわざこちらの席まで本誌の感想を伝えにきてくださり、おおいに恐縮してしまったというのが(なにしろ、アニメファン的には神様のような方である)、貴重な想い出である。




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たこいきおし/蛸井潔
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