田沢温泉有乳湯★★★★


古くからの湯治場の子宝湯

■概要

上田から松本に抜ける松本街道(国道143号線)の途中に、温泉好きには知られている湯治場、田沢温泉がある。田沢温泉の共同浴場である有乳湯(うちゆ)は特に有名なので行って、みることにした。

田沢温泉は昔の湯治場の姿をよく残している。狭い通りの両側に歴史を感じさせる木造温泉旅館が並んでいる。きれいに掃除された石畳は凛とした雰囲気だ。



共同浴場の有乳湯は斜面に埋まるような形の2階建てだ。入り口は坂の上、建物の2階部分にある。昔はコンクリートの四角い建物だったそうだが、2000年に建て直して現在は御殿のような湯小屋になっている。

田沢温泉は、鬼女がここのお湯で懐妊し、坂田金時(金太郎のモデル)を産んだたという伝説がある。共同浴場は子宝を授かり、乳の出が良くなる温泉だとして、子持ち湯、有乳湯の呼び名がある。

■所在地

長野県小県郡青木村田沢2698
TEL:0268−49−0052(青木村役場観光課)




■印象

りっぱな湯殿造りのすばらしい外観だが、内部は意外に近代的にタイル張りの浴室だ。澄んだお湯が静かに溢れている。たっぷりした量のかけ流しがうれしい。

やや温めなお湯でじっくりと浸かっていられる。匂いはかすかで、焼いたサンマのワタのような匂いだ。しばらく浸かっていると体がスベスベしてくる。良く見ると体に細かい泡が付いて、なでるとツルツルする。

泉質は単純硫黄泉(アルカリ性低張性温泉)、源泉の温度は40.2度、成分総計228mg、湧出量283L/分(掘削自噴)。



1階の展示室に休憩ソファーがある。温泉の歴史や写真が見られる。

田沢温泉は小さいけれども端正な湯治場という雰囲気がある。共同浴場の有乳湯も名高い泉質にふさわしい雰囲気がある。温泉ファンにはぜひ寄ってもらいたい。


■営業

営業時間 6:00−21:00
休館日 水曜日
料金 300円

交通

上信越自動車道の上田菅平ICを降りて上田市街に入り、上田駅前から国道143号線で西に向かう。青木村役場を過ぎたら、左折して県道に入るとすぐに田沢温泉の案内板が見つかる。村役場から3kmほど。
駐車場は有乳湯の上に10台ほど。極端に道が狭いので注意。



調査日:2004年9月

田沢温泉


田沢温泉には5軒の木造旅館がある。一瞬江戸時代に戻ったような雰囲気だ。右側が島崎藤村ゆかりの「ますや」。きれいな石畳の坂を登ると共同浴場有乳湯がある。

蕎麦

田沢温泉の近くに新しい蕎麦屋があたので入ってみた。青木村産そばだけを利用したというこだわりの蕎麦だ。腰があってプリプリしている。薬味や付け合せにも気をくばっていて、なかなかうまい。もりそば650円。



ますだ屋
青木村大字田沢3321
TEL:0268−49−2477
営業時間 11:00−14:00
火、第3水休

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