姥子温泉秀明館★★★★★


自然湧出の湯神殿

■概要

温泉ファンには有名な日帰り温泉、姥子(うばこ)温泉秀明館を訪れた。観光地化が進んだ箱根の中で、自然湧出の温泉を持つ湯治場ということで一般ウケはしないけれど温泉ファンには知られたところだ。

近年経営者が変わって建物が改修され、良くなったと聞いて行ってみることにした。芦ノ湖の湖岸から大涌谷に向かう上り坂の途中に姥子温泉がある。小さな看板を見つけて、森の中に入るように秀明館に向かう。



姥子温泉は箱根の温泉のなかでは最高所にある温泉のひとつで、古くから眼病に効く温泉として知られている。かの金太郎が目に怪我をしたとき、姥がお告げで見つけた温泉で目を洗ったところ全快したとの伝説がある。



今の建物は大正時代の外観残し、内装をきれいに改修している。現在は日帰り専門の施設として営業されている。新しい経営者は箱根湯本の有名施設「天山」のオーナー。歴史のある秀明館を手に入れたときとても喜んだという。秀明館の経営は採算は度外視のようだ。

■所在地

神奈川県足柄下郡箱根町元箱根110−1
TEL:0460−4−0026



■印象

浴室は天井の高いヒノキ製、大岩を囲うように建っている。大岩から源泉が染み出てくる。注連縄がかかって、なにやら神殿の雰囲気だ。

浴槽は石造り。大岩側の湯壷は入浴禁止。手前の浴槽を使う。手前の浴槽も仕切りがあって高温と中温に分かれている。クリアなお湯が勢いよくあふれて、床もけっこう熱い。

湯に浸かるとトロリとした肌触り。ヒノキの香りに混じって石膏泉系の甘い香りがする。ひしゃくがあったので、湯壷のお湯を飲んでみる。ミネラルの味と、弱いがしっかりと酸味を感じる。先客に教えられて湯壷に顔を浸けて目を洗ってみる。けっこう沁みるので効きそうだ。

源泉は高温なので熱交換で温度を下げて浴槽に供給しているそうだ。また自然湧出では湯量の変動が激しいので、新たにボーリングして湯量を確保している。

姥子温泉元箱根第20号:泉質は単純温泉、源泉の温度42.4℃、pH=3.7、成分総計688mg。
姥子温泉元箱根第4号:泉質は単純温泉、源泉の温度48.4℃、pH=3.3、成分総計676mg。



個室はテレビなどなく、とても静か。緑の中で心身とも深く静養できる。料金は高めだが、すばらしい環境なので値はあると思う。静かに一日を過ごすには最高だ。お勧めする。

■営業

営業時間 10:00−17:00(4−11月)
閉館18:00
10:00−16:00(12−3月)
閉館17:00
入浴のみ15:00から
休館日 毎月最終木曜日
2月中
料金 2300円、3000円(個室、タオル、バスタオル、浴衣つき)
入浴のみ1800円(タオル、バスタオルつき)

交通

小田原厚木道路の箱根口ICを降りて、国道1号線を上る。小涌園から右折して、大涌谷に向かう。大涌谷に行かずに芦ノ湖に下りて行くと姥子温泉がある。秀明館は森の中にあるので小さな看板を見落とさないように。駐車場は広い。箱根湯元からバス便あり。



調査日:2006年6月


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