塩原元湯温泉大出館★★★★ |
墨の湯で知られる奥塩原の秘湯 ■概要 塩原から鬼怒川にぬける日塩有料道路から北側の谷を降りたところに元湯温泉がある。ここは最近になって東京から近い秘湯として人気になったところ。 温泉旅館は3軒あって、「元泉館」が宣伝されているが、今回は元泉館より山の上にある「大出館」に行ってみる。元泉館のすぐ上なのに道路は大回りで行かなければならない。 ■塩原元湯温泉の沿革 教育委員会の説明文: 元湯温泉の歴史は古く、大同年間(今から1100余年前)に如葛仙という人が温泉を発見したと伝えられている。 地名のとおり、塩原温泉発祥の地であり、当時、85軒の家々がありかなり栄えたが、万治2年(1659年)2月末日の大地震でほとんどが全滅した。 800年から1000年に及んだ元湯繁昌は、夢の如く消え去ったのである。 つぶれ残った家々も、新湯、上塩原及び下塩原等に移り、その後元湯温泉は無住の地となった。 また正徳3年(1713年)には、温泉神社及び石憧(石灯籠)は元湯温泉から新湯温泉に移遷される。(現在、新湯温泉街東上にある。石憧は県の指定有形文化財) 今では旅館3軒があるだけで、ひなびた味をよくのこしておりここを訪れる人も多い。 毎年9月には温泉に感謝するため、塩原温泉湯祭りが行われるが、分湯式には、ここの源泉を汲んで塩原11湯の各祭壇に分けられ、いかにも湯の街塩原らしい行事である。 |
■印象 宿の主人は商売気があまりなく外見はホテル然としているが、いまもって湯治場の雰囲気である。温泉は湯船が7カ所もあり、いろいろな源泉からお湯を引いてきている。 特に珍しいのは「墨の湯」である。全国でもここにしかないそうだ。墨を溶かしたようにお湯が黒い。湯船や洗い場も黒く変色している。湯に入ると体にも少し墨がついたようになった。 墨の湯 ほかの湯船のお湯は硫黄の臭いで白濁している。「五色の湯」と言って、日によって色が変わる温泉だそうだ。露天風呂とそれに続く内湯は混浴と女性専用がある。男は混浴側に入ることになっている。墨湯は入り口が別であるが、中は混浴だ。 混浴の内湯 ここはその昔は湯治場として栄えていたそうだが、江戸時代の山津波で壊滅した。いまは訪れる人はそう多くないと旅館の女将は言っている。 ホテル形式だが湯治客向けの雰囲気でひなびた感じ。温泉そのものは黒湯が珍しい。露天風呂も眺めがよい。あまり有名にならずに秘湯のままでいて欲しいと思った。 |
■所在地 栃木県那須郡塩原町湯本塩原102 TEL:0287−32−2438 ■営業
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