黒薙温泉★★★★★  


黒部峡谷の秘湯、宇奈月の源泉

■概要

黒薙(くろなぎ)温泉は最後の秘境といわれる富山県の黒部渓谷にある。黒薙温泉には車では行けない。黒部峡谷鉄道のトロッコ列車で入る。冬は鉄道が動かないので営業しない。雪のない期間だけの温泉である。

黒薙温泉は宇奈月(うなづき)温泉の源泉で、宇奈月の湯はすべて黒薙温泉から引かれている。黒部川支流の黒薙川の河原は至る所で高温の温泉が涌いている。


露天風呂は河原の左にある

■所在地

富山県宇奈月町黒薙
TEL:0765−62−1820
(黒薙温泉旅館)

宇奈月連絡所
TEL:0765−62−1802




■印象

黒薙温泉旅館から川沿いに100mくらい行ったところに露天風呂がある。男女混浴。
湯船は広く、黒部の谷と急流の川音が楽しめる。

温泉は無色透明でかすかに硫黄の匂いがある。湯温は長湯できるようにぬるめにしてある。源泉は高温だが、適温に調整している。

脱衣用に男女別の大きなテントが露天風呂の脇にある。あまりにもオープンな雰囲気なので女性は尻込みしてしまうかもしれない。旅館の泊まり客向けには夜間、女性専用時間が設定されている。

外来入浴客は温泉旅館に寄って料金を支払うことになっている。同時に内風呂(これも当然温泉)にも入ることができる。石鹸を使いたい人はこちらを使うとよい。


トンネル内の温泉入り口


■営業

営業時間 夜明けから21:00

事実上外来入浴はトロッコ列車の終了時刻まで
休館日 無休

冬季(11月から4月上旬)はトロッコ列車が運休するので休業
料金 500円

交通

宇奈月温泉の黒部峡谷鉄道宇奈月駅から3駅め、黒薙駅で下車。ここから徒歩で、黒薙駅から分岐する黒薙第2発電所にいく線路をつたってトンネルに入る。

トンネルを100mほど行くと黒薙温泉への横道がある。横道をぬけると黒薙温泉旅館の前に飛び出す。

車は宇奈月駅前の駐車場に置ける。1日900円、泊まりの場合は2日分になる。



調査日:1998年5月


黒薙温泉旅館

黒薙温泉旅館は山小屋に近い温泉宿で、昔ながらの湯治場の雰囲気を残している。

宇奈月温泉の源泉地を守るためやっているらしい。旅館の経営者は温泉の供給会社の社長とのことである。

テレビもラジオもない。(正確には玄関に1台だけテレビがあるが1チャンネルしか映らない。)ただ、ごうごうと川音が聞こえるだけだ。


内湯は新たらしく、お湯がこんこんと注がれている。窓の外は黒薙川の流れと、正面のりっぱな滝(湯霧の滝)がながめられる。


宿泊料金は9000円、宿の主人によると、もうからなくてもいいとのこと。自炊部は4000円である。

食事

食事は山菜が中心でめずらしいが、けっこう美味い。イワナの塩焼きも出る。予約するとイワナの骨酒も楽しめる。



水害

平成7年の水害では川の水位が5m以上上がり、温泉旅館の建物は半分以上流され、露天風呂も流されてしまったそうだ。宇奈月温泉への温泉水の供給もとだえ、川を掘り起こして源泉を復旧したという。

現在の露天風呂や、温泉旅館の内湯などはそのときに作り直したものである。

ベストシーズン

5月と9,10月がベストシーズン。梅雨時期はトロッコ列車が豪雨になると運休するので温泉から帰れなくなることがある。夏はオロロという人の血を吸うアブが出るので露天風呂に入っていられない。

紅葉の秋はすばらしい眺めになるとのこと。行くのであればその時期がおすすめである。

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