見市温泉★★★★


歴史の古い湯治温泉

■概要

八雲から熊石に抜ける国道が見市(けんいち)川の谷に沿ってくねくねと下っている。川は日本海に注ぐ急流だ。短い川だが深い谷を形作っている。その中流に見市温泉がある。

川岸にある温泉まで国道のカーブから坂がある。建物はかなり年季が入っている。左手の浴舎は1995年に建てかえられたもので比較的新しい。周囲には人家はなく山奥の一軒宿だ。



温泉の歴史は古く、江戸時代末期から知られていて、明治初め1868年に開業した。北海道の温泉としてはたいへん古い。効能が高いお湯ということで湯治宿として利用されてきた。現在も湯治客を受け入れている。休憩コーナーではアワビ料理も楽しめる。



■所在地

北海道爾志郡熊石町字大谷13
TEL:01398−2−2002



■印象

浴室は思いのほか広い。湧出量が多いので大きな浴槽にたっぷりのお湯だ。赤茶色に濁ったお湯はかなり熱めだ。東京の銭湯並だろうか。お湯が流れる床も茶色く染まっている。

温泉成分が濃いので窓にかかるお湯で窓が曇りガラスのようになっている。 コップがあったのでお湯を飲んでみる。金気があって、味噌汁ほどに塩辛い。

香りは弱い。鉄と石膏の臭いがある。泉質はナトリウム−塩化物泉、成分総計5122mg/kg、源泉の温度51.4℃、湧出量83L(自然湧出)である。



露天風呂は小ぶりだが眺めは最高だ。10m下に見市川が流れている。せせらぎの音と深い山の緑と谷を渡る風がとても心地よい。熱いお湯に浸かったり風に吹かれたりして露天風呂を満喫できる。

かなり不便な所だが、豊富なお湯がすばらしい。濃いお湯は芯までしみるようだ。泉質重視の温泉ファンには特にお勧めする。

■営業

営業時間 7:00−22:00
休館日 無休
料金 400円

交通

道央自動車道の国縫ICを降りて国道5号線を八雲町へ。国道277号に入って雲石峠を越える。峠を越えて海岸に出る手前5kmに小さな案内板があるので、左折して坂を下る。八雲から32km。駐車場は広い。
JR八雲駅から江差行きバスがある。見市温泉停留所で下車。



調査日:2003年5月


オフィシャルページ




宿に向かう坂を下ると八重桜が満開だった。桜の下には愛想のよい犬が2匹いて出迎えてくれる。

名物料理アワビ

今回は宿に泊まって温泉を楽しんだ。部屋は少々年季が入っている。山菜中心の料理はなかなかよい。熊石町はアワビの養殖が盛んで、宿もアワビ料理が名物だ。

特別料理で焼アワビを注文した。火をつけないうちに2匹のアワビが網の上で大暴れしている。水槽から揚げたばかりの新鮮なアワビだ。

アワビの刺身はコリコリなので歯の弱い人は敬遠するが、焼くととても柔らかくなる。美味。


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