肘折温泉丸屋旅館  


■懐かしくなる湯治旅館


玄関の立派な看板

肘折温泉に行くなら、ぜひ古い旅館に泊まって見たかった。肘折温泉のパンフレットに写真のあった木造三階建ての丸屋旅館を選んで予約しました。
肘折に着いてみると、温泉街の中心、上の湯の真ん前に丸屋旅館があります。いかにも昔ながらの典型的な湯治旅館です。柱が黒光りして、廊下もきれいに磨かれて、掃除が行き届いています。



若女将さんの趣向でしょうか、ところどころおしゃれなディスプレイがあります。古くからの伝統を守りながら適度に新しいものを取り入れているという感じで大変好感を持てました。

■客室は

客室は8畳間が並んでいます。障子とふすまで仕切られた、純和風の部屋です。床の間には鏡台があって、小さなテレビも置いてあります。



窓側に廊下があって、他の部屋と行き来ができます。障子越しに話し声も聞こえます。私達が到着すると、さっそく隣のおじいさんが顔をだして、挨拶してくれました。しばらく話していると、朝市のことや、温泉の効能のことなどいろいろ教えてくれました。

檜でできた竿が廊下に吊してあります。そこにぬれたタオルを架けます。下には靴箱があります。自分の靴はここに持ってきます。外出は宿の下駄をつかいます。

2ヶ所の温泉

丸屋旅館は浴室が2ヶ所あります。それぞれ別の源泉からお湯を引いています。



玄関の隣りにある温泉は男女混浴です。傷によく効くそうです。扇型の浴槽で、お湯はほぼ透明です。お湯に鉄分が含まれているせいか、浴室の床は茶褐色です。

お湯に入ってみると、ちょっと熱めのやわらかいお湯です。においはありません。ちょっと飲んでみるとダシ味のようです。ここのお湯は炭酸ガスが含まれていて、しばらく浸かっていると、体に細かい泡が着きます。



もう一ヶ所の浴室は建物の奧にあります。こちらは男女別です。神経痛に効くそうです。浴槽は1つで、曇りガラスで仕切ってあります。お湯はやや白濁しています。こちらのお湯もなかなかよいようです。石鹸があるので使ってみました。温泉成分のせいで、あまり泡が立ちませんでした。

■所在地

山形県最上郡大蔵村大字南山字肘折湯元前
TEL:0233−76−2021

■食事

量だけ多い観光旅館と比べると、こころのこもった郷土料理のここの食事はたいへん気に入りました。山菜料理が中心でとてもヘルシーです。一晩だけの娯楽であれば豪華な食事がうれしいのでしょうが、湯治ならば毎日そんなものは食べられません。



このような食事で湯治すればきっと健康になるでしょう。クマコは「クマオくんは血圧が高いのでここで長湯治をした方がよいでしょう。」と言っています。

料金

短期滞在1泊8500円でした。湯治(5日以上)の場合は1泊5000円程度とのことです。湯治する人には自炊ができるようにだいどころがあります。コイン式のガスコンロもあります。


廊下の様子。

調査日:1999年5月

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