山田温泉玄猿楼★★★★


近代的ビルだが歴史の湯治温泉

■概要

富山市の南、越中おわら風の盆で有名な八尾町の西隣に山田村がある。神通川の支流山田川の上流にあって、谷が狭まってくるところだ。歴史のある温泉と聞いて山田温泉玄猿楼(げんえんろう)を訪れた。

川の右岸にそそり立つように大きなビルがある。玄猿楼の本館だ。湯治客も受け入れているが、りっばな温泉ホテルという雰囲気だ。



川の上流側に展望風呂の夢殿、その地下に混浴風呂、ビルの中に大浴場がある。建物の中から川をまたぐ歩道橋があって、対岸に釜風呂と露天風呂がある。

温泉の歴史は古く、北陸で最も古いと言われている粟津温泉の法師と同時期の開湯だという。宿の若主人に「猿」の由来を聞いた。



「ロビーの額にあるように、その昔親子連れの猿がお湯を使っているのを見て発見した温泉なので、玄猿楼といいます。最も古いという粟津温泉の法師は1300年前からですが、ここもその時代に発見されたものです。」とのこと。

さらに、「歴史と言えば、このあたりの山では薬草が採れたので前田の殿様から薬師堂が寄贈されています。今は当館が管理していて、文化財として登録されています。富山の薬のもとは薬草だったのです。」



■所在地

富山県婦負(ねい)郡山田村湯1017
TEL:076−457−2121
FAX:076−457−2125


■印象

展望風呂の夢殿は1階が男女別、地階が混浴になっている。男性浴室から地階浴室に階段で降りられる。展望浴室からは山田川のくねった流れが見渡せて快適。

猿の形の湯口から源泉が注がれている。ダシ味のある薄い塩味、香りはほとんどない。そのまま入るのに適温の温度、浴槽内はややぬるめ。

泉質はナトリウム・カルシウム−塩化物泉、源泉の温度は42度、成分総計は2188mgだ。

先客から「よくここに来るけれど、そこらの温泉と違って源泉だからカルキ臭くないね。下は混浴だけど知らない女性が多くて、階段から男が降りてきて騒ぎになることもあるよ」とのお話。

混浴浴室は窓がなく薄暗い。ちょっとあやしい雰囲気がある。透明なお湯なので女性はかなり勇気がいりそう。



大浴場はビルの中ほどにある。横長の浴室、窓の外に目隠しがあるので景色は見えない。源泉投入と加熱循環を併用していると思われる。



山田川に私設の橋がかかっていて対岸の古い建物の中に釜風呂と露天風がある。橋は色鮮やかなシートがかけてあって面白い。

釜風呂は男女別の4帖半ほどの大きさ、ゴザが敷いてあって脱衣場から入る。それほど熱くしていないので、長い時間入っていられる。露天は囲いがあって景色が見えず面白くない。釜風呂の汗流し用といった感じだ。

歴史の温泉というには風情がないが、夢殿のお湯は特に気に入った。ぼんやりゆったり長湯するのがよいだろう。

■営業

営業時間 10:00−19:00
休館日 無休
料金 600円

交通

北陸自動車道の富山西ICを降りて、県道41号、県道31号を経由して南下し、婦中町へ。婦中町から県道59号で山田村へ。村役場から近い。駐車場はあまり広くない。日帰りでは役場の駐車場を使った方がよいかもしれない。
JR富山駅から山田村行きバスあり。



調査日:2004年3月

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