崖の湯温泉山上旅館★★★


サワヤカな気分になる冷鉱泉

■概要

塩尻の東側に国定公園の高ボッチ山がある。その中腹に崖の湯温泉がある。諏訪湖畔や松本の温泉地のあいだにあって、ごく目立たない温泉地だが、鄙びた雰囲気を求めて訪れた。

高原に向かう坂道を登っていくと4軒程の旅館が寄り添う小さな温泉街がある。今回は一番奥にある山上(やまじょう)旅館を目指した。

山の急斜面にすがりつくように建っている木造3階建ての旅館だ。温泉街の狭く急な坂道の奥にあって、下から見るとずいぶん高いところにある。



立ち寄り入浴をお願いすると、露天風呂はないですけどいいですかと聞いてくれて、女将さんが快く案内してくれた。

崖の湯温泉は1874年に開発されたもの。山上旅館の隣にはりっぱな薬師堂があって、湯治客の杖が奉納されている。

■所在地

長野県松本市内田崖の湯3405
TEL:0263−58−2047
FAX:0263−58−2048



■印象

明るいタイルの浴室にヒノキの浴槽が埋まっている。お湯は無色透明でトロミを感じる。加熱循環の仕組みでやや熱めだ。

カランを開けると源泉が追加できる。源泉をどんどん足して温めにした。新鮮な源泉を感じてとても気持ちよい。浴感ははじめはサラサラしているが、体のアブラ気が抜けてキシキシした肌触りになる。

静かなボイラーの音が聞こえるだけてとても静かだ。ぼんやりして無念無想の気分になる。お湯の味を確かめることを思い出してカランの鉱泉を飲んでみる。

飲んでみると冷たいので気持ちよく飲める。始めは冷たいので味が分からないが、しばらく口にふくんでいると胃薬の後味のような、ちょっと薬ぽい味が残る。

泉質はカルシウム・マグネシウム−硫酸塩・炭酸水素塩冷鉱泉、源泉の温度12.8℃、成分総計1209mg、掘削自噴。加温、循環ろ過。

浴室にはシャワーなどなく、行楽用ではなく湯治が目的の温泉だ。透明な鉱泉で成分は意外に濃い。浴後はサワヤカな肌触りになる。

■営業

営業時間 要問い合わせ
休館日 無休
料金 500円

交通

長野自動車道の塩尻ICを降りて、国道20号線を塩尻方向へ。1kmほど行って桟敷交差点で右折、県道63号線に入る。8kmほどで崖の湯の案内板を見つけて右折。坂を5kmほど登る。駐車場は狭い。温泉街の入り口にも共同駐車場あり。



調査日:2006年5月

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