二岐温泉湯小屋旅館★★★★


渓流沿いの露天風呂がある秘湯

■概要

白河の西、福島県の中通と会津地方を分ける山地に天栄村がある。天栄村には秘湯と言われるような温泉が何箇所かあるが、そのなかでも奥まったところにある二岐(ふたまた)温泉に行ってみた。

二岐温泉の開湯は平安時代という。現在はりっぱな舗装道路があるが、たいへんな山奥にあって平家落人の里ともいわれている。

二俣川の渓流に沿って温泉宿が数軒点々と並んでいる。湯小屋旅館はその中でもいちばん古い建物だ。道路は高い位置にあるので車を置いて渓流沿いまで長い階段を下る。



入り口はまだ営業しているか心配になるほど古めかしい。昔は老夫婦がやっていて宿泊も受けていたそうだが、今は常連客だったスキー友達で共同経営している。通いで管理しているので、営業は立ち寄り湯だけ。

渓流沿いの浴室までは屋根のついた渡り廊下を下る。内風呂は混浴のものと女性専用のがある。露天風呂は混浴浴室を通ってその先にある。

■所在地

福島県岩瀬郡天栄村大字湯本字下二俣
TEL:0248−84−2210




■印象

コンクリートブロックで作られた湯小屋、コンクリート製の浴槽の内湯はごく質素。澄んだお湯がかけ流されている。熱めとぬるめの2つの源泉が注がれて、適温に保たれている。


青みかかったお湯は、トロリとしていほんのり甘い香りがある。口に含んでみると柔らかい味がする。肌にやさしくサッパリとした浴感がある。泉質はカルシウム−硫酸塩泉(詳細説明なし)



露天風呂は豪快だ。大岩をうまく組み合わせて2段の湯壷にしている。深めの湯壷に適温のお湯が注がれている。周囲は森に囲まれて渓流の音が大きく聞こえる。まるで野湯に浸かっているように感じる。

二岐温泉はずいぶん山奥の温泉だ。人工的な騒音はなにもない。露天風呂に浸かってぼんやりしていると頭の芯まで空っぽになる気がする。温泉ファンにはお勧めする。


■営業

営業時間 10:00−16:00
休館日 平日休業(土日のみ営業)
料金 500円

交通

東北自動車道の白河ICを降りて、国道4号線で市街に入る。白河から県道37号線(白河羽鳥線)を北上する。羽鳥ダムを超えて左折して国道118号線で岩瀬湯本に向かう。岩瀬湯本を過ぎ二岐温泉の案内をみつけて左折、二俣川沿いの道を登る。
二岐温泉に入ると道路わきに駐車スペースあり。



調査日:2006年4月

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