覆面座談会
作監を切る!
この座談会を記録したファイルには1992年6月のタイムスタンプがありますが、テキスト化されたのは座談会から随分と経過してからの事ですから、実際はもっと昔の事になります。対象になる話が第166話「春遠からじさみしがりやの妖精物語」(1985年2月13日放映)で終わっていますので、その当時の企画だと思います。85年当時にパソコンなんて持ってませんでしたしね。
なお、内容についてはあくまでも個人の感想による座談会ですので苦情等はお受けしかねます(^_^;)。
※文中の敬称は略させて頂いています。
A・さて、座談会だそうですが。
B・作監切れゆーんでしょ。なかなか、いい企画だね(笑)。
A・ではまず、遠藤麻未から。
B・何も言う事はないよ。うる星やつらは遠藤麻未抜きでは出来んかったと
言ってもいいと思う。
C・初期は野辺と谷田部の3人でやっとたでしょ。この中に遠藤麻未がおら
んかったら、うる星やつらは早々に潰れとったと思う。
A・確かにこの人がいたからあの、「ときめきの聖夜」が生れ、うる星やつ
らは不動のものになった。
B・ときめき〜を野辺がやっとたらと思うとぞっとする(笑)。
C・うる星をやめたときは大ショック。
A・「ラムちゃんの理由なき反抗」とか「ハッピーバースデーマイダーリン」
とか、遠藤ラムがまさに花開いた時だったから…。
B・今なにしてるんだろ。
A・ま、遠藤麻未は本数的にもうる星のトップエース。
B・実力も抜群だし。
C・遠藤麻未カンバーック(笑)。
A・さて、次は谷田部雄次。
B・どーでもえーやん(笑)。
C・「つばめさんとペンギンさん」はえらいうけとったなぁ。
B・でもこの人あまり印象ないね。
A・じゃ、早々に切上げて(笑)。次、野辺駿夫。
B・野辺てめぇこのヘタクソ(笑)。
A・25本もやって結局うまくならんかった。
C・「決死の亜空間アルバイト」でやれば出来るじゃないかと思ったら西島
克彦だった(笑)。
A・原画が悪いのか動画が悪いのか。
B・でも、結局は作監が下手なんでしょ。
C・そー思うけど。
B・とにかく、やまざきかずおや、もりやまゆうじが出てくるまで予告みりゃ
「あ、野辺や…」でガクッ。
C・何であーへたなんかね。俺の方がうまいぜ(笑)。
B・おー、ゆうたれゆーたれ(笑)。
A・結局、見れたのは引退間際、それも原画陣の活躍でなんとかなった。そ
れまではせっかくの話を食潰す。
C・特に残念なのは、「どきどきサマーデート」。いい話だったのに野辺が
やったもんだからラムちゃんの顔はグチャグチャ(笑)。あの話は遠藤
麻未にやって欲しかった。
AB・異義なしっ!
A・今の話だけど、ラムちゃん見ればうまいか下手か分かるね。後、誰の作
監かって言うのも。
B・確かにそれは言える。一番個性がでるもんね。遠藤ラムなんて一発でわ
かる。あと、加藤鏡子とか。
C・はっきり言ってミーハーだから可愛けりゃいい(笑)。キャラ表に似な
くてもいい。いや似るとマズイ(笑)。高田明美のぼ〜れ〜が〜(笑)。
A・まあ、それはおいといて(笑)。次、遠藤裕一。
B・許せんっ(笑)。こいつぁなにものなんだ。こいつのお陰でオンリーユー
は作画面でぶち壊しや。それと原画の青木なんとか。正面から見た顔く
らいまともに描け!(笑)。
C・確かにオンリーユーはもりやまゆうじや山下将仁のおかげでカッコがつ
いた。当時だったから良かったものの今では…。
B・それにしても金春智子はなんで別れるだのどーだのとしたがるの。「別
れ」でしか愛を表現しきらんのかね?
C・まぁあの顔じゃね(爆笑)
A・確かにラムとあたるの別れなんて簡単に扱うべきじゃない。最後はハッ
ピーエンドだと判っていても見ている間辛い想いをするなんてうる星ら
しくない。
C・うん、リメンバーマイラブは確かに面白かったし、自分なりに評価して
るけど、やっぱり見ている間辛かった。どうも、やまざきかずおのうる
星観て言うのは、どこか現実味のあるラブストーリーに傾きすぎのきら
いがある。
A・そうだよね。本気かどうかわからないけど、高橋留美子はうる星はラブ
ストーリーだと言ってたけど、決してそれが全てではないはずだろ?
うる星にだって3角関係は言うに及ばず、それ以外にもともすれば愛憎
的なシーンだって見られるけど、大事なのはうる星ではそれが決して現
実的なドロドロしたものになっていないって言う事だろ。
C・それなのに、やまざき監督のうる星にはそのドロドロしたものが見え隠
れする。だから面白いし感動もするけど、どーも違和感がして戸惑って
しまう。
A・こんな風に感じている人って結構いるんじゃないかなぁ。
B・だんな話がずれてまっせ(笑)。
A・そーそー、遠藤裕一。
C・ま、最近は前よりは巧くなったし。原画のおかげという話もあるが…(笑)
A・確かに西島克彦が原画やりよるからね。ま、こいつはえーかげんにしとっ
て(笑)、次、古瀬登。
B・以外に本数が少なかった。
C・俺ももっとやっとると思っとったけど。
A・巧そうでそうでもない。独特な絵だし。
B・結構、期待はするんだけど…。
C・でも、いなくなってやっぱり寂しい。
A・それでは次に、やまざきかずお。
B・最初の「ダーリン絶体絶命」の時はそう巧いとも思わんかった。
C・そうそう。それで2回目の作監があの「君去りし後」。これは凄かった。
A・俺もこれはお気に入りの1つ。これで、やまざきかずおの株はぐっと上
がった。
B・そしてあの「そして誰もいなくなったっちゃ」。これは暗かったけどオ
リジナルだし、うる星の面々が劇を演じているんだと思うと非常に楽し
い。
C・で、やまざきかずおを不動のものにしたのが、「ビューティフルドリー
マー」。
A・最初は作監遠藤麻未を期待してたからがっかりしたけど、なんのなんの。
あれは話も作画も凄かったの一言。
B・雰囲気がもろに伝わってきたからね。
A・ページの都合で(笑)、次もりやまゆうじ。
B・何も言う事なかろ。
C・初めて登場の「ラブラブキャッチボール」はあーあ、と思ったけど「さ
よなら季節」で爆発して、やまざきCDになってからはチーフ作監を揺
るぎないものとし、「リメンバーマイラブ」で頂点に達した。
A・ちょっとオーバーやろ(笑)。
B・とにかく巧いし、とにかく可愛い。
C・遠藤、もりやま、加藤、土器手、西島という最強チームでローテーショ
ン組めばうる星の最浮上も簡単だと思うけど。
A・そーそー、そう言えばあの「戦慄化石の僻地の謎」でいのまたむつみが
原画やっとる。
B・作監が遠藤麻未やろ。EN見てぶっとんだもんねあんときは。
A・このままいのまたむつみが作監するかと思いきやあれ1本のみ。
C・今でも残念やったねあれは。
A・また話がズレた(笑)。次は高田明美。
B・こいつぁパス(笑)。1本だけだし。
A・じゃ、次は平野俊弘。
B・悪くはないと思うけど、どーしても可愛いとは思えん。
C・キャラ表に似せようと思えばいつでも似せられるとマクロスの時に言っ
てたんだから、もっと可愛く描いて欲しかった。
A・いまいちのめり込めんのよね、あの顔には。
C・「惑星教師CaO2の復讐」は面白かったけどね。
B・でも「レディー竜之介」は全然面白くなかった。ああ言うのを絵が崩れ
とると言うんやないの。
A・では、そろそろ次の林隆文。
C・個人的に好きです(笑)。
B・確かにいいと思うけど、時々ラムちゃんのトラジマビキニなんかえらく
手抜きの様に見える時あるけど。
A・林隆文で気に入らんのはひどく顔を崩す時があるやろ。チェリーとかテ
ンの顔がべちゃっと潰れたようなの。あれが大嫌い。
B・でも、林隆文の絵は可愛いね。波があるみたいだけど。
A・確かに当たり外れの差がはっきりしとる。と言う事で次、西島克彦。
B・少しペースが早いね。ページあまるよ。
C・しかし、座談会やりながらページを気にするとは。よくわかるね、何ペー
ジいったとか(笑)。
B・それはもう長年の経験で(笑)。
A・とにかくまぁ西島克彦。
B・この人の絵は隠れていてもすぐわかると言う(笑)。
C・特徴あるけねー。
A・なんで作監せんのやろ。
B・0.5回て言うのは「太陽がいっぱい浮気がいっぱい」で遠藤麻未と2
人で作監やったときやろ。
A・そーそー。
C・作監じゃないけど、「おしゃべり花なんてどわいきらい」の時は良かっ
た。
B・「決死の亜空間アルバイト」の入浴シーンを1人で描ききって名を上げ
たと言う(笑)。
C・でも、もしもりやま・土器手が抜けたりしたらうる星を支えられるのは、
西島克彦と加藤鏡子やろね。
A・西島克彦にはぜひ作監をやって欲しいと言う事で次、高橋資裕。
B・4本しかやってないとは思わんかった。
A・それは言える。
C・この人の描く絵って、身体はいまいちだけど顔は可愛い。
A・「○秘作戦女湯をのぞけ」は笑った。
B・「恐怖トロロがせめてくる」はラムちゃんかーいかったし。
C・ところがふっと消えてしまった。
A・劇場版マクロスで原画やっとった。
B・それが「ランちゃんパニック。友引町に明日はない」で山本直子を作監
に高橋・山本コンビいきなり復活。
C・やったー、と思ったらそれ1本でまたフッ(笑)。
B・ぜひ戻ってきて欲しい。
C・あの高橋・山本コンビの活躍はもう見れないのか…。
A・そーいえば、高木敏夫、小林明美なんていう原画陣もピエロ撤退と同時
に姿を消したし。
A・馴染み深い作画陣が消えていくのは寂しいよね。と言う事で、次は大坂
竹志。
C・ほっとけこんなん(笑)。「ラムちゃんがいっぱい」のあの下手さ。
B・いきなり出てきて下手な絵さらして消えてやんの(笑)。
A・こいつぁ消えて正解だったと言う事で、次あべ正巳。
B・死ねっくされ下道が!(笑)。
C・こんなんが新スタッフかと失望させといていきなり消えた。
A・と思ったら、「竜之介の父純情す。妻は面影の中に」でむちゃくちゃ下
手な絵をさらしてまた不安の種を植付けた。
B・また早々に消えるのを望むしかない。それにしても、スタッフが変って
からサブタイトルがやけに長い。
A・俺は前みたいなすっきりした方がいい。「君去りし後」とか。まぁこれ
は原作通りだけど。
C・確かにそれはあるね。最近のはやたら説明的で粋なタイトルがなくなっ
た。
A・話がそれる前に(笑)。次、四分一節子。
B・「ラムちゃん牛になる」はもう少し何とかして欲しかった。
C・わしもそーおもう。
A・じゃ、次加藤鏡子。
B・やたっ!おれ大好きっ!
C・この人の描くラムちゃんは実に可愛い。
A・「燃えよかくし芸この道一直線」の冒頭でバニーガールのラムちゃんが
踊るところにはおれぁ泣いたよ(笑)。
C・それとあの「夢の中へ。ダーリン争奪バトルロイヤル」の最初のへんな
メカとのラムちゃんのやりとり…かーいかった。
B・あれは平野さんの声の当て方も天才的というか…。
C・とにかく加藤鏡子はいい!
A・やめずにずっとつづけて欲しい。
B・ところで加藤鏡子って亜細亜堂の人なわけ。
A・そーやろ。亜細亜堂と言うと後藤真砂子。
B・うる星の作監せんかなぁ〜。そう言えば、いのまたむつみってフリーに
なったんやろ?
C・そうなん。
B・それならうる星の作監て言う事、ないんかね。
A・えらくこだわるね(笑)。
B・そりゃあもう。いのまたラムが動くのを想像するだけでよだれが…。
A・じゃ、そろそろ次の土器手司。
B・誰かさんと違っていきなり出てきてもなおかつ巧い。
C・あの、「お見合い地獄!ヨロイ娘は美女怪女」と「ヨロイ娘の恋乙女心
はグラグラ揺れて」の二本立て。なんともりやま・土器手という…。
A・あの2本は特筆すべき大傑作。
B・やっぱり作監が巧いと話も面白い。
A・そう言えばね、「ヨロイ娘〜」のときね、水乃小路家のガードマンにラ
ムちゃんが踏倒されて、その時ラムちゃんのブラが宙に舞うんよ。知っ
とった?
BC・スケベ
A・…。えっと、それでは次の山本直子は高橋資裕と一緒と言う事でいいね。
では最後に伊達真紅郎。
B・あのFC公募のシナリオ使った「春遠からじ、寂しがりやの妖精物語」
の時だろ。
C・あの話、どーせしょうもないと思っとったら、結構面白かった。
B・それは言える。
A・では、長い間ポテトチップのみでありがとうございました。
B・もう終り?まだ総評が残っとる。
A・しかしページが(笑)。この続きは次の機会にと言う事でどうも。それ
にしてもミーハーな座談会だった(笑)。
BC・うるせー(笑)。
いやはや、今見てみると結構過激な内容ですね(^^;)。野辺さんの下りなんか見る人見たら激怒もんだなぁ(^^;)。
「さみしがりやの〜」で止っているので、この後の加藤鏡子の引退、ビーボーの参加、あべ正巳、河南正昭の登場などなど後半部分を思い出しながら読むと赤面ものです(^^;)。あべさんの件に関しては、参加者に重々謝罪してもらいましょう。某○○や某××に関しては今でも異義なしですが(^^;)。
しかし、こうやって見返してみると当時とかなり意見の違う部分もありますね。いろんな事情を知ってしまったと言う事もありますが、好みもかなり変わってきているようです。えっ?、そう言う感想を抱くと言うことは座談会の中に私も入っているのかって?。い、いや、私は司会ですってば(司会はAだぞ)。あ、いや、記録係〜(^_^;)。