タバコについて


私は18でタバコを吸い始め、30でやめた。

なぜ、吸うようになったのか? 明確な理由があるわけではないが、多分浪人の時だから、受験に対するプレッシャーから来るストレスのせいだろう。

それと、いわゆる「カッコ付けたかったから」というのもあると思う。全然かっこよくなんかないのにね。

あと、「何でも経験してみなくては」という意識もあったと思う。「一応どんなものか知った上で判断してもいい」というような。

30になったらやめようと思っていたわけだが、結婚したこともその大きな理由だった。妻がタバコ嫌いであったし、子供にも良くないのは明らかだからだ。

「よく、やめられましたね。」と人に言われるが、私にとっては、別に何でもないことだった。

私は花粉症のせいで、春になるとタバコが吸えなかった。鼻がやられていると、吸ってもひとつもおいしく感じないばかりか、鼻がヒリヒリチカチカして不快この上ないのだ。

だから、「やめようと思えばいつでもやめられる」と思っていた。

タバコをやめるのに苦労している人がいるが、「タバコはなかなかやめられないものだ。」という先入観があるからやめられないのではないだろうか? 「そんなものはいつでもやめられるんだ」という決心さえすれば、いつでもやめられるはずだ。1日2箱位空けてしまうヘビースモーカーだった父でさえ、入院するとぴたりとやめてなんの苦痛も感じていなかった。

タバコを吸うとバカになる。これは確かだ。タバコを吸うと、一酸化炭素のために一時的に酸欠状態になり、脳細胞が確実に死んでゆくからだ。

私が思うに、タバコを吸う人はたぶん不幸な人だ。きっと何か忘れたいことがあるに違いない。様々なストレスにさらされて、逃れたい現実に取り囲まれているか、忘れたくても忘れられない思いを抱いている。それでつい、タバコに火をつける。しかし、もちろん、そう都合良くイヤなことが忘れられるわけじゃない。ストレスはストレスとして相変わらずそこにあり、仕方なしに現実と折り合いを付けるべく、新たな決意と共に灰皿で火をもみ消すのである。

昔自分も吸っていたくせに偉そうなことは言えないのだが、現在では、タバコの煙が大の苦手である。タバコを吸っている人には近付かないようにしている。副流煙のあのつんとするにおいには耐えられない。路上で吸ってる人がいたりすると思わず息を止めてしまうほどだ。

自分が吸っていたときにはこんなに周りに迷惑を掛けているなどとは思ってもみなかった。意外なことだが、吸っている本人の所には副流煙はあまり来ないので気がつかないものなのだ。

だから駅の全面禁煙には大賛成である。路上での歩きタバコも是非法律で禁止してほしいものだ。


私の主張に戻る   ホームページに戻る