
コンパスは磁北に対しての相対角度を示す物です。
コンパスの機能としては見ての通り、単に方位を示すにすぎませんが、コンパス無しでは知らない土地で行動できません。
ここでは磁針とリング、ベースがある構造のコンパスを説明していきます。
山の店で"SILVA COMPASSES"(Made in Sweden エバニュー取扱)等の名前で2000円くらいで売っています。別に"SILVA"じゃなくてもいいけど。
コンパスの使い方として以下のものがあります。
- 任意の方位を示す。
ベースの矢印を任意の方角(好きな方角)に向かせて、磁北との相対角を読む。
「こっちの方角はどの方位かな〜?」という使い方。
定規で「これは何cmかな〜?」と測る様なもの。
- あらかじめ設定した方位を示す。
ベースの矢印(度数線)とリングの矢印を任意の角度(好きな角度)にとり、リングの矢印を磁北に合せる。
「俺は北北東に進むんじゃい!」という使い方。
定規で「何cmの線を引く」様なもの。
基本操作

- ベース
- 四角い板の部分です。
- ベースの矢印
- この矢印を目的の方向に向ける。
- 度数線
- ベースと連動しています。リングの度数目盛を読みます。
- 磁針
- 磁北を示します。常に北を向いています。
- リング
- 方位の度数目盛が振ってあります。
- リングの矢印
- リングと連動しています。磁針と方向を合わせます。
ベース:baseplate
リング:bezel
と呼んだりする事もあります。
[使い方−1 任意の方位を示す。]
[0] 初期状態
今はコンパスをただ置いてある状態です。
磁針が斜め上に向いています。
磁針はコンパスをどの方向に向けても、常に北を指示します。
一連の説明では磁北は画面上から30°という事にします。
[1] ベースの矢印を好きな方位に向ける
さて、任意の方位を調べてみましょう。
ベースの矢印を好きな方位に向けて下さい。
例えば目の前にある山の方でもいいです。
[2] リングの矢印を磁北に合せる
次にベースの矢印の向きをそのまま動かさない様にして、リングを回してリングの矢印を磁針の北に合せます。
そしてリングの方位の度数目盛を読みます。 度数線(ベースの矢印の根元)と重なった方位がベースの矢印の方位です。
図では磁北に対してベースの矢印は90°(東)になります。
これでベースの矢印を向ければどんな方位でも分かりますね。
[使い方−2 あらかじめ設定した方位を示す。]
[1] リングを設定する
例えば40°の方位にベースの矢印を向けたいとします。
リングを回して、度数目盛の40°を度数線に持って来て下さい。
[2] リングの矢印を磁北に合せる
リングとベースの位置関係は動かさずに、ベースごと回します。 そしてリングの矢印を磁北に合せます。 この時、ベースの矢印が40°の方位です。
これは例えば40°の方位に進み続けたい時等に有効です。
一回設定すればコンパスをポケットにしまってもリングがずれる事はめったにありません。
しばらく歩いた後、ポケットからコンパスを取り出してリングの矢印を磁北に合せればすぐに40°の方位が分かります。
以上で使い方は終わりです。
[使い方−1 任意の方位を示す。]も[使い方−2 あらかじめ設定した方位を示す。]も最終的には
- リングの矢印を磁北に合せる
- リングの度数目盛を度数線で読む
コンパスの機能はたったこれだけですが、地図と組合わせると威力を発揮します。
磁北と偏差

なぜ偏差があるかというと、地球の磁北の極(北磁軸極)と北極点が一致しないからです。 地球の磁北の極(北磁軸極)はグリーンランドの北、スミス海峡付近にあり、長い時間かけて少しづつ移動しています。
右の図"N"が真北(延長線上に北極がある)で、矢印が磁北(延長線上に北磁軸極がある)です。 紫の部分が偏差です。 この図では7°になっています。
参考Web
大雑把に使う分にはあまり偏差を気にしなくてもいいと思いますが、偏差の補正のやり方を書いておきます。
一例として、”地図に磁北線をあらかじめ引く”というやり方があります。
使用する地図に偏差分傾いた磁北線をあらかじめ引いておきます。
そして地図の北を向ける時にこの“磁北線”に合せるのです。
[参考文献]
SILVA COMPASSES 取扱説明書